パルフェ天抜き・四号店

作:しにを

 




 「パルフェ」の絵無し4コマ漫画風の何かです。
 クリアしてるのを前提として、ネタバレとか気にしてませんので、
 未プレイの方は読まない方が無難かと思います。
 いえ、先にぜひプレイして下さい。
 と、一応の注意書き。 








121.「朝礼」

 仁  「…と言う事で、今日もみんなで頑張ろう」
 一同 「はい」
 由飛 「いつも思うんだけど、仁ってなんであんなにいっぱい格言とか知っ
     てるのかな」
 かすり「ほんと、卵関係ばかり。百はもう超えてるよね」



122.「子供の頃の」

 恵麻 「仁くんの小さい頃の可愛い話ならねえ、そうだ、温泉卵の意味で
     勘違いしたのがあるけど、聞く?」
 里伽子「何となく想像つく上に、仁が顔真赤にしてるからやめときます」

 

123.「オムライスのサービス」

 由飛「えーっ、わたしちゃんと似顔絵描いたもん」
 仁 「そうなんだけどさ」
 由飛「そっくりだったよ」
 仁 「そこが問題な訳だ」



124.「日常に潜む」

 仁  「ゆで卵の皮むきって、どこか官能的な快感があるよな」
 里伽子「卵だからなのか、何かを投影しているのかで返事が変わるわね」



125.「天才と秀才」

 仁 「キュリオのケーキ職人ってどんな人?」
 玲愛「そうねえ、もちろん才能は凄いんだろうけど、それよりも凄く努力して
    あれだけのケーキの腕を磨いたみたい」
 仁 「なるほどなあ」
 玲愛「あんたのお姉さんをどうこう言う訳じゃないけど」
 仁 「うん?」
 玲愛「下についた人に教えるのは、そっちより適してると思う」
 仁 「なるほど」

 かすり「うん? 二人して熱い視線を送ってなにかなあ」
 二人 「いえ、別に……」



126.「コスプレにも似た」

 恵麻 「かすりちゃんにケーキを任せるとやる事が少なくなるわよね。
     そうしたら今のかすりちゃんみたいにフロアの方も出ようかしら」
 女性陣「……」
 恵麻 「え……えーと、その、冗談よ? わたしじゃ似合わないし」
 里伽子「そんな事はないですよ」
 明日香「うん」
 かすり「そうです」
 由飛 「似合いますよ、恵麻さんなら」
 恵麻 「ふーんだ、今更言われても遅いわよ。
     みんな困った顔したのちゃんと見たもの。
     どうせ私はみんなより年食ってるわよーだ」(走り去り)
 由飛 「似合うと思う」
 かすり「少なくとも仁くんは大喜びだよね」
 里伽子「そこが……問題」
 明日香「うんうん」
 


127.「何故だろう」

 お客「なんでこの店は食事メニューが卵ばかりなの?」
 由飛「店長の趣味です」(明るく)
 お客「そうなんだ」

 かすり「他に言い様がないものね。なるほど」
 明日香「憶えておこう」



128.「もしも願いが」

 仁  「ひとつ、したかった事があるんだ」
 里伽子「何?」
 仁  「手を繋いで歩きたかった」
 里伽子「はい」
 仁  「うん」
 里伽子「少し痛いわよ」
 仁  「うん」(そのままで)



129.「人生の意義」

 恵麻「不思議。どうしてケーキ作りから離れていられたんだろう。
    どうやって生きていたんだろう」



130.「ナイトメア」

 仁「毎日、毎日、卵ばかり。うんざりだ。
   卵なんかもうたくさんだーーーーッッッ!!!」

    ガバッ

 仁「夢、夢なのか?
   ああ、なんて酷い夢……いや、そんな事より。
   俺は夢とはいえ何て事を。
   神様、許して下さい。お願いです、許してください」(悔恨の瞳)



131.「省みれば」

 仁  「なんで、あの頃は何もなかったのかな」
 里伽子「何もされなかったから」
 仁  「う……」
 里伽子「言い直す。
     何もしてくれなかったから」
 仁  「うッ」



