天抜き 其の四十九






 二千四百一「入れ替わりでなくてね」

 志貴「琥珀さんが琥珀さんのままで翡翠の格好している姿が見たいな」
 琥珀「そうですか?」
 志貴「翡翠が翡翠のままで琥珀さんの格好している姿も見たいけど」
 琥珀「ん……、ああ、なるほど。
    それは良い、良いですよ、志貴さん」



 二千四百二ノ一「あなたは何をもってご自身の存在を正当となさいますか?」

 幹也「結局のところ、魔術師って何をする人なんですか?」
 橙子「……む、なんだ、その、答え難い問いだな。
    いろんな意味で」
 幹也「そんな深い意味は無いんですが」
 橙子「表層的でも、それはそれで難しい。いや、難問だな、まったく」


 二千四百二ノ二「帰納」

 幹也「今まで見た事のある人を足して割れば、魔術師の何たるかを
    理解できるんでしょうか」
 橙子「あー? やめておけ。
    他人の事は言えんが、どれも……、いや、あんなものか。いやいや。
    かといって他の連中はと言っても、うーん」
 幹也「何となく答えの一端は得た気がする。
    あるいは答えが出ない理由の一端か」


 二千四百二ノ三「演繹」

 橙子「例えば、黒桐、きみを理解して、世の半分を占める男性を理解したと
    言えるかといえば、違うだろう」
 幹也「平均値の参考にはなると思いますけどね」
 橙子「真顔で言ったな。その辺が……、本気で思っているんだろうなあ」
 幹也「はい?」



 二千四百三「方法を求めて」

 鮮花「……、そうね、それなら」
 幹也「鮮花」
 鮮花「え、あ、はい」
 幹也「どうしたんだ、考え込んで。何か困り事でもあったのかい」
 鮮花「いえ、こちらの事です。
    声を掛けてくれて、危うく露出狂になる処を救って頂きましたけど」(小声)



 二千四百四「何故に彼女は彼を?」

 橙子「他に男がいなかったからだろうな。
    母数が1ということではなく、子が1だからではあるが。
    それに巡り合えたのは、まあ幸運の領域ではないかね?」



 二千四百五「最初は抵抗あれど」

 さつき「人間って何でも慣れちゃうんだね」
 シオン「そういうものですよ、さつき」
 さつき「そうだよねえ、悲しいけど」
 シオン「まあ、人間ではないのですが……とは言わないでおきましょう。
     人間であると思っている事が、何かに対しての証と思えますし」

 

 二千四百六「身びいきみたいなものか」

 白レン「みてらっしゃい、もう。ふんだ」
 レン 「……」

 志貴「こうして見比べると、やっぱりレンのが可愛いなあ」
 七夜「そうか?」



 二千四百七「減らすしか」

 シエル「……どうですか?」
 志貴 「見た目変わらないと思うけど」
 シエル「そうでしょう。このわたしが太ったなどと、ありえません」
 志貴 「うん。
     ああ、でも、本当にむにゃむにゃで痩せたいと思ったら大変だね」
 シエル「何がです?」
 志貴 「運動してカロリー消化なんて、充分すぎるほどやってるじゃない」
 シエル「確かに。となると残る手段は……」



 二千四百八「タイミング」

 志貴「ん……、朝か。珍しくひとりでに目が覚めた。
    まだ、早いよな。いや、今日は早く学校行かないといけないんだ。
    翡翠にも何してもいいから起こしてくれって……、ノックか。
    えーと、返事した方がいいのかな、わざわざいつもより早く来て
    くれたんだから、寝たふりしとくべきか。
    どんな起こし方してくれるかも興味あるしって、じゃなくて。
     すぐ決断しないと、えーと」



 二千四百九「分岐の一つで」

 凛   「正直、好きとまでは全然いかないけど、興味はあったわね」
 ライダー「そうですか」
 凛   「普通に選べば、わたしより桜でしょ。どう考えても」
 ライダー「サクラもまったく同じ事を言うと思いますが」
 凛   「そうかしら」
 ライダー「はい」
 凛   「でも、敗者はこっちだしね」
 ライダー「(敗者と認識すると言う事は……、まあ、黙っていましょう)」



 二千四百十「点と線」

 志貴 「よく考えると、ロアも俺とは違うけど線が見えたんだよな」
 アルク「へえ」
 志貴 「見え方は違ったかもしれないけど。
     平気だったのかなあ」
 アルク「さあ」



