天抜き 其の五


 ◇掲示板での御寄稿作品特集◇
  作者の皆様方、ありがとうございます。


 二百一 「お金があるということ」 作:大崎瑞香さん

 有彦「遠野、冬休みはどーすんの?」
 志貴「今年は秋葉たちと旅行」
 有彦「あぁ雪山へリゾートか、このぅ金持ちめっ!」
 志貴「いや、泳ぎ」
 有彦「……へっ!?」
 志貴「冬は泳ぎに、夏はスキーに行くのが遠野家の習わしだそうだ」
 有彦「……(こ、このブルジョワジーめっ!)」



  二百二 「やまもとまさゆき」 作:風原誠さん

   1枚のCDを前にして
 シエル「もちろんカレーです!」
 アルク「ハヤシライス、いいじゃない」
 レン 「オムライス」(スケッチブックに)
 志貴 「……ハムライス」(沈痛そうな面もちで)

   和気あいあいとした空気を遠目でみながら
 秋葉 「歌の…話よね?」
 


  二百三ノ一 「究極の選択・発端」 作:須啓さん

 有彦「おう、遠野。これ、覚えてるか?」
 遠野「・・・究極の選択、か。懐かしいモノ持ってくるな、お前」
 有彦「おう、まあな。それでな、遠野。究極の選択で、一番メジャーなものは何だ?」
 遠野「一番メジャーだったら・・・そうだな、「カレー味の」」
 有彦「そう! で、そこにお前に質問だ。先輩ならどちらを選ぶと思う?」
 遠野「・・・面白いかもな、それ」
  (放課後)
 有彦「う〜ん。後味の悪い結果になったなあ」(気まずそうに)
 遠野「ああ、まさか、泣き出すとと思わなかったしなあ」(天を仰いで)


  二百三ノ二 「究極の選択・開眼」

 シエル「――――そうだ。カレー味の遠野君のなら――――!!」(決意の表情で拳を固めて)


  二百三ノ三 「究極の選択・要請」

 琥珀「シエルさんが、有無を言わさずおいていかれたんですけど。
    どういう意味でしょうね?」(玄関先に山積みされたカレー粉を見ながら)
 志貴「誰も選択した後に、実行しろなんて言ってない」(傍に置かれた検便容器を見ながら)


  二百三おまけ 「究極の選択・番外」 作:がんさん

 琥珀「カレー味? あれは人の食べ物じゃないですよ」


  二百三ノ四 「微妙な基準」 作:須啓さん

 秋葉「まったく何事かと思えば。あの先輩もどうかしてますけど、
    兄さんの品性も疑います」
 志貴「悪かった、反省してるよ。でも、ああいうのは得てして下品なもんなんだ」
 秋葉「そんなことありません。そうですね、例えば・・・
    『ワイン味の血液』と『血液味のワイン』、なんかどうです?
    上品でしょう?」(得意げに)
 志貴「・・・え、まあ、俺のよりは・・・(上品なのか?)」(釈然としない表情で)


  二百三ノ五 「選択肢の違い」

 志貴「まあ、究極とは思わないけど、確かに選び難いな、それは」
 秋葉「そうでしょう? どっちを飲んでいいか、迷いますよね」
 志貴「そうだな―――」(どっちもお腹を壊しそうだな、と言いかけて)
 秋葉「どっちも、美味しそうですし」(うっとりと)
 志貴「――――何?」


  二百三ノ六 「調達」

 琥珀「『血の味がするワイン』はともかく、
    『ワインの味がする血液』は難問ですねえ」(眉をしかめて)
 志貴「いや、用意しなくていいから」



  二百四ノ一 「猫は炬燵で」 作:がんさん

 シエル「炬燵はやはり畳の上でしょう.」
 志貴 (でも,茶道部にあるのは変じゃないのかなぁ)
 アルク「ぬくぬく」
 志貴 (あーあ,勝手に床に穴開けて,掘り炬燵にしているし)
 秋葉 「日本人たるもの,炬燵に蜜柑は当然です.」
 志貴 (ずっと,洋館暮らしのくせに…)

