天抜き 其の三十二






 千五百五十一「おでん」

 セイバー「はふ、ほふぅ…うふぅ」
 士郎  「全種類を一個ずつか。結構かかるなあ」
 セイバー「ふぅ、美味しいです、シロウ」
 士郎  「まあ、いいけど」



 千五百五十二「おっぱい」

 イリヤ「リズは、どこが失敗なの?」
 リズ 「これ」(ゆさゆさ)
 イリヤ「失敗なの?」
 リズ 「わからない。でも、ダメらしい」(たゆん)
 イリヤ「ふうん」(納得いかない顔)



 千五百五十三「ときめき」

 秋葉「……だから、兄さんを学校に連れてくるのは嫌だったんです!」



 千五百五十四「救急車」

    ぴーぽーぴーぽー……

 士郎「何か事故でもあったかな」
 桜 「大事でないといいですけど」
 士郎「そう言えば、家にはまだ救急車来た事ないな」
 桜 「そうですか」
 士郎「うん」
 桜 「(だからどうしたんですか、って言えない雰囲気は何かしら?)」


 千五百五十四ノ二「ご利用は計画的に」作:White Snowさん

 士郎「――警察は何度も来てるんだけどなぁ……」
 桜「ええっ!? それって……」

 藤ねぇ「士郎! 見て見て、感謝状。また銀行強盗捕まえちゃった」
 士郎「またかっ! そーゆのは危ないって言ってんだろっ!」

 桜(……ほっ。良かった。わたしはてっきり……)



 千五百五十五「佇む」 

 志貴「翡翠がそうやって立っている時って何をしているの?」
 翡翠「監視ですが、何か?」
 志貴「いや」(訊かなきゃ良かったという顔で)



 千五百五十六「スタイル」 

 士郎「魔術師っていうのは職業かな、それとも生き方?」
 凛 「生き方だと思うわ、あえて言えば」
 士郎「なら、魔術師の執事とか、魔術師の料理人とかもありだな」
 凛 「…………ありよ」



 千五百五十七「出席」 

 葛木「斉藤」
 生徒「はい」
 葛木「む、確認するが、字はこれで合っているのか?」(出席簿を見せる)
 生徒「正確には齊藤です」
 葛木「訂正してこよう。それまで自習とする」



 千五百五十八「報いる」

 セイバー「その……、いつもシロウに料理を作ってもらっているので」
 藤ねえ 「たまには二人でお返しをしようかな、なんてね」
 士郎  「そうか。それには最初にお礼を言おう。ありがとう、二人とも」
 凛   「それには最初に……ね」(辺りの惨状を眺めつつ)



 千五百五十九「巻き込み危険」 

 ライダー「どうしました、士郎?」
 士郎  「いや、よく自転車とかバイク乗って髪の毛平気だなと思って」
 ライダー「ふッ」(当然という顔)



 千五百六十「理解」 

 藤ねえ「遠坂さんて、褒められるより悪口言われて力出す性格よね」
 凛  「そう見えます?」
 藤ねえ「うん。味方にすると頼もしいけど、それより敵にすると恐いタイプ」
 凛  「否定は出来ないですね」
 藤ねえ「遠坂さんも小さい頃から苦労してたのね」
 凛  「……」(虚を突かれたように)




 千五百六十一「上か下か」 

 志貴「洗濯物まとめる時にでも落ちたのかな。
    それも洗う前と見た。とすると下手に拾うと逆鱗に触れるか。
    ……。
    うーんもこれだけ小さい布切れに良くあんな豊かなのが収まるよな。
    女の子って不思議だ」



 千五百六十二「ピロートーク」

 志貴「秋葉は妹じゃなくて、俺の恋人だろ。
    ……いい言葉だと思うんだけどなあ、なんで怒らせたんだろう」



 千五百六十三「シェイクスピア」

 アルク「確かに蛇を痛めつけた。だが、まだ殺していない」
 シエル「でも、他人の目を借りて幸福を覗き込むなんてあまりに辛い!」
 秋葉 「あれは他愛もない過ちだったと思うことにしよう。
     私を忘れ、思いのままのしたい放題も」
 琥珀 「芝居はしまいまでやらせてくれ」
 翡翠 「あいつは俺と結婚したんだ。俺の服とじゃない」



