パルフェ天抜き
作:しにを
以下のコント形式のあれやこれは、絵の無い四コママンガといった感じで書かれています。
読まれる方のイマジネーションに大きく頼っております仕様ですので、ご了承願います。
題材は「パルフェ」。全シナリオクリアしてるのを前提としています。
というかネタバレやら何やらまったく気にして書いています。
未プレイの方は読まない方が無難かと思います。
これであのゲームの楽しみが僅かでも削がれたらあまりに勿体無いです。
……という事をご了承の上、お読み下さいませ、ご主人様(馬鹿
1.「オートクチュール」
仁 「ファミーユの制服って、里伽子が自分で着るのをイメージしたんだよな」
里伽子「当たり前でしょ」
仁 「じゃあ、里伽子はこれ着てて自分が可愛いと思ってる訳だな」
里伽子「……うん」
仁 「(可愛い奴)」
2.「卵料理」
玲愛「へえ、けっこう頑張ってるわね」
瑞奈「いきなり人の部屋押しかけて夕食たかってるあんたに言われたくない」
玲愛「ほんとに感心してるんだって」
瑞奈「なら、いいか。食べてよ」
玲愛「いただきます。うわ、このオムレツ美味しい」
瑞奈「自信作なんだ。野菜を持ってった時に作り方を教わっ…ひぃっ」
玲愛「誰に?」
瑞奈「ええと……ノーコメント?」(許しを乞うように)
玲愛「ふふふ」(ニコリとしつつ却下)
3.「どこぞの店と違い『風』が取れているから」
由飛「ねえ、玲愛ちゃん」
玲愛「なに?」
由飛「玲愛ちゃんの代わりした時あったよね」
玲愛「ええ」
由飛「少しは感謝してる?」
玲愛「してるわよ。それが何だって……、何よその紙」
由飛「請求書。あのね、お仕事中にお皿とティーカップを……
逃げないで、玲愛ちゃーーん!」
4.「成長期だし」
明日香「ねえ、てんちょ」
仁 「うん?」
明日香「あの、制服が……」
仁 「大丈夫、新しいの用意したから。今のも直しを入れようね」
明日香「は、はい」
仁 「じゃ、後でね」
明日香「ねえ、かすりさん、なんでわかったんだろう?」
かすり「あえて、わたしに振るとは嫌味ッッ!?」(局所的に窮屈そうな制服を睨みつつ)
5.「優先順位」
「ねえ、もしも卵を断たないと別れるって……何でもない」(心底恐怖した顔で)
6.「比翼の…」
里伽子「ここ読めない。ねえ、仁……、寝ちゃったんだ。
この時も午後だったし眠かったのかしら……、汚い字」(限りなく愛しそうに)
7.「眠れない夜」
恵麻「ケーキが一億六千八百二、ケーキが一億六千八百三、ケーキが……、ああ、失敗した。
でも、やめられない。ケーキが……」
8.「実際に言いそうな」
仁「俺は、無限に卵を内包した料理を作る。それだけが、杉澤仁に許された以下略」
9.「和魂洋才?」
かすり「…………」
仁 「ど、どうしたの、かすりさん。そんな落ち込んで」
かすり「紬姉さんが来たの」
仁 「え。でも俺達の事は認めてくれたじゃないか。また連れ戻しに?」
かすり「ううん、それは平気」
仁 「それじゃあ?」
かすり「あの勝負で意気投合したみたいで、恵麻さんと一緒に新しいお菓子を作ってる。
和菓子と洋菓子の長所を融合したものをって、あの天才二人で……」
仁 「そりゃあ……」
10.「境界線」
由飛 「あれえ、どうしたの?」
明日香「何て言うか」
かすり「姉弟愛をも超えた宗教論争かな」
由飛 「???」
明日香「フレンチトーストにクリームを添えたらケーキか」
かすり「それとも卵料理かってね」
由飛 「パン料理じゃないの?」
明日香「そうよね」
かすり「でも、それ言える?」
由飛 「……」(ぷるぷる)
11.「生々しい視線」
明日香「それじゃねえ、みんな。
あれ、どうしたの、せんせ?」
仁 「うん。前の学園祭の時とかと違った目で見られてた気がしたから」
明日香「あははは」
仁 「……知ってるんだよね、副委員長の子とか」
明日香「うん」
12.「使用可否」
仁 「ねえ、かすりさん」
かすり「うんうん、何かな?」
仁 「お姉さんは『紬』さんでしょ。なんでかすりさんは『絣』じゃないのかな」
かすり「その辺はお役所とかけ合って欲しいなあ」
13.「メニュー増強」
仁 「オムそばってあるだろ。あれをパスタでやってみたんだ」