 琥珀 「あのお三方が集まっているのに,喧嘩にならないのは,やはり猫属
   性への炬燵効果なのかしらね.」


  二百四ノ二 「丸くなる」

 秋葉「我が家にも,炬燵を導入です。人数制限があるので,先着四名まで。
    人外s は入ってこれませんっ」
 秋葉「一番!」
 琥珀「あははー,二番です」
 翡翠「あの… 三番」
 志貴「で,俺が最後の四人目?」
 レン「…」

 秋琥翡「(兄さん|志貴さん|志貴様)の膝の上!?」

  *百九十七「犬は喜び庭駆け回り」を受けての作品になっています



  二百五ノ一 「有るようで無い選択肢」 作:権兵衛党さん

 秋葉「究極の選択です。兄さん、どれを食べますか。
    琥珀が手製の食材で作った料理。
    翡翠が普通の食材で作った料理。
    そして私が普通の食材で作った料理が有ります」
 志貴「…秋葉のをもらおうか」


  二百五ノ二 「焦げた肉など突付きながら」

 秋葉「さあ兄さん、たっぷり食べてくださいね(嬉しそう)」
 志貴「ああ、頂くよ」
 秋葉「♪」
 志貴「(指は絆創膏だらけだ。一生懸命作ったんだろうなあ)」


  二百五ノ三 「遠野家の食卓とは」

 秋葉「焦げた部分は身体に悪いですね。残してください」
 志貴「(そっちの方が多いけど)そういえばこの肉は牛?」
 秋葉「ええ、最高級松坂牛を一年間冷暗所でカビを生やして熟成させたものです。
    更にカビの生えたところを大胆に切り落として捨てます。
    そうして得られた世界有数の牛肉ですよ。遠野家ではこれしか・・・
    ちょっと兄さん!身体に悪いですってば!」
 志貴「・・・・・・(ガツガツガツ)」



  二百六 「誰もがそう思っている筈」 作:古守久万さん

 アルク「……!」
 シエル「……!!」
 秋葉 「……!!!」
  (何やらいつもの光景)
 レン 「……バカばっか」


  ...以上です。皆さんありがとうございました。また溜まったらやりたいです。
  で、ここからいつもの


  二百七 「角度と、そして力の加え方」 

 志貴 「うーん?」
 シエル「遠野くん、どうしました?」
 志貴 「少し包丁の切れが悪いような」
 シエル「あ、それは普段使わない柳刃ですね。
     普段使っているのはこちらに。でも、ちょうど良いから……」
   志貴から包丁を受け取って手早く研ぎ始める。
 シエル「はい、遠野くん」
 志貴 「どれ……、あ、凄い切れ味」(感心した目)
 シエル「必要でしたからね……」
 志貴 「そうなんだ」(少しシエルの表情に寒々としつつ)



  二百八 「可逆と不可逆」 

 志貴「翡翠は、その……、リボンつけて割烹着姿なんて…なる気はないかな?」



  二百九 「再現不能でしょうけど」 

 翡翠「ごめんなさい、ごめんなさい姉さん」
 琥珀「……」
 志貴「どうしたの、二人して。ひッッ」(琥珀の顔を見て)
 翡翠「わたしが、姉さんを怒らせたんです」
 琥珀「丸一日かけて作った、コンソメスープを、わたしの……」(語尾震わせ)
 翡翠「味見をしたら何だか足りないような気がして、つい……」
  涙を浮かべながら、翡翠、走り去る。
 志貴「それは、琥珀さんでもさすがに怒るよね」
 琥珀「ええ。
    でも、本当に怒りを感じるのは……、志貴さん味を見てくれますか?」
 志貴「え……。まあ、一口くらいなら」(恐々とスプーンを手に取る)
    なんでコンソメが濁って……、あれ、美味しい。けど、これ?」
 琥珀「何なのかわからないでしょう?
    でも、でも確かに美味しいんです。間違いなく。
    それで、何だか二重に傷つけられた感じがして……」
 志貴「……」(どう言って良いかわからず、もう一匙口にしてまた首を捻る)