 千五百六十四「ポテトチップス」
 
 士郎「あんなに上品に食べて、どうやって屑一つなく食べ終えたんだろう?」



 千五百六十五「釣り」 

 セイバー「ただ、水面を眺めているだけのようで、これも趣がありますね」
 士郎  「もうちょっと成果がありそうなものだけどなあ」」
 セイバー「心穏やかになりますよ。こんな一時も大切でしょう」
 士郎  「そうだな。そのうち当たりもでるさ。
      それにしても、なんで……」
 セイバー「同じような道具に、餌。我々の修練が足りないのでしょうか」
 士郎  「うーん」

 藤ねえ 「ほら、士郎、セイバーちゃん。また釣れたよ、うわ、おっきい。
      何してるのよー、びくぅぅー、てつだってーー」



 千五百六十六「聖夜を迎えるにあたり」 

 志貴 「いや、俺も体は一つだし。
     夢見るのは自由? まあ、そうだけどさ」



 クリスマスもの25本 

 千五百六十七「遷都」

 琥珀「それでですね、こちらの部屋をメインとして…」
 秋葉「ちょっと待って。西の棟の部屋の方がいいんじゃないの?」
 琥珀「お忘れですか?」
 秋葉「え?」
 琥珀「去年のパーティでの惨状を。まだ復旧は……」



 千五百六十八「しっとりと柔らかく」

 凛   「どう、入魂の作よ。桜、切り分けて」
 桜   「はい。ナイフ入れるのが惜しいくらいですね」
 藤ねえ 「えー、食べないと勿体無いよー。ねえ、シロウ?」
 士郎  「そうだな。焼くだけならともかく、デコレーションとかは適わないな」
 凛   「ふふ、外観だけじゃないわよ。味わって驚きなさい。
      このクリームだって、ただの生クリームじゃないんだから」
 セイバー「あの……、凛……」
 凛   「セイバーはケーキ独り占めよ、よかったわね。
      さ、乾杯しましょう」
 セイバー「凛、すまなかったと思って…」
 凛   「焼きあがったスポンジをつまみ食いで半分以上食べちゃった誰かさん
      は置いておきましょう。二つ目も負けないくらい良く焼けたから」
 セイバー「スポンジだけでは、凛、私にもクリームを……」
 凛   「はい、グラスは持ったわね?」
 セイバー「凛……」



 千五百六十九「聖夜」

 式 「何故止めなかったんだ」
 幹也「冗談だと思ったんだ」
 式 「鮮花と藤乃が賛美歌を歌うってのはお似合いだけど、トウコまで」
 幹也「うん、自分も礼園出身だからって。
    それはそれで、三人ってのもいいかなって思ったしさ」
 式 「そうだな、そこまでは認める。
    でも、なんで、格好まで合わせるんだ。三人で制服姿って……」



 千五百七十「世界を遍く駆ける男」

 凛 「知名度というものが馬鹿にならないわけ。
    日本ではサンタクロースがサーヴァントになれば強いけど、カボチャ大王では
    そうはいかない。言わば、マイナス補正適用。わかる、衛宮くん?」
 士郎「わからない」



 千五百七十一「誕生日」

 志貴「だから、お前の場合、二倍おめでたいんだってば。
    わかるよな? ……うーん、困ったな」



 千五百七十二「七面鳥」

 士郎  「それで中に林檎を詰めておく……と。
      あれ、用意しておいたんだけどな。どこだ? なあ、さく…」

 セイバー「ずるいです、大河」
 藤ねえ 「えー、早い者勝ちだもん」

 士郎  「いや、何でもない。わかったからいいや」



 千五百七十三「択一?」

 橙子「クリスマスプレゼントとボーナスではどちらがいいかね?」
 幹也「ボーナスです」
 橙子「そうか、では。現物支給だがね」
 幹也「なんだ。…………ねえ、橙子さん」
 橙子「何かね」
 幹也「クリスマスプレゼントの場合は何が貰えたんです?
    まさか同じものじゃないですよね」
 橙子「さてね。夢は大切だろう?」



 千五百七十四「あかとしろ」

 志貴「琥珀さん、琥珀さんッッ」(慌てた様子で)
 琥珀「はい、どうかなさいましたか?」
 志貴「こ、これは琥珀さんが?」
 琥珀「ええと、レンちゃんの格好ですか?
    そうですよ、クリスマスらしく。似合うでしょう」
 志貴「それは、もう。バッチリです」(力強く)

