パルフェ天抜き・二号店

作:しにを

 




 「パルフェ」の絵無し4コマ漫画風の何かです。
 クリアしてるのを前提として、ネタバレとか気にしてませんので、
 未プレイの方は読まない方が無難かと思います。
 いえ、先にぜひプレイして下さい。
 と、一応の注意書き。 








41.「ハッピーライフ」

 由飛 「ピアノ弾いてるといろんな事忘れて幸せになれるの」
 明日香「いつもだって充分に……、いいけど」



42.「タイがまがっていてよ」

 里伽子「ほら、こっちむいて」
 仁  「いいよ、これくらい」
 里伽子「ダメよ、そのままじゃ。
     うーん、外した方が楽かしら。はい、直ったわよ」
 仁  「ああ」
 里伽子「……仁? なんで泣いてるの?」
 仁  「里伽子こそ」
 里伽子「……」
 仁  「……」(抱いた腕をさらに強く)



43.「電光石火」

 かすり「はい、スタート」
 仁  「うん? ほら、これでいいの」
 かすり「ね?」
 由飛 「凄い、どんな仕掛けがあるの?」
 仁  「別に種も仕掛けもないって。手品じゃないんだから」
 由飛 「えー、嘘だー」
 仁  「別に何てことないだろ。卵を片手でこう持ってさ…」
 かすり「さすがに5、6個をまとめて一瞬に割るのは普通じゃない」



44.「永遠に私のもの」

 里伽子「ああ、仁、何て事。
     ……でも、これはこれで」

  ※エイプリールのおまけ里伽子SSネタより。必見…かなあ?



45.「玉子酒」

 玲愛「あまり、普通のお酒として呑むものじゃないと思うけど。
    美味しいのは認めるけど……、じゃあ、もう一杯だけ」



46.「まーる描いて」

 由飛「オムライス、オムライス、オムライス…」
 仁 「何だ、いったい」
 由飛「あのお客さん、注文してくれないかなあって念じてるの」
 仁 「なんでだ?」
 由飛「だって、あんなに似顔絵書きやすい顔してるんだよ?
    って、痛いよ、仁」
 仁 「お客様に失礼な事言ってないで仕事」



47.「プレイ」

 かすり「…それでね、卵の黄身だけを舌に乗せて口移しするってのがあるのよ」
 由飛 「うわあ、えっちだ」
 かすり「そうでしょ」
 明日香「でも、微妙に通じなそう」(ぽそり)
 かすり「そうよねえ」
 由飛 「単に、美味しいとか言いそう」



48.「素朴な疑問」

 玲愛「なんで、ファミーユって男の店員いないの?」
 仁 「え?」
 玲愛「力仕事だってあるし、外との交渉、たちの悪いお客だって0じゃないでしょ」
 仁 「ええと……」



49.「梅雨時」

 仁 「6月は何を販売促進のテーマにすればいいだろう」
 由飛「梅雨でかびやすいから、テイクアウトしないでファミーユでお茶にしようとか」
 仁 「そんなマイナスイメージ押し出してどうする。却下」



50.「唯一の」

 恵麻「仁君が選んだ人で、仁君が幸せになるなら反対なんかしない」
 仁 「姉さん」
 恵麻「でも、もしも玲愛さんと結婚なんかしちゃったら、仁君にお姉さんが出来ちゃう。
    それは嫌なの」

 由飛「別になりたくてなる訳じゃないし……」



51.「二人めの」

 恵麻「仁君が選んだ人で、仁君が幸せになるなら反対なんかしない」
 仁 「姉さん」
 恵麻「でも、もしもかすりちゃんと結婚なんかしちゃったら、仁君にお姉さんが出来ちゃう。
    それは嫌なの」

 紬 「なるほど、弟が出来ると。……それはそれで」



52.「下がいなかったから」

 仁 「そうか、由飛と結婚したら、義理とはいえ妹ができるんだな。
    妹かあ。やっぱり憧れるよなあ……」(夢見るように)

 由飛 「な、何か凄く嫌な感じ」
 玲愛 「私の台詞よ、それ」
 明日香「妹的存在な私の立場は?」



53.「安穏たるは即ち堕落」

 恵麻「少し修行しないとダメね。 
    仁君もそう思うでしょ?」
 仁 「そうかなあ、充分すぎると思うけど」
 恵麻「なんで賛成してくれないのよ」
 仁 「だって、単なる名店ケーキ屋食べ歩きにじゃな……
    はいはい、行ってらっしゃい」



