天抜き・色々



 25万HIT記念の競作と、02年冬コミで堂々刊行の「猫vs馬」さんの
 同人誌「colors」の応援企画として古守久万さんと書きっこしています。
 お題:Blue、Red、Orange、Green、Yellowの色(和訳可)を使って書く。

 1.2.3……が古守さん作、壱.弐.参……がしにを作となっています。



 1.「血の気が引くと『青ざめる』とは言うけれど」
 
 志貴「なぁ秋葉。お前、血だったら何でもいいの?」
 秋葉「何でも……って訳じゃありませんよ」
 志貴「良かった。例えばエビやタコの血でもいいって言ったらどうなるかと思って」
 秋葉「へえ……(紅赤朱)」



 壱.「揺りかご」

 翡翠「姉さん、わたしに子供が育てられると思う?」
 琥珀「え……」(まじまじと翡翠を見つめ、顔を赤くしたり青くしたり)
 翡翠「あの、姉さん……?」
 琥珀「大丈夫よ」(力強く)
 翡翠「う、うん?」
 琥珀「大丈夫。翡翠ちゃんの為なら、秋葉さまと刺し違えてでも。
    でも、いつの間にそんな……」
 翡翠「いえ、そうじゃなくて、たとえばの……、ああっ、聴いていない」



 2.「高タンパク性の食事とホルモン注射を」

 志貴「もし、もし赤玉が出たら、俺って捨ておかれる運命!?」
 (その場にいた全員がビクッと肩を震わせる)



 弐.「幸福の黄色いハンカチ」

 アルク「うん、いいお話だったね」
 志貴 「ああ、名作だ」
 アルク「もし、わたしが突然姿を消したら、志貴も待っててくれる?」
 志貴 「黄色でも赤でも白でも、いくらでも吊るしておくよ。
     俺が生きてる間に戻ってきてくれるなら」(真顔)
 アルク「うん……」



 3.「素直にトマトジュースにしたら」

 志貴 「ごちそうさま。お、今度はデザートか」
 アルク「そうだよ志貴、切って切って〜」
 志貴 「了解。よっと」
 アルク「! ……あ〜あ(残念そうに)」
 志貴 「? どうした?」
 アルク「『ブラッドオレンジ』って言うから期待したのに……」
 志貴 「……(苦笑)」



 参.「咲く薔薇、散る薔薇」

 秋葉 「これで、いいのですか?」
   秋葉の手にした深紅の薔薇が、みるみる色褪せ、ぼろぼろと崩れ散る。
 アルク「ね、わたしも出来るけど、妹の方がずっと似合うでしょ」(囁き声)
 志貴 「ああ、そうだな(真祖より吸血鬼っぽいって……)」



 4.「Green's Magic」
 
   (洗濯されている自分の体操着を眺め)
 秋葉「緑色って着痩せして見える色だから嫌。まだラインだけだから良かったけど……」
 琥珀「あら秋葉様、黄色は膨張色ですよ」
 秋葉「!?」
   (次の日)
 志貴「ど、どうした秋葉? 急にウチの制服なんて着だして……」



 四.「紅」

 琥珀 「この中に仲間はずれが一人います」
 アルク「……」
 秋葉 「……」
 翡翠 「……」
 青子 「……」
 一子 「……」
 シエル「……え、わたしなんですか、何故?」



 5.「某戦隊モノのせい?」

 シエル「カレーが黄色って、絶対偏見だと思うんですけどねえ……」
 ななこ「(確かにそうですけど、それはやりすぎだと思います……)」
   (と、未だ半分残るターメリックの瓶と空っぽのカイエンペッパーの瓶)



  五.「綺麗な花を咲かせましょう」

 秋葉「本当はこれ、白い花を咲かせるのだけど。
    色のついた水を吸わせてやれば、こんな色の花になるのよ」
 晶 「き、綺麗ですね(な、何なの、どんな隠喩なの、これって?」
 秋葉「どうしたの?
    私はただ園芸の話をしているだけよ、瀬尾?」(笑み)
 晶 「は、はい(笑っていない、目が笑っていない……)」



  6.「硫酸銅とかケシの花とか」

 琥珀「……ここが薬品棚で、窓から見えるのが薬草園ですよ」
 志貴「へえ……(見回して)でも、なんであんなに綺麗な色ばっかりなの?」
 琥珀「さぁ……?」(冷や汗を流し視線を逸らす)



  六.「空より蒼き想い出の……」

 アルク「もしもブルー、いえ蒼崎青子とわたしが敵対したら、志貴はどうする?
     どちらの味方になるの?」
 志貴 「先生」(考える素振りすらなく反射的に)
 アルク「むぅ」



  7.「いや、作らなくて良いから」

 翡翠「翡翠麺、ですか……」



  七.「大和撫子ですから」

 アルク「妹の髪って綺麗だよね」
 秋葉 「……そうですか?」(言葉の裏を怪しむ顔で)
 アルク「うん、流れるみたいな黒髪ってのもいいな」(素直な賞賛)
 秋葉 「ま、まあ、あなたからでも、誉められて悪い気はしませんね」
 アルク「なんで志貴は妹の髪の事、悪く言うのかなあ」
 秋葉 「え?」
 アルク「鳥みたいだとか、他の色みたいだとか、わたしに言うんだよ」
 秋葉 「……」
   秋葉、つと立ち上がり何処かへ歩き去る。
 アルク「あれ?」
 琥珀 「あの、アルクェイドさん、もしかして志貴さんは烏の濡れ羽色とか、
     翠の黒髪とか仰っていたのでは?」
 アルク「そうそう、そんな言い方だった」
 琥珀 「なるほど……」(生温かい笑み)



