天抜き 其の五十九






 二千九百一「バレンタインデー」

 セイバー「何でこんなにあちこちでチョコレートを見るのですか」
 士郎  「バレンタインデーだからな。
      女性から男性にチョコレートを贈るんだ」
 セイバー「女性から贈る……何ゆえに」(眼光鋭く)
 士郎  「そういう風習だからとしか言えないんだけど」
 凛   「贈っておけば、翌月に三倍になって返って来るの。
      悪い風習じゃないでしょう?」



 二千九百二「バレンタインデー」

 琥珀「まあ、貰って嬉しくない訳はないでしょうけど、後の事を
    考えると皆さんからチョコレート贈られるのも大変ですよね」
 志貴「……。(うかつに答えるな。トラップの予感だッッ)」
    

 二千九百二´「バレンタインデー」作:寒梅さん

 琥珀「トラップだとわかっていても避けようがないトラップに誘導された人が
    何とかしようと藻掻きながら自滅的に泥沼にはまっていく様を見るのは
    楽しいですね」
 志貴「たまには避けられるトラップをお願いします」(疲れ切った表情で)
 琥珀「今回のは日頃の行い次第でいくらでも避けようがあるんですけどね。
   それはそうと、ハイ。疲れたときに食べる甘いものは格別ですよ」



 二千九百三「バレンタインデー」

 橙子「ここにチョコレートがある。市販のものだ。
    特に手作りと称して形のみを変えたものではない。
    君に縁のある誰か、むろん女性、から贈られたものだ。
    中身を見て、誰からのものか当ててみてくれ」
 幹也「何ですか、それは」
 橙子「なに、単なる心理学的な検証さ」
 幹也「そうですか。心理学……?」(伸ばしかけた手を止めて)



 二千九百四「バレンタインデー 」

 シエル「どうですか、今夜のは会心の出来なんですけど」
 志貴 「美味い。確かにいつもと少し違うような」
 シエル「隠し味に少しチョコを入れたんです」
 志貴 「へえ、コーヒー入れるはよく聞くけど」
 シエル「おかわりよそいますね」
 志貴 「ありがとう。
     ……、あれ、まさか、それでおしまい?」(呟き)



 二千九百五「バレンタインデー」

 キャスター「あの、宗一郎様は、甘いものなどはお好みでは
       ないですよね」
 葛木   「………………………………………………………」
      (何かいろいろと考え、思い出したような表情で)
      「疲労回復などに糖分は良いのではないか」
 キャスター「はいッ」



 二千九百六「バレンタインデー」

 セラ 「アインツベルンのお嬢様自ら料理など、おやめ下さい」
 イリヤ「だって、手作りチョコってステータスが高いらしいのよ」
 セラ 「それでしたら、わたしが作ります」
 イリヤ「うーん、それでもいいけど」
 セラ 「そうです、そう致しましょう」
 イリヤ「ちゃんとシロウに対して心をこめてくれるのよね」
 セラ 「……」(凄く嫌そうな顔)
 イリヤ「はい、やっぱり自分でやる」



 二千九百七「バレンタインデー」

 綾子「ふうん、何だかんだでけっこうあんたも貰えるんだ」
 実典「数はな。こういうのは本命でないと意味ないんだ」
 綾子「そんなものかね」
 実典「それに数も、姉ちゃんの方が多いだろ、今年も」
 綾子「そうなのよねえ」(溜息)



 二千九百八ノ一「バレンタインデー 」

 ライダー「士郎、どうぞ」
 士郎  「ああ、ありがとう。
      今日初めて貰ったよ」
 ライダー「え、わたしが一番最初ですか。
      すみません、いったん返して下さい」
 士郎  「なんでさ」


