俺の妹がこんなに可愛いわけがない天抜き

作:しにを

 




 以下は、絵の無い四コママンガといったイメージで書いています。
 読まれる方のイマジネーション力に大きく頼っています。
 7巻刊行時点での原作準拠なのでも、それ以降との設定齟齬などは見逃しましょう。






1.「関係性」

 京介「たまに、どうしたらあいつとの関係が改善されるのかなと
    思わなくもないんだがな」
 黒猫「まるで気の迷いみたいに言うのね」
 京介「俺が何したって気に入らないみたいだしさ」
 黒猫「だったら、妹が望む理想的なお兄さん像に近付いてみたら」
 京介「理想的と言われてもなあ、例えばどんなだよ」
 黒猫「信じられないでしょうけど、あれなんかは好例よ」
 京介「んん……、赤城兄妹??」


2.「関係性2」

 京介「ええと、妹を物凄く溺愛して世界一可愛いと断言していて、
    妹を喜ばせる為なら労を惜しまない。外から見ればけっこう
    好感持たれるスポーツマン……あれ?」
 黒猫「口では何だかんだ言いつつも、妹の方も兄を頼りにしていて
    慕っているわね、どう?」
 京介「そう……だな。正解なのか、あの兄妹の関係って」
 黒猫「正解のひとつではあるんじゃないかしら。
    それが普遍性があるかは別として」


3.「関係性3」

 京介「でも、あいつ妹そっくりなドールを……ってのは黒猫には
    話せないよな」



4.「罵倒」

 桐乃「あんた、何かさあ、あやせに執着見せてない?」
 京介「そんな事は……ないぞ」
 桐乃「確かに可愛いし、性格もいいけど。
    でもあんなに嫌がられて変態とか言われたのに。
    ……もしかして、だからなの? キモ」
 京介「待て、さすがにそんなM属性ねーよ。
    だったら、顔見ればキモだの何だの言われて、理不尽な命令されて
    こき使われて、あげくの果てに土下座させられるとか、お前なんか
    ど真ん中になっちまうだろう」
 桐乃「…………」
 京介「いや、待て。何かたとえが変だな、取り消す」
 桐乃「キモッ、……あっ」
 京介「だから、その、しまったって顔は止めろ」



5.「誰と誰?」

 沙織「黒猫殿は、ベルフェゴール殿に会ったのでしたな。
    いかなる御仁か少々興味があるのですが」
 黒猫「……いい人だった。ナチュラルに優しそうだし」
    それと、近すぎる幼馴染ってあんな感じなのかと思ったわ」
 沙織「ほほう」
 黒猫「あの二人がさっさとつきあっていれば、多分、二人の関係も
    変わっていたような気がする」
 沙織「んんん?」



6.「少女の肖像」

 父 「お前は、これを読んでみたのか」
 京介「一応は」
 父 「ならば訊きたいのだが、主人公の少女が桐乃を思わせるな」
 京介「ああ……って、まさか読んだのか、親父」
 父 「そうだ。それで、まさかと思うがここに書かれているのは実際…」
 京介「ない、ありえない」
 父 「そうか、うむ、そうだな。しかし、ならば何故、こんな風に」
 京介「別に自分がなりたいとかじゃなくて、その辺の中学生が好むような
    話にしたって事だろ。普通じゃない存在ってやつ。
    まあ、そもそも自分の存在が普通じゃないけどな、あいつの場合」



7.「描写」

 沙織「どうしました、京介殿」
 京介「あいつらの書いたの、読んでみたんだけどさ」
 沙織「ああ」
 京介「互いに相手をモデルに酷い扱いしてるっていうから、どんなかなって」
 沙織「それを確認するためだけにとは、悪趣味といえば悪趣味ですな」
 京介「ほっとけ。
    で、桐乃の方は、数行で黒猫があれして退場するけれど」
 沙織「レイプされて自殺すると」
 京介「ぼかしたのをわざわざわざわざ言いなおすな。
    でも、黒猫の書いた方は」
 沙織「キリリン殿が性奴隷にされる方ですな」
 京介「だから、いちいち言うな」
 沙織「まあまあ。で、どうでした」
 京介「なんか念いってた書き方で頁数も多いし、ちょっと驚いた。
    そういうの、抵抗ありそうなのになあ……」
 沙織「そこはそれ、創作物という事で」



