天抜き 其の六十八






 三千三百五十一「残される者」

 ネロ・カオス「我が内の眷族全てが滅し尽した果て、残るのは一なる我か、
        それとも単なる器なのか。
        それはそれで興味がある問題ではあるな」



 三千三百五十二「食事の支度」

 士郎「ええと」
 桜 「はい」
 士郎「あ、ありがとう。よし煮えたと」
 桜 「盛り付けも出来てます」
 士郎「手際がいいな」
 桜 「まだまだです。じゃあ、次は」
 士郎「いいよ、俺が切るから、あっち見てくれ」
 桜 「お願いします」

 凛 「随分と息があっているじゃない。
    意外と。んん、意外じゃないのか」



 三千三百五十三「坂の上の家」

 草十郎「ただいま。道がすっかり凍ってる」
 青子 「昼間は晴れてて、中途半端に雪が解けたものねえ」
 草十郎「かなり滑りやすくなってる。朝は危ないな」
 青子 「それはそれで楽しそうだけど。
     有珠はどうするの、大変よ」
 有珠 「休むわ」(キッパリと)



 三千三百五十四「誰の為に」

 幹也「あれ、冷蔵庫壊れたんだ。
    しまったな、だったらアイス買ったの失敗だったな。
    食べちゃわないと。鮮花も手伝ってくれるだろう」
 鮮花「いいですけど。ひとつ訊いてもいいですか?」
 幹也「うん。何かな」
 鮮花「3つか4つあるのなら手伝います。
    2つしか無かったのなら、食べたくありません」
 幹也「う、うん」(わからない顔で)



 三千三百五十五「おねだり」

 アルク「だから、怒りだしてもダメなんだってば」
 秋葉 「じゃあ、どうすればいいんです」
 アルク「別に、何も考えずにお願いすればいいじゃない」

 琥珀 「それができればって顔ですねえ」



 三千三百五十六「選択」

 琥珀「もしも、わたしが物を壊さなくなる代わりに、
    呪いで料理の腕を無くしてしまうとします」
 志貴「じゃあ、今のままがいいなあ」
 琥珀「酷い。呪いを解くとかそういう手立ては」
 志貴「あ、そういう方向の話だったのか」



 三千三百五十七「懐かしきあの味」

 草十郎「鶏肉とか豚肉ももちろん美味しいんだけど、たまには
     別のものが食べたいなあ」
 青子 「と言うと、野鳥とか、猪とか?。それとも虫?」
 草十郎「ああ、それもいいなあ。
     でも一番に食べたいと言うなら、熊かな」
 青子 「ふーん」



 三千三百五十八「あさめしまえに」

 琥珀「志貴さん、明日の朝は卵はどうやって食べたいですか」
 志貴「じゃあ、目玉焼き、いや、ベーコンエッグで。
    何でまた、前の日にそんな質問を」
 琥珀「秋葉さまが、せめて同じメニューを召し上がりたいと。
    健気な言葉じゃないですか」
 志貴「遠回しな非難にも思えるけどなあ」



 三千三百五十九「甘いもの」

 凛「さすがに士郎もケーキとかパイとかは作らないのね」
 桜「そうですね」
 凛「桜はそういうの手を出さないの?」
 桜「少し試してみたんですけど」
 凛「けど?」
 桜「ああいうのって、砂糖とかバターとか生クリームとか。
   信じられないほど、山のように」
 凛「ああ、そうね」
  


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