天抜き 其の三十六






 千七百五十一「根負けでなくてね」

 士郎「藤ねえに言い包められると……、ちょっと不思議な気持ちになるな。
    なんでかわからないけど」
 


 千七百五十二「だって…」

 鮮花「どうしたの、藤乃。変な顔して」
 藤乃「ええと。下級生に……」
 鮮花「うん?」
 藤乃「…その……、ええと……」
 鮮花「もしかして、お姉さまになって下さいとでも言われた?」
 藤乃「え、なんでわかったの」
 鮮花「あ、正解なのか」
 藤乃「それで、どうしたらいいか鮮花に訊かなくちゃと思って」
 鮮花「なんで、わたしに?」
 藤乃「それは……」(言葉にし辛そうに)



 千七百五十三「眠り手の」
 
 琥珀「あら、志貴さん。どうなさっ…静かに?」
 志貴「ほら」
 琥珀「秋葉さま……、珍しいですね、うたた寝なんて」
 志貴「うん」
 琥珀「それで、秋葉さまの寝顔を眺めてらしたと」
 志貴「それもあるけど、ほら。
    レンが抱かれてて逃げるに逃げられなかったみたいで」
 琥珀「あらあら。それで一緒に眠ってしまったんですか」
 志貴「うん、可愛いよねえ」
 琥珀「そうですね。
    ……秋葉さまには聞かせられませんけど」(小声)
 


 千七百五十四「空港にて」作:紅雪 雅弥さん

 士郎・アーチャー「何故だ・・・・・なんで金属持ってないのに金属探知機がなるんだ!」

    金属探知機に引っかかり続け、留守番決定



 千七百五十五「飛行機には動物は乗せれません」作:紅雪 雅弥さん

 ネロ「何故、私はここに居るのだろうか」

    飛行機の中の檻中にて



 千七百五十六「万博」作:紅雪 雅弥さん

 シエル「せっかくなので母国の料理を食べに行くことにします」
 志貴 「インドですか?」



 千七百五十七「万博、入場ゲート前にて」作:紅雪 雅弥さん

 士郎・アーチャー「またかよ」

     二人だけ金属探知機から脱出できず、ゲート前で留守番 



 千七百五十八「そこに山があるから」

 シエル 「……」
 セイバー「……」
 藤ねえ 「……」
 志貴  「……」

   それぞれの前に積まれたものを延べよ。



 千七百五十九「小言幸兵衛」

 志貴「……確かに俺が悪かった。以後、気をつける」
 秋葉「わかっていただけたなら結構です」
 志貴「へ? あ、いや、うん」(腑に落ちない顔で退席)
 琥珀「秋葉さま、随分と今日はあっさりでしたね。
    志貴さんも不思議そうなお顔でしたよ」
 秋葉「別に常に兄さんをがみがみと叱っている訳ではありません。
    それに……だんだんと快感になりそうだから怖いし」(小声)
 琥珀「もう、手遅れでは?」(聞こえない程度の声で)



 千七百六十「望み」

 秋葉「そうですね、特に欲しいものもありませんが」
 志貴「確かに、そうかもしれないな」
 秋葉「せっかく兄さんが言って下さったのですから、何か……。
    そうだ」
 志貴「うん」
 秋葉「一日、兄貴風を吹かせて下さい」
 志貴「それって、どういう」
 秋葉「兄さんぶって、妹に理不尽な事を言って下さい。
    私に文句言われても気にも留めない、そんな兄さんに」
 志貴「そんなのでいいの?」
 秋葉「はい」
 


 千七百六十一ノ一「メカ翡翠って なにで できてる?」作:がんさん

        ♪メカ翡翠って なにで できてる?
          メカ翡翠って なにで できてる?
          科学と 魔術と
          遠野のお屋敷 裏帳簿
          そんなもので できてるよ


 千七百六十一ノ二「日経新聞 読みながら」作:がんさん

  志貴「鉄鋼の需要が拡大か……
       どこでそんなに使っているんだろうね?」
  琥珀「どこでしょうねぇ。」


 千七百六十一ノ三「メカ翡翠って なにで できてる? そのに」作:がんさん

        ♪メカ翡翠って なにで できてる?
          メカ翡翠って なにで できてる?
          鋼と 血液と
          志貴さん こづかい 千年分
          そんなもので できてるの