  二百十 「四季折々」 

 シエル「日本という国は、季節の移り変わりが変化に富んでいて素敵です」
 志貴 「そんなものかな」
 シエル「ええ。夏は夏の、冬は冬の、楽しみがあって。
     その間の、春や秋もまた風情があって好ましいですよ」
 志貴 「でも、先輩は一年中変わらずカレーを食べるよね」(からかい気味に)
 シエル「夏には夏の、冬には冬の、美味しさがありますからね」
 志貴 「なるほどね(何だか凄く深い事を言われたような気がするな)」



 古守さん作の、レン=ホシノルリのネタ(二百六)より演繹。

  二百十一 「『押し出し』でレンの勝ち」作:がんさん

   一同がカラオケでもしていると思いねぇ。
 シキ「もーいちどー♪」
 レン(ぐいぐい)
 シキ「うーま って、おい、最後まで歌わせろ…」
 レン(ぐいぐいぐいぐい)


  二百十二 「『腰砕け』でさっちんの負け」作:がんさん

 さつき「こ… んどは… あ… な… た…… (号泣)」

 

  二百十三 「恩讐の果て」

 秋葉「今でも、遠野家に対する恨みはあるわよね。
    きっと、私が死んでしまうまで……」(後ろに立つ琥珀に)
 琥珀「秋葉さま……」
 秋葉「それでも、構わないわ、私。
    でも……、いえ、変な事言ったわね。忘れて」
 琥珀「……。
   (ある意味いちばん酷い復讐は済ませたんですけど。志貴さんを……)



  二百十四 「うわばみ」

 蒼香「しかし、おまえら揃って酒強いな」
 秋葉「そうかしら?」(グラスを呷る)
 蒼香「自覚しろ。アキラもだ」
 晶 「うーん、でも実家が実家なので」(酒瓶を逆さにしつつ)
 蒼香「若い身空でまったく……」
 秋葉「でも、あれには負けるわ」
 晶 「ええ」
 蒼香「普段から酔っ払っているみたいなもんだろ、あれは」
 羽居「美味しいねえ」(多種多様な空き瓶に囲まれて)



  二百十五 「いっそ殴ってください」

 秋葉「瀬尾の負けね。じゃあ、罰ゲーム」
 晶 「はい」(死にそうな顔)
 秋葉「そうねえ、これがいいわ。
    明日一日で私に十回命令しなさい」
 晶 「え?」
 秋葉「必ず、他の誰かがいる処でね。
    ジュース買いに走らせてもいいし、裸になれと言うならなるわ。
    おもしろいでしょう?」
 晶 「あの、遠野先輩……」
 秋葉「必ずやるのよ、十回。いいわね」
 晶 「……」



 ◇がんさん作の「天抜き」連作、題して「おいしいかおってどんなかお」 
  掲示板での「女の子が食べている姿って,何となくいいよなー」てなやり取りから。

  二百十六ノ一 「おいしいかおってどんなかお・秋葉 with 焼き芋」作:がんさん

     カシャ!
 秋葉 「!?」
 羽ピン「えへへー、これで『秋葉ちゃん写真集』完成。お兄さんにプレゼン
     トなのだー。」
 秋葉 「!!!」


  二百十六ノ二 「おいしいかおってどんなかお・アルク with ハンバーガー」作:がんさん

 アルク「あーん」
      がじ!
 志貴 「はいはい、パンに牙をたてるんじゃありません。」


  二百十六ノ三 「おいしいかおってどんなかお・レン with カレーのお姫さま」作:がんさん

 レン(涙目&上目遣い)
 志貴「辛いの、ダメ?」
 レン(こくこく)
 志貴「ゴメン」
 レン(ふるふる)


  二百十六ノ四 「おいしいかおってどんなかお・琥珀 with 味見で小皿」作:がんさん

 琥珀「ん、今日もいい出来♪」


  二百十六ノ五 「おいしいかおってどんなかお・さつき with 手作りお弁当」作:がんさん

 さつき「ん、今日もいい出来♪ 今日こそ、志貴くんに渡すんだからっ」

 
  二百十六ノ六 「おいしいかおってどんなかお・翡翠 with フレンチフライポテト」作:がんさん

 志貴「ん」
 翡翠「ああああああの、志貴さま?」
 志貴「ん」
 翡翠「こここここここ、これを両側から食べるというのは…」
 志貴「ん」
 翡翠「そそそそそその…」
 志貴「ん」


