天抜きバトルロイヤル・お題その1



※サイトの25万HIT競作企画として「雪をテーマに」というお題で作品
を募ってみました。個性溢れる力作揃いの百花繚乱です。
 ご参加の方々ありがとうございました。


  1.「“snow crystal” side-A : Amber」作:がんさん

 琥珀「幸せですか? 旦那様。」
 志貴「ああ、今までにいろいろとあったけどね。琥珀は?」
 琥珀「はい、私も幸せですよ。きっと、奥様も、翡翠ちゃんも、皆さま
    も…」

 志貴「もし、あのとき別の選択をしていたら、今頃どうなっていたんだろ
    う。」
 琥珀「くすくす、きっとこの幸せは、雪の結晶みたいなものなのですよ。」
 志貴「雪の結晶?」
 琥珀「ええ、旦那様を中心に、皆さまの想いが集まって成長した結晶。
    条件が変われば、結晶の形は変わりますけど、綺麗な結晶に成長する
    ことは変わりません。ですから、旦那様がどんな選択をされていても、
    きっと幸せになれたはずです。」
 志貴「そうか… だといいな…」
 琥珀「ええ、きっと…」



  2−1.「何処でも一緒 under ground」作:権兵衛党さん
 
 秋葉「ロッジでは吹雪くと何も出来ませんね」
 志貴「仕方ないよ。雪見酒くらいは付き合うからさ」
 秋葉「はい、一緒に飲みましょう」

 翡翠「結局、秋葉様は志貴様がいれば何処でもいいんですね」
 琥珀「(ふと)・・・地下牢。お二人とも・・・あはー」
 翡翠「姉さん、正気に戻ってください」


  2−2.「White breath」

 秋葉「雪吹雪くロッジに二人・・・うふっ」

 翡翠「(ガチャ)姉さん、この銃器は?」
 琥珀「用心の為よ。秋葉様が妄想に憧れてるから」



  3.「同じ空を見上げながら」作:古守久万さん

   (雪降る外の景色を眺めながら嬉しそうに)
 さつき「『五月雨』って言葉はあるけど、『五月雪』って言葉はないのよね、
     ちょっと残念」



  4.「“snow crystal” side-A2 : Akiha」作:がんさん

   太陽がさんさんと輝く初夏の庭にて

 秋葉 「二番! 遠野秋葉、水芸します!」

 秋葉 「は!」
 一同 「おー。」
 
 紅秋葉「や!」
 一同 「おー、水煙からダイアモンドダスト。」

 紅秋葉「はいっ!」
 一同 「おー、カルピスがシャーベットに。」

 秋葉 「本日のデザート『白雪』、どうぞ召し上がれ。」
    ぱちぱちぱちぱち



  5.「軒先」作:しにを

 アルク「綺麗だね、志貴」
 志貴 「積もると大変だけど、まあ眺める分にはいいよな」
 シエル「ふふ、真っ先に外に出て空を見上げたの遠野くんじゃないですか。
     わたしも好きですよ、こんな……ゆっくりと雪片が落ちる光景」
 秋葉 「でも、こんなに雪塗れになるのは、賢い事ではありません」
 志貴 「とか言いながら、秋葉だって。
     それにしても……」
 秋葉 「何ですか、まじまじと見つめて?」
 志貴 「いや、別に……
    (アルクェイドと先輩は胸の部分に雪が積もって見えるのに……とか
     言ったら殺されそうだし)」



  クリスマスシリーズ 
  6−1.「雪降る聖夜のスケジュール」作:さとりゅんさん

 志貴「まず、シエルを60分で満足させ、秋葉を50分で昏倒させる。アルクは
    70、いや80分はかかるか? 翡翠、琥珀を60分でタナトスれば………」
  どこが聖夜やねん。性夜やんけ。
 志貴「レンと、まったりクリスマスを過ごせるぜー、ひゃっほう、完璧じゃーん!!」
  特別な日だからこそ、のんびり過ごしたい願望が強く発現する。それだけは間違いな
  かった。


  6−2.「大幅変更」

 シエル「……まだ行かないで。あとちょっとだけでいいから、一緒に居て(必死に」
 志貴「………分かったよ(ため息」
  苦渋の決断を下した志貴の瞳には、コタツでみかんをゆっくり食べながら聖夜を過ご
  すレンと自分の姿が映っていたという。


  6−3.「大幅変更その弐」

 志貴「…時間は食い込んだけど、なんとかノルマをこなしたぞ……これでやっと……
    レンとゆっくり出来る(疲労の余り肩で息をしている」
  部屋に戻ってきた志貴。
 レン「……………ぷい(約束を守ってくれなかった志貴に拗ねている」
  あまりの可愛さに思わず。
 志貴「レ〜ンちゃ〜ん♪(ルパンダイヴ」
  そして数十分後。
  志貴の顔には、聖夜をゆっくり過ごせなかった後悔と、自分に抱きつきながらすやす
  やと眠るレンへの微笑が浮かんでいたという。



  7.「“snow crystal” side-B : ぶらっく風味のあんばーさん」作:がんさん

 志貴「雪の結晶?」
 琥珀「ええ、塵のような旦那様を中心に、」
 志貴(塵?)