里伽子「考え方としては悪くないけど。中のパスタはどんな味付け?」
仁 「もちろんカルボナーラを入れるんだ。卵を二重にだな…」
里伽子「却下」
仁 「えー」
14.「メニュー増強2」
仁 「オムライスにオムそば、という事は中に入れるのはパンでもいいと思うんだ」
里伽子「まあ、一理あるかしら」
仁 「だろ。それでだな。オムレツの中にこの卵サンドを…」
里伽子「却下」
仁 「えー」
里伽子「絶対却下」
15.「障子の桟に指を滑らす」
かすり「ねえ、明日香ちゃん」
明日香「はい、何ですか」
かすり「由飛ちゃん来てから、明日香ちゃんの小姑属性上がったよね」
明日香「……」
16.「幼き頃」
玲愛「それで小さい頃は名前でよくからかわれたものよ」
仁 「そうか、災難だったな」
玲愛「うん」
仁 「いや、おまえの周りにいた奴がさ」
玲愛「何でよ?」
仁 「だって、苛められて大人しく泣いてる姿なんて想像できないぞ」
玲愛「失礼な。……事実だけど」(小声)
17.「天才」
明日香「ねえ、てんちょ。
天才って何かが飛びぬけた代わりに、何かが欠落した人だとも言われるよね」
仁 「そうだね」
明日香「それ、あってるねえ」
仁 「そうだね」
18.「天才2」
仁 「天才って全部の才能が凄いんでなくて、ぽっかり穴が空いてるって言うじゃない」
かすり「そうねえ」
仁 「かすりさんのお姉さんもそうなの?」
かすり「え?」
仁 「何だか、あの人は万全で欠点なしって感じだけど」
かすり「姉さんが……、ふぅ」
仁 「その、言いたい事はいっぱいあるけどとても言い切れないという顔はッッ?」
19.「その体は無限の別腹で出来ていた?」
仁 「別腹かもしれないけど、それはそれで行き先は同じだしさあ」
恵麻「あ、ああああ」(体重計を見て)
20.「ラーメン屋」
明日香「皆でご飯食べに行くなんて珍しいですね」
かすり「それも店長自ら誘うなんてねえ」
由飛 「でも、なんでラーメン屋さんなの、仁?」
恵麻 「きっと卵…、そうか煮卵ね」(勝ち誇ったように)
由飛 「なるほど」
明日香「そうか、煮卵、ありそー」
かすり「うんうん。で、その辺どうなのかなあ?」
仁 「玉子麺が絶品、玉子麺が絶品……」(耳に入らぬ様子で)
明日香「……違うみたい」
21.「朝食」
由飛「朝ご飯作ったよ」
仁 「へえ、凄いじゃないか」
由飛「味は保証しないけどね」
仁 「しないのかよ。まあ、いただきます」
由飛「はい、いただいて下さい。ええと、仁は納豆に卵入れるよね」
仁 「当然」
由飛「他に葱とか辛子はどうする?」
仁 「それは、いらない」
由飛「じゃあお醤油だけ?」
仁 「それと、納豆も抜いてくれ」
由飛「うん。…うーん?」
22.「板挟み」
明日香「由飛さんと玲愛さん……、てんちょって両手に花状態だよね」
かすり「本人まったくそう思ってないみたいだけど」
明日香「そこが、てんちょだねえ」
23.「耳年増」
由飛 「かすりさんのアノ話って全部体験談じゃなかったんだよね」
明日香「かなり克明な描写もあったけど」
由飛 「でもまだ未経験だったって。……それはそれで凄いよね」
明日香「あれとか」
由飛 「それとか」
24.「そう言われても」
仁 「お前の名前というか、使ってる漢字の読ませ方が変」
由飛「ひどいー」
25.「 デレ」
仁 「たまには前みたいに冷たい目で罵って欲しいなあ」
玲愛「何か言った、仁?」(腕から甘い笑顔を上げて)
仁 「何も(贅沢、贅沢)」
26.「ぬくぬく」
仁 「本当に半纏で炬燵なんだなあ」
玲愛「何か文句でも?」
仁 「いや、ないけど」
玲愛「それにしては何か言いたそうに見える」
仁 「ミスマッチかと思ったら、案外可愛いもんだなあって思ってさ」
玲愛「……」(真っ赤)
27.「ブレスレット」
里伽子「ね、つけてくれる?」
仁 「はいよ。ほら」
里伽子「ありがとう」
仁 「いくらでも付けてあげるけど、自分で外せないと不便じゃないか」
里伽子「そうね」
仁 「ならなんで?」
里伽子「仁に付けられて外されるまでそのまま…って所がいいのかな?」
仁 「かな、って言われても」
里伽子「ふふ」
28.「レポート」
仁 「……」
恵麻「どうしたの、仁くん」
仁 「ああ、総店長見てよ」