132.「制服」

 女生徒「じゃあ、お仕事頑張ってねー」
 明日香「うん。また明日ね」
 仁  「クラスの子かな?」
 明日香「そうだよ」
 仁  「そうか……」
 明日香「てんちょ、制服姿見てえっちな事考えてる」
 仁  「誹謗だ。考えてない」
 明日香「少しも?」
 仁  「少しも」
 明日香「わたしが着てくる時も?」
 仁  「当然だ」
 明日香「ふーん」(つまらなそうに)



133.「隠しボーナス」

 店員 「お待たせしました」
 仁  「お、来た。うん、美味そう」
 由飛 「日替わりパスタセットはこっちね」
 かすり「残りは私の日替わりランチ、と。ん、何、仁くん?」
 仁  「目玉焼きがのってる」(凝視)
 かすり「あれ、入り口のサンプル見なかったの?」
 仁  「カレーって決めてたから。しまったなあ」
 由飛 「やっぱり卵に拘ってる」
 かすり「あげようか」
 仁  「え、でも、いいの」(期待の眼)
 かすり「嘘だけどね」(と真っ先にフォークで突く)
 仁  「ああああ」



134.「前は余裕が無かったし」

 恵麻「まだ作った事の無いケーキがあるんだ」
 仁 「じゃあ、作ってみる?」
 恵麻「いいの? ん、何か仁くんわかってるの?」
 仁 「今の時期に言い出すって事は、他に考えつかない」
 恵麻「珍しく察しがいいのが気になるけど。
    じゃあ、凄く大きくて立派なのを作っちゃうからね」
 仁 「ああ。一世一代のやつを頼む。
    ただし、二人で入刀の時に失敗しない程度で」
 恵麻「ちゃんとわかってるんだ、良かった」
    
 

135.「野望の荒野」

 玲愛「まだ、貼ってるよね、打倒キュリオっての」
 仁 「ん……、ああ、そうだな」
 玲愛「憎むべき敵店なんだ、キュリオは」
 仁 「いやその、今となってはリスペクトする相手というか。
    まだまだ見習う事はいろいろあるし」
 玲愛「まあ、わかってるけど。
    でも具体的にはどういう状態を打倒って考えてたの?
    それと打倒した後でどうするつもりだったの?」
 仁 「ええと…………、んんん……」
 玲愛「やっぱりね」



136.「悪の女幹部」

 玲愛「キュリオを打倒とか言っても、ここは3号店だしね。
    わたしを倒しても、2号店、そして本店が待ち受けているのよ。
    所詮、わたしはこの店を任されていても小物。
    この先に進もうとすれば、死あるのみ」
 仁 「くッッ!」

 板橋「あのさあ、ボクの立場は……」



137.「誇れる姉」

 恵麻 「凄かったわね、由飛ちゃんの演奏」
 明日香「感動しちゃった。普段とは別人みたい」
 里伽子「単に技術だけじゃないわね。素晴らしい」
 玲愛 「まあね」
 かすり「玲愛ちゃんが凄く誇らしげな表情」(小声)
 仁  「そうだな。それでいいと思う」(小声)



138.「幸せのケーキ」

 かすり「ねえ、仁くん」
 仁  「はい」
 かすり「お店を再建して、わたしを迎えに来て貰って、感謝してるの。
     それで言うのもなんだけど、恵麻さんの為に始めたんだよね」
 仁  「否定はしない。見てられなかったから」
 かすり「それが悪いとかじゃないの。むしろ良かったと思うし。
     ええとね、他のお店でも無理矢理ケーキ職人にしちゃったら、
     それはそれで恵麻さん幸せそうだったような気がしない?」
 仁  「ん、それは……、目に浮かぶな。ありありと」



139.「指折り数えてみる」

 かすり「仁くんは、けっこうポイントはあるのがずるいと思う」
 玲愛 「そうね。なんであんな奴にと思ってもなんだかんだで」
 明日香「頭良いし、けっこう格好良いし」
 由飛 「あの若さで店長さんだし」
 恵麻 「お姉ちゃんに優しいし」
 かすり「あ、その辺はマイナス」
 恵麻 「えー。じゃあ頼りがいはあるけど、逆にわたしが面倒みないといけ
     ないって感じさせるところは?」
 玲愛 「それは、ありな気がする」
 