 二千四百十一「発動側と受動側」

 幹也「所長も誰かといて居心地が悪くなる事ってあります?」
 橙子「そうだな、近年はないな」
 幹也「なんか納得できますね(昔はそれでもあったのか)」
 


 二千四百十二「己に対する認識」

 アーチャ「もしも今の自分がもう一人現れたらどうする?」
 ランサー「酒でも酌み交わして話をするかな。
      逆に本物は俺だって争いになって本気でやりあうか。
      どっちにしても面白そうだな」
 アーチャ「なるほど、英霊と一口にいっても違いは出るか。
      こういう部分からしてな」



 二千四百十三「しかしまわりこまれてしまった!」

 橙子「まるで何かの罠にはまったようだな」
 幹也「何がです?」
 橙子「一見したところでの、きみの状態だが」
 幹也「?」(式がいて鮮花がいて藤乃がいて……の室内を見渡して)



 二千四百十四「ぐつぐつと」

 シエル「これがそうなんですね」
 志貴 「ああ」
 シエル「一度見てみたかった」
 志貴 「喜んでくれて、というか感動して貰えて良かったよ」
 シエル「……」
 志貴 「ちょっと苦労したけどね。
     給食室のカレー作る時の大鍋が見たい……か」



 二千四百十五「ホームシアター」

 志貴 「あれ、アルクェイド、どっか行ってたのか?」
 アルク「レンタルのDVD返してね、続き借りて来たの」
 志貴 「似合わないなあ。いや、ある意味らしいか」
 アルク「なによー、面白いんだから。
     昨日なんかずっと見てて徹夜しちゃった」
 志貴 「そうか。
     ……吸血鬼が徹夜って当たり前の気がするけど、何で響きに
     違和感があるんだろう」



 二千四百十六「あざなえる縄の如し」

 シオン「真祖の協力を得られれば、研究は飛躍的に進むとは言えますが。
     どうも安穏とか停滞とかの状態にあるような……。
     何でこのわたしがこんな事に?」



 二千四百十七「未知の」

 士郎「他の世界へ移動って、パラレルワールドって解釈でいいのか」
 凛 「そうね」
 士郎「じゃあ、一見同じでもこことはだいぶ様相が違ってたり」
 凛 「いろんな可能性の数だけ世界がある筈」
 士郎「もしもセイバーがアーサー王の伝説の無い世界行ったとしたら、
    それでもセイバーはセイバーとして力を持つのかな」
 凛 「う……」



 二千四百十八「西瓜に砂糖」

 シエル「何て事をするんですか、あなたは。
     まったく、カレーパンにさらにカレーを掛ける様な所業、
     断じて許せ……。
     何だか美味しそうですね。今度ため…じゃなくて」



 二千四百十九「聖夜間近の街角で」

 アルク「わあ、綺麗だよ、志貴」
 志貴 「へえ、大きなモミの木にこんなに飾りつけするんだ。
     確かに凄く綺麗だな」
 アルク「シエルがてっぺんに立ちたくなる気持ちがわかるわ」
 志貴 「ごめん、わからない」



 二千四百二十ノ一「つぶす」

 シエル「何をしてるんですか」
 志貴 「あんパンをこう平たくつぶしてから食べるんだ」
 シエル「そんな事して、美味しいんですか」
 志貴 「普通に食べるのとはまた違った感触が楽しめると思う」
 シエル「なるほど。
     で、わたしのカレーパンをなんで見つめているんです?」


 二千四百二十ノ二「つぶした」

 志貴 「え、溢れさせないでそんなに平ったくするなんて」
 シエル「愛ですよ」



 二千四百二十一「きよしこの夜」

 桜   「ケーキ出来ましたよ」
 セイバー「おお、素晴らしい出来です、桜」
 凛   「七面鳥とはいかないけど鶏の丸焼きももうすぐね」
 士郎  「こっちもだいたい準備済んだ」
 凛   「じゃあ、桜とセイバー、お皿運んじゃってくれる」
 セイバー「了解です、凛」
 桜   「はい、姉さん」
 凛   「でも、あれね。キリスト教徒誰もいないのよね、ここ」
 士郎  「ん?」
 凛   「むしろわたし達の敵のような。お祭りみたいなものだけど」
 士郎  「何言ってんだ、藤ねえは敬虔なクリスチャンだぞ」
 凛   「え?」(驚愕)
 士郎  「嘘だけど」