54.「馴れ初め」

 仁 「丁重に挨拶に行ったら、一方的に怒鳴られたんだ。それから土下座させられて」
 由飛「玲愛ちゃん、酷い……」
 


55.「救い」

 仁  「夜の店に歌が聞こえて、それで由飛が天使に見えたんだ」
 由飛 「仁……」
 
 かすり「そんなに精神的に追い詰められてたんだ、可哀想に」
 恵麻 「ああ、そんな……、わたしがもっと早く復帰を決意していたら」
 明日香「不憫だよ、てんちょ」

 仁  「いや、あの、そういう主旨じゃないから」



56.「新婚さん」

 恵麻「いい加減、名前で呼んで欲しいなあ」
 仁 「タイミングがどうも難しいんだよ」
 恵麻「うう、仁君がそんなだと、お姉ちゃん悲しいなあ」
 仁 「そっちも弟扱いしてるじゃないか」
 恵麻「でも名前で呼んでるもの」
 仁 「なんだか騙されてる気がする」



57.「経営者」

 明日香「なんで、バイト代が下がっちゃうの、てんちょ?」
 仁  「一度止めて、また一から働き始めたから」
 明日香「け、経験者は考慮って」
 仁  「う。でも、ほら、働きが……」
 明日香「悪いと、そう言ってる?」
 仁  「いえ、その、良くやって貰ってます」
 明日香「じゃあ。あ、もしかして、そんなにお店の経営苦しいの?
     それだったら……」
 仁  「ごめん、計算間違い。
     いやあ月締め後だから、戻したり何だりが面倒で……って、反省してます」



58.「視点」

 明日香「お待たせしました。はい、追加ですね」
   
 玲愛 「……」
 かすり「見ているわね」
 玲愛 「うわ。何よ、いきなり」
 かすり「いいから、いいから。明日香ちゃんでしょ」
 玲愛 「え、ええ」
 かすり「そうよね。まだ年端も行かない癖に、あんな胸して、まだ成長期。
     憎い、恨めしい、妬ましい……、わかるわかる」
 玲愛 「ち、違うわよ」
 かすり「え、違うの」
 玲愛 「応対とか、動きとか、なかなかのものねって思ってただけ」
 かすり「なーんだ。つまらないの……。さ、お仕事、お仕事」
 玲愛 「何なのよ。……そりゃ、あんなの反則よとか思ったけど」(小声)
 かすり「……」(にやり)



59.「ゆで卵の薄切り」

 仁 「パンに挟んでもいいし、サラダに使ってもいい。パスタとかにも合うしさ」
 由飛「先生、質問」
 仁 「うん、何だ。これから料理の仕方の説明に入るんだけど」
 由飛「その前に、こんなに透けるほど薄くゆで卵を切る方法を教えて」
 仁 「うーん?」(何を言ってるんだろうという顔で)



60.「姉と」

 由飛「仁と恵麻さんて仲良いよね」
 玲愛「そうね」(そっけなく)
 由飛「うう……」
 玲愛「まさか、あのレベルでベタベタしたいと?」
 由飛「え。……そうだよね」



61.「粒揃い」

 板橋「ファミーユは、可愛い娘揃いだね、お世辞抜きで」
 仁 「そうですね」
 板橋「給与条件なら、ウチのが上なんだけどなあ」
 仁 「女の子のレベルはキュリオに優っていると?」
 板橋「それに答えろと?」(語句強く)
 仁 「え、あの、軽い冗談で。その、怒らせたんならすみま…」
 板橋「これ以上、ぼくの居場所が狭くなったらどうするんだい」
 仁 「(暗に肯定している?)」
 


62.「IF」

 仁  「もしも火事が起きていなかったら」
 かすり「恵麻さんがケーキ焼いて、私が助手をしつつお店にも出て」
 明日香「午後とかお休みには、私もお店に来て」
 仁  「俺はが軽食メニュー担当して、レジとかをやって」
 かすり「それだけだと、今とあまり変わらない気がする」
 明日香「里伽子さんの代わりに由飛さんだけど」
 仁  「大きな違いだな、変な意味でなくて」
 かすり「凄い違いよね、いい悪いでなくて」
 明日香「そうだよねえ、いろんな意味で」

 由飛 「どんな意味?」



63.「和洋菓子」

 かすり「生クリームならまだデコレーションみたいな感じだけど、
     餡子だとちょっと様にならないわよねえ」
 仁  「そうだね、って何の話?」
 かすり「さて?」