8.「妹的存在」

 京介「最近は瀬奈とうまくやっているな」
 黒猫「カチンとくる事もあるけど、妹キャラだと思えばそれほど
    腹も立たなくなったわ」
 京介「おまえと同学年だろう。  
    でも、まあ、理解できるな、なるほど」
 黒猫「あなたとはニュアンス違うと思うけど」


9.「妹的存在2」

 アカギ「妹だから許せる? そうだな、よくわかるぜ」
 京介 「おまえともニュアンス違うと思う」



10.「透明と白」

 沙織「そうですな、好きな人を自らの手で汚してしまいたいという
    倒錯的な衝動はおわかりになりますかな」
 桐乃「それはわかるけど」
 沙織「キャラクターを特徴付ける物でしょう。
    だから効果が大きいのではないですかな。
    知性の象徴たる一面もあって、そこからのギャップも」
 桐乃「なるほど、わかる気がする」
 京介「何の話?」
 沙織「キリリン殿に質問されまして。眼鏡に…」
 京介「やめろ」



11.「想像と現実と」

 京介「ナイフとフォークもわからないんだけど、知り合い、特に
    自分の兄貴で妄想するのは本気で理解できない」
 瀬奈「その場合、確かに兄さんや先輩は実在の人物ですけれど、
    妄想の中では、人形というか、架空の存在なんです」
 京介「そういうものなのか」
 瀬奈「ええ。だから、先輩と兄さんが連れ立って歩いていれば、
    それだけで妄想のスイッチが入りますけど、逆に実際に今
    ここで先輩の非情な攻めに兄さんが悶えていても……」
 京介「どう見ても、見たがってるだろう」
 瀬奈「……すみません。自分の言葉で克明に。
    ああ、素敵。いえいえ。    
    でも、実際に目にしたら引くと思います。本当に」
 京介「本当に?」
 瀬奈「……」(視線をそらす)
 


12.「あとは、妹なら」

 桐乃「どうせ、姉キャラとかに憧れてるんでしょ、キモ」
 京介「実際に姉がいると、妹を欲しがるって言うけどな。
    おまえだって、弟欲しかったりするだろ」
 桐乃「別に欲しくないけど」
 京介「あ、そうなのか」
 桐乃「…の方がいいし」(小声)。
 京介「うん?」
 桐乃「何でもないわよ」



13.「義理の」

 京介「もし、あやせが俺と結婚したら」
 あやせ「着信拒否、ストーカー、逮捕」
 京介 「仮定だ、仮定。今すぐ結婚しようという話じゃない」
 あやせ「それでも嫌ですけど、続きをどうぞ」
 京介 「桐乃の義姉になれるだろ」
 あやせ「そうなんですよね」(天使のような笑みで)
 京介 「だろう」
 あやせ「実際、考えた事もあるんですけど、どちらかと言うと、桐乃の
     妹になって姉さんとか、お姉ちゃんとか、言って甘えたい。
     変ですよね」(僅かに赤面)
 京介 「いや、桐乃も絶対そっちのが喜ぶだろう」



14.「具現化」

 加奈子「何か、最近、時々変な目で見つめられてる気がすんだけどさ」
 あやせ「ふうん」
 加奈子「待て、何だ、その笑ってない目」
 あやせ「え、あ、ごめんなさい」
 加奈子「何だあ?」
 


15.「理由」

 京介「妹持ってる兄として、それほど妹に執着できるのがわからん」
 赤城「妹云々は置いといて、瀬奈ちゃんは可愛いだろう」
 京介「そうだな、認めるにやぶさかではない」
 赤城「うんうん」
 京介「……で? え、それで説明完了なのか」
 


