天抜き競作・カゲロウ篇
零「カゲロウ」作:真さん
イリヤ「ねぇ、これってなんて虫?」
藤ねえ「カゲロウよ。三日しか生きられないの。可哀想だね」
イリヤ「・・・・可哀想?」
藤ねえ「うん」
イリヤ「可哀想なの、大河?(抑揚のない声で)」
さるチャットにて、真さんが上記の作品を書き込みました。(ちなみ
に、その前に山口 遼さんの『HAPPINESS』の話をした流れがあったり)
て、それを見て、芸達者な方々の導火線に火が点いたのか、次々と……。
調度そこにいたという理由からありがたく頂戴し、まとめてみました。
真さん、しゅらさん、倦怠感さん、MARさん、山口 遼さん、瑞香さん、
阿羅本さん、Jinroさん、てぃーげるさん、BBCさん、須啓さん、
神無さん、Syunsukeさん。ついでに、しにを。
カゲロウをテーマに、そして最初の基本形を基とする縛りでの多彩な執
筆陣の競演、個性の違いを、お楽しみください。
一「カゲロウ」作:しゅらさん
藤ねえ「あ、蚊」パァン
イリヤ「タイガ、それカゲロウ」
藤ねえ「……えーと」
二「カゲロウ」作:しにを
藤ねえ「カゲロウもそうだけど、蝉も1週間しか生きられないの。可哀相だね」
イリヤ「可哀相?」
藤ねえ「うん、イリヤちゃんはそう思わない?」
ミーン、ミンミン、ミー、ミンミン、ジィーーーー!!!
イリヤ「でも、やかましいね」
藤ねえ「そうだね」
三「カゲロウ」作:倦怠感さん
イリヤ「カゲロウってエッチな気分になると毒の息を吐く女ニンジャじゃないの?」
藤ねえ「イリヤちゃん、それを教えたのは誰かお姉さんに教えてごらんなさい?」
四「カゲロウ」作:MARさん
イリヤ「カゲロウは、そういう命なんでしょう?」
藤ねえ「……イリヤちゃん?」
イリヤ「だって、そういうイキモノなんだから。別に可哀想なんかじゃ、ない」
五「カゲロウ」作:山口 遼さん
イリヤ「ねぇ、これってなんて虫?」
藤ねえ「カゲロウよ。三日しか生きられないの。可哀想だね」
イリヤ「―――可哀想?」
藤ねえ「うん」
イリヤ「じゃあ、五日生きられるカゲロウは、三日しか生きられないカゲロウ
より可哀相じゃないの?」
藤ねえ「え?」
イリヤ「―――時間じゃないよ、タイガ」
六「カゲロウ」作:瑞香さん
言峰「――――いいか、幸せなどというものはカゲロウのようなものだ。た
だ産まれて死ぬだけの間に起きる出来事なのだ。だからわたしは祝福
しよう。その儚さに、な」
七「カゲロウ」作:しゅらさん
セイバー「タイガ、これは何て虫ですか?」
藤ねえ 「カゲロウよ。三日しか生きられないの。可哀想だね」
セイバー「食べられますか?」
藤ねえ 「……ええと、その、士郎にでも聞いて」
八「カゲロウ」作:阿羅本さん
士郎 「三日しか陽炎は、一夏しかセミは生きられない。でも、生きたことに
決して後悔しなければ――幸せだったと言うんじゃないかな?イリヤ」
イリヤ「お兄ちゃんらしいね、安心した……さよなら、シロウ」
九「カゲロウ」作:Jinroさん
士郎「親父この虫何?」
切嗣「―――あぁ、それはカゲロウだよ」
士郎「カゲロウ?」
切嗣「ああ、その虫はねたった三日しか生きられないんだ」
士郎「そう、たった三日しかね・・・」
切嗣「―――親父?」
十「カゲロウ」作:てぃーげるさん
イリヤ「……だから、お墓?」
藤ねえ「そ。見つけた者としてこれぐらいはね」
イリヤ「…………」
藤ねえ「どうかした?」
イリヤ「……なんでもない」
十一「カゲロウ」作:BBCさん
大河 「ようやく地上に出れたのに三日しか生きられないのよ」
イリヤ「ふーん」
大河 「そう最後に一花……」
イリヤ「咲かなかったね」
十二「カゲロウ」作:瑞香さん
アーチャー「いいか。正義というのは蟻地獄だ。もがきもがいて砂の上で穴を
