天抜き 其の三十一






 千五百一「常在戦場」

 士郎  「隙あり」
 セイバー「甘い」
 士郎  「ぐぅ、さすがセイバー、油断なしか」
 セイバー「当然です。いかに注意が他所に向いていようと、心…ああああッッッ」
 士郎  「そりゃ、片手で剣振り回したら、落ちるよな」
 セイバー「うう、ううう……」
 士郎  「いや、何処からでもかかって来いって言ったのはセイバーで……。
      わかったよ、落とした分のアイスクリーム買ってあげるから。
      だから、本気で泣かないで、ね?」



 千五百二「泳ぐが如く」

 士郎  「麺を茹でているの眺めてると、何だか和むんだ。
      変かな?」
 セイバー「いえ、幸せな気分になります」
 士郎  「そうか」
 セイバー「はい」
 士郎  「……」
 セイバー「……」



 千五百三「理由」

 凛「ふうん、士郎に珍しいから一口って言われて断ったと。
   いいんじゃない、別に。あいつ、そんな事で気にしたりしないわよ。
   うん、そうじゃないの?
   食べる事しか考えなかったのがって、何を落ちこんでるのよ。
   ああ、なるほど。……間接キスね。ふむ」



 千五百四「胸をはれ」

 桜「わたしは、事実を口にしただけです。
   また胸が大きくなって少し下着を買い換えないといけないって。
   なんでそれが、自慢げにとか嫌味言われなくちゃいけないんです。
   あんな眼で見られて。
   姉さんなんて、わたしが羨ましくなるところ他にいっぱいあるのに。
   間違ってますか、わたし間違ってますか。
   言ってください、姉さん」
 凛「……間違っていません。
   強くなったわね、桜」



 千五百五「夏と言えば」

 士郎  「そうだな、ひやむぎとか冷やし中華とか。西瓜にかき氷。
      うんと辛いもの食べるなんてのもありかな」
 セイバー「ふむふむ。それとタイガに教わったのですが」
 士郎  「藤ねえに?」
 セイバー「はい。枝豆とビールだそうです」
 士郎  「なるほど。あ、でもアルコールは駄目だぞ。
      セイバーは未成…………はて?」
 セイバー「はい?」



 千五百六「憧憬の」

 桜「わたし、先輩さえいればいいんです。
   先輩だけが欲しいんです。
   でも、わたしを選んでしまった先輩は、きっと先輩でないんです。
   難しいですね、先輩……」



 千五百七「選択の自由」

 シエル「少し気分を変えて、眼鏡を新調しようと思うんです」
 志貴 「ああ、印象変わるものね」
 シエル「ええ。良かったら、選ぶの手伝ってくれませんか?」
 志貴 「いいよ。お役に立つなら喜んで。
     ……自分のは選べないものなあ」



 千五百八「個人的には見たい」

 ライダー「どうしました、桜?」
 桜   「ライダーの格好、涼しそうだなあと思って」
 ライダー「わたしのですか?
      それはまあ……、ダメですよ、桜は」



 千五百九「つながり」

 桜「姉さんに、姉さんに、酷い。なんで、あの人は何もかも……。
   ……。
   ……。
   ……。
   でも、義妹、先輩の義妹。ふふふふふ」(妄想モード)



 千五百十「あんりみてっど」

 士郎「確かに、自分で料理作れば安く上がりますよ。
    でも、ちゃんとバランスのとれたものと思うと難しいですよ。
    一、二回だけなら、かえって高くつきます。
    買ったお米、余った野菜や肉、そうしたものをきちんと使いきろう
    と思ったら、何度か調理しないとダメです。
    そうしていると、また新たな食材を買い足して、それをまた……。
    つまり、ひとたび始めたら終わりはないんです。
    まあ、頑張ってください、黒桐さん」



 千五百十一「くるっぽー」

 セイバー「それをどうするのですか、シロウ」
 士郎  「うん、鳩に撒いてやるんだよ。そら、慣れてるから集まってくる」
 セイバー「なるほど」
 士郎  「セイバーもやってみる」
 セイバー「はい。……ほほう」
 士郎  「けっこうたくさん集まっ……、なんで急に逃げたんだ?」
 セイバー「つい、殺気が洩れたのでしょう」
 士郎  「殺気って、何を……。鳩料理?」



