天抜き 秋葉死闘篇





 1.『野望の序曲』

 秋葉「遠野家の威信にかけても今回こそ負けられないわ」
 琥珀「そうですね、秋葉さま」
 翡翠「頑張って下さい」
 志貴「でも、1位になって何かいい事でもあるのか?」
 秋葉「……」
 琥珀「……」
 翡翠「……」
 志貴「え、あの、ええと……、何かわからないけど、ごめん」
 秋葉「絶対に勝つのです」(何事も無かったように)



 2.『価値観』

 琥珀「でも、あの様子だと志貴さんは秋葉さまが1位でも、別に見
    直したり、特に振り向かれたりしそうにないですね」
 秋葉「………………。
    あ、ありそうだけど……。それでも、それでも勝つの」



 3.『がんばれ、誰かさん』

 志貴「まあ、秋葉がやる気充分なのはわかったよ」
 琥珀「少なくとも元々ベスト5に入っていたのに、一桁順位を維持
   できなかったりしたら、悲惨じゃないですか、志貴さん。
    誰の事とは申しませんけど」
 志貴「そうだね」(何だかすごく納得した顔で)



 4.『一人より二人、でも最後に勝つのは一人だけ』

 秋葉 「そうだわ、投票は一票で二人。
     誰かと組んで相乗効果で票を増やしていけば……」

 琥珀 「翡翠ちゃん、頑張りましょうね」
 翡翠 「ええ、姉さん」

 羽居 「がんばろうーねー、蒼ちゃん♪」
 蒼香 「まあ、あたしはどーでもいいんだが」

 シエル「仕方ありません、いないよりはマシ」
 ななこ「ええっ?」(でも逆らえない)

 アルク「わたしと組むのは本末転倒でしょ。
     だいたい、わたしの場合猫アルクとか、朱い月とかいるし」

 秋葉 「もしかして、私って一人……?」(呆然と)



 5.『いや、いました』

 晶 「どうせ首位争いとかは無理だろうけど、少しは健闘したいな…」
 秋葉「いた、いたわ」(ちょっと涙ぐんで)
 晶 「と、と、遠野先輩!?」
 秋葉「くーーるーーのーーよーーー!!!」(手をがしりと)
 晶 「え、え? 
    あの、ああっ、志貴さーーーん……(フェードアウト)」



 6.『お互いさまです』

 秋葉「あなたとは意見が合いそうだけど、カブっているわね」
 鮮花「ええ」

  微妙に空気が硬く、そして殺伐としたものへと……



 7.『敵を知り己を知り』

 シオン「いろいろ策を講じているようですけど、計算すると秋葉に
     はかなり不利ですね。
     少なくともわたしなら負け戦になると判断して、無駄な悪
     足掻きはしないであろうレベルです」
 秋葉 「負け戦ですって?」(眉をひそめ)
 シオン「はい。秋葉の主たる武器となる特性は、『妹』と『世の巨
     乳志向に逆行する体型(婉曲表現)』ですね?」
 秋葉 「な…」
 シオン「しかし、今回は妹および妹的キャラは多数、かつディープ
     な幼児体型を兼ねているケースも多い。
     それに反し、真祖と属性を重ねたキャラは、ほぼ皆無です」
 秋葉 「……」(反論したいが、冷静に言われると言葉を返せず)
 シオン「ご愁傷さまです」



 8.『この世界の定理です』

 シオン「それとですね、どうも我々の世界の黄金率として、兄妹な
     いし姉妹の場合、妹の方が優遇されるきらいがあります」
 秋葉 「そうかしら」
 シオン「わたしの情報だと……、蒼崎家の姉妹、両儀家の兄妹、黒
     桐の兄妹、遠野家もそうですね。
     真祖の姫と吸血姫も一応はブリュンスタッドの名を持つ姉
     妹関係ですし」
 秋葉 「琥珀と翡翠は……、寵愛は受けているわね、確かに。
         でも、それが何なの? 私は妹だし」
 シオン「同じ学校の後輩と組むと聴きましたが、そうなると秋葉が
     お姉様になるのではない     ですか?」
 秋葉 「え、でも……」(何やら深く考え込んでいる様子)
 


 9.『全て世は事もなし』

 レン「……」(すやすやと眠っている。どこか余裕の表情?)



 10.『世界中を敵に回そうとも』

 秋葉「こうなったら……」(なんだか髪が赤くなっていく模様)
 志貴「秋葉」
 秋葉「兄さん?」
 志貴「そんなに1位にこだわらなくても……」
 秋葉「だって……」
 志貴「俺は秋葉が1位になんかならなくてもいいな」
 秋葉「え?」
 志貴「なったら嬉しいだろうけどね。秋葉がそんなに皆に人気あっ
    たら、それはそれで少し寂しいかな」
 秋葉「兄さん……。兄さんがそうおっしゃるなら私……」
 志貴「ああ(放っておくとろくな事にならないの見えているし)」



 11.『岡目八目』

 翡翠「……最初から志貴さまと組まれたらよかったのでは?」
 琥珀「そうよね」
 翡翠「? 姉さん、もしかして最初から気がついていたの?」
 琥珀「さあ、どうかしら」
 


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