16.「またか」

 京介「何で、ああも麻奈実に敵意むき出しになるんだろうなあ」
 沙織「お兄ちゃんがとられちゃう……で説明つくのでしょうけど、理解できない
    でしょうし(呟き)
    京介殿、食事などは家族で一緒に取られてますよね」
 京介「ああ、だいたいは」
 沙織「学校などの日常の話をする事もあるのでしょう。
    きりりん殿に直接でなくとも父君や母君などに」
 京介「あるな」
 沙織「そうした時に、登場する唯一の女性がその麻奈実嬢でありましょう?」
 京介「仕方ないだろう、恋人とかいないし」
 沙織「当たり前のようにある女性がただ一人の特別な存在になっていたとすれば、
    何となく面白くないという気分になるのではないですかな」
 京介「そんなものか?」
 沙織「わからないようでしたら、逆の立場で考えてみればいかがかと」
 京介「ううん。そうかな。わかるような、わからないような」



17.「合従連衡」

 京介 「麻奈実とは連絡とりあってるんだよな」
 あやせ「ええ、お姉さんにはお世話になっています」
 京介 「桐乃とか黒…もう一人とかは妙に敵視してるから、仲良くやってくれる
     なら、まあ有難いけどさ」
 あやせ「緩やかな利害関係もありますけど。
     わたしはお姉さんを応援したい立場ですから」
 京介 「何だかわからないが、よろしく頼む」



18.「帰宅してみたら」

 桐乃「だから、何であんたはこの部屋のベッドで寝てるのよ」
 黒猫「ん……、くしゅん」
 桐乃「そうやって寝てて風邪引いてしまえばいいんだわ。
    ……もう」

 黒猫「ん……、夜魔(ナイトメア)の呼び声に応えてしまったかしら。
    あら、毛布?」



19.「つかず離れず」

 麻奈実「五更さん、帰り?」
 黒猫 「はい、先輩」
 麻奈実「何だかいつの間にか京ちゃんの周りに可愛い子ばかり。
     京ちゃん格好いいものねえ」
 黒猫 「それ、本人には言わないんですか」
 麻奈実「言わないけど、どうして」
 黒猫 「こういう部分なのかしら」



20.「他の男に」

 赤城「近いうちに瀬奈ちゃんに目を付ける男が現れるかもなあ」
 京介「そうだな」
 赤城「それで好き放題されると思うと涙が出そうだ」
 京介「好き放題って言い方もどうかと思うが」
 赤城「それならいっそ俺が、と思っても不思議じゃないだろう」
 京介「不思議だッッッ」
 赤城「うん? 一緒に見たドールの話だぞ。
    人を何だと思ってるんだ、お前は」
 京介「すまん。……いや、まて」



21.「意識の有無」

 あやせ「着信拒否、ずーと気づいていなかったんだ。
      ふうん。
      ……何だろう、この気持ち」



22.「会いたくて」

 沙織「拙者だけまだヴェルフェゴール殿にお目にかかっていないですぞ」
 京介「言っとくけど悪魔じゃねえ。断じて違う。
    おまえがこっちに来た時にいるようなら紹介するよ。
    ただなあ」
 沙織「ただ?」
 京介「おまえの場合、あいつらと違って仲良くなりそうな気がする」
 沙織「良いではないですか。仲良き事は美しき哉」
 京介「そうすると全ての面で俺の事掌握されそうな気がするんだが」



23.「ブースにて」

 京介「ただいま」
 黒猫「お帰りなさい」
 京介「ちょっとトイレ行くだけでも一苦労だな、この人混みだと。
    一人でサークル参加でトイレ行くのどうしてたんだ?」
 黒猫「ひッ」
 京介「え、あれ、何か拙い質問だったか」
 黒猫「変な意味はないようだからいいけど。
    外出中と札置いておいたわ。
    まったく、何か新しい属性を加えたのかと思った」
 京介「よくわからんが、何かスマン。
    ええと、店番代わるから行くなら行ってきてくれ」
 黒猫「だから……、いい。今行くと変な想像されそうだから」
 京介「?」