  二百十六ノ七 「おいしいかおってどんなかお・都古 with たいやき」作:がんさん

 都古「お兄ちゃん、はんぶんこしよ。」
 都古「頭の方と、尻尾の方、どっちがいい?」


  二百十六ノ八 「おいしいかおってどんなかお・シエル with とーのしき」作:がんさん
 
 シエル ZZZ...
 教師  (シエル君が授業中に居眠り?)
 同級生A (シエルさんが授業中に居眠り?)
 同級生B (シエルさんが授業中に居眠り?)

 シエル 「やだもう、遠野くんたら…」
 教師  (シエル君が授業中に寝言!?)
 同級生A (シエルさんが授業中にエロ寝言!?)
 同級生B (シエルさんが授業中にエロ寝言でよだれ!?)

 シエル 「遠野くんたら… 美味しそう」
 教師  (食べる!!?)
 同級生A (食べるの!!?)
 同級生B (食べちゃうの!!?)


  ...「おいしいかお」は,やはり幸せの顔です.(^^)

  以上です。力作をありがとうございます。微妙な元ネタが楽しい……。


  ...に引き続き作者のがんさん自らによるリファイン版。

 二百十六ノ四「おいしいかおってどんなかお・琥珀 with 味見で小皿・改造版その一」作:がんさん

 琥珀「ん♪」


 二百十六ノ四「おいしいかおってどんなかお・琥珀 with 味見で小皿・改造版その二」作:がんさん

 琥珀「ん、おいし♪
    これで、今夜の MVP はいただきですよー。」


 二百十六ノ五「おいしいかおってどんなかお・さつき with 手作りお弁当・改造版」作:がんさん

 さつき「しししし…… と遠野くん、そそそそそその、今朝お弁当を作りす
     ぎちゃって、一つ余っているんだけど、もったいないから食べてく
     れないかな。」

 さつき「本当は最初から、お父さんと,わたしと、志貴くんの三人分作って
     いるとかいうことは全くなくて、」

 さつき「一番できのいいおかずを志貴くんのに入れてあるのは当然として、
     できの悪いのはお父さんのお弁当に入れて失敗作をカモフラージュ
     しているとかいうこともこれっぽっちもなくて、」

 さつき「純粋に一つ余っているんだけど、食べてくれないかな?」


 二百十六ノ七「おいしいかおってどんなかお・都古 with たいやき・改造版」作:がんさん

    たいやき四つ、買いました。

 都古「はぐはぐはぐはぐはぐ……」
 志貴「もぐもぐ……」

 都古「はぐはぐはぐはぐはぐ……」
 志貴「もぐもぐ……」

 都古「じ――――」
 志貴「もぐ……」
 都古「じ――――――――」
 志貴「?」
 都古「じ――――――――――――」

 志貴「えっと…… 最後の一匹、はんぶんこしようか?」
 都古「うん!」



  二百十七 「横に立つ人」

 シエル「秋葉さんてしっかりしてますよね」
 秋葉 「そうですか?」(警戒気味)
 シエル「その若さで、遠野家の当主ですものね。
     でも、本当は秋葉さんを支えてくれる人が必要ではないですか?」
 秋葉 「まあ、そうですね」
 シエル「秋葉さんの力になってあらゆる面でカバーできる有能な人。
     ううん、それも大事ですけど、何より優しくて誠実で秋葉さんだけを
     見つめて、外に現れない弱さに気付いて抱擁してくれる人……
     秋葉さんの夫となる方はそういう男性が相応しいですよね」
 秋葉 「……」(夢見る目で頷く)
 シエル「……だとすると、遠野くんは失格ですね、残念ですねえ」
 秋葉 「え?」