 二千九百八ノ二「バレンタインデー 」

 ライダー「抜け駆けでなくて、前座と取るならば良いでしょうか。
      どうでしょう、シロウ?」
 士郎  「何を言ってるのかがわからない」



 二千九百九「バレンタインデー」

 藤ねえ「ふんふん」
 士郎 「どうした、藤ねえ」
 藤ねえ「あ、士郎もチョコ食べる? いろいろあるわよ」
 士郎 「じゃあ、せっかくだから貰うか。
     これはけっこう食感がいいなあ。高級っぽい」
 藤ねえ「どれ。ああ、この凝ったやつね。こっちもいいわよ」
 士郎 「なるほど。でも、こんなにどうしたんだ」
 藤ねえ「学校に持ってきてた子から没収したやつ」
 士郎 「え、ちょっと待てッ」
 藤ねえ「冗談よ。じゃあ、とりあえず士郎には渡したからね」
 士郎 「え、あ、ああ。普通に渡せばいいのに」



 二千九百十「八年」

 セイバー「シロウ、質問なのですが」
 士郎  「なんだ、深刻な顔で」
 セイバー「これはどうやって食べればいいのですか」
 士郎  「これって、柿の種か。
      どうやってって、何を言っているのかわからない」
 セイバー「まず、ピーナッツと一緒に食べるものなのか、それとも
      交互に食べるものなのかがわかりません」
 士郎  「好きにすればいいだろう」
 セイバー「なるほど。
      では、何粒ずつ食べるのが正しいのですか」
 士郎  「だから好きにすればいいだろう」



 二千九百十一「何度目かの初めての食事」

 アンリ 「マスターにケチをつけるつもりはないんだけどな」
 バゼット「何でしょう」
 アンリ 「たまにはもっと美味い物食べようとか思わねーわけ?」
 バゼット「そう酷い食事とも思えませんが。何しろ早いですし」
 アンリ 「なら、もうちょっと栄養面で気を遣うとかさー」
 バゼット「大丈夫ですよ。どのみち四日間だけの事ですから」
 アンリ 「身もふたもねえな」



 二千九百十二「物思い」

 秋葉「………………学校買い取っちゃおうかしら」

 志貴「どこのかって訊きたいような、訊いちゃいけないような」



 二千九百十三「夜の外出」

 琥珀「お帰りなさい、志貴さん」
 志貴「うわっ」
 琥珀「お静かに。深夜に声を上げないでくださいな」
 志貴「う、うん。まさかいると思わなかった」
 琥珀「たまたまですよ。
    でも、志貴さん、夜遊びは感心しませんねえ」
 志貴「いや、いろいろと、その……」
 琥珀「まあ今夜は秋葉様にも翡翠ちゃんにも気づかれてませんけど。
    本気で外出不可能なようにも出来るんですから心配はかけない
    ようにして下さい」
 志貴「ああ。でも、何で本気でしていないんだ」
 琥珀「本気で閉じ込めたら、本気でいなくなってしまうからですよ。
    何だか矛盾していますけどね」



 二千九百十四「違い」

 さつき「ねえ、シオン。前に魔術師って自分の目的の為には手段を
     選ばないとか言っていたよね」
 シオン「ええ。誇張なき事実です」
 さつき「だったら、シオンなんて一番簡単に…」
 シオン「私は錬金術師ですから」
 さつき「む、むう」
 シオン「(何を言い出すのか聞いてみたかった気もしますが……)」
 


 二千九百十五「即答は即答で文句が来る」

     映画を観つつ

 アルク「ねえ、志貴」
 志貴 「なんだ」
 アルク「このヒロインみたいに、自分が狂う前に殺してって言ったらどうする」
 志貴 「どうしてもしなければってなったら頷くかもしれないけど。
     うーん、無理だぞ、いろんな意味で」
 アルク「仮定なんだから、『うん』か『いいえ』かどちらかでいいのよ。
     わかってないよねえ、志貴は」
 志貴 「わかんなくていい、そんなのは」



 二千九百十六「正しいが」

 セイバー「今日の夕食は何か知っていますか」
 ライダー「先ほど台所に行きましたが、生魚のようです」
 セイバー「なるほど生魚ですか」

 士郎「生魚」
 凛 「生魚」
 桜 「生魚」



 二千九百十七「学生の本分」

 志貴 「あれ、何してるの、先輩」
 シエル「何って、見ての通り勉強ですけど。宿題もありますし」
 志貴 「ふうん。何だか先輩って勉強しなくて良いのかと思ってた」
 シエル「何でです」
 志貴 「何でですって、ほら……、何でだろう」