64.「お手軽レシピ:ゆで卵の生卵かけ」

 仁「騙されたと思って……」



65.「固くだの、引っくり返せだの」

 かすり「うんうん、この目玉焼きの端っこのパリパリが美味しいのよ」
 明日香「完全に半熟でなくて、途中まで固めにしてて」
 由飛 「なんでこんなにまんまるにできるの?」
 恵麻 「ああ、この火加減の絶妙さ。さすが仁君」
 里伽子「うん。……でも一人一人の好みに合わせてって面倒じゃないの?」
 仁  「何が?」(黄身だけ箸で掬い取ろうとしつつ)

 

66.「省みて」

 仁 「店は好調。一流のケーキ職人に有能なスタッフが集まって。
    これも店長の人徳かな」
 一同「……」
 仁 「いや、冗談だから」(ちょっと落ち込みつつ)
 一同「……その」(否定ではないけど、自分から手を挙げたくない微妙な雰囲気)



67.「紐解いてみる」

 仁 「こういう関係になったけど……」
 恵麻「うん」
 仁 「思えば、複雑な関係だな、俺たち」
 恵麻「そうよね」
 仁 「うん」



68.「ご両親への挨拶」

 仁 「娘さんを僕に下さいなのかな」
 恵麻「でも、仁君が家にいる訳だし。
    息子さんを私に下さいかしら」
 仁 「うーん」
 


69.「青く未成熟な」

 かすり「いちばんエッチな事考えてるのは、明日香ちゃんよね」
 由飛 「そうね」
 恵麻 「まあ、そうかしら」
 玲愛 「順当ね」
 明日香「ちょ、ちょっと、何ですか、それ。
     なんで私が…」
 かすり「だって女子校だし」
 一同 「うん」
 明日香「あ…うあ、そんな…」(でも否定しきれない)



70.「姉妹喧嘩」

 玲愛「ふうん、そう云うこと言うんだ」
 由飛「玲愛ちゃんがうるさく言い過ぎなんだもの」
 玲愛「わかったわ。そうよね、私、妹だし」
 由飛「わ、わかればいいのよ」(ちょっと怯えつつも強気っぽく)
 玲愛「仁の事……」
 由飛「え?」
 玲愛「お兄ちゃんって呼んであげる」
 由飛「え、ええっ?
    ………………だめ、だめえッッッ」(いろいろ考えた末)



71.「略奪愛」

 里伽子「でも……、もともと私のものだし」(自分で言って、真っ赤)



72.「外の人の意見」

 玲愛「何よ、相談って」
 仁 「由飛の事なんだ」
 玲愛「なんだ、ノロケ?」
 仁 「……」
 玲愛「え、なんでそんな深刻な顔、いいわ、言ってごらんなさい」
 仁 「最近、店の中でちょっと近づいて、手とか触れただけで……。
    軽蔑したみたいな眼で。はっきりとじゃないけど、わかるだろ、雰囲気で。
    俺たち、恋人同士なのに、なのに……」
 玲愛「嘘でしょ。あんなバカップル臆面も無くやってたのに。
    悔しいけど、あんなに仲良くやってたのに、何が起きたの?」
 仁 「ん? 由飛とは問題ないぞ。
    ただ、あいつベラベラと、もう、とんでもない事まで皆に……、うう」
 玲愛「同情したいような、自業自得って言いたいような」



73.「アンタッチャブル」

 恵麻「どう?」
 由飛「ふわふわでトロトロで、飲み込んだ後まで余韻があって……、幸せ」
 恵麻「ここまで喜んでもらえると、悪い気はしないわね」
 由飛「本当に美味しいです。恵麻さんって凄い。
    どうしてそんなケーキが作れるようになったんですか?」
 恵麻「聞きたい?」
 由飛「はい」
 恵麻「そう」(凄く、凄く嬉しそうに)

 かすり「地雷踏んだわね」
 里伽子「地獄の蓋が開いたというか」
 明日香「てんちょ、言ってなかったんですか?」
 仁  「ああ、しまったなあ。話し始めると底なしだからなあ」



74.「本店支店」

 仁  「やっと、やっとファミーユが元通りに」
 恵麻 「うん、仁君、やったね」
 里伽子「頑張ったものね、みんな。ううん、誰より仁が」
 仁  「ああ。でも、これで終わりじゃないぞ。
     三号店、四号店と、どんどん拡大していくんだ。日本中、いや世界中に」
 里伽子「ちょっとそれ、方向性が間違ってる……のかな」(首傾げ)
 恵麻 「そんなにいっぱいケーキ焼けるかしら」
 里伽子「それは間違ってる」