 千五百十二「対策要求」

 秋葉「くどいですね、クーラーも扇風機も我が家には不要です」
 志貴「そこを何とか」
 秋葉「随分と食い下がりますね。でも、ダメです。
    だいたい、兄さんはそんなに暑がってないじゃないですか」
 志貴「俺はね。じゃあせめて服を買ってくれ」
 秋葉「……服?」
 志貴「そうだなあ、可愛いワンピースか何か、薄手のやつ」
 秋葉「兄さん?」
 志貴「いや、レンが可哀相で」
 秋葉「あ、ああ。至急対処しましょう。
    と言うより、大丈夫なのですか、その様子?」



 千五百十三「とりあえず食欲はそそる」

 シエル「暑い時には、思いきって辛いものですよ、遠野くん。
     お野菜にお肉もたっぷりありますから、夏バテにもバッチリです」
 志貴 「冬は冬で、寒い時には芯まで温まるとか言ってた癖に。
     栄養を取っておかないと風邪引きやすくなりますよーとか言ってさ」
 シエル「何か言いました?」
 志貴 「おかわり。ご飯は半分くらいで」
 シエル「はい」



 千五百十四「片手だとふらついています」

 志貴「小さい子が大人用のフォークとか、大きなマグカップ持ってるのって
    可愛いよね」
 琥珀「そうですねえ。お掃除の道具で奮闘している姿なんてのも良いですよ」
 志貴「なるほどなあ」
 琥珀「ええ」
 志貴「でも、大ジョッキ持ってる姿って、何だか悪いもの見てる気がする」
 琥珀「わたしもです。
    はいはい、レンちゃん、それ置きましょうねえ」



 千五百十五「ともだち」

 シオン「敵対は出来ても裏切ることはできない存在。
     なかなか複雑です」(横を見つつ)
 さつき「うんん……、遠野くん。むにゃむにゃ)



 千五百十六「指に口を」

 シオン「おや、さつき。手から血が」
 さつき「あれ、どこかで引っ掛けたかな。すぐ治るよ、こんなの」
 シオン「そうですけど、手を貸してください」
 さつき「うん?」
 シオン「気休めですが……、消毒を」
 さつき「何だか恥ずかしいなあ……って、ダメぇぇぇぇ、それ吸血」
 シオン「ああッッ!?」



 千五百十七「剣は鞘の中に」作:真さん

   「“全て遠き理想郷”・・・失われた筈のセイバーの宝具が俺の身体の中に?」 
   「ええ。それが活性化しているらしいわ。伝説では、かの騎士王はいつの日にかそこ
    から帰還すると言う・・・・士郎の身体の異変はその前兆よ」 
   (お腹をいとおしげに撫でながら)「あ、いま蹴られた」



 ’04日本シリーズ絡みで

 千五百十八「縁を取るか嗜好を取るか」作:八番さん 

 セイバー「ぬぅ…。むむむむむ………。」 
 凛   「ねぇ、どうしたのあの子。ずっと難しい顔してるけど。」
 士郎  「日本シリーズでどっち応援するか悩んでるんだと。」 
 凛   「…竜と獅子、か。なるほどね。」
 セイバー「―――あぁッ、私は、私は一体どうすればっ。」   


 千五百十九「結論:花より団子」作:八番さん 

 士郎  「(ほっとくとノイローゼになりそうだな…よし。)」 
 士郎  「あー…俺は○武応援しようかなぁ。
      日本一になってくれればセールやるだろうし、食卓も豊かに」 
 セイバー「決めましたシロウ。
      我が魂は常に獅子の仔らと共にあることをここに誓います。」 
 凛   「―――シークタイムゼロセコンド。脊髄反射で返答したわね………。」  


 千五百二十「去年は大騒ぎしました」作:八番さん 

 藤ねぇ「ふんだ。阪○が出ないシリーズなんてどーでもいーわよぅ。」


 千五百二十一「親近感」作:八番さん 

 イリヤ「ねぇシロウ、ニホンシリーズって巨○は出ないの?」 
 士郎 「…いや、巨○はシーズン優勝してないから出れないけど。」 
 イリヤ「なーんだ、そうなの。」 
 士郎 「…意外だな。イリヤ野球に興味なんてあったのか?」 
 イリヤ「んーん、別に。ただバーサーカーが熱心に応援してたみたいだから。」 
 士郎 「意外にも程があるな。」  


    以上です。



 千五百二十二「ねこみみ」 

 秋葉「その……、兄さん……」(恥ずかしそうに)
 志貴「うん……(猫又の時はああなのに、これは……)」


 千五百二十三「ねこみみ2」 

 ライダー「わたしには、こんな可愛い飾りなど……」
 士郎  「ダメ、つけて見せて」
 ライダー「士郎…、どうしても、これを?」
 士郎  「早く」
 ライダー「う、うう……」
 士郎  「(なんでこんなにゾクゾクするんだろう?)」
 