 里伽子「……」(遠くで軽く頷いたりしてるものの、話には加わらない)

 かすり「それでいて、何でああなんだろう」
 一同 「……」(深く頷く)



140.「たとえ夢がこわれた時も、黄身がいれば」

 仁「俺がどんなに落ち込んでても卵さえあてがっとけばいいと思ってるだろ。
   食べるけどさ」



141.「鬼軍曹の視線」

 仁 「他の喫茶店とか行くとさ、自然と店員の動きの評価とかしないか」
 玲愛「しない。仕事時とプライベートは別だから。
    昔はけっこう気になったけどね」
 仁 「そんなものかな。
   (でも、凄く何か言いたげだよなあ、玲愛の眼)」



142.「十代の女の子」

 かすり「明日香ちゃん、体育の時は体操服着るの?」
 明日香「それは着るけど」
 かすり「まさか夏には」
 明日香「プールの時は水着だよ」
 かすり「挙句に女子校の制服着たり、ウェイトレスの格好したり。
     末恐ろしいえっち娘だ」
 明日香「な、な、なんなのよー」
 仁  「どうした」
 かすり「あ、仁くん、明日香ちゃんが凄いえっちなの」
 仁  「え?」(凝視)
 明日香「てんちょのバカー」(走り去り)
 仁  「何が、いったい」
 由飛 「どうしたの?」
 かすり「明日香ちゃんが体操服でブルマで仁くんがやらしー目で」
 由飛 「ええええええ」
 仁  「何だ、何なんだ、いったい」



143.「新人イビリ」

 仁  「前に玲愛がうちの手伝いしただろ」
 かすり「そうね、そんな事もあったわね」
 仁  「何か穏便じゃない事言ってたけど、あいつと仲良くやってたの?」
 かすり「したわよ」
 仁  「そうなんだ、良かった」
 かすり「あの、『この店は教育し甲斐があるわね』視線に負けたのよねえ」



144.「力関係」

 かすり「ジャムの瓶の蓋が開かないのよ。
     ええと、誰か……、由飛ちゃんお願い」
 由飛 「はい。んん、えいッ」
 かすり「おー、ありがとねえ」

 仁  「俺は素通りで由飛か。
     まあ、そうなんだろうけど、男として何だかなあ」



145.「汎用性」

 仁  「たいていの料理ってさ、卵って上につけると何だか美味しそうに
     感じないか?」
 由飛 「卵カレー」
 かすり「卵魚の照り焼き」
 明日香「卵ラーメン」
 里伽子「卵ラザニア」
 女性陣「微妙」
 仁  「そうかなあ、美味そうだけど」
 かすり「卵葛餅とか、卵ところてんとか、卵豆大福とかは?」
 仁  「美味そうだけど」
 里伽子「卵つけばなんでもいいのね」

 

146.「テュリャテュリャテュリャ」

 仁  「煙草が一箱七本入りなら良かったのに」
 里伽子「なんで?」
 仁  「一日に一本吸うだろ。調度一週間で終わるから、毎週月曜日とか
     決まった時に買えば忘れたりしなくて具合がいい」
 里伽子「……まとめ買いしておけば?」
 仁  「おお、頭いいなあ、里伽子は」
 里伽子「嬉しくない」



147.「テスト前」

 仁  「だいたいは大丈夫かな」
 明日香「うん、主要教科は問題ないと思う」
 仁  「あとは?」
 明日香「ええとね、明日の分だと保健体育。教えてくれる?」
 仁  「ええと、その……」
 明日香「自分でやるね」(屈託なく)