   サンタ装束でとてとて歩いているレンの姿……。



 千五百七十五「求めと応え」

 士郎「プレゼントか……、遠坂が欲しいな」
 凛 「いいわよ」(あっさりと)
 


 千五百七十六「何があった?」

 藤乃「あの」
 鮮花「何、藤乃?」(フォークを持った手を止めて)
 藤乃「ケーキには罪は無いのではないかと……、何でもないです」



 千五百七十七「二つは選べないもの」

 晶「クリスマス? 素敵な夜? デート?
   そんなものッッッ、ああ、終わらない、間に合わないよー」(修羅場中)



 千五百七十八「ローマじゃないけどね」

 シエル「こんな馬鹿騒ぎではなくてですね、本当はもっと慎ましいものなんです。
     家族の団欒とか、ささやかなご馳走とか……。
     いえ、商業主義的なのは、それはそれで。
     郷に入りては……と言いますし。乾杯!」



 千五百七十九「プレゼント交換」

 琥珀「もちろん、志貴さんのが欲しいというのも大きいんですけど、
    一体何を選んだんだろうって興味が。ええ、わたしもですよ」



 千五百八十「意外と気が合わんか、この二人」

 言峰    「善意と喜びに溢れたこの日よ。
        素晴らしきかな、クリスマス」
 ナルバレック「まったく同意だ。
        人々に幸せを。せめて今夜は地には平和を」



 千五百八十一「影が重なる距離」

 翡翠「重くありませんか、志貴さま?」
 志貴「平気、平気。これくらい軽いよ。
    あとは何かな?」
 翡翠「そうですね、あと一軒寄って頂ければ済みます」
 志貴「了解。プレゼントも用意できないし、これくらいしないとな」
 翡翠「志貴さまとお買い物。……嬉しいプレゼントです」(小声)
 志貴「何か言った?」
 翡翠「いいえ」



 千五百八十二「占有権」

 桜 「クリスマスの料理と言えば、やはり和食でも中華でもなくてですね、
    腕を振るうのは……、聞いてませんね、まったく。
    あ、先輩、サラダはわたしの持ち分です、ダメですってばッッ」



 千五百八十三「例年のプレゼント」

 士郎  「藤ねえのクリスマスプレゼントは楽しみなんだ」
 セイバー「ほほう」
 士郎  「今年は何をくれるのかな」
 セイバー「やはり、大河も姉らしい処があるのですね。
      シロウがこんなに心待ちにするとは」
 士郎  「悪くはないんだけど、変な方向にピントが外れてるんだ。
      でも、嬉しいし、こんなのは藤ねえじゃなきゃ無理だしね」



 千五百八十四「溢れ出るほど」

 秋葉「ご苦労様」(募金箱へ紙幣数枚)
 志貴「おい、秋葉」
 秋葉「なんです?」
 志貴「いや、募金にしては大金だなって」
 秋葉「クリスマスですし、幸せのお裾分けですから」
 志貴「お裾分けであんなに?」
 秋葉「兄さんと街を歩いているんですよ、これでは足りないくらいです」



 千五百八十五「O・ヘンリー」

 志貴「時計と髪? ええと…『賢者の贈り物』か」
 秋葉「ええ。なかなか味わい深いお話ですよね、あれは。
    互いを想っていて、皮肉なすれ違い」
 志貴「そうだな」
 秋葉「そうですよね」(思い出すように)
 志貴「……」(同じく)



 千五百八十六「琥珀さんだから」

 志貴「ポインセチアって言うんだ、その花」
 琥珀「ええ、緑と赤でクリスマスっぽいでしょう?」
 志貴「ああ、なるほど」
 琥珀「だけど、こうまで鮮やかだと血みたいですね、ふふふ。
    あ、なんで、そんなに退いちゃうんですか、志貴さん?」



 千五百八十七「飾りつけ」

 士郎「柊の木……、棘があって魔よけになるのか。なんだか連想させられる」
 凛 「何か言ったかしら、衛宮くん?」
 士郎「いやいや」(さりげなく後ずさり)