  二百十八 「三咲町心中」

 シエル「遠野くんを殺して、わたしも一緒に死ぬ……」(うっとりとした顔)
    「……まあ、いろんな意味で無理ですけどね」



  二百十九 「年の始めの……」

 秋葉「兄さんの新年の抱負って何ですか?」
 志貴「え……、特に無いけど」
 秋葉「向上心が無いですね、まったく」
 志貴「強いて言えば、平穏に暮らしたい」(しみじみと)
 秋葉「……」
 翡翠「……」
 琥珀「……」(何気に、その……)



  二百二十  「お年玉」

 久我峰「普段は金銭の援助を秋葉さまに禁じられていますが、お年玉くらいは
     大目に見て貰えるでしょう」
 志貴 「ありがとうございます」
  手をがしりと握り締め滂沱の表情の志貴。

 翡翠 「あんなに喜んで」
 琥珀 「きっと久我峰さまの株が大幅に上がったでしょうねえ」
 秋葉 「……(琥珀と翡翠に責められている気がする)」



  二百二十一 「教育」作:のちさん
 
 志貴「……ということがあったんだよ」
 琥珀「あはー、秋葉様は世間知らずですからねー」
 志貴「うん。……ところでさ、琥珀さん?」
 琥珀「はい?」
 志貴「琥珀さんは昔から秋葉の付きだったんだよね?」
 琥珀「ええ」
 志貴「それじゃ……」
 琥珀「……うふふ」
 志貴「……(汗)」



  二百二十二「響き」作:のちさん
 
 シエル「遠野君」
 志貴 「うーん」
 シエル「遠野クン」
 志貴 「うーん」
 シエル「遠野くん」
 志貴 「うん、やっぱりそれがいい」
 シエル「そういうものですか?」
 志貴 「そういうものです」
 シエル「はぁ……」



  二百二十三「それは抜きで」
 
 秋葉 「私は兄さんの為なら、何でもできます」
 シエル「それがどうしたと? そんなのわたしも同じですよ」
 アルク「うん、別に妹が威張る話じゃない」
 琥珀 「では、こういうのは如何です。
     志貴さんに多大な心労を与えないように、黙って身を引くのは?」
 秋シア「……」



  二百二十四「大自然に包まれて」

 志貴 「ああ、ここまで来ると空気が美味いなあ」
 シエル「そうですねえ、街とは全然違いますね」
 志貴 「湧き水も冷たくて美味しいよ」
 シエル「生き返りますね。
     こういう処の水で作ったカレーは美味しいでしょうねえ」
 志貴 「……凄い発想」



  二百二十五「その一口が」

 秋葉「あまり気にした事はないわね。
    そもそも甘いものなんてそれほど好まないし」
 琥珀「お仕事でけっこう運動量ありますしねえ」
 翡翠「わたしもです」
 志貴「俺も量は取らないから。
    食べたら太るかと訊かれても……、アキラちゃんの判断だね」
 晶 「うう……」(プチケーキの盛り合わせを前に苦悩)



 のちさん作によるお正月モノ六連

  二百二十六「手加減」作:のちさん

 志貴 「……逃げるぞ」
 アルク「えー、お願いしないのー?」
 志貴 「いいから、行くぞ!」

  壊滅状態の賽銭箱を後にする



  二百二十七「性格」作:のちさん

 シエル「違います!それは手をたたいてからです!」
 アルク「え、そうなの?」
 シエル「いいですか、物事には順序というものがあって……」
 志貴 「後ろがつまってるんだから、早くしようよ……」
 シエル「いえ、許せません!」
 志貴「はあ……」



  二百二十八「教育」作:のちさん

 秋葉「だめよ!それは手をたたいてからです!」
 琥珀「はあ、そうなんですかー?」
 秋葉「琥珀、物事には順序というものがあるのよ!」
 志貴「後ろがつまってるんだから、早くしろよ……」
 秋葉「兄さん! 遠野家にはそれなりの責任というものが……」
 志貴「はあ……」



  二百二十九「慣れ」作:のちさん

 志貴「大丈夫?」
 翡翠「はい、ありがとうございます、志貴さま」
 志貴「慣れないと苦しいからな、和服は」
 翡翠「はい……ところで志貴さま?」
 志貴「うん?」
 翡翠「着付けの仕方は、誰から習ったのですか?」
 志貴「……えーと」