 千五百二十四「ねこみみ3」 

 橙子「ふむ、誰も何も言わずに終わったか」(外す)



 千五百二十五「冷蔵庫はすでに」

 士郎「試しに、もういいですって言われるまで料理作ってみようと思っただけ。
    そりゃ様子見て、止めようとは考えてたよ。
    でもまさかずっと止まらないなんて……、うん、だから来る時、食材頼む。
    鍋に火かけたままだから電話切るな、うん、頼む」



 千五百二十六「寝耳に水」

 桜 「はい、先輩。今月分のです」
 士郎「桜は料理もしてくれるし、いいんだぞ」
 桜 「そういう訳にもいきません」
 士郎「わかった。でも、別に食費なんていいのにな」

 凛   「え?」
 セイバー「ええっ?」
 


 千五百二十七「転んで」 

 幹也「大丈夫、どこか痛めなかった?」
 藤乃「……痛くはないですけど、恥ずかしいです」



 千五百二十八「血筋」

 橙子「そう言えば、二人のご両親はどんな方なのかな?」
 幹也「いたって普通ですよ」
 鮮花「そうですね。一度、挨拶してもらった方がいいかしら。
    二人してお世話をかけていますし」
 橙子「いや、別段そんな気遣いは不要だが」
 幹也「でも、二人とも所長のこと気に入りますよ」
 鮮花「やっぱり兄さんもそう思いますか」
 橙子「そんな規定事実のような顔で……、ああ」
   (二人の顔と、脳裏に浮かぶ秋巳刑事の顔を思い浮かべて)
 


 千五百二十九「仮定家庭」

 藤ねえ「士郎とイリヤちやんて本当の兄妹みたいね」
 士郎 「そう見えるのか」
 イリヤ「ある意味、間違いではないし」(小声)
 藤ねえ「じゃあ、わたしもイリヤちゃんのお姉さんなのね」
 士郎 「うーん」
 イリヤ「ええー」
 藤ねえ「なによー」


 千五百三十「仮定家庭2」

 藤ねえ「そうか、イリヤちゃんのお母さんになる可能性もあったんだ」
 イリヤ「え?」
 士郎 「うん?」
 藤ねえ「切嗣さんが、いたらね」(小さく、そっと呟くように)



 千五百三十一「空想具現」 

 志貴「お帰り、秋葉」
 秋葉「ただいま帰りました。…珍しいですね、兄さんがお出迎えなんて」
 志貴「たまにはね。ずそんなに驚かれるとは思わなかった」
 秋葉「いえ、車の中で考え事をして、頭が切り替わっていなかったので」
 志貴「ふうん。さ、中に入ろう」
 秋葉「はい。……あんな事考えていて当人が現れたら、それはびっくり
    しますとも」
 志貴「何か言ったか?」
 秋葉「いえ、何も」



 千五百三十二「ある日常」 

 士郎  「セイバー、喜んでくれ」
 セイバー「どうしました、シロウ?」
 士郎  「少し遠いけど、いい店を見つけたんだ。食べ放題で、ここなら…」
 セイバー「シロウ、そのちらしの店でしたら、既に……」(哀しそうに)
 士郎  「そうか、“セイバー禁止”か」
 セイバー「はい」



 千五百三十三「ベッドの中で」 

 アルク「志貴、来てくれなかったから、ずっと寝てたけど……。
     1日ってこんなに長いんだ。知らなかった」



 千五百三十四「表情」

 翡翠「どうかなさいましたか、志貴さま?」
 志貴「うーん、何だかお腹がすいて。夕飯はまだだし」
 翡翠「それでは、何か作っ…………、持って参ります」



 千五百三十五「聖女の装い」 

 シエル「単なる戦闘服です」
 志貴 「そうかなあ」
 シエル「着る人が着れば清楚に見えるかもしれませんけどね」
 志貴 「でも、先輩にはよく似合っているよ」
 シエル「そう…ですか?」
 志貴 「うん。先輩だって内心ではそう思っていない?」
 シエル「……少しだけ。って、酷いです遠野くん、笑うなんて。遠野くんッッ」



 千五百三十六「おいしくないのは誰のせい」作:MCさん 

 凛「むしろ誇るべきじゃない? イギリスの料理が
   不味いのは貴方がいい王様だった証拠じゃない」



 千五百三十七「CM効果?」 

 レン「……」
 志貴「え、食べてみたいって。
    うーん、まあ、美味しいらしいけど……」
   (スーパーで猫缶を差し出されて)
     