 二千四百二十二「成長の糧」

 士郎  「く……、なかなか上達しないな」
 セイバー「そんな事はありませんよ。研鑽を積み進歩はしています。
      それに、敗北する事は決してマイナスではありません」
 士郎  「そうだな」
 セイバー「もっとも、私は敗北はごめんですが」



 二千四百二十三「一群」

 凛 「そう言えば、士郎からどこか皆で行こうって提案は出ないわね」
 士郎「え?」
 凛 「温泉でも、遊園地でも、山登りでも、海水浴でも」
 士郎「このメンツで団体行動……」
 凛 「なるほど、そんな顔になるか」



 二千四百二十四「耳たぶ」

 鮮花「熱ッ」
 式 「へえ」
 鮮花「な、何よ」
 式 「普通の鍋のふきこぼれで火傷するんだなと思って」
 鮮花「当たり前でしょ」
 式 「そうか?」(後始末を手伝いつつ)



 二千四百二十五「陽はまた沈む」

 さつき「夕日? 綺麗だと思うけど、少し寂しいところもあるかな。
     これで一日が終わっちゃうって感じで」
 シオン「そうですね、感傷的な感情を呼び起こすものです」
 アルク「綺麗はわかるんだけど、寂しい……、うーん、わからない」
 シエル「先天的と後発的の違いですね。
     そもそも夜が怖いなんて事も理解不能でしょう、あなたは」



 二千四百二十六「正月の残り」

 凛「……王様ならぬ殿様にむいてるのは、魚焼くほうな筈だけど」



 二千四百二十七「スピードは好きです」

 士郎「藤ねえなら運転免許証は持ってるぞ」
 凛 「そうよね、とっててもおかしくないわよね。
    でも、車に乗せて貰うのはちょっと怖いかも」
 士郎「意外と運転自体はうまい。スピードについては抑えてほしいけど」
 凛 「ふうん、うまいんだ、意外ね。
    ん? よく考えると意外でもないのかしら」 



 二千四百二十八ノ一「あなたにここにいて欲しい」

 琥珀「また秋葉様を怒らせたんですか」
 志貴「ああ。どうしてこうなるかなあ」
 琥珀「怒らせないのは簡単なんですけどね。
    いつもとは言わないまでも、秋葉様の目の届くところにいて、
    心配を掛ける真似をしない。それだけです」
 志貴「うーん」
 琥珀「アルクェイドさんの処に行くのであれば、必ず言ってからに」
 志貴「それは、怒らせるだろう」
 琥珀「文句は言いますけど、家から出さないような事はしませんよ。
    まあ、それがわかっているならそもそも怒らせませんよね……」


 二千四百二十八ノ二「その後で」

 琥珀「目の届くところに志貴さんがいる。
    別な見方すると、秋葉様が傍にいられるという事なんですよね。
    まあ、わからないでしょうけど、多分」



 二千四百二十九「類似性」

 士郎  「ときどき、やっぱり遠坂と桜って姉妹だなって思う事があるよ」
 ライダー「そうですか」
 士郎  「具体的にどうこうって訳ではないんだけど、何と言うか感じがさ」
 ライダー「血の繋がりは影響しているかもしれませんが、それよりも単に士郎と
      二人との性別の違いによるものが大きいかと……」



 二千四百三十「罰を与えられている訳ではない」

 橙子「ほう、一番に音を上げるのが我が弟子とは意外だな」
 式 「正座なんて別段何の苦痛もないだろう」
 鮮花「うるさいわね、こんなのは慣れの問題でしょう。
    ッつぅーーー、足が痺れて感覚が無い」
 藤乃「足が、痺れる。感覚が無い」(興味深そうに)
  


 二千四百三十一「帳簿」

 橙子「事務所の帳簿は黒桐につけて貰っている訳だが」
 幹也「そうですが、何か」
 橙子「いや、それは会計士とかに見せて問題ないのかな。
    思うに、いろいろとありそうなんだが」
 幹也「見せて良い方については出来うる限り社会的に間違いがないように
    していますけど」
 橙子「見せて悪い方は?
    あ、いい、黒桐がそんな顔をする内容なのだな、やはり」