148.「つかず離れず」

 仁  「もしもさ、火事が起きずに、そのまま店をやっていたとしたら」
 里伽子「やっていたとしたら?」
 仁  「こうやって、里伽子と結ばれていたのかな。
     ずるずると前の関係が続いてたような気がする」
 里伽子「それはないわ」(断言)
 仁  「言い切るんだな」
 里伽子「絶対にあり得ないもの。あたしがそうさせないから」
 仁  「なるほど」
 里伽子「納得した?」
 仁  「納得した。それと幸せな気分になった」



149.「林檎」

 恵麻 「あれ、どうしたの仁くん。そんなにいっぱいのリンゴ」
 仁  「ああ、貰い物なんだけど。みんなで分けようかと思って」
 恵麻 「美味しそうねえ。アップルパイとかいいかなあ」
 かすり「砂糖煮とかも酸味があって良さそうですね」
 恵麻 「ジャムにしてパイに塗るとか、スポンジに挟むのもいいわね」
 かすり「焼きリンゴにして冷やしてクリーム詰めたり」
 恵麻 「リンゴと木の実のケーキとか作ろうかしら」
 仁  「普通に皮むいて食べようとかいう意見が出ないんだなあ。
     さすがはケーキ職人か……」



150.「必要悪と言う名の無駄」

 由飛 「お店でケーキの売れ残りって出るよね」
 明日香「うん。全部は無理だと思う」
 由飛 「お店閉めた時にお茶にしたり、おみやげに貰ったりはあるけど、
     いつもじゃないよね」
 明日香「幾つかは残るけど」
 由飛 「それはどうしてるんだろうね」
 明日香「翌日には新しいの焼くから、捨ててるのかなあ」
 由飛 「ええー、勿体無い。でも、ゴミで見ないよね」
 明日香「失敗したのとか、お客さんの残したのはあるけど」
 由飛 「余ったのは、恵麻さんが全部食べちゃってるとか」
 明日香「ええー、昨日なんて、二十個くらいはあったよ。無理だよー」

 かすり「それはどうかな」(真顔で小声)



151.「重さ」

 仁「ただいまーって、店内が妙な空気に。
   俺がいない間に何か騒動でも?
   え、皆でお茶して話してただけ。
   じゃあ何が、肩こり? 肩こりがどうしたのさ。 
   姉さんが年だって僻んだとか……じゃなさそうだな。なんか勝ち誇った
   顔だし、あれは。明日香ちゃんと由飛もそうか。
   かすりさんと里伽子と玲愛がジト眼。
   いったい何が……」   



152.「今出ました」

 由飛 「出前きたみたい」
 仁  「あ、それ俺だ」
 明日香「てんちょ、やっぱり月見そばなんだ」
 仁  「前もそうだっただけだろ。他にも食べるぞ」
 由飛 「例えば?」
 仁  「かき玉そばとか、天とじそばとか」
 明日香「それだけ?」
 仁  「月見うどん、かき玉うどんに、天とじうどん」(勝ち誇ったように)



153.「月見」

 由飛 「……」
 明日香「……」
 仁  「何だ、どうした。人の事じっと見て」
 由飛 「仁はどうやって月見そば食べるのかなって思って」
 明日香「最初に割っちゃうのか、途中でか、それとも丸呑みするのか」
 仁  「別に気分次第だなあ。
     最初に割っちゃっても美味しいけど、いつ割ろうかと眺めながら
     食べるのも楽しいから」
 由飛 「ふうん、わりと普通なんだ」
 仁  「当たり前だ。後は最後の最後までとって置いて、汁まで飲んで、
     それからデザートとして食べるとかもするだろう?」
 明日香「デザート……」



154.「塵も積もればかな」

 仁 「老舗の洋食屋でね、オムレツとか作る時に卵の殻の内側まできちんと
    白身をすくって使うんだってさ」
 由飛「ふうん」
 仁 「卵一個や二個ならともかく、何十個、何百個もあるとだ、ただ卵割っ
    て捨てるとけっこうな量無駄にする事になるだろ」
 由飛「なるほどね」
 仁 「いい話だよな」(しみじみと)
 由飛「そうだねえ……って、それでおしまい?」
 仁 「ああ」
 由飛「話のオチとか、そっから教訓とか無いの? 無いんだ」