 二千九百十八「命一つを糧として」

 凛「確かに覚悟を決める時の速さとか、覚悟の強さは認めるわ。
   でも、それだけじゃない。元手無しで勝負するようなものなの。
   先にきちんと勝負できる準備をしないと駄目でしょ」



 二千九百十九「不和の林檎」

 シオン「やめておきなさい」
 琥珀 「へ?」
 シオン「爆弾を投下するのはやめなさいと言ったのです」
 琥珀 「爆弾って、わたしはただ、雛人形を見てですね…」
 シオン「ふむ。『志貴さんがお内裏様なら、お雛様は誰ですかねえ、
     志貴さんはどなたがいいですか』と言うだけと。
     これが爆弾でないと?」
 琥珀 「声色まで使われてしまいましたか。
     ええと、知ってますか、シオンさん。本当は内裏雛って、
     雛人形の男女雛の一対の事なんですよ。
     お内裏様が男雛というのは誤りなんです」
 シオン「……憶えておきましょう」



 二千九百二十「雛祭り」

 セイバー「どうしました、シロウ」
 士郎  「女の子の節句だからって台所を追い出されたんだ。
      おかしいだろう、それ。むしろ逆だろ。
      お誕生会で主賓が自分で料理するようなものじゃないか」
 セイバー「そんな事より、凛と桜は何を作っているのです」
 士郎  「そんな事か……。
      とりあえずちらし寿司とお吸い物は作ってたよ」
      


 二千九百二十一「普段しまっているのも」

 セイバー「しかし、季節どころか行事に結びついている食べ物とは
      風情があります。これも豊かな文化でしょう」
 士郎  「そんなものかな」
 セイバー「ええ。正月のおせち料理に雑煮、二月の炒り豆に恵方巻き、
      三月は雛祭りのいろんな料理、四月は花見の団子」
 士郎  「最後のは違和感あるな」



 二千九百二十二「普段しまっているのも」

 志貴「雛人形なんてあったっけ、覚えが無いけど」
 琥珀「ありますよ、それは」
 志貴「どこかに飾るの?」
 琥珀「雛人形のお部屋ですね」
 志貴「もしかしてそれ専用の部屋があるの?」
 琥珀「はい?」(質問の意図がわからない風情で)



 二千九百二十三「俗説らしいが」

 幹也「いったい何があったんだい、この有様」
 鮮花「何でも雛人形を片付けたのどうので揉めたとか」
 幹也「式と橙子さんが、でも、それでなんで部屋が半壊するんだ」
 鮮花「私だって知りません」
 式 「オレはただ、『雛祭り当日にもう片付けてしまうとはな』って
    言っただけだ」
 鮮花「ああ、なるほど」
 幹也「え、どういう事?」
 鮮花「雛人形を片付けるのが遅れると、と言うじゃないですか」
 幹也「ああ、そういう事か。でも過剰反応するのか、意外だ」



 二千九百二十四「期間限定発売」

 セイバー「すみません、つい、もの珍しくて」
 士郎  「いいよ、どうせ買い物に行くから、ついでに買ってくる。
      しかし、一袋ひとりで食べたか、雛あられ」
 桜   「……俳句?」



 二千九百二十五「女の子以外禁制」

 アルク「何で今日に限って入れてくれないのよ」
 秋葉 「今日は女の子の節句ですから。
     お二人は女の子と言うには……ではないですか?」
 アルク「頭くる言い方するわね」
 シエル「なるほど、それも道理ですね。
     郷に入っては郷に従えとも言いますし」
 アルク「何よ、シエルまで」
 秋葉 「それでは、ごきげんよう」
 シエル「女の子のみ、つまり遠野君も除外されますね。
     行き所のない遠野君を誘ってご飯でも食べるとしましょう」
 アルク「ふうん、今日だけは賛成するわ」
 秋葉 「お待ちなさいッ。そのニヤニヤ笑いもやめなさい」