 二千四百三十二「手段と目的と」

 鮮花「橙子師は何で魔術師になったんです?」
 橙子「その辺を紐解くといろいろと差し障りあるんだが。
    端的に言えば、そういう家系だからだな。
    鮮花のように明確に目的があってなろうとする方が珍しい」
 鮮花「そういうものですか」
 橙子「そういうものだよ。
    そもそもどこから魔術師なんてものを知ったんだ、きみは。
    やっぱり黒桐と血の繋がりを感じるな」
 鮮花「……」(嬉しいような、やっぱり拒むような)



 二千四百三十三「見るのでなく視るのだ」

 都古 「はぁ、はぁ……」
 パンダ「限界か。では今日の修行は以上だ」
 都古 「はい。ありがとうございました」
 パンダ「どうもまだ相手の外観に囚われている甘さが見える」
 都古 「(いろいろと突っ込みたい)」



 二千四百三十四「今来たところだよ」

 式 「昨日、幹也が橙子と一緒に出掛けたそうなんだが」
 鮮花「知ってるわよ。買い物で店回って、美術展についでに行って、
    ご飯食べて帰って来たって」
 式 「ああ、そんな内容だった」
 鮮花「それがどうかしたって言うの?」
 式 「いや。ただ、それって……デートだよな、一般的に言って」
 鮮花「なんだ、式も……、そう思ったんだ」
 式 「ああ」
 鮮花「でも、妙に羨ましくないような、何と言うか複雑」
 式 「奇遇だな、同感だ。何故かはわからないんだが、橙子だからか」
 鮮花「うーん」



 二千四百三十五「受け取る?」

 式 「アイスクリーム買ってくればいいと思ってないか?」
 幹也「え、だって式好きでしょ」
 式 「みぞれ混じりだろ、今日の天気」
 幹也「それはそうだけど。じゃあ、いらないかな」
 式 「……冷蔵庫にしまっておく」



 二千四百三十六「総意と工夫」

 志貴 「昔の海軍でだったか、現物を見た事もない料理人に向かって
     ビーフシチューを作れって無理言って、何とか作ったのが肉
     じゃがの発祥だったと思う」
 シエル「ほほう」
 志貴 「だから、肉じゃがにカレー粉入れれば和風カレーになります
     と言うのは、先祖がえり……でもないか、よく考えると」



 二千四百三十七「過程はどうあれ」 

 アーチャー「最終的には聖杯へと行き着く辺りについては、さすがは
       最優のサーヴァントと言うべきなのであろうな」



 二千四百三十八「ぐつぐつと」

 士郎「どうだ?」
 桜 「美味しいです。味に深みがありますね、前のものより」
 士郎「桜にそう言って貰えるなら確かだな。
    でも、単純に腕があがったとは言えないよな」
 桜 「そんな事はないと思いますけど」
 士郎「同じように作ってもさ、大鍋で大量にだとそれだけで美味くなる
    から……、よし、できあがり」



 二千四百三十九「すぃーむ」

 士郎 「あれ、イリヤ、ずいぶんと泳ぐの上達したんだな。
     ここに練習に来てたのか?」
 イリヤ「ううん、お城のお風呂」
 士郎 「お風呂って……、あ、本当っぽいな。
     セラの眉のひそめ方からすると」



 二千四百四十「探検」

 志貴「で、何を手伝えばいいんだ」
 秋葉「屋敷内を見て回ろうと思います。普段使わない部屋の様子なども」
 志貴「いいけど、徹底的にやると一日仕事だな」
 秋葉「ええ、大変ですね」(微かに口元に笑み)



 二千四百四十一「人ならざる身になりて」

 シオン「未来を見通すのが、錬金術師の力なのですが」
 さつき「うん」
 シオン「先の事などわからないものですね」
 さつき「そうだねえ」(戯れに鉄の棒を曲げてみたりしつつ)
 シオン「……吸血鬼と化したのもそうですが、それよりもこんな
     異国の路地裏で他の女の子と安穏としている事が」(呟き)



 二千四百四十二「特売日でした」

 士郎「あーあ、焼肉なんだよなあ、夕食」
 桜 「リクエストありましたから。今日は安かったですし」
 士郎「そうなんだけど。
    少し奮発してステーキにすれば良かったかなあ。
    うちで早い者勝ちだと修羅場というか阿鼻叫喚と言うか」
 桜 「……そうですよね」