  二百三十「どちらかというと」作:のちさん

 琥珀「志貴さんが得意なのは、脱がす方なんですけどねー」

  監視カメラの映像を見ながら



  二百三十一「縁切り」作:のちさん

 志貴「……有彦」
 有彦「なんだ?」
 志貴「……どういうつもりだ?」
 有彦「おまえの苦労を減らそうと、な」

  弁天神社を前にして


    ...以上です。ありがとうございました。



 ああ、確か書いてた、しかし何故に今頃出てくる……のクリスマスもの

  二百三十二「イヴの夜に」

 秋葉「まだ夜と言うには早い黄昏時の街を二人で歩いて、色とりどりの飾り
    つけを眺めて、夜景の見えるレストランを貸切にしてゆっくりとワイン
    と食事を楽しんで、それから……。
    どうせ夢だとは思っていたわよ、ええ」

 琥珀 「志貴さん、オーブンちょっと見て貰えますか?」
 志貴 「OK。うん、いい焼き上がり。レン、危ないからそっち行ってて」
 琥珀 「翡翠ちゃんそれには手を…あっ……、ええと、そうだアルクェイド
     さん達が持ち込んだ樅の木、照明を当てたら綺麗だと思うけど?」
 翡翠 「行ってきます」(ちょっとサラダボウルに未練あり) 
 アルク「ねえ、こんなのちょちょっと力使えばいいんじゃ…」
 シエル「あなたは無駄に体力あるんだから、文句言わないで下さい。
     手で生クリームを泡立てる事に意義があるんですから。
     ほら、手を休めない」
 レン 「……」(物欲しげにじーっと見つめている)

 秋葉 「ま、いいけど……」



  二百三十三「返品不可」

 秋葉「兄さん、クリスマスプレゼントには、秋葉を貰って…って何よ?
    考える事はみんな同じ訳ね……」



  二百三十四「誕生ケーキは無いけれど」

 アルク「あれ、志貴、どうしたの?」
 志貴 「うん、これ」
 アルク「うん? プレゼント交換はさっきしたでしょ。
     志貴のは当たらなくて残念だったけど」
 志貴 「あれとは別。一応、誕生日プレゼント」
 アルク「……」
 志貴 「皆には内緒な。見つかるとうるさいから」
 アルク「うん。……ありがとう志貴」

 秋葉 「まあ、見なかった事にしておきましょう」
 シエル「そうですね」

  ...以上です。二百三十三つながってないですね。まあ、いいや。



  二百三十五ノ一「スーパーディフォルメ」作:のちさん

 アルク 「はい、シエル」
 シエル 「?なんですか、これは?」
 アルク 「シエル用のシナリオ。文化祭用のね」
 シエル 「字が間違っているような気がしますが?」
 猫アルク「あたしばっかり、ディフォルメはイヤだもん」
 シエル 「……」
   シナリオの表紙には『SDカレーの王女様』


  二百三十五ノ二「スパイシー・ビーフ」作:のちさん

 アルク「でもSBって、なんの略?」
 シエル「それはですね……」
 アルク「すっごい・バカ?」
 シエル「違います!」
 アルク「せこい・ブス?」
 シエル「違います!なんで日本語なんですか!?」
 アルク「それじゃあ、スーパー・ビースト?」
 シエル「それは遠野くんです!」
 志貴 「なんでだ!」



  二百三十六ノ一「割り当てるとしたら…」作:がんさん

 志貴 「先輩は『青』の人だよな。青いし、ショートだし、眼鏡だし。」
 シエル「まあ、異存はありませんよ。」

 志貴 「秋葉は、まんま『赤』と。」
 秋葉 「兄さん… 『まんま』というのは、どういう理由でしょう?」
 志貴 「いいいいいや、綺麗な黒髪だし、おまえ。な?」
 秋葉 「釈然としないものはありますが、まあ、納得します。」

 翡翠 (志貴さま、志貴さま。)
 志貴 (何?)
 翡翠 (秋葉さまには、『緑』を割り当てられてはどうでしょう。喜ばれる
     と思うのですが… その… “胸”的に…)
 志貴 (いや… さすがにそれは…)