  8.「漢字で書く事が重要」

 晶「あの……薔薇色が好きです」

 

  八.「オレンジの種五つ」

   酸っぱそうなオレンジを美味しそうに食べながら。
 青子「無記名の封書で種だけ送られて……、なんてお話があったわね。
    送られた人は事故としか思えない死を遂げる。
    面白いからやってみようかしら。
    見た瞬間に意味なんてわからなくても怒り狂うでしょうけど」
   楽しそうに、いそいそと鞄を開ける。
   


  9.「アイヨリアオシ」

   (自分の部屋を見回しながら)
 シエル「あのお屋敷も捨てがたいですが、メイドのライバルが沢山いますから、
     この部屋を愛の巣にした方が色々……」
   (同時刻、全く同じ事を思うアルクェイド。くしゃみをする翡翠と琥珀)



  九.「まだそれは固く」

 シエル「まだ出始めの皮の青い蜜柑って美味しいですよね」
 琥珀 「そうですねえ、まだ熟する前の果物は本来の味は乏しいですけど、
     それはそれで風味がありますから」
 秋葉 「そう言われると、青リンゴなども、あの酸っぱさが美味しいと言え
     るわね」
 志貴 「そうだな、まだ青い果実ってのもいいなあ。
     ……なんでみんなで変な顔して俺の事見るんだ?」
 一同 「いえ、別に」



  10.「不幸の予感?」

 さつき「きゃっ!(通りすがったレンに驚く) 黒猫さん、私に悪さしないでね」
 レン 「……」
  (次の朝)
 さつき「黒猫さん、おはようっ! 昨日はごめんね!」
 レン 「にゃぁ(頭を撫でられてご満悦)」



  十.「玉子焼きの情景」

 琥珀「あら、双子なのね。
    こちらがお姉さんだったのかしら?」(黄身を菜箸で突き破りつつ)



  11.「おんなのこっていいな」

 志姫「(恥ずかしそうに)やだ……私の事、色情魔みたいな目で見ないで……」



  十一.「匂い立つ様な」

 アルク「そんなに、志貴の血って美味しいの?」
 秋葉 「それはもう、舌先にあの赤色を一滴垂らしただけで陶酔するような……」
 アルク「ふうん、そうなんだ」

 シエル「何と言ったらいいのか……」



  12.「愛してるから見せられる色」

 朱鷺恵「志貴君、おはよう」
 志貴 「おはようございます……朱鷺恵さん」
 朱鷺恵「なぁに?」
 志貴 「昨日の朱鷺恵さんの肌、本当に朱鷺色でしたね」
 朱鷺恵「もうっ……(頬を赤らめ、志貴の胸に頭を乗せる)」



  十二.「裏か表か」

 琥珀 「どうぞ、アルクェイドさん」
 アルク「ありがとう。うん、香りがいいね」
 
 琥珀 「あれって志貴さんが教えたんですか?」
 志貴 「うん。学校でね」
 琥珀 「妙に可愛いですね」
 志貴 「そうだな」

  きちんと正座して、正しい作法で緑茶を啜るアルクェイドを見ている二人。



  13.「さすが7番目なだけある」

 志貴 「7だ」
 アルク「違うもん、絶対6」
 シエル「まぁまぁ、落ち着いて。どちらでも良いじゃないですか?」
 志・ア「いやだ!」
 シエル「ふう……(まさか虹の色数でここまでもめるとは……
     ハーフの私には分かりませんね)」



  十三.「山吹色の絵の具」作:古守久万さん&しにを

 一子「(うーん、髪型と色、そろそろ別なのにするかな)
    なあ、有間。あたしに似合う色って何かな?」
 志貴「イチゴさんにですか。そうですね……。
    これなんかどうです?」
 一子「なんで絵の具なんか持って……、山吹色か。
    あたしに『謙遜・気品が高い』なんて不似合いな言葉だな」
 志貴「え?」
 一子「何、山吹の花言葉さ」
 志貴「へえ。ふーん」
 一子「その目は何かな、有間?」
 志貴「ええと……」(冷や汗)
 一子「ううん?」(遊び道具を見つけた猫の目。既に髪の事は忘失)



  14.「Pink Rose」

 さつき「決して真っ赤に染まる事のないこのバラだけど……私はそれでもいいよ。
     色付く日をずっとずっと夢見ているけど、儚い色のままでも。
     ……泣かないで、私」



  十四.「でぃーぷぱーぷる」

 志貴「せめて材料が何か、知りたいんだけど……」(期待の目に急かされ箸を)



  15.「山吹色の……と聞いて」作:古守久万さん

 アルク「ねー志貴、それおいしいの?」
 志貴 「違うよアルク、あれはな……」
 (数日後)
 秋葉 「何ですか、遠野グループはそんな真似はしませんよ?」
 アルク「ちえー(と、手にした三味線のばちを残念そうに見つめる)」



  十五.「確かに黄色じゃないと思うけど」作:しにを

 志貴 「(なんで、カレーって何色かなあ、なんて話題振ったんだろう……)」
 シエル「聴いていますか、遠野くん、それでですね……」
 志貴 「はいはい(溜息)」



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