 二千四百四十三「理に外れることはなく」

 橙子「なあ、黒桐」
 幹也「何です」
 橙子「魔術師でも空腹となるのだよ」
 幹也「それは、そうでしょうね」
 橙子「……」
 幹也「何ですか、その遠まわしな要求は。
    行ってきますよ、買出し」
 橙子「頼む」
    


 二千四百四十四「犠牲、献身、努力」

 凛 「正義の味方になる為なら、どんな辛苦も乗り越えるのね」
 士郎「ああ」
 凛 「そのひとつとして魔術をものにしたいと」
 士郎「そうだ」
 凛 「じゃあ、とりあえず学校の成績上げて。
    学年で十番内でいいわ」
 士郎「なッッッ」
 凛 「異議は認めない。
    それくらい出来ないで高い山目指しても遭難するのが落ちよ」



 二千四百四十五「誰でもないあなたの為に」

 翡翠「何がよろしいですか、志貴様」(期待の目)
 志貴「え、ええと……。
    そ、そうだ。俺が翡翠に手料理をご馳走したい」
 翡翠「……?」
 志貴「翡翠は俺の為に料理作るの嬉しいんだろ?」
 翡翠「はい」
 志貴「じゃあ、たまにはその喜びをこっちも味わってみたい」
 翡翠「でも、志貴様、わたしは志貴様の…」
 志貴「翡翠ばかりじゃ不公平だろ。
    それとも、そんなに嫌かな」
 翡翠「お願いします」
 志貴「OK、腕を振るうよ、期待して待ってて。
    ……と一回は危機を脱したか(小声)」
 


 二千四百四十六「相互干渉」

 幹也「よく双子って片方が怪我すると片方も同じところに傷が出来る
    なんて話が出ますよね」
 橙子「オカルトの範疇だが、不思議と人口に膾炙しているな」
 幹也「じゃあ所長なんかどうなんでしょうか。まったく同一なら」
 橙子「なるほど……、見分けがつかんという事にかけては双子以上だな。
    しかし、そういう事象の有無は別としてあてはまらないようだ」
 幹也「そうですか」
 橙子「何回も死んでいるが、替わりが存在している。
    今なお全滅していない」
 幹也「ああ、なるほど」



 二千四百四十七「イメージ」

 志貴 「シエル先輩ってさ、カレーを武器に戦うって姿は不思議と
     浮かばないよなあ」
 アルク「カレーを武器にってどんなのよ」
 志貴 「カレー粉で目潰しとか、ひしゃくで煮えたぎったカレーを
      かけるとか、高速でカレー滴を飛ばすとか」
 アルク「何よ、それ。幾らなんでもしないでしょ。シエルでも」

 シエル「…だから、カレーを必要経費として請求できる訳ですよ」
 ななこ「マスター、そうすると食べちゃったら横領になりますよ。
     あくまで武器なんですから」
 シエル「む、反論できませんね。
     あーあ、いいアイディアだと思ったのに」



 二千四百四十八「ぐつぐつふーふー」
    
 士郎  「いい加減、鍋物の季節も終わったな」
 セイバー「そうなのですか」
 士郎  「すき焼きとかしゃぶしゃぶとかは別だけど、寄せ鍋とかはね」
 セイバー「いつぞやの海鮮鍋というのが美味でしたね」(しみじみと)
 士郎  「このまま鍋は真夏になるまではしばらくしまっておこう」
 セイバー「次の冬までではないのですか、シロウ」
 士郎  「死ぬほど暑くなるとさ、何故か鍋やりたがる藤ねえがいるんだ」
 セイバー「やりそうですね、ああ」



 二千四百四十九「土に生きる」

 シエル「ただ惰眠を貪るのでなく、自分で人参畑を作らせたんです。
     育てたものを食べる喜びもありますから」
 志貴 「ふうん。まあ、そういうのもありか。
     で、何を悩んでいるんですか」
 シエル「人にやらせるだけでなく、わたしもスパイスなど自作しようと
     思っているんですけどね。気候的に無理なものもありますが」
 志貴 「なるほど」
 シエル「ただ、こちらの法律上ちょっと引っ掛かるものが幾つかあるん
     です。どうしたものかと」
 志貴 「それは、駄目なんじゃないかなあ」
 シエル「そうですよねえ」(機械的に)



 二千四百五十「長期連休明け」

 一成「藤村先生はいつもにも増して元気というか、弾けているな。
    一方で衛宮は憔悴していると。ふむ」



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