 秋葉 「そこ! 何をこそこそ話しているの!?」
 志貴 「いや、なんでもないよ、なんでも。」

 志貴 「で、『金』と『緑』は… うーん… 琥珀さんが『金』で、翡翠が
    『緑』かなぁ… なんとなく。」
 琥珀 「まあ、名前と目の色がそうですし… でも、『緑』の人って、料理
     が上手だったのでは?」
 翡翠 「嬉しいです志貴さま。今日の志貴さまの夜食は、わたしが用意いた
     します。」
 志貴 「あでゅー (;_;)」

 アルク「で、残る『月』は、当然わたしよね。」
 おーる(『月』って色?)


  二百三十六ノ二「激戦区」作:がんさん

 羽居 「わたしが『青緑』で、蒼ちゃんが『黄紺』ね。」
 蒼香 「あたしはタッパで、おまえさんは性格的に問題もあるが、まあ妥当
     かな。」
 羽居 「『紫(大)』の人は、どうしよう?」
 蒼香 「キャスト的には、遠野の奴がやるのが収まりがいいのだが…」

 一子 「!」
 青子 「!」
 朱鷺恵「!」
 啓子 「!」

 羽居 「競争率高そうだねぇ。」


  二百三十六ノ三「ある意味最強キャラ」作:がんさん

 レン(わたし… 三日月ハゲの黒猫? 『ちび月』? 『紫(小)』?)


  二百三十六ノ四「お相手は白馬の王子様でしたっけ?」作:がんさん

 志貴「『ちび月』は、都古ちゃんだろうな。」
 都古「えへへへへ。なら、ファーストキスはお兄ちゃんとだね。」


  二百三十六ノ五「いやなんとなく」作:がんさん

 晶 「わたしは『白猫』ですか。なんだか微妙なキャスティングですね。
    男の子ですし。」
 秋葉「『赤』のお供の『黒』が二人余っているけど、そっちの方が良いか
    しら? そうね、四条さんがフォボス(恐慌)、瀬尾はダイモス(恐
    怖)でどうかしら?」
 晶 「三日月ハゲの猫で結構ですぅ.(号泣)」

 志貴「『金』のお供も大変そうだけどな。」
 琥珀「翡翠ちゃん、志貴さんったら明日のお弁当も翡翠ちゃんに作っても
    らいたいんですって。」
 翡翠「先輩… (きゅん)」



  二百三十七「???」作:西紀貫之さん

 シエル「わたしは、えーっと……」
 志貴 「イエロー」
 秋葉 「イエローね」
 琥珀 「イエロー以外に考えつきません」
 翡翠 「イエローです」
 アルク「イエロー……だと思うよ、勘だけど」



  二百三十八「眷属の嗜好」作:風原 誠さん

 琥珀「レンちゃん、ご飯ですよ〜」
 
   お皿の上には砂糖、蝿、鼠 etc

 レン「ふるふる」(目いっぱいに涙をためて)

 琥珀「おかしいですねぇ
    吸血鬼の眷属はああいったモノを嗜まれる筈なのですがね〜」
   


  二百三十九「並列接続」作:阿羅本さん

 シオン「志貴、頭にエーテライトがついてるが……」
 志貴 「あ?これは秋葉のやつが……」
 シオン「問題はそこではない。なぜ志貴にエーテライトが3本も刺さって
     いる?」
 志貴 「……(ガタガタブルブル)」



  二百四十「過電流注意」作:阿羅本さん

 秋葉「おはようございます、兄さん」
 志貴「オハヨーゴザイマス秋葉サマ、今日モ一段トオ美シクイラッシャル」
   (カクカク)
 秋葉(……間違えてエーテライトに電流流しすぎたわね、車用バッテリー
    はやり過ぎだったかしら)



  二百四十一「禁忌」作:風原 誠さん

 式 「適わぬ願いだから禁忌なのであって、
    適ったら禁忌じゃ無くなるんじゃないか?」
 鮮花「・・・・・・(真っ青)」



  二百四十二「寓話 ― 『主従の愛、血よりも堅し』」作:がんさん

 翡翠「『桃太郎』ですか? もちろん存じております。」

 翡翠「小刀を使うお侍が、高飛車な鳥頭・割烹着の猿知恵といった仲間に
    悩まされながらも、犬のように忠実な従者と力と心を合わせ、白鬼・
    青鬼を退治するお話ですね。」