 千五百三十八「僕にはまだ……」

 シオン「さて、帰るとしましょう。
     帰る所が幾つもあるのも変なものですけど……」(笑みで)



 千五百三十九「剣に生き、剣に斃れ」 

 小次郎「他に選択肢がないというのも、時には強さにつながる。
     では…、参る!」



 千五百四十「省みて」 

 士郎   「うーん……」(疲れて寝ている)
 アーチャー「可能性、可能性か。ふむ、可能性……」(自嘲するように)



 千五百四十一「米は八十八回」 

 凛   「最近、おかわりが少ないわね?」
 セイバー「良く噛んでゆっくりと食べるという技を習得しました」
 凛   「技?」



 千五百四十二「攻守」 

 琥珀「あら、負けちゃいましたねー」
 志貴「意外と琥珀さん、ギャンブラーだね」
 琥珀「ゲームですし、勝負しませんと」
 志貴「意外だ」
 琥珀「そうですか。わたしらしくないですか?
    でも、万に一つのチャンスにかけるのは楽しいと思います」
 志貴「そんなものかな」
 琥珀「では。もうひと勝負」
 志貴「はい。(で、守っている時は揺ぎなく鉄壁な辺りが……らしいなあ)」



 千五百四十三「禁忌」 

 橙子「師匠の情夫を誘惑するとか」
 藤乃「友達の恋人に手を出すとか」
 式 「他人の男に横恋慕するとか」

 鮮花「ありふれているって言いたいわけ?」
 三人「別に」



 千五百四十四「良く似ている瓶」 

 翡翠「あ……」
 琥珀「どうしたの、翡翠ちゃん?」
 翡翠「いえ、たいした事では。
    ソースとお醤油をかけ間違えてしまっただけです」
 琥珀「あら〜。
    さすがに、合わないわね、これは」
 翡翠「そう…志貴さま、どうかなさいましたか?」
 志貴「いや、さすがに不味いよね」
 翡翠「はい」
 志貴「そうだよねえ」
 翡翠「志貴さま、どうしてそんな不思議そうな顔をなさるのです」
 志貴「いや、なんでもない」(その皿と翡翠とを見比べながら)
 


 千五百四十五「以心伝心ともちょっと違う」 

 蒼香「うーん。
    何だっけかなあ。
    ええと……。
    ここまで、出かかっているんだけど。
    ……。
    ああ、いらいらする。
    あれなんだよ、あの、ええと……」
 羽居「ヒポポタマス?」   
 蒼香「え。おお。
    そうそ、それ。
    ああ、すっきりした。
    …………何故、わかった?」



 千五百四十六「一方通行」 

 幹也「ひとつ質問なんですが」
 橙子「うむ、何かな」(布で古びた十字架を磨きつつ)
 幹也「オークションで競り落とした宝物とやらは、価値があるんですよね」
 橙子「一般的な価値は、まあ別だな。
    でも、見る者が見れば垂涎の的となるものもある」
 幹也「買うだけでなくて、少しは売ってみるという発想は無いんですか?」
 橙子「……え?」(心底意外そうな顔で)



 千五百四十七「選択の余地」 

 藤ねえ「士郎、本当にわたしで良かったの?」
 士郎 「何を今更。もう衛宮大河なんだぞ」
 藤ねえ「それはそうだけど」
 士郎 「他に女の子なんて縁が無かったしなあ」
 藤ねえ「うーん」(いろいろ考え込む表情で)
 


 千五百四十八「年末」 

 アルク「志貴ー、はい、これ」
 志貴 「何だ、これ?」
 アルク「ボーナス」
 志貴 「いや、何かおまえ勘違いしてる」
 アルク「そうなの?」
 志貴 「ああ」(封筒の重みに心惹かれつつも、笑顔で返す)



 千五百四十九「呼び名」 

 藤乃「鮮花のお兄様」
 幹也「ああ……」
 藤乃「どうしたんですか? 鮮花の…」
 幹也「鮮花はいらないから、もう一回」
 藤乃「え? ええと……、お兄様?」
 幹也「ああ」(感極まった表情)



 千五百五十「上下関係」 

 綾子「頑張ってるわね、桜」
 桜 「はい、先輩」

 桜   「じゃあ、お留守番お願いね」
 ライダー「行ってらっしゃい、桜」

 ライダー「……」
 綾子  「な、何だろう。言う事きかないといけないような?」
 ライダー「……」(微かに笑み)


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