75.「欲望限りなく」

 仁 「今度は…………いやいや、幾らなんでも。
    それは卵に対する冒涜だ。けど……産卵か、うーん」
 由飛「お風呂上がったよー、仁。どうしたの?」
 仁 「いや、ちょっとな」(計るような眼で)



76.「泥沼ドラマの果て」

 かすり「どうせ、どうせ私なんかお菓子に釣られて来た女なのよー」
 仁  「そう言えば」
 里伽子「そうよね」
 由飛 「あの、追いかけなくていいの?」
 仁  「おっと。待って、かすりさん。違うんだー」



77.「上に立つ者」

 仁  「里伽子が店に戻って来てくれたのは嬉しいんだけどさ、
     みんな何かあると俺じゃなくて、里伽子の指示を仰ぐんだ」
 恵麻 「里伽子ちゃん来て、前より上手く……、あ、仁君ももちろん頑張ってるから。
     でも、それで経営者として問題あると仁君が思っているなら、そこはきちん
     と言ってもいいんじゃないかな」
 仁  「そうかな」
 恵麻 「うん。仁君は店長なんだから。何だったら、お姉ちゃんからも言ってあげる」
 仁  「それはさすがに。でも、そうだよな」
 里伽子「ここでしたか、恵麻さん。ちょっといいですか」
 恵麻 「何かな」
 里伽子「モンブランとチョコのタルトは少し数を減らして下さい」
 恵麻 「えー」
 里伽子「その代わり、果物のタルトとかクリームケーキとかを増やしてくれますか」
 恵麻 「あ、それなら。キウイとかマンゴーでいいのが入ったものね」
 里伽子「はい。評判いいし、美味しいです。さすが、恵麻さんですね」
 恵麻 「そうと決まったら、生地をもっと増やして、クリームも。
     ふふふ、忙しい、忙しい」(上機嫌で厨房へ)
 仁  「おーい、ねえさーん」
 里伽子「それと、店長」
 仁  「は、はい」
 里伽子「休憩も必要だけど、あまり長いと店員に示しがつかない」
 仁  「あ、ごめん。……ふぅ」
 里伽子「うん?」
 仁  「何でも無いです」
 


78.「メディアの如く」

 玲愛「仁の恋人になって、この制服を身に纏った以上、もう過去の私じゃないわ」
 仁 「ああ、ファミーユの一員となってくれ」
 玲愛「ええ。全ての恩もこれまでの友情も何も捨てる。
    打倒、キュリオ」
 仁 「ええと、あのさ」
 玲愛「全ての店が灰燼と帰すまで、私達の戦いは終わらないのね。
    わかっているわ、仁。裏切り者と罵られても、私が持てる全ての力で……」
 仁 「いい、そこまでしなくていい」



79.「芸術品」

 仁 「やっぱり凄いな、由飛の演奏。素人の俺が言ってもあれだけど」
 玲愛「誰が聞いても凄いと思えるのが、本当に凄いのよ。
    でも、前よりもずっと、うん、レベルが違ってる」
 仁 「やっぱり、おまえと和解したりとかが大きいんじゃないか、精神的に」
 玲愛「……そうかも」
 仁 「それにしても、割れた皿拾ったり、荷物運んでてぶつかったり……。
    あれで指に怪我でもさせてたら、とんでもない事だったなあ」
 玲愛「まあ、その辺は慣れてるから」
 仁 「なるほど」
 玲愛「ええ」



80.「耐える」

 里伽子「…ッッ。くぅん……」
 仁  「おい、無理するなって。涙でてるぞ」
 里伽子「平気。やっと感覚が戻ってきてるんだもの、もっと」
 仁  「ダメだって。かえって逆効果になるから、無理は禁物って言われてるだろ」
 里伽子「でも……」
 仁  「頼むから。見てる俺の方が辛くなる。ここまで来て、一人で焦らないで。
     ほら、脂汗でてる」
 里伽子「うん…、ありがとう。冷たくて気持ちいい」
 仁  「我慢しすぎるなよ」
 里伽子「うん。でも慣れてるから」
 仁  「……すまない」
 里伽子「え、そうじゃないの。皮肉言ったつもりとかじゃなくて。
     私が勝手に背負い込んだりとか。
     そもそも仁と付き合おうと思った時点で苦労するのわかってたし。
     って、違う。もう、お願いだから落ち込まないで」



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