 二千九百二十六「緑と赤の頭だけ変えたりな」

 シエル「何ですか、育ち盛りの大事な時期にカップ麺だなんて。
     今のうちから栄養には気を使わないといけないんですから」
 有彦 「いつもって訳じゃないし、なあ」
 志貴 「そうだよな」
 シエル「で、それはそれとして今は何をしていたんです」
 有彦 「別に大した事じゃないけど。こいつの粉末スープと交換した
     だけ。別のだけど、こちらの組み合わせのが美味いんだ」
 シエル「へえ、そんな工夫が。
     ふむふむ。んん、これは……」
 志貴 「どうかしましたか、先輩」
 シエル「すみません、黙ってて下さい。
     今ので何か天啓の欠片が。凄い事が浮かびそうなんです。
     あ、あああッ」
 有彦 「とりあえず、食っちまうか」
 志貴 「そうだな、3分経ったし」



 二千九百二十七「汎用性」

 セイバー「ふむふむ」
 士郎  「最近、やたらと今川焼き食べてないか。
      そんなに好きだったっけ」
 セイバー「好き嫌いで言えばもちろん好きですが、同じものをいつも
      食べている訳ではないのです」
 士郎  「小倉あんと白あん、あとクリームとかか」
 セイバー「甘いですね、シロウ。イタリアンピザ味や焼きソバ入り。
      海鮮に、チョコにカレーにサツマイモあんなど、多彩です」
 士郎  「待て、今川焼きだよな」
 セイバー「そうですよ。どれも美味しいのです。来週は特製麻婆味が
      期間限定で発売だとか。逃す訳にはいきません」
 士郎  「中華まんとか考えれば何でも合うは合うのか。
      しかし……」



 二千九百二十八「あやかり」

 凛 「あ、士郎、セイバーと出掛けるの。
    じゃあ、ちょうど良いからこの葉書出してきて」
 士郎「別にいいけど、ずいぶんあるんだな」
 凛 「懸賞とかのまとめて出してみるの。
    じゃあ頼んだ……、ちょっと待って、やっぱりいいわ」
 士郎「自分で出すのか」
 凛 「セイバーに頼むわ。何だかそっちの方が当たりそうな気がする」



 二千九百二十九「デジャブ」

 士郎「いや、セイバー、名前はそうだけど、それは食べ物じゃない。
    ……あれ、前にも同じような会話をした事があるような」
 桜 「あるような、じゃなくてあります。何度も」



 二千九百三十「そう言えば」

 藤ねえ「ねえ、士郎、セイバーちゃんはいつ帰るの?」
 士郎 「帰るってどこに」
 藤ねえ「どこかは知らないけど、、切嗣さんを訪ねて来たのよね?」
 士郎 「そうか、そんな設定してたなあ。忘れてた」
 藤ねえ「設定?」



 二千九百三十一「学問の自由」

 アルク「わたしも志貴と一緒の学校行きたい」
 志貴 「やめろ」
 アルク「えー、シエルは行ってるじゃない」
 志貴 「そうだけどさ、おまえはダメだ」
 アルク「むう」
 志貴 「(まあ、実際は止める手段も権利も無いんだけどな)」



 二千九百三十二「鍋いっぱい」

 琥珀「え、シエルさん、今日いらっしゃらないんですか」
 志貴「うん。急用で遠くに出掛けちゃって。
    謝っておいて下さいって頼まれた」
 琥珀「そうですか、どうしましょう、カレーは」
 志貴「また、作ってあげてくれるかな、楽しみにしてたし」
 琥珀「それはいいですけど、既に出来上がった分があるんです」
 志貴「そうか、ならシエル先輩の分も食べるから」
 琥珀「そうですか、明日はお休みですから三食召し上がって頂けば何とか
    全部消化できるかもしれませんね」
 志貴「どれだけ作ったのさ。
    余ったのは凍らせておく方向でお願いします」
 琥珀「味が落ちちゃうんですけどねえ」



 二千九百三十三「キャラクター」

 翡翠「シエル様がお見えです、志貴様」
 志貴「ああ、ありがとう。
    ん、何でそんな驚いた顔してるの?」
 翡翠「二階の窓からお入りになられたので」
 志貴「へえ、何かあったのかな。
    でも、窓から来るのはアルクェイドで慣れてるんじゃないのか」
 翡翠「では、わたしが窓から入りましたら、志貴様は驚かれませんか」
 志貴「なるほど。まあ、ありえないけど」