24.「これは酷い」

 赤城「恐るべき奴とは思っていたが、マスタークラスだったとは」
 京介「何がだ」
 赤城「聞いたぞ。妹のPCでエロゲーをやり、アダルトサイトを見て、
    怪しげなワードで検索をして、しかも痕跡をそのままにする漢ぶり」
 京介「待て」
 赤城「エロ先輩との異名は瀬奈ちゃんから聞いていたが、さすがだな」
 京介「やはりそこか、情報源は」



25.「ではどんな気分なのだ」

 京介「時々気になるんだが、そのポスターって毎回同じものなのか」
 沙織「気分に合わせて変えているでござるよ、ニン」
 京介「例えば、今は?」
 沙織「さすがに公衆の面前で広げるには差し障りあるのですが、
    あえて羞恥プレイをしたいのであれば、乗りますぞ」
 京介「却下だ」



26.「ここにいない人」

 京介「昼はカレーの残りを食べろか」
 桐乃「またあ?」
 京介「おまえは料理とかしないしなあ」
 桐乃「はあ? 人に振らないでよ。作ったとしても自分の分だけよ」
 京介「はいはい。おまえはそうだろうな」
 桐乃「そうやって、無意識にあいつと比較してるところが」(呟き)
 京介「何か言ったか」
 桐乃「言ってないわよ」

     

27.「攻守交替」

 京介「おまえと瀬奈の会話でカップリングというのはわかるんだけど、
    攻め受けのリバースがどうのってのが今ひとつ理解できない」
 黒猫「そうね、男同士での性行為はどうやるかはわかるわね?」
 京介「ワカリマス」(どストレートで少しうろたえている)
 黒猫「それなら理解が早いわ。
    右手と左手のカップリングとして、右攻めの左受けなら、こう。
    それに対して逆に左から右へこうなるのが、リバース」
 京介「黒猫、おまえに過度な幻想は抱いていないんだけど、その手の
    動きはやめてくれ。頼むから」
 黒猫「え」(瞬時に赤面)



28.「新参者への目」

 桐乃「マスケラ最高」
 黒猫「これはこれで少しイラっとくるわね」



29.「彼は昔の彼ならず」

 麻奈美「でも、けっこうモテるみたいよ」
 京介 「ロックがか」
 麻奈美「ホワイトデーとかお返しに幾つも店のお菓子持って行くもの」
 京介 「和菓子かよ。
     あ、いや、和菓子を馬鹿にしたんじゃない」
 麻奈美「わかってるよ」
 京介 「しかし、お返しという事は、バレンタインデーに貰っている訳か。
     油断ならないな、ロック師匠」
 麻奈美「師匠?」



30.「チケットがあったので」

 京介「温泉センターってあんまり団体で来るもんでもないよなあ。
    絶対、男が先出て待たされるしなあ。
    お、桐乃」
 桐乃「あーもー」
 京介「お前、何で機嫌悪くなってるんだよ」
 桐乃「悪くないわよ。
    まったくもう、何、あのモデル体型」
 京介「沙織か。でも、黒猫には勝ってるだろ。
    しまった、何、比べてんのよ、変態とか来……ないな」
 桐乃「あれはあれで、いいのよ。ステータスだし。
    あたし程度のがいちばん中途半端。あー、もう」
 京介「牛乳飲むか?」



31.「ホモが嫌いな女子なんていません」

 京介「ボーイズラブとかの腐女子向けのゲームってお前らはやらないの?」
 黒猫「あまり縁はないわね」
 沙織「拙者も、どちらかというと可愛い女の子の方が好みですかな」
 京介「そういうものか。男同士とかやっぱり普通は興味ないか」
 黒猫「その認識は違うわ」
 沙織「その通りでござるな」
 京介「ええと、要するに嫌いなわけではない、と」
 黒猫「……」
 沙織「……」
 京介「今ひとつわからないな」


32.「ホモが嫌いな女子なんていません2」
 
 京介「でも桐乃は妹ゲーとか魔法少女とかだから、好きじゃないかもu」
 黒猫「その認識も違うわ」
 沙織「その通りでござるな」
 京介「そうなのか」
 黒猫「何なら、適当なゲームでも匿名でプレゼントしてみたら。
    絶対コンプするから」
 京介「検証したくないなあ」

