天抜き 『城』

作:White Snow

 

            〜作者から読者のみなさまへ〜

 本作品は、『ハウルの動く城』の公開を記念して作成しました。作者自身ストーリーを
知らず、ただタイトルから連想されるものを掲載してあります。
 ネタバレはないかと思いますが、宮崎監督の作品の神聖なイメージを崩したくない方、
Type Moon様のキャラのイメージを大事にしたい方は、ご注意を。
 以上を踏まえた上で、お楽しみくださいませ。






 1. 絶賛発売中 

 ヴァンさん「――お待たせいたしました、皆様。お城をお持ちになりたいあなたに朗報
       です。
       キッチン、ダイニングの他に、王様気分に浸れる謁見室、大広間、テラス
       をそろえ、疲れたあなたの癒しの空間、大浴場、露天風呂、プール、ジム、
       教会を各種用意。和のこだわり、茶室もオプション選択できます。陰謀好
       き、ニンジャ好き、吸血鬼かもしれないのあなたのために地下室、屋根裏
       も完備しているこの新設設計。これは豪華!
       ベッドルームは百室以上、全室冷暖房、バスとトイレがついております。
       キングサイズもご用意してありますので、突然のギネス級なお客様にも安
       心。
       地球環境のことを考え、動力の燃料にはご家庭で出る生ゴミを利用。でき
       た堆肥は家庭菜園にご利用いただけます。もちろんこれだけで、毎月の電
       気代、ガス代もかかりません。とってもエコロジー。
       ……いかがですかな、各ご家庭に動く城。この機にお持ちになられてみて
       は? お勧めです」



 2. 注文殺到

 アルト  「――じゃ、よろしくねー」
 ヴァンさん「はい、毎度ありがとうございます……」

 トラフィム公「――頼んだぞ」
 ヴァンさん 「は、しかと……」

 ヴァンさん「……しかし、死徒二十七祖はミーハーぞろいか?」



 3. 映画監督

 ヴァンさん「それにしても、ワラキア。貴公は、城を何に使う気だね?」
 ワラキア 「美しく燃え落ちる城は、舞台の華なのでね」

 ヴァンさん「私の力作を演出に使うな!」



 4. N作戦

 シエル「――これは由々しき事態ですね。動く城相手では、第七聖典の更なる改造強化、
     並びに巨大化、バーニアの実装をしないと……」
 ななこ「巨大化もバーニアもイヤですぅ〜!!!」

 シエル「大丈夫です――ドリルもちゃんとつけてあげますから」
 ななこ「ヒィィィ!!!」



 5. 蒼崎ブランド

 橙子「――ふむ。同じ人形師としては、負けられんな」
 黒桐「いいんですかね、偽物の魔城を勝手に売り出して……」
 橙子「いやなに、本物の魔城より優れたモノを出せば文句は言われんさ」

 黒桐「生きるためです、仕方ないですね」
 橙子「世渡り上手になったわね、黒桐くん♪」

 黒桐「所長のせいでしょ!」



 6. 執事の血統

 秋隆「――先祖は、お庭番でした」

 黒桐「……秋隆さん、これから寝ようって時に天井裏から出てこないでくださいよ」
 式 「……このっ、バカぁ!!!」

 秋隆「いついかなる時も、お嬢様のお側におりますとも、ええ」



 7. 働くメイドさん
  
 翡翠   「動いたら、物が散らかってお掃除が大変だと思います」
 セラ   「イリヤスフィール様が、船酔いにならないか心配です」
 アーチャー「……同感だな。揺れては、紅茶も上手く淹れられん」

 翡翠・セラ「?」
 アーチャー「何か?」



 8. 悪い魔女?

 桜 「キャ、お婆さんにされてしまいます」
 遠坂「……桜、どういう意味よ!?」

 黒桜「えへ♪」



 9. 風雲ブリュンスタッド城

 アルク「空も飛べるよ? 空想具現だから」
 志貴 「それ、違う映画」



 10. 風雲アイツベルン城

 イリヤ「お城? うん、動くよ」
 士郎 「マジッスか?」
 イリヤ「動力はバーサーカーなの。やっちゃえ、バーサーカー♪」

     ――――ズゴゴゴゴゴ……

 士郎 「……ただ外から城を押してるだけじゃん。これはこれで、スゴイことだけどさ」



 11. 地下に眠るモノ

 志貴「――もしかして、この洋館って動きます?」
 琥珀「さすがに、それは無理ですよー、志貴さん。実に魅力的な提案ではあるんですけど」
 志貴「そうか、琥珀さんならって期待してたのになぁ。
    こう、この屋敷がガチャガチャとロボットに変身! みたいな……」

 琥珀「地下にメカ翡翠ちゃんマジンガーは、いるんですけどねぇ……」
 志貴「……ウワァ、ソンナノアルンダー」



 12. 動く遠野邸

 シオン「――計算通り、完璧です」

 琥珀「どうですか、志貴さん。シオンさんと協力して、動けるようにしたのですよー」
 志貴「……いや、屋敷の下……首から下はメカ翡翠だろ? 大きいけど、やけに」
 琥珀「首から上は飾りです。秋葉様にはそれがわかっていないんですよ」

 志貴「頭が飾りじゃマズイだろ、いろいろと」



 13. 教会のヒミツ

 言峰「――実は、この教会は動くのだ」
 ギル「なに、それは本当か!?」
 言峰「その名も、教会合体キョウカイダー」
 ギル「キョ、キョウカイダー!?」
 言峰「そうだ、キョウカイダーだ」
 ギル「むうぅ。やるな、言峰!」