 二千九百三十四「武器よさらば」

 セイバー「……」
 士郎  「どうした、セイバー」
 セイバー「もうずいぶんと鎧を身に纏っていない事に気がつきました」
 士郎  「戦いとかないからなあ」
 セイバー「誰も剣など手にせずともすむようにしたかったのですから
      これはこれで決して悪い状態ではないのですが……」



 二千九百三十五「勝負」

 綾子「だったら、衛宮があたしめがけて矢を射る。
    それを竹刀で叩き落せるかどうか、それならどうよ」
 士郎「それはもう弓の勝負とかじゃないだろう」



 二千九百三十六「熱いのにアイスクリームというのも」

 桜   「パイシートがあったんで焼いてみたんですよ」
 セイバー「おお、良い匂いです」
 桜   「リンゴジャムを作るついでの即席アップルパイですけど。
      それだけしかないから、全部食べちゃっていいですよ」
 セイバー「ありがたく頂きます。
      では、早速一口。ふむ、ふむふむ、美味しいです」
 桜   「良かった。
      焼き立てもいいけど、冷やしても美味しくなるんですよ」
 セイバー「そうですか、なるほど……」
 桜   「そんなに悩む事なのかしら」
 


 二千九百三十七「異貌」

 凛 「何よ、投影魔術くらい。
    やった事が無いだけで、出来ない訳じゃないんだから」
 士郎「口ではどうとでも言えるよな」
 凛 「一般レベルの投影くらい簡単に出来るわよ」
 士郎「ならば、実際にやってくれよ」
 凛 「もちろんよ」

 桜 「あんなに追い込まれた姉さんの顔も珍しい。
    それに、先輩の……顔」
   


 二千九百三十八「必要性?」

 桜「え、姉さんもセイバーさんも泣き真似できないんですか。
   嘘でしょう。
   ふ、ふうん、そうですか」



 二千九百三十九「自助」

 シエル「打てる手は全て打ってもどうしようもない絶望的な状況、
     残された手立ては成功する可能性など無いに等しい。
     ただし、他を捨てて自分だけ逃れる事はできる。
     そんな時に遠野くんならどうします」
 志貴 「やらないといけないのなら、やるしかないだろう」
 シエル「遠野くんならそうでしょうね」
 志貴 「後は運を天に任せてねって、何、その表情?」
 シエル「そういう場合の遠野くんに運なんてあったかなあって」
 志貴 「……事実か知れないけど、凄く酷い事言われてる気がする」
     


 二千九百四十「魔法少女」 

 凛 「空飛んでいる時点で高度な魔術を行使してる訳よね。
    ただ宙に浮くんでなくて高速移動したりするんだし。
    さらに同時に攻撃の呪文を唱える……。
    どれだけ凄い術者なのよ」
 士郎「そうだろうけど」
 凛 「まったく、信じがたいわ」
 士郎「なんだ、この会話」



 二千九百四十一「和魂洋才」

 秋葉「少しこの家も変化をさせてみましょうか」
 志貴「と言うと」
 秋葉「洋館で洋風ですけれど、和風にするとか」
 志貴「ああ、そういうレベルの話か。
    どっちかというとそっちのが居心地良いかな」
 秋葉「では、兄さんも賛成と」

 志貴「……といったやり取りがあっただけだってば」
 琥珀「本当でしょうね」
 志貴「本当です、はい」
 琥珀「翡翠ちゃんが用済みとかいう話ではないんですね」
 志貴「ないんです、その顔はやめていただけませんか」



 二千九百四十二「一、十、百、千、万…」

 凛 「久々に強化の魔術を練習するわよ」
 士郎「ああ、いいぞ」
 凛 「実戦で使ったしもう問題ないと思うけど、さらに一工夫
    これを強化してみて」
 士郎「随分と古めかしいランプだな」
 凛 「アンティークと言いなさい。
    追い詰められると実力を発揮できるタイプとわかったから、
    プレッシャーを与える為に用意したんだから」
 士郎「ふうん、いいのか、何だか高そうだけど。
    もしも失敗して壊したらとんでもない目に合わされだけど」
 凛 「泣くわ」
 士郎「へ?」
 凛 「直接殴るとか、ガント連打とかの前に、泣くわ。絶対。
    これ一つを売ったらどれだけの宝石が…いえ、そんな事は
    いいの。成功したらいいんだから。はい、やって」
 士郎「うう……」