 千七百六十一ノ四「テレビでニュースを 聞きながら」作:がんさん

  志貴「全国的な血液不足か……
        なんでそんなに足りないんだろうね?」
  琥珀「だれでしょうねぇ。」


 千七百六十一ノ五「メカ翡翠って なにで できてる? そのさん」作:がんさん

        ♪メカ翡翠って なにで できてる?
          メカ翡翠って なにで できてる?
          電子の頭脳に 奉仕の心
          志貴さん分を フル充電
          そんなもので できてるね


 千七百六十一ノ六「『志貴さん分』?」作:がんさん

  志貴「俺分?」
  琥珀「そうですよ。
        メカ翡翠ちゃん達の動力源は『志貴さん分』です。
        毎晩充電してあげてくださいね。」

  志貴「俺分?」
  琥珀「はい。」 


  ※メイドロボの栄養源は,「なでなで」と相場が決まっています  


 千七百六十一ノ七「琥珀秘密工場」作:紅雪 雅弥さん

 志貴「ひょっとして秘密工場にあるのやつ全部ですか?」
 琥珀「ハーレムですよ〜」 



 千七百六十二「認識」
 
 士郎  「じゃ、食べようか」
 セイバー「いただきます」
 凛   「いただきます」
 桜   「いただきます」
 藤ねえ 「いただきまーす。
      ねえ、士郎、こうしてみると女の子に囲まれてるね」
 士郎  「そうだな」
 藤ねえ 「ハーレムみたいじゃない?」
 士郎  「そうかあ」(素でそっけなく)



 千七百六十三「野菜とお肉を煮込んで」

 士郎 「なぁ、藤ねえ」
 藤ねえ「カレー作ろうとしただけだもん」
 士郎 「それがシチューになったならわかるさ。
     肉じゃがとか野菜のごった煮になるのも理解は出来る。
     でも、これって……」
 藤ねえ「おかしいよねえ」(皿に盛り付けながら)
 士郎 「食べるのかよ」(でも手伝っている)



 千七百六十四「人間の格とは違いますが」

 志貴 「そうだなあ、シエル先輩はクラス委員長って似合う気がする」
 シエル「そうですかね」
 秋葉 「私はどうですか、兄さん」
 志貴 「秋葉はクラス委員長とは違うなあ」
 シエル「役不足と言うか」
 志貴 「生徒会長かな」
 シエル「そうですね」
 秋葉 「何なんです、お二人のその嫌そうな顔は?」



 千七百六十五「夢見て練習したりする訳ですよ」

 志貴「翡翠や琥珀さんはわかるんだけどさ、
    なんで秋葉も正面からネクタイ結べたりするの?」



 千七百六十六「ライスの場合と違う」

 志貴 「カレーパン?」
 シエル「いえ、パンカレーですよ」
 志貴 「それって……、ああ、なるほど」
 シエル「美味しいですよ」



 千七百六十七「伝統と格式はあります」

 志貴「浅上って、凄いお嬢様学校なんだよね」
 晶 「へ?」
 志貴「ん?」
 晶 「あ、ああ。そ、そうですとも、ええ」
 志貴「んん?」



 千七百六十八「よく考えると」

 士郎「美綴って、桜とも遠坂とも親しかったんだよな」
 綾子「うん、そうだね」
 士郎「凄いな、それって」
 綾子「そうか?」
 士郎「うん」



 千七百六十九「どんな組み合わせで、どんな状況なのか」

 藤ねえ「うーん、なんだかギスギスしてるねえ、士郎?」(もぎゅもぎゅ)
 士郎 「平然と飯食べて、そんな台詞はけるんだな、藤ねえ」
 藤ねえ「んんん? よくわからないけど、おかわり」
 士郎 「……ああ。ある意味、ほっとするけど」(周りを見て溜息)



 千七百七十「まるでそれは精巧な」

 橙子「この部屋にいる女の子を人形として作るとすると、誰が一番似合うと思う?」
 幹也「それは、もち……誰でしょうね」
 橙子「ちッ」



 千七百七十一「シミュレート」

 式 「……」
 藤乃「……」
 式 「この距離なら、おまえだろう。あと一歩進めばわからないが」
 藤乃「……何がですか?」
 式 「さあ」
 藤乃「……」(視線を逸らす)
 式 「……」(同じく)