 

33.「ハーレム」

 京介「じゃあ、乙女ゲーって何?」
 黒猫「簡単に言うと、普通のギャルゲーの男女を交換したものと思えばいいわ」
 京介「ああ、何故かわからないけど、可愛い子ばかりに囲まれて何様だこいつと
    思うようなやつか」
 黒猫「え」
 沙織「え」
 京介「どういう、『え』なんだ」



34.「1行解説」

 黒猫「アメリカまではるばる出かけて妹と一緒に妹モノのエロゲーをした男」
 京介「まったく事実なだけに頭抱えるしかないな」
 黒猫「大丈夫、評価される行為だわ」
 京介「そう言ってくれるか」
 黒猫「とりあえず部長になら」



35.「そもそも同じ学校でないと」

 部長「妹さんは3つ下だったな」
 京介「ええ、そうです」
 部長「ならば、留年すれば一緒に通えるではないか」
 京介「通いたくないです」



36.「彼女の貌」

 あやせ「お兄さん、私の知らない桐乃の顔を幾つも知っているんですよね」
 京介 「そんな事もないだろう」
 あやせ「あります。
     でも、私だって、お兄さんが絶対知らない桐乃を知っていますからね」
 京介 「そ、そうですか。
     (そう言われると少し気になる)」



37.「補完関係」

 京介「別に個人の趣味にとやかく言うつもりはないけど、男同士ってのは、
    ちゃんとしているの? 」
 瀬菜「当然です。男の人の凸に合わせて、凹は作られているのです」
 京介「それだったら、そもそも女にもあるだろうとか、それ役割違うとか、
    いろいろ突っ込みたいが、あの目は危険な目だ」


38.「補完関係2」

 京介「あれ、でも、ナイフとフォークだとどっちも穴なんて」
 瀬菜「説明しまょう」(キラリ)
 京介「しまったッッッ」
 


39.「言葉のチョイス」

 黒猫「あなたはお兄さんに」
 桐乃「何よ」
 黒猫「意外と罵倒を重ねたりする事少ないみたいね。
    キモとか、拒絶表現は多用するけれど。
    頭がカラッポで何も考え付かない訳ではないでしょうし」
 桐乃「それがどうしたっていうのよ」
 黒猫「別に、単にそう思っただけ」



40.「汚された感」

 ブリジット「あ、マネージャーさん」
 京介   「え、あ、子の格好でよくわかったな」
 桐乃   「え、あ、嘘、なんで、知り合い?」
 京介   「まあ、いろいろあって。
       何故、泣く?」



41.「お約束」

 京介「おい、桐乃。何だ、うたたねしてるのか
    珍しいな。いっさいそんな隙見せなかったのに。
    こうして黙ってれば……、とか言うと図った用に悪口の寝言か。
    となると、このまま見てると突然起きて、変態扱いされる流れか。
    その前に部屋に行くか」



42.「生理的嫌悪」

 京介 「またまた、そんなこといって、本当は俺のこと好きなんだろ」
 あやせ「ごめんなさい。
     本当に、本気で虫唾が走るので止めてください」
 京介 「マジに頭下げられた」



43.「ひも解いてみる」

 沙織「何故に微妙な関係かというと、人は皆、自分がないものを羨むもの
    だからではないかと」
 京介「麻奈実が持ってるものねえ」
 沙織「眼鏡は後から加える事の出来る属性でござるが、幼馴染という立場、
    これはもう実現困難極まりない、運命的なものだと」
 京介「ふうん。でも桐乃なんか生まれたときから妹だぞ」
 沙織「おお、いいポイントに気がつきましたな。
    気がつき方は違いますが」