 二千九百四十三「な、なにぃ? お…お前は、まさかあの…」

 凛   「そう言えば、セイバーって最初の頃に結界でエクスカリバーを
      隠していたわよね」
 セイバー「ええ」
 凛   「でも、見ただけでわかっちゃうものなの、あれって。
      凄い剣だと言うのは分かると思うんだけど。
      アーサー王とエクスカリバーの知識は持っていたとして、違う
      時代だったり、違う土地の英霊が見てわかるものかしら」
 セイバー「違うとは、限らないのですよ、凛」(噛み締めるように)
 凛   「確かにね。でもその場合は剣なんかあってもなくても一目瞭然
      でしょう。素顔さらしているんだから」
 セイバー「それはそうですが……」



 二千九百四十四「バタフライエフェクト」

 シオン「今この瞬間にこの石を砕けば、ロンドン市場は壊滅しますね。
     その後までは読みきれませんが、最悪は……。
     と、その絶対の時はもう過ぎ去りましたけど」



 二千九百四十五「今日の出来事」

 秋葉「兄さんには何かあったかしら」
 琥珀「そうですねえ、志貴さんですか。
    ああ、そうそう、妹の下着を手に取り、こそこそとしつつも
    心中で穏やかならずといった様子をたまたま目にしましたが」
 秋葉「……洗濯した物の取り落としたか、誰かさんがわざと置いて
    おいたものを兄さんが拾い上げて、どうしたものか困惑して
    いた訳ね」
 琥珀「その通りです。よくおわかりに」
 秋葉「何度も似た事があればパターンも読めるわよ」



 二千九百四十六「様式美」

 志貴「ドアが閉まってたんでいったん人間の姿になって開けて、
    入ってドア閉めてまた猫に戻るのか。
    そのままで来てもいい気がするんだけど」



 二千九百四十七「用無し」

 凛 「あら、士郎、今日は遅いのね」
 士郎「たまたま遠坂が今朝だけ早く起きたんだろ」
 凛 「新聞は読んだからいいわよ。
    広告はこれからチェックするから」
 士郎「そうか」
 凛 「これなら先にあげるわ」
 士郎「家電量販店の広告か。なるほど」



 二千九百四十八「白い雲の如く」

 士郎  「綿あめを作る器械、いつからこんなのあったんだ」
 セイバー「これは何ですか、シロウ。
      何故だか非常に興味を引くのですが」
 士郎  「だから綿菓子の、と言っても知らないよな。
      ザラメはあるし、作ってあげるよ」

      三十分経過

 セイバー「おお、これは、軽くて甘い。
      前に食べたかき氷を思い出します」
 士郎  「セイバーなら喜ぶと思ったよ」
 セイバー「インパクトではかき氷に負けるかもしれませんが、
      より柔らかい。愛らしくも儚く、魅力的です」

 桜「でも砂糖」
 凛「そう、砂糖の塊」
      


 二千九百四十九「成功の母」

 凛 「失敗はしないにこした事はないけど、まったく悪いという
    訳ではないわ。
    結果して理解が早くなる事もあるし、そこから別の何かを
    発見したりする怪我の功名だってあるんだから。
    要は失敗は失敗として活かせればいいの」
 士郎「なるほど」
 凛 「遠坂家のいろんな秘儀や実績ってそうやって築かれてきて
    いるんだから」
 士郎「凄く、頷けるな」

     

 二千九百五十「慈しみ」

 カレン「時には、あなたの境遇に同情の念を起こす事もあるわ」
 士郎 「ふうん」
 カレン「祈ってあげましょうか」
 士郎 「祈るとどうにかなるのか」
 カレン「救ってあげましょうかと言ったわけではないわ。
     祈ってあげると言ったのよ」
 士郎 「要するに、かわいそうねと言ってあげましょうかって事か」
 カレン「アーメン」(敬虔そうな表情で)



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