恵麻「なになに、店長? うわ、凄い。
ファミーユの問題点と改善施策がこんなに詳細にまとめてある。
さすが、仁くん。見直したわ」
仁 「いや、書いたの俺じゃないから」
恵麻「え?」
仁 「短期バイトが、置き土産に。
とりあえず気になって仕方ない所だけ書いたから何とかなさいって」
恵麻「……」(溜息)
仁 「……」(溜息)
29.「立場」
仁 「てんちょと店員、せんせと生徒、うーむ。
せんぱいと後輩。うんうん、これならまだいい…よなあ?」
30.「お菓子の家」
仁 「じゃあ、行って来る」
恵麻「はいはい、行ってらっしゃい。デート楽しんできてね」
仁 「うん」
恵麻「嬉しそうに……行っちゃった。ふんだ。仁くんのバカ。
わたしなんかきっと一人でお婆ちゃんになるまで厨房でケーキ焼いてるんだわ。
朝から晩まで、毎日毎日……ん、それはそれで?」
31.「一点豪華主義」
玲愛 「そりゃね、少しコンプレックスだし、いろいろあるわよ。
でもね、ピアノの腕の代償にああなるんなら、わたしは今のままでいいわ」(断言)
仁 「そうだよなあ」
かすり「そうよね」
明日香「うんうん」
恵麻 「悪いわよ、そんな」(でも否定の色なし)
由飛 「みんな酷い……」
32.「偽りの中の」
仁 「かすりさん、実家には俺との関係について嘘ついてたんだよね」
かすり「ごめんね」
仁 「いや、いいけど。結局、嘘から出たまことみたいになってるし」
かすり「じゃあ、どうしたの?」
仁 「どうしてそんな事を言ったのかなあ、とか考えてると結構幸せになれる」
かすり「……馬鹿」
33.「自己流」
かすり「……恵麻さんの事、嫌いになりそう」
仁 「まだ修復できない確執がッッ。恋人と姉に挟まれて苦悩!?」
かすり「なによ、そのテンション。そんな、深刻でもない…でもない」
仁 「どうしたのさ」
かすり「キュリオのケーキ作りを教えてって言われてね、教えたのよ」
仁 「へえ、姉さんが。凄いじゃないか、かすりさん」
かすり「うん、ちょっと舞い上がっちゃった。
でね、こんな具合なのねって、その場で恵麻さんが作り始めたんだけど」
仁 「ふんふん」
かすり「説明とは手順とか大分違うのに、出来上がりはかなり再現してるの。
それもあくまでファミーユの味わいのあるケーキとして。
才能の違いをまざまざと、こうねえ」
仁 「なるほど」
34.「帰宅」
玲愛「お帰りなさいませ、旦那様」(満面の笑み)
仁 「自分の部屋で言われると、破壊力が段違いだなあ」
35.「着替え」
仁 「これでよしと。きつく締めすぎてないか」
里伽子「ん…、それは平気だけど」
仁 「そうか。困ってたらすぐに駆けつけるからな」
里伽子「あ…、ありがとう」
仁 「うん。じゃ、みんな失礼。邪魔したね」(退室)
恵麻 「……」
かすり「……」
由飛 「……」
明日香「……私達のことなんてまるで目に入ってなかったみたいね」
更衣室にて。
36.「びゅわ〜ん びゅわ〜ん 走る」
仁 「あのさ」
ひかり「はい?」
仁 「お姉さんか妹さんいる?」
ひかり「いますよ」
仁 「じゃあ、名前はもしかして…こ」
ひかり「眼を…開けますよ?」
仁 「す、すみません。やめます」(がたがた)
37.「神出鬼没」
板橋「ちぇ、それじゃ帰るよ」
仁 「まだ鍵かってたよな?」
恵麻「ええ」
由飛「どこから……」
38.「煙草」
玲愛「もう一度だけ試してみようかしら?」
翌朝
仁 「お、どうし…」
玲愛「馬鹿ッッッ!!!」
仁 「何なんだよ。それに、あの格好。いったい何が……?」
39.「存在価値」
仁 「みんな俺の事、卵だけの男と思ってないか?」
恵麻 「……」
由飛 「……」
かすり「……」
里伽子「……」
明日香「……違うの?」
玲愛 「馬鹿、空気読みなさいよ」
40.「同一人物」
仁 「由飛って、前途有望な男が躓いて転んで引っ掛かりそうな感じだよな」
由飛「な、何よそれー」
玲愛「でも、何だか頷ける」
仁 「それで玲愛は、逆にダメ男に引っ掛かって苦労しそうな感じ」
由飛「あははは」
玲愛「うっ…、でも、否定しきれない」
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