うがち、そこにおちてきたものしか救えない。そしてなれたとして
も三日しか生きることしかできない。それが正義の味方だ。
まさしく――カゲロウそのものだ」
十三「カゲロウ」作:しゅらさん
イリヤ「タイガ、この虫何?」
藤ねえ「ああ、カゲロウよ。3日しか生きられな、ぶっ、げっ、ぺっぺっ!」
イリヤ「……タイガ、幾らお腹空いてたからってあと3日の命を口に入れなく
ても」
藤ねえ「ち、違うの! これはこの虫が勝手にー!」
十四「カゲロウ」作:瑞香さん
凛「カゲロウ? ああ、そんなのに注意していたらダメよ。そんなの心の贅肉よ。
そんなの――かまっている暇なんて、ないのよ」
十五「カゲロウ」作:須啓さん
イリヤ「タイガ、これは何て虫?」
藤ねえ「カゲロウよ。三日しか生きられないの。可哀想だね」
イリヤ「ふーん。タイガって、カゲロウなの?」
藤ねえ「……え?」
イリヤ「カゲロウでもないのに、カゲロウが可愛そうだなんてどうして言える
の?」
藤ねえ「イリヤちゃん」
イリヤ「人間に可愛そうなんて思われる謂れなんてカゲロウにはないわ」
藤ねえ「―――」
イリヤ「―――バカに、しないで」
十六「カゲロウ」作:しにを
藤ねえ「三日しか、生きられないのよ」
イリヤ「でも、その三日で、大人になって相手を見つけて、そして子供を作っ
て、そして死ぬのよね。短くてもちゃんと一生があるんだよね?」
十七「カゲロウ」作:倦怠感さん
イリヤ「じゃあ毎週お風呂に入ってる女ニンジャのほう?」
藤ねえ「そのカゲロウも違う! ホントにそのやたらに偏った知識の出所はい
ったいっ!?」
十八「カゲロウ」作:瑞香さん
桜「たとえ三日でも羽化できるのなら、それは綺麗ですよね、先輩?」
十九「カゲロウ」作:瑞香さん
藤ねぇ「カゲロウ? ――――なによ、それ?」
二十「カゲロウ」作:阿羅本さん
キャスター「私はカゲロウのようなもの。僅かなこの聖杯戦争の間しか存在で
きない――だからこそ宗一郎様との邂逅は奇跡であり歓喜でもあり
そして――巡り逢えたそのことが悲しみでもあるの」
二十一「カゲロウ」作:瑞香さん
イリヤ「嫌い」
士郎 「どうしたんだよ」
イリヤ「カゲロウなんて大嫌いっ!」
士郎 「……イリヤ」
二十二「カゲロウ」作:神無さん
アルク「ねー志貴。あの虫なーに?」
志貴 「それはカゲロウだよ。三日しか生きられないんだ――儚いよな」
アルク「ふーん。でもいいんじゃない?」
志貴 「え?」
アルク「今、ちゃんと生きてるじゃない」
志貴 「アルク…」
アルク「それにさ、短くても精一杯生きればいいんだよ。長く生きてもカラッ
ポだとつまらないしさ」
二十三「カゲロウ」作:真さん
イリヤ「じゃあ、日本海軍の駆逐艦だね」
藤ねえ「・・・・・・・何それ」
イリヤ「くすん、大河がいぢめるよぅ」
二十四「カゲロウ」作:MARさん
士郎「雪の道で、偶然出会った女の子だったんだ」
「白くて、元気で、ちょっと困った所もあったけど、妹がいればこんな感
じかもって思ってた」
「…うん、夏のカゲロウのように消えちゃったけど、きっと満足だったと
思う」
「……あの時のお前と、おんなじ顔してたから。だからきっと満足だった
と思うよ」
二十五「カゲロウ」作:瑞香さん
藤ねえ「――カゲロウ、か」
士郎 「――どうしたの藤ねぇ?」
藤ねえ「ううん、なんでもないのよ。さぁて今日の晩ご飯はなにかな?」
二十六「カゲロウ」作:瑞香さん
三人娘&美綴「カゲロウ、いうなー!」
二十七「カゲロウ」作:Jinroさん
慎二、カゲロウの如き儚い悪役であった男。享年17歳
慎二「勝手に殺すな」
二十八「カゲロウ」作:BBCさん
志貴「あ、カゲロウ……たしか三日しか生きられないんだよな」
