天抜き・瑞香のDIARY

作:大崎瑞香

            


 ※ 瑞香さんがご自分のサイトのDIARYで時折お書きになっていたものを
  転載許可頂いて収めています。


 1.「お給金」

 志貴「ねぇ翡翠……ちゃんと秋葉からお給金もらっているの?」
 翡翠「いえ」
 志貴「そんな! 秋葉にちょっと文句をいわないと……」
 翡翠「ちゃんとお小遣いも頂いていますし、衣食住について何の不自由もして
       おりませんので……」
 志貴「いや、でもきちんと言うべきだよ」
 翡翠「でも昔、姉さんが掃除で壊した絵画とか壺とかの総被害額は生涯賃金の
       20倍とか……」
 志貴「……」



 2.「七夕は恋人どうしの逢瀬」

 秋葉「七夕っていったら、恋人どうしの逢瀬の日じゃない。
    でも兄さんときたら、乾さんと一緒に遊び惚けていたですって!
    どう思う、瀬尾?」
  (晶ちゃん、目をキラキラさせて)
 晶 「やっぱり……乾さんと志貴さんは……やっぱり!」
 秋葉「あ、あの……瀬尾?」(狼狽える秋葉)
 晶 「乾さん×志貴さん? それとも、志貴さん×乾さん、かしら……」
   (どんどん妄想にふける晶ちゃん)
    (それを怖いもののように見ている秋葉)



 3.「三等親までの婚姻は認めない」

 秋葉「子供ができたらどうします、兄さん」
 志貴「えっ……」(狼狽える)
 秋葉「でも大丈夫ですよ」
 志貴「だって秋葉……」
 秋葉「たしかに日本の法律では三等親までの婚姻を認めませんけど、近親相姦
       を罰するのはありませんから」(自信満々に)
 志貴「……え」
 秋葉「法律上は未婚ですけど、形式的にはわたしは兄さんと一緒にいられます
       から」
 志貴「……」
 秋葉「だから安心してください」(胸をはる秋葉)
 志貴「……」(逆にどんどん青ざめていく志貴)



 4.「その日」

 秋葉「毎年この時期に野犬が吠えていたけど、今年は静かね」
 志貴「そうなんだ」
 翡翠「(こくり)」
 琥珀「えぇそうですね、秋葉様(……まさか四季様が秋葉様の誕生日だから出
       せ、と喚いていたなんていえませんね……)」



 5.「待遇」

 ななこ「有彦さんのところなら、人参食べ放題だったのに……」
     目の前のカレーを見ながら嘆息。



 6.「費用」

 シエル「……これで今年の茶道部の部費もおりましたし、遠野君とメシアンに
         デートへ……ふふふ」



 7.「玩具」

 
 ナルバレック「(中世の拷問道具のカタログを丹念に見ながら)
        ……ふむ。やはり玩具(エレイシア)でも、いないと暇をもてあますな」



 8.「夢の第一歩」

 琥珀「志貴さんと翡翠ちゃんをくっつけて、時々わたしが変装して……ふふふ。
   (黒い笑みをうかべ)やっぱり秋葉様は邪魔なのよねぇ……」



 9.「てっぽう鍋」

 庭で、泡をふいて痙攣しているクールトー。
 足もとには囓られた琥珀さんが育てた薬草。



 10.「反省」

 四季「……やっぱり、缶コーヒー十数本は奢られすぎ、かな?」



 11.「時の流れは残酷なもの」

 秋葉「何か言いたげですね、兄さん」
 志貴「……いいや(もう半年、いやもう三ヶ月早ければ……啓子さんあたりが
       三者面談に来てもらえたのに……)」



 12.「資金源」

 志貴「そういえばこの屋敷の相続税とか生活費とかはどこから捻出しているの
    かな?」
 琥珀「知りたいですか……うふふ……知りたいのですね」
 志貴「……いえ、けっこうです」



 13.「女というもの」作:大崎瑞香さん

 シエル「そうなんですよ……」
 秋 葉「でもシエルさん。こちらでも……」
 アルク「ねーねー妹、あれなんか……」
 翡 翠「アルクェイド様、こちらというのも……」
 琥 珀「でもこれが一番ですよ」

   がやがやと楽しそうな5名を遠巻きに見ながら

 志 貴「女って不思議だな……あんなことで和気藹々と話せるなんて……」



 14.「法的には今までは『四季』」作:大崎瑞香さん

 秋葉「兄さん、この書類にサインと判子を。あとは手紙や学校の書類などもく
       ださい」
 志貴「(渡されたものを一瞥して)コレって改名届けじゃないか? 」
 秋葉「えぇ。これで兄さんの本名が通称どおり『志貴』になりますから」
 志貴「……えっ? えっえっ?」



 15.「夢想と現実の遠すぎる距離」作:大崎瑞香さん

 晶: 単行本をとじ、うっとりとしながら吐息をはいた後に、ふとまわりを見
       回し、暗い顔をする。
 秋葉「どうしたの、瀬尾?」
 晶 「……(女学校だからって、やっぱり現実ってこんなものよね)」