 千五百八十八「シャンパイで乾杯」

 志貴「なんで、みんなして俺に向けて栓飛ばすのさ」
 一同「さあ?」



 千五百八十九「レンも手伝ってたりする」

 シエル「ヤドリギのガーランドですか」
 アルク「うん。それとね、この飾りに、こっちも……」(がさごそ)
 シエル「意外ですね、彼女が」
 志貴 「そうだね。案外ちまちましたの作るの好きらしい」
 シエル「うーん。飽きっぽそうなのに……」
 アルク「それからねえ、って聞いてる?」



 千五百九十「雪男と雪女だとまた違うし」

 幹也「そう言えば、なんでスノーマンなんだろう」
 式 「さあ、誰かが性別確認したんだろ」
 幹也「まさか」
 式 「でも、雪だるまが雪だるま作ってる光景よりはありそうだろ?」
 幹也「うん。なんだかシュールだよね、これ。橙子さんかなあ」



 千五百九十一「クリスマス中止のお知らせ」

 イリヤ「なんでよー」
 藤ねえ「そうよ、酷いー、士郎ー」
 凛  「横暴ね」
 桜  「もう……、少し先輩を安静にさせてあげて下さい」


 以上



 千五百九十二「年末年始」

 士郎  「よし、おせちもいよいよ全部公開」
 藤ねえ 「今年はまた豪勢ねえ」
 士郎  「遠坂が中華風の作り出したら、対抗上こちらも……。
      それに食べる人数が違うからな」
 藤ねえ 「なるほどね。それにしても美味しそう」
 士郎  「それと、そろそろ、ああ、雑煮が出来たみたいだ。
      桜、手伝うよ」

 セイバー「年越し蕎麦の次は、こんなご馳走が……。
      ああ、日本の文化とは素晴らしいものですね」
 凛   「文化ねえ」



 千五百九十三「羽子板1」

 士郎「だから、熱くなって力いっぱい叩くなって昔から言ってるだろ、藤ねえ。
    お、もう少し……、指が届く」


 千五百九十四「羽子板2」

 セイバー「くッ……、そこッッ」
 アーチャ「ぬ、甘いな。それッッッ」

 桜   「凄いですね、先輩」
 士郎  「ああ。目隠しして、音と気配で打ち合いって……」


 千五百九十五「羽子板3」

 凛 「負けは負けね。さあ、衛宮くん?」
 士郎「あ、ああ」
 凛 「どうぞ、顔に×でも○でも書いて下さい?」
 士郎「あ、ああ」(脂汗を浮かべ、筆を持つ手を可哀相なくらい振るわせつつ)



 千五百九十六「年賀状」

 士郎「さすがに、遠坂は年賀状多いな」
 凛 「まあね。あら、この子は出してない。こっちにどけてと。
    わあ、綺麗な絵。これは版画か、なかなか」
 士郎「ただ、ひとつ疑問なんだけど?」
 凛 「うん……?」
 士郎「なんで、遠坂宛のが俺の家に届くのさ」



 千五百九十七「和服で」

 志貴「へえ、うん、みんな綺麗だね」
 秋葉「珍しいですね、兄さんが率直に」(と言いつつ嬉しそう)
 翡翠「……」(顔を赤く)
 志貴「あれ、琥珀さん、どうしたの?」
 琥珀「あまり代わり映えしないなという顔をされたので。……されたんです」



 千五百九十八「相性」

 シエル「もとはお米なんだから、それはカレーに合いますよ。
     あ、また焼けましたね」



 千五百九十九「初詣」

 琥珀「志貴さん、真剣な表情で拝んでましたね」
 秋葉「そうね」
 琥珀「でも、長々と手を合わせるんじゃなくて、驚くほど……」
 秋葉「短かったわね。いったい何を?」



 千六百「年明け」

 志貴 「もっと餅食べるか?」
 アルク「うん、もう一つ貰う」
 志貴 「他にも欲しいものあったら遠慮せずに言えよ」
 アルク「うん。ねえ、志貴」
 志貴 「なんだ?」
 アルク「みんな、おめでとうって言うけど、何かあったの?」
 志貴 「え?」
 アルク「うん?」
 志貴 「何か深い意味じゃなくて、そのまんまか。
     アルクェイドらしいと言うか。ええとな、新年が……」


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