 千七百七十二「二段仕掛け」

 翡翠「何故、姉さんではなくて、わたしから提案するの?」
 琥珀「翡翠ちゃんの方がすんなり皆に受け止めて貰えるから」
 翡翠「姉さん……」
 琥珀「それと、いざ承諾されてから発案者が判明するとね、
    いろいろ深読みして貰えるから」
 翡翠「……姉さん」



 千七百七十三「戦闘力」

 青子「別に魔法使いを倒したからと言ってね、
    代わって魔法使いになれる訳じゃないんだけどねー」



 千七百七十四「なまじ客観視点を持つと」

 志貴「ときどきアキラちゃん、凄く自虐的な笑みを浮かべるけど、
    あれ、なんなんだろうなあ」



 千七百七十五「一概には言えませんが」

 幹也「そう言えば女性の名前で、子をつけるのって世代的に…」
 橙子「何かしら、黒桐くん」
 幹也「素敵な名前ですね」
 橙子「そうかね」(素に戻り)



 千七百七十六「フローズン」

 幹也「アイスクリームの美味しい季節になるね、式」
 式 「一年中美味いだろう」
 幹也「そうだね」
 式 「もう少し実りある会話を続ける努力はするから、その顔は止めてくれ」



 千七百七十七ノ一「想像する、本能として」

 羽居「でもね、どうしても小さくなっちゃったブラは付けられないし。
    ん、どうしたの、お兄さん?」
 志貴「いや、別に(どう返せば、というか何で俺にこんな話を?)」


 千七百七十七ノ二「訊いてみました」

 羽居「だって、蒼ちゃんとか秋葉ちゃんに話すと怒り出すんだもの」
 志貴「……なるほど」
 羽居「わたしだってずっとお気に入りのブラしてたいのにー」
 志貴「なるほど」(より力強く)



 千七百七十八「計画の崩壊」

 琥珀「志貴さんがいなければ」
 志貴「何か言った?」
 琥珀「べつーにー、なんでもありませんよー」
 志貴「何故に棒読み調」
 琥珀「さあ」(笑み)



 千七百七十九「小雨を縫って」作:zkuraLeさん

 シエル「どうしたんですか?」
 志貴 「あ、先輩。ほら……」(指差す)
 シエル「? …………」
 志貴 「冗談だったのに。服につく前に避けたら
    濡れずにすむって言ったら……」
 シエル「…………」(向こうではしゃいでるアルクと、志貴を交互に見て、複雑な表情)



 千七百八十「自覚症状」作:zkuraLeさん

 シエル「梅雨って憂鬱になりますよね」(窓の外を眺めながら)
 志貴 「そうだね」
 シエル「自分でも変なこと考えてるなって思うんですけど、この雨がすべてカレーだったら
     どんなにいいだろうかと……」
 志貴 「…………」
 シエル「いえ、分かってますよ? よく考えればそんなの無駄にしてるだけですよね。
     一瞬でもそんな思慮の浅いことを考えて、自己嫌悪で……」
 志貴 「…………」
 シエル「自分でも変だとは思ってるんですよ?」
 志貴 「……。ええと」(どう返答していいか分からず)



 千七百八十一「路上の城」作:zkuraLeさん

 シオン「もうすぐ一年になるんですね……。夏になってからこの国へ来て、正解でした」
    (かつての寝床を見やりながら)



 千七百八十二「相応の扱い」作:zkuraLeさん

 有彦「やべ、傘忘れた」
 志貴「バカだなあ」
 有彦「帰りに降ってなかったら忘れやすいだろ。そういうお前はマメになったな」
 志貴「……まあ、こんなもの持たせられたらなぁ」
   (一見するとそこらで売ってそうな傘を手にしながら)


 千七百八十三「相応の扱い2」作:zkuraLeさん

 秋葉「兄さんっ、なぜ傘を持っているのに濡れ鼠で帰ってくるんです!!」



 千七百八十四「嫌う理由」作:zkuraLeさん

 琥珀「私もあまり梅雨は好きじゃないんです」
 志貴「うん、まあ、好きな人のが少ないと思うよ」
 琥珀「ですよね。照度や湿度の管理とか大変ですし。ちょっとでも環境が変わると
    影響が出ますから、神経をとがらせちゃうんですよね」
 志貴「……えっと、何の話?」



 千七百八十五「思い巡らす」

 志貴「結束力か……」(あらぬ方を見つつ)