155.「絡め手ではなく」

 玲愛「お待たせ、仁」
 仁 「……」
 玲愛「ん? そんなに待たせてないよね」
 仁 「ああ。改めて見て驚いてた。
    玲愛って綺麗だな、凄く」
 玲愛「な、な……」
 仁 「正面から言われると受けきれないのが可愛いよなあ」
 玲愛「か、からかったの? 仁のば…」
 仁 「本気。本当に見惚れた」
 玲愛「そ…、そう……」(真っ赤)
 仁 「凄く可愛いなあ、畜生」



156.「名を上げる」

 仁  「ライバル店への対抗手段としてさ、姉さんにケーキ職人のコンテスト
     とかに出て優勝して貰うのはどうだろう」
 里伽子「どうだろうって、そう簡単じゃないわよ」
 仁  「それはそうだけどさ、腕は凄いぞ」
 里伽子「まあ、それは認める。けど、恵麻さんのケーキは芸術品みたいなデコ
     レーションとか、斬新さには少し欠けると思う。
     食べると本当に美味しいんだけど」
 仁  「なるほどなあ。強烈なアピールポイントがないのか」
 恵麻 「いいじゃない、美味しくてお客さんが喜んでくれれば」
 里伽子「その通りです」
 恵麻 「他人の評価より、ケーキ焼いて楽しければいいんじゃないかな」
 里伽子「それは少し違う」
   


157.「名を上げる2」
  
 仁  「でも、これだけのケーキ作ってるのに惜しいなあ」
 里伽子「そうね」
 仁  「なんか手は無いのかな。勝負用のケーキ開発するとか」
 里伽子「恵麻さんは難しい条件でケーキ作るのはむいてると思う。
     砂糖抜きでとか、決められた分量でとかの。
     今の原価であれだけのケーキ作るのも、多分他の店ではなかなか
     できない」
 仁  「なるほど。でも、そんなマンガみたいな勝負とかコンクールなんて
     なかなか無いよなあ」
 里伽子「無いでしょうね」
 恵麻 「ケーキの大食い大会とかなら、自信あるんだけどなあ」
 里伽子「この辺の屈託のなさも、マイナス要因」
 仁  「なるほど」



158.「今日も明日も」

 由飛「卵好きなのはいいとして、なんでそんなに毎日毎日で飽きないの?」
 仁 「昔、ボートで遊んでいて流されて南の島に流れ着いたんだ。
    野性の鶏がいてさ、毎日毎日卵ばかり食べ続けたんだ。   
    助けが来るまでずっと。
    死ぬまでもう何も食べられないかと思ってた」
 由飛「そんな凄い事が」
 仁 「それ以来、卵を食べるのが当たり前になった」
 由飛「(普通は見るのも嫌になると思うんだけど、真顔だし……)」



159.「弱肉強食」

 板橋「店の反省会があったんで、提案したんだよ。
    ここしばらく少し売上げが落ちてたからさ。
    うちと競合している弱小店なんか、どんな手を使っても叩き潰そうって。
    そしたら皆、何言ってるんだって顔するんだよ、カトレア君まで。
    間違った事言ってないだろ、ボクは。
    何を考えてるのかなあ」
 仁 「わざわざその叩き潰す店の中で何言ってるんだ、あんたは」



160.「お料理しました」

 かすり「どうかなあ」
 仁  「焼き加減が絶妙。味付けも素材を引き立てている。
     驚いた、凄く美味しいよ、かすりさん」
 かすり「ふっふっふっ、わたしだって練習を積めば、卵料理のひとつやふたつ
     仁くんに負けないくらいは可能なんだから」
 仁  「く、何だか悔しいが、このオムレツに嘘はつけない」
 かすり「もっと褒めてくれてもいいのよ」
 仁  「勝ち誇っている。
     でも、そうだよな、かすりさんて本当は努力の人だもの。
     ケーキ作りだってずっと頑張って姉さんに実力を認めさせたし」
 かすり「ちょ、ちょっと、ダメ。その温かい眼差しは禁止。
     やだ、本当にダメなんだから、もう」



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