天抜き・日替わり月姫能無い劇場風味



※「武闘派ガチョピン居ますから」の万年青さんが『天抜き』を、こちらが『日替わり月姫能無い劇場』を
それぞれ同じお題で書いて、交換してみました。
 見比べると面白いのではないかと思います。私のはこちらにあります。


※第一回お題 「雨宿り」「ウェディングドレス」「罪の無い悪戯」

  1−1「ご休憩二時間四千円より」 

 琥珀「…あら?」
 志貴「あ、にわか雨だね。……じゃあ、雨宿りしていこっか」
 琥珀「…って、ここはホテ、うわぁー♪」
  数十分後。
  二人が裸で抱き合いながら、放心している。
 琥珀「…秋葉さまが知ったら、悲しむかも知れませんね」(ぽつりと)
 志貴「……ああ、そうかもしれないね」(後悔している声色で)
 琥珀「…志貴さんは、いつでも秋葉さまのことで心が一杯なんですね」(やや嫉妬した声)
 志貴「………ああ、そうかもしれないね」(鎖と首輪の感触を思い出しつつ、とても
   後悔している声色で)


  1−2「パブロフの犬」 

  秋葉にばれた。ただいま拷問中。
 テープ「じゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃらじゃら」
 志貴 「……ごめんなさい、秋葉さま。もうしません、もうしませんからぁ!」(ひざまずきつつ)
  遠野志貴は度重なる調教により、そこに存在しないものすら見えてしまう魔眼を得たという。



  2−1「宇宙神秘的欠乏状態」 

 秋葉「…次持ってきて!(苛々しながら」
 志貴「……なあ秋葉。ウェディングは諦めて、白無垢にしたらどうだ? 着物なら、
    まだ胸のNASAもばれないぞ?」
 秋葉「……次持ってきて!(苛々しながら」


  2−2「あたしは軍人志望じゃない」 

 志貴「なぁ、泣くなよ、秋葉。悪いことばっかりじゃないさ」
 秋葉「………た、例えば?」(泣くのをやめて、耳を傾ける)
 志貴「そうだなぁ。……肩こりにならないし、体脂肪率も低いし、きっとホフク前進
    も早いよ」
 秋葉「………」(再び泣き始める)



  3−1「私の舌はごまかせません」 

 ななこ「…こっそり入れちゃえっ!」(無邪気そうに)
  数時間後。
 シエル「セブーン!私のカレーに何を入れたの!?」(アオスジ)
 ななこ「珈琲です、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ
     いごめんなさいごめんなさい、マスター!!」


  3−2「キレンジャー失格」 

 神父 「その少年の下着を盗み、惚れ薬を無理矢理飲ませ、黒猫を脅して自分の淫夢を
     見せた、と。……他に犯した罪はないのかね?」
 シエル「そ、それは……」
 神父 「躊躇することはない。きちんと悔いれば、神も許し給うであろう」
 シエル「……ご、ごめんなさい。我慢できなくて、一晩置かずに食べてしまいました!!」
 神父 「……へ?」
 シエル「…おお、カレー神ルーよ、我を罰し給え!!」
  シエルがその教会に出入り禁止になったのは、異教徒であったためだけではないという。


  3−3「そういや年齢詐称の懺悔は?」

 シエル「……早死にしたいですか?」
  2カメにアップで。



※第二回お題 「タナトスの花」の冒頭より
  「泥の中から這い上がる」「心に湧きあがる焦燥」「心の底に沈殿した退廃」

  4−1「心に沸きあがる焦燥」 

   メガネなしの橙子。
 橙子「ま、まさか、信じられん。これが三十路というものなのか。ほんの少しとはい
    え、この私が、垂れるなんて」
   床には、外したばかりのブラジャー。


  4−2「心の底に沈殿した退廃」 

  メガネありの橙子。
 橙子「幹也くんはどう?」
 幹也「どう、って、何がですか?」
 橙子「私の胸に触りたいと思ったりする?」
 幹也「……え、あ、その、いえ、ボクは、遠慮しとき、ます……(真っ赤」
 橙子「そうよね、男の子はやっぱり若い方がいいわよね(遠い目」
 橙子「そうなのよ! 何の取り得もない、接客すらロクに出来ないような、若さだけ
    しか持ってない娘の方が採用されるのよね。こっちだって、きちんと音楽系の
    センスだってあるんだし、ママにはなれる程ではないけどきちんと技能は持っ
    てるんだから、もうちょっと優遇されてもいいわよね。なんなのよ、店長の誘
    いをちょーっと断っただけで店替えってさ。若くもないのに、採用してやって
    んだから、体任せろ、みたいな考え方がおかしいのよね、恩着せがましい。
    だったら面接の時に落としなさいよ。大体、従業員とヤっちゃいけないって
    いうルールまであるのに、店長ならいいんですかって話よ。あー、もうムカツ
    ク。あんなショボくれたギターで、歌やれるか、っての!」
 幹也「…(な、なんなんだこの水っぽさは)」
 橙子「ねえ、聞いてるの、幹也君!? そもそも、若い女と寝て、喜んでるような男
    にロクな、云々」
 幹也「…(苦労してるんだなぁ、橙子さんも)」


  4−3「泥の中から這い上がる」 

 幹也「うわ、橙子さん、結構スゴイ…」
 式 「みーきーやー! 何を覗いてるんだ!(後ろからドツく」
 幹也「しーっ、違うよ。ほら見て、あの橙子さんの形相」
 式 「……私もあと十年ちょっとで、ああなるのか(複雑な表情」
 橙子「っ、重力、になんて、絶対に、負ける、もん、かっ」
   息を切らしながら豊胸体操をしている橙子。メガネなし。



  5−1「心に沸きあがる焦燥」

 志貴「あー、最近、ゲーセン行ってないなー」
   だって、そんな金ないし。

 志貴「うわ、二巻出てるよ。欲しいなー」
   てか、そんな金ないし。

 志貴「腹減ったー、何か喰いてー。このままだと家に帰るまでに餓死だー。やべー」
   でも、そんな金ないし。


  5−2「心の底に沈殿した退廃」

 志貴「なんとかして金を調達して、この閉塞的状況を打破しなければいけない!」
   でも、どうやって?

 志貴「うーむ、何かよい方法はないものか」
   強盗とか?

 志貴「そう、強盗だよ!」
 志貴「…お前ら、手を上げろ! 上げないと死の点を突くぞ! 突くとスゴイことに
    なるぞ! 物質に直接死を与えちゃうんだぞ!」
 志貴「そうだ、お姉ちゃん、怖いだろう? だったらさっさと金を出せ−! この袋
    に詰めろ、連番じゃない奴でヨロシクね!」
   志貴は空腹になると、思考回路がショートしやすい人だったという。


  5−3「泥の中から這い上がる」

 志貴 「反省しました。更生しました。今は、もう真人間です」
 諮問官「…そうか」
  仮釈放決定。

 志貴 「…お世話になりました(ぺこり」
 看守A「で、アイツはなんで入ったんだっけ?」
 看守B「食い逃げだってよ」
 看守A「………」
 志貴 「シャバだー、シャバだー!!」


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