琥珀「? えっと……この子は一歳ですよ?」
志貴「琥珀さん……また」
琥珀「この子たちには何もしてません! きちんと遠野の庭の小池で生まれた
んです」
志貴「土壌汚染!?」
二十九「カゲロウ」作:山口 遼さん
イリヤ「タイガ、これは何て虫?」
藤ねえ「カゲロウよ。三日しか生きられないの。可哀想だね」
イリヤ「…………」
藤ねえ「どうしたの?」
イリヤ「―――ううん。……じゃあ、一生懸命生きなきゃね」
三十「カゲロウ」作:しゅらさん
イリヤ「ししょー、この虫はなんすか?」
藤ねえ「ああ、それはカゲロウって言ってね(中略)」
イリヤ「ああなるほど、師匠のような虫なんですね」
+愛の一撃+
三十一「カゲロウ」作:瑞香さん
橙子「カゲロウのようだっな。なのにしっかりと――――ふん、わたしも歳を
とったもんだな」
三十二「カゲロウ」作:Syunsukeさん
セイバー「儚いですね、三日なんて」
士郎 「うん。でも、それよりさ」
セイバー「?」
士郎 「消化管が退化しちゃってるから、その間何も食べないんだよ」
セイバー「!!!」
三十三「カゲロウ」作:真さん
イリヤ 「この虫、何?」
ギル 「ふん、ただの虫けらだ」
ソウゲン「虫けらなどという虫はいない!」
三十四「カゲロウ」作:Syunsukeさん
イリヤ「よくこんな羽根で飛べるんだね」
藤ねえ「うん、だから mayflyって言うんじゃないかな」
即興作品は以上です。後は追加分になります。
三十五「カゲロウ」作:しにを
藤ねえ「それでね、カゲロウに儚さを感じるものなのよ」
イリヤ「ふうん。ところで大河って、カゲロウの幼虫知ってる?」
藤ねえ「知らないよ」
イリヤ「そう……。(アリジゴクだよって、言わない方がいいよね)」
三十六「カゲロウ」作:しにを
言峰「いつ生まれようと、どれだけ短くとも、死の後の長さには大差はない。
わたしはそう思うがな」
三十七「カゲロウ」作:しにを
じっとカゲロウの死体に見入るイリヤの姿を前にして
藤ねえ「ええとね、イリヤちゃん。
象もネズミもね、一生を通しての脈拍の数って同じなんだって」
イリヤ「それで?」
藤ねえ「だからね、カゲロウの脈……、昆虫ってどうなんだろう。
あれ、えーと、えーと……」
イリヤ「ふう。いいよ、もう、行こう、ね?」
藤ねえ「う、うん」
三十八「カゲロウ」作:しにを
藤ねえ「うわあ、ああもいっぱい群がってると、ちょっと怖いね」
イリヤ「同感」
三十九「カゲロウ」作:しにを
士郎 「カゲロウは知らないけど……。
カブトムシとか蜂とかいるだろ?」
セイバー「はい」
士郎 「あれは、成虫は食べないけど、幼虫は食べるよな」
セイバー「!」
士郎 「ちょっと特殊なのは確かだけど……って、セイバー、どこ行った?」
四十「カゲロウ」作:しにを
イリヤ「ふん、ただでさえ短い命、もっと縮めてあげましょうか?
……、嘘よ。
さてと、もう士郎たちのところに帰ろう」
握り締めた手を開くと、風に乗って飛び立つカゲロウ……
四十一「カゲロウ」作:Jinroさん
ギル「ハッ、生き汚い雑種よりカゲロウの方が遙かにマシだ」
四十二「カゲロウ」作:Jinroさん
ロア「何故皆カゲロウを儚いと言うのだろうな?自分たちだって対して変わら
ないじゃないか・・・」
四十三「薄羽蜻蛉(ウスバカゲロウ:ウスバカゲロウ科)」作:西紀貫之さん
秋葉「アリジゴクのその後とかけまして、兄さんと解きます」
志貴「……そのココロは?」
秋葉「寄って来るエサを喰らいまくった挙句、うす馬鹿下郎の命は三日で終わ
る……です」
琥珀「先週末、どこに泊まってたんです?」
翡翠「……笑え」
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