  二百四十三「寓話 ― これがいわゆるシンデレラ・コンプレックス」作:がんさん

 琥珀「あー、酷いです志貴さん。『シンデレラ』くらい知っています。よ
    くグリム童話だといわれていますが、グリムのシンデレラはストーリ
    ーが違うんです。お馴染みのシンデレラは、ペロー童話なんですよ。
    そもそも…」

    (琥珀先生による、比較文化人類学講座が続きますが、諸般の事情に
    より、割愛いたします。)

 琥珀「日本にもよく似たお話があるんですよー、『はいぼう』っていうん
    です。下働きの娘がヒロインで、いつも灰で汚れていたから『はいぼ
    う』。『シンデレラ』も『灰かぶり』って意味ですから、同じですね。
    ストーリーもだいたい同じなのですが、はいぼうはシンデレラと違っ
    て、意地悪な人は出てこない優しいお話なんですよー。」

 琥珀「つまり、古今東西を問わず『お掃除のできる娘は魅力的』ってこと
    ですよね、志貴さん。」 



  二百四十四「その一匙が」作:がんさん

 シエル「うう……」

 翡翠 「食欲をそそる臭いなのです。危険なのです。」
 琥珀 「ヒロイン全員の身長体重って公開されていましたよねぇ。」

 シエル「うう…………」



  二百四十五「その一滴が」作:がんさん

 さつき「うう……」

 アルク「血って栄養価高いから、太るのよー。」
 志貴 「それで吸わないのか、おまえ。」

 さつき「うう…………」



  二百四十六「排泄物」作:のちさん

 アルク「う〜、シエル〜」
 シエル「なんでわたしがそんなこと教えなければいけないんですか……」
 アルク「だって、いままでしたことなかったんだもん……」
 シエル「それはそうでしょうけどね……」



  二百四十七「ダイエット」作:のちさん

 アルク「する必要ないよ」
 シエル「女性の、まあ、たしなみ……ということで」
 翡翠 「……お答えしかねます」
 琥珀 「輸入物のいいのがあるんですよね〜」
 秋葉 「…………」
 琥珀 「……秋葉さまは、スレンダーが魅力の一つですからね〜」
 秋葉 「……まあ、そういうことです」
 琥珀 「(胸まで痩せると大変ですからね〜)」



  二百四十八「省みれば」

 志貴「よく考えると、秋葉ってまだ高1なんだよな」
 秋葉「よく考えなくともそうですけど、それがどうしたんです?」
 志貴「いや、苦労しているな、秋葉」(しみじみと)
 秋葉「え?」
 志貴「変な事言ったな、気にするな」
 秋葉「は、はい……(どういう意味だろう。兄さんの顔……)」



  二百四十九「振り向けば奴がいる」

 晶 「遠野先輩が時々わたしを見るときの、あの目。
    わたし、あの目をしている気がする、今……」
  志貴が和やかな顔で、膝の上のレンを撫でているのを遠くで見つめて。



  二百五十「蝶は花を選ぶとか何とか」

 アルク「うん? 翡翠もこういうの興味あるの?」
 翡翠 「いえ、その……、すみません綺麗だなと思って、つい……」
 アルク「あ、いいよ。お城にこの手の宝石とかごろごろしてるんだ。
     そうだね、これなんか翡翠に似合うかな……、あげる」
 翡翠 「あの、そんな……、困ります」
 アルク「いいよ、どうせ埃被ってた古いやつだから。翡翠はしっかりと
     仕事していて偉いっていつも志貴も誉めているし。
     ね、ほら似合うよ」
 翡翠 「ありがとうございます」
   一礼し、心なしか弾んだ足取りで翡翠退室。

 アルク「……あれ、あのブローチに付いてたのって、確かヨーロッパの
     小国の一つや二つそっくり買える価値があってとか言って……。
     ま、いいか、翡翠喜んでいたし」



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