 千七百八十六「二つ名」

 女性陣「……」
 志貴 「言いたい事があるなら、はっきり言ってくれよ」



 千七百八十七「愛の逃避行」

 秋葉「隠し口座ぐらいでしたら、幾つもあります。
    お金でしたら心配する必要はありません」
 志貴「そうか。それなら安心だな」
 秋葉「……なんで落胆してるのかしら?」(小声)



 千七百八十八「あっさり脱ぎそうな気もするけど」

 琥珀「レンちゃん、そろそろ暑くない?
    もう少し涼しそうな可愛い服もあるんだけど……、そう」



 千七百八十九「熱い時の」

 志貴「そりゃや意外と夏に熱い鍋なんかもいいって言うけどさ。
    大勢で囲んで食べてとか、そういうの含めてじゃない?」
 琥珀「美味しいですよ」
 志貴「わかりました。食べますよ、一人で」



 千七百九十「教戒」

 シエル「死とはいちばん安易な解決方法ですよ、遠野くん」
 志貴 「確かに。簡単すぎる」
 シエル「多分、意味が異なると思います」
 志貴 「そうだね」



 千七百九十一「思い出」

 志貴 「あいつは楽しい事なんて何にも知らなかったんだ。
     だから少しでも、いろんな事を教えてやりたい」
 シエル「なるほど。でも……」
 志貴 「何さ、先輩」
 シエル「そういう遠野くんは、そんなに楽しい事がこれまでの人生にあったのですか」
 志貴 「ええと、その。……いや、あったさ。あったとも」
 シエル「泣かなくても……」



 千七百九十二「料理人」

 志貴「琥珀さんはどうして料理始めたの?」
 琥珀「自分で料理すれば、他人の作ったのを食べなくてすむじゃないですか」
 志貴「そうだね」
 琥珀「さて、お夕飯の仕込みをしないと。期待して下さいね」
 志貴「ああ。
    それで琥珀さん、どういう意味なの? 怖くて訊けないけど」(小声)



 千七百九十三「あたたかい」

 アルク「え、冬の間はみんなに人気あったのに、最近冷たい?
     どうしてかなあ」
 レン 「……」(共に首を傾げる)



 千七百九十四「アイスの美味しい季節」

 式 「なんだ、幹也」
 幹也「うん」
 式 「変な奴だな、もう一つあるから食べればいいだろう」
 幹也「そうする。
    別に銘柄にこだわってる訳でもなかったんだね」
 式 「何か言ったか?」
 幹也「ううん。美味しいね、かき氷」



 千七百九十五「稽古」

 志貴 「先輩、一応訊いておきたいんだけど」
 シエル「何です、遠野くん」
 志貴 「どのくらい本気でやるつもり?」
 シエル「そうですねえ、遠野くんがわたしの愛を疑う程度に」
 志貴 「それってどれくらいなのさ」
 シエル「わからないんですか?」(笑み)
 志貴 「とりあえず、こっちは最大限本気になります」
 シエル「では―――」



 千七百九十六「極限状態」

 晶 「志貴さん、もしもわたしが訳のわからない事を口走っても、
    気にしないでください」
 志貴「うん、わかった。でも、家帰った方が良くないかい」
 晶 「家は白いワニがいるのでまだ帰れません」(明るく)
 志貴「……そう。じゃあ、とりあえずご飯でも食べよう」
 晶 「はい」



 千七百九十七「違和感」

 秋葉「兄さん、一緒に写真を撮っておきませんか?」
 志貴「ああ、いいよ」
 秋葉「ではまず庭のほうへ」
 志貴「わかった。……撮っておきませんか?
    撮りませんか、でなくて」
 秋葉「どうなさったんです?」
 志貴「ごめん、すぐ行くよ」



 千七百九十八「隣の芝生なだけでなく」

 綾子「わたしにも素敵な恋人できたし、何の不満もないんだけど。
    遠坂たち見てると少し変な気持ちになるのは、何故なんだろう」



 千七百九十九「メイドさんのいる生活」

 秋葉 「別に、当たり前にいるものだし」
 イリヤ「そうよね」



 千八百「何だか素直に聞けない」

 志貴 「暑いなあ」
 アルク「だらしないなあ、志貴」
 志貴 「だって、こんな急に暑くなって。喉渇いたな」
 アルク「はい」
 志貴 「ありがとう。って、何だよ、これ」
 アルク「暑い時には、熱いお茶がいいのよ」
 志貴 「そうは言うけどさあ」
 アルク「うん、涼むね」
 志貴 「お前に言われてもなあ」


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