 言峰  「プフー」
 ランサー「……オイオイ、騙されてるぞ」



 14. 間桐邸のヒミツ

 臓硯「カカカ。驚くなかれ、この館は動くのじゃよ」
 慎二「そ、そんな!? 本当ですか、お爺様?」
 臓硯「おお、そうじゃとも。もともとこの館は、ある蟲の上に建っておる。その蟲は、
    王○(○ーム)と言うのじゃが……」

 慎二「だから違う映画じゃん!」



 15. 疑惑の遠坂邸

 士郎「遠坂の家は、動くのか?」
 遠坂「……そうね、大師父なら、そういうのやりかねないわね」

 ゼル(失敬な。机の引き出しをあけたら、時間旅行ができるだけじゃぞ)



 16. 衛宮家の真実

 切嗣「――実は、この家って巨大ロボになるんだ」

 士郎「ええっ!!??」
 切嗣「士郎、正義の味方に巨大ロボは必要だ。僕はそう信じている」
 士郎「スゲーや、親父!!!」
 切嗣「見直したかい、士郎。父の偉大さを」

 士郎「というか、魔法使いって聞いた時よりビックリしたぞ」



 17. 女学院合体アサガイン

 秋歯「アサガイン、起動! 宇宙怪獣猫アルクを迎撃せよ! 蒼香、マイナスイオン砲を撃ち
    なさい!!!」
 蒼香「え? あー、イマイチついてけないが。うん、この髑髏マークのボタンか?」

 ――――ポチッ、とな。

 羽ピン 「――らぶらぶですかぁ?」
 猫アルク「ギニャー!!! おニャれ、この恨み晴らさずにおくべきか!? ――自爆、ニャ」

     ――――大爆発。

 蒼香 「――……はっ!? ……夢、だったのか。疲れているな、最近。……ん?」
 羽ピン「う〜ん、蒼香ちゃん。むにゃむにゃ……(抱きつきスリスリ)」
 蒼香 「羽ピン、アンタのせいかっ!?」



 18. 時計塔合体ビック・ベン

 遠坂    「――ビック・ベン、発進よ!」

 ビック・ベン「初乗リ、百$カラデス」
 遠坂    「料金制!?」

 士郎    「……誰か夢だと言ってくれ」



 19. 城の主

 有彦 「クク、この宝クジで一国一城の主になってやるぜ!」
 ななこ「そうなったら、私はお姫様ですねー」
 有彦 「……てめぇは、馬小屋に決まっている、この駄馬め!」

 ななこ「ううっ、酷いです」



 20. ラッピング

 黒桜    「クスクス。アイツベルン城のリボン巻き」

 イリヤ   「怖いよぉ、バーサーカー」
 バーサーカー「うが、うが(コク、コク)」



 21. 剣士の野望

 小次郎  「天守閣で布団を干してみたいものだ」

 キャスター「じゃ、これ干しといてね、洗濯物」
 小次郎  「……」



 22. 前衛的

 由紀香「鐘ちゃん、何を書いてるの?」
 鐘  「……城」

 楓  「……お城に『シェー』のポーズをさせるのはどうか、鐘」
 由紀香「シュールだね」



 23. セイバーのシロ

 セイバー「私のです」
 士郎  「俺?」



 24. 憧れのお姫様

 さつき「……私はお城のお姫様でー、隣には志貴くんがいて……。きゃ、恥ずかしい」
 シオン「さつき、妄想はやめて、今晩の食料を確保しなければ餓死してしまう。さすがに三日も
     食べないと危険だ。この際公園のハトでもいいやっ、と思うのですが……」

 さつき「……シオン、崖っぷち?」



 25. 城を求めて三千里以上(夢)

 志貴「助けに来たよ、レン」
 レン「……、……(喜)」
 志貴「それにしてもさ、レン。俺が王子様役で、レンがお姫様役なのはいいけど、捕らわれてい
    る場所が動く城というのは、タイヘンだったんだぞ」
 レン「?」

 志貴「長い、長い冒険だった。丘越え、山越え、海越え、カレー……もとい、天竺も越えて……(涙)」
 レン「???」



 26. 草原の通行人

 青子「そんなところにいたら危ないわよ」

    ――――ナイスシュート!

 ヴァンさん「ああっ!? せっかくつくりなおした魔城のマトリくんが!!!」





〜制作レポート〜

 どうも、作者のWhite Snowです。
 後書きレポ書くの、久しぶりな気分。どうも言い訳になってしまうし、作品の余韻を私の言葉で
濁すのは嫌だなぁ、と思ってしまうのですが。後書き書くの嫌いな人多いの、わかる気がするなぁ。

 さて、宮崎監督の『ハウルの動く城』の十一月二十日の公開を記念して、動く城をネタに先行し
てまとめてみました。ちょうど、月姫世界に城をつくれる御仁がいましたので、こりゃいいや、と
前夜祭っぽく。月姫読本のネタもチラリホラリ、してます。

 一日だけの突貫でしたが、投稿するには遅いかもしれないですねぇ。気がつくのが遅くて、反省
しています。
 私もこの映画、混み合う初日周辺は避けてひっそりと観に行く予定。楽しみです。

 ではでは、ここまでご拝読頂きました方、拙作をいつも掲載頂いておりますにを様に、深い感謝
を。ありがとうございました。




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