44.「評判」

 京介「俺がいない時もやっぱりあいつらからはボロクソに言われてるのか」
 沙織「おふた方ともそういう面で裏表はないでござるな。
    ただ、三人で話をする時と、きりりん殿か黒猫殿と二人で話す時では
    微妙に空気が変わるでござるよ」
 京介「どういう風に違うんだ」
 沙織「言葉で言うのは難しいので勘弁して頂きたい。
    ……というか微妙すぎて第三者からはとてもとても」(小声)



45.「状況認識」

 桐乃 「あやせ、うちのあれ……ええと」
 あやせ「お兄さんですか」
 桐乃 「うん、それ」
 あやせ「まさか、何かされたんじゃ」
 桐乃 「ないない。そういう事はないから。
     あやせからしたら、まだ気持悪くてゴミクズみたいな存在かしら」
 あやせ「……そこまでではないですけど」
 桐乃 「なら、いいんだけど
    (なにがいいんだろう、よく考えると)」
 あやせ「?」(探るような眼で)



46.「結界」

 桐乃「で、ベッドの下にやーらしい本隠してるの」
 黒猫「ありがちな行動ね」
 桐乃「何なのかしら、あの隠し方」
 沙織「部屋に他人が入っても直接目に留まらねばいい訳ですからな。
    そのまま置いていたのではないのでしょう」
 桐乃「ダンボールに入ってたけど」
 沙織「そこまでしてあるのを見つけられてしまうであれば、戸棚だろうが
    どこだろうが同じでござるよ」
 黒猫「そもそも他人の私室を荒らす時点で、浅ましい行為ね」
 桐乃「ふん」



47.「その魅力」

 桐乃「だいたい眼鏡の何がいいわけ?」
 沙織「昨今ではいろいろ意味合いや嗜好が分岐してあり、一概に言えませぬが。
    ドジっ子ないし、幾分トロかったりする少女、ないしはおとなしい文系、
    はたまた知性的な象徴かと。
    ところで、どのような意図の質問で?」
 桐乃「何となくだけど。
    最後以外かしら」(呟き)



48.「解を見つけろ」

 部長「最新のパズルゲームなんだが、試してみるか」
 京介「やってみます。……ん、え、ちょっと。
    うわ、あーあ」
 部長「一面で全滅か」
 京介「パズルゲームって、これSTGじゃないですか」
 黒猫「解けたわ」
 部長「ちッ、やられたか」
 黒猫「酷いものね。意地悪い敵の配置と弾幕。
    クリアできる装備でなく、その時その時に敵を殲滅できる装備を
    的確に変更していかないと得点を稼げない。
    稼げないと自機のストックを増やせず、増やせないと回避不可の
    トラップで削られて最終面に届かない。
    確かにこれは、パズルゲームだわ」


     
49.「女の中に」

 京介「おまえ達はは、まあ同じような嗜好を持つかもしれない者として
    集まったけど、本来、俺って部外者だよな」
 黒猫「今更っ!?」
 京介「まあ、今更だけど。女の子だけの集まりだなとか思って」
 黒猫「つまり、こういう態度がふさわしいと。
    近寄らないで、汚らわしい」(演技と思えぬ嫌悪感を露わにして)
 京介「あ……、やめてくれ。
    多分、おまえが思っているより、ダメージあった」
 黒猫「ごめんなさい」
 京介「いや、謝るの俺の方な気がする。すまん」



50.「世界を異とする者」

 京介「もしかしてあやせって、おまえとか黒猫の事、個別認識してないのかな」
 沙織「倒錯した兄の毒牙に掛かる妹を救わんと奮闘する少女でしたか」
 京介「まあ、そんなとこ」
 沙織「きりりん氏が話さない以上、接点はないし知らないのでは」
 京介「でも、学校とモデル業とか以外で、こっちの趣味にかけるウェイトとか
    けっこうなものだろ。意識しないとも思えないんだが」
 沙織「気になるなら、訊いてみればいいではござらぬか」
 京介「あやせにか」
 沙織「はい。あるいは、京介殿との共通のご友人に」
 京介「うーん。なんか、下手に突くと蛇を出すというか、開けちゃいけない扉を
    開けるというか、そんな気がする」
 沙織「むしろ拙者の方が興味がわいてくるでござる」



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