 16.「まさかこんなことになるとは」作:大崎瑞香さん

 琥珀「(うれしそうに)翡翠ちゃん、翡翠ちゃん」
 翡翠「なんですか、姉さん」
 琥珀「霜柱がたっているのよ」
 翡翠「……えぇ。もう本格的に冬ですね」
 琥珀「(ハイテンションで)もぅ志貴さんぐらいにバリバリですよ。バリバリ」
 翡翠「(とても情けないものを見る目つきで)………………ふっ」
    ・
    ・
    ・
 秋葉「(食卓に並んだ缶詰を見ながら)この朝食はいったいどうしたの?」
 翡翠「(困った顔で)……すみません。姉さんが泣いて引きこもってしまいまして……」



 17.「魔女」作:大崎瑞香さん

 志貴「ねぇ、琥珀さん。なぜカレーを作らないの?」
 琥珀「うーん、というよりわたし大鍋料理が苦手なんですよ」
 志貴「意外だな。あんなに料理が得意なのに?」
 琥珀「つい、いろんなものをいれたくなるんですよ。大鍋を掻き回していると」
 志貴「……」



 18.「クリスマス・パーティ」作:大崎瑞香さん

 志貴「もうすぐクリスマスだな」
 秋葉「えぇパーティの用意も着々と」
 志貴「(うれしそうに)ケーキとかターキーとかかぁ」
 秋葉「(そんな志貴を不思議そうに)オーケストラとか、ソシアルとかですけど?」
 志貴「?」
 秋葉「クリスマスですから少し豪華にしましょうね」
 志貴(顔が青ざめていく)
   「……な、なぁパーティって……」
 秋葉「(不思議そうに)えぇ遠野グループのですから、どうかしたんですか、兄さん?」



 19.「おとそ」作:大崎瑞香さん

 志貴「……なぁ秋葉。お屠蘇ってウォッカでいいのか?」



 20.「1月1日」作:大崎瑞香さん

 志貴「(重々しくため息をつきながら)……一年の計は元旦にありっていうけ
   ど……」

   まわりはへべれけになった秋葉と酔っぱらって暴れているアルクェイドと
   シエルによって散々な光景。



 21.「たしかに欲しいといったけれども」作:大崎瑞香さん

 志貴:手にある寸志袋を見ながら、目には涙。
   「たしかにお小遣いは欲しいといったけど……妹から、お年玉は、ないよな……」



 22.「一応6人分」作:大崎瑞香さん

 琥珀:料理を作りながら、黒い笑みを浮かべて
   「あはー、志貴さん。これで姫はじめもバッチリですよー」



 23.「民主主義の原則」作:大崎瑞香さん

 志貴「……わかっていたんだ。秋葉がいて翡翠がいて、そして琥珀さんがいる
    家で男(俺)に発言権とか決定権というのがないのは……」



 24.「日本人というもの」作:大崎瑞香さん

 アルク「わーお寺で鐘を撞くんだ」
 志 貴「ん、大晦日の行事なんだ」
 アルク「(きょろきょろとまわりを見回して)……ねぇ、モスクはどこ?」
 志 貴「……?」
 アルク「だって12/25は基督教を祝って、12/31は仏教でしょ。そしてえーと1/1
     は神道で初詣だから、三大宗教であるイスラム教はどこかなぁと思って」
 志貴 「……」



 25.「主義」作:大崎瑞香さん

 有彦「なぁお前どういう理由で彼女を選んだの?」
 志貴「うーん、性格かなぁ……」
 有彦「ふぅーん、遠野らしいな」
 志貴「じゃあ、有彦、お前なら顔か? それとも性格?」
 有彦「そりゃもちろん、躰(きっぱし)」
 志貴「…………お前らしいよ」



 26.「誕生日プレゼント」作:大崎瑞香さん

 アルク「志貴おめでとー」
 シエル「志貴くんおめでとう」
 秋 葉「兄さん、おめでとうございます」
 翡 翠「志貴様……これをどうぞ……」
 琥 珀「志貴さんったらもてもてですねー。これはわたしからですよー」
 シオン「はい志貴。プレゼントです」
 レ ン「…………(こく)」

 志 貴「みんな、ありがとう」
    (嬉しいけど……なんかひっかかるなぁ……)

   全員から包丁とかナイフとかいった刃物が7振り。



 27.「改造した本当の理由」作:大崎瑞香さん

 志貴 「結婚を報告する人はいないの?」
 シエル「そうですね。あえていうならナルバレックですかね」
 志貴 「どういう人?」
 シエル「そうですね。一言でいえば「シンデレラに出てくる継母」でしょうか」
 志貴 「……それはすごいね」
 シエル「でもこうして王子様と出会えましたし」
 志貴 「…………シエル」

 シエル「あとは原作に従って、この第七聖典でその目を抉るだけですね、ふふふふふ」
 ななこ「(えー(ガタブル))」



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