 琥珀「奥様・わたし・翡翠ちゃん・レンちゃん・アルクェイド様・シエル
    さん・さつき様・青子様・啓子様・都古さま・蒼香様・羽居様・晶様・
    一子さん・ななこさん・朱鷺恵さんの六人の想いが集まって成長した
    結晶。」
 志貴(六人?)

 琥珀「条件が変われば、結晶の形は変わりますけど、儚い結晶に成長する
    ことは変わりません。ですから、旦那様がどんな選択をされていても、
    きっと幸せになれたはずです。」
 志貴(儚い?)

 志貴「そうか…」
 琥珀「ええ、きっと…」



  8.「冬眠」作:うづきじんさん

 志貴 「あの時、もしこんな天気だったら……」
 シエル「はい?」
 志貴 「ネロとももう一寸楽に戦えたのかな?(至極真顔で)」
 シエル「……ええと(どの辺りから説明すればいいんでしょう?)」



  9.「男のふところの広さ」作:権兵衛党さん

 志貴 「うお、吹雪いてる…レンも寒そうだな。」
 レン 「・・・」
 志貴 「よし、これでお互い暖かい」
 アルク「・・・」
 志貴 「・・・無理だぞ、見つめても」



  10.「だって既に手袋してるし」作:がんさん

 志貴 「うお、雪で道が凍ってる… 秋葉も素手が寒そうだな。」
 秋葉 「いえ… その…」
 志貴 「全く、車通学するお嬢様はこれだから…」

    手袋片方貸しーの、腕絡めーの、手を繋いでポケットに入れーの

 志貴 「よし、これでお互い暖かい。」
 秋葉 「♪」

 アルク「…」
 志貴 「分かったから、お前もほら。」
 アルク「♪」

 シエル「…」
 志貴 「…無理ですよ、見つめても。」
 
 さつき「…」
 志貴 「…弓塚さんもね。」



  11.「雪というやつは」作:もとはるさん

 志貴 「…ふぅ」
 有彦 「どうしたどうした。クリスマスも間近だってのに景気の悪い顔で溜息
     なんかつきやがって。
     おっ、そういえば遠野の邸でやるんだって?クリスマスパーティ」
 志貴 「…ああ」
 有彦 「先輩も来るって言ってたし、当然俺も行っていいよな」
 志貴 「…あぁぁ。…先輩、、、そう、それが問題だよなぁ」
 有彦 「わッ、寒いと思ったら雪だぜ。こりゃこの分じゃホワイトクリスマス
     だな! 楽しみだなぁ」
 アルク(どこからともなく出現)「うんうん。楽しみだねぇ〜」
 志貴 「…ふううぅぅぅぅぅうううぅぅぅ(水木しげるキャラのような長大な嘆息)
     まあ−−−暖かいところから眺めたり、リゾートで訪れる分には最高
     だよなぁ。俺もそう思うよ」



  12.「可愛いこけ方研究会」作:さとりゅんさん

  秋葉は財閥の会長である。ちょっとお間抜け。
  ずってーん。

 志貴「あはははは。だから言わんこっちゃない」
 秋葉「むー」
 見る見るうちに赤くなる秋葉。
 志貴「なんだ? 足、ひねっちゃったのか? ほら」
 志貴におんぶして貰い、更に赤くなる秋葉。
 秋葉「……(ありがとうね、雪」

   半年後。既に初夏。

 志貴「なあ、秋葉。もういい加減夏なんだからさ」
 秋葉「ええ、そうですね(いつ滑ろうかとタイミングを見計らっている」
  道の両側に降雪機がずらーっと、雪量産中。
  繰り返そう。
  秋葉は財閥の会長である。ちょっとお間抜け。



  13.「インフレーション」作:さとりゅんさん

   雪が降ったら、そりゃ雪合戦。
 アルク「それー♪」
 志貴 「……はぐあっ」
   コンクリート並みの密度、音速度の雪玉を被弾し、流血する志貴。
   むしろ流血で済むのが不思議。



  14.「知識充分」作:さとりゅんさん

 志貴 「…雪ってなんでこんなに綺麗なんだろうな」
 アルク「それはね、雪ってのはそもそも……」

  ただいま、アルクが余すことなく自分の知識をひけらかしております。

 アルク「……ってな訳で、雪は綺麗なのよ。分かった?」
 志貴 「……ああ、この正六面体の、氷点下4度の、解けて融解熱が発生
     するまでのつかの間の儚さが、なんとも言えず美しいな」
  恋人の言うことに逐一影響されてしまうような恋人煩悩な男もたくさん
  いる訳で。



  15.「ほんのちょっとの心当たり」作:さとりゅんさん

 志貴「…あれ、琥珀さん、それって絵本?」
 琥珀「あ、はい。『白雪姫』です」
 志貴「うーん、どうもあんまり覚えてないなー」
 琥珀「継母に、毒を少量ずつ投与され、保険金の為に偽装殺人をされる可
    哀想な子羊ちゃんの話ですよ」
 志貴「なんか、違うような気が……」
 琥珀「時に志貴さん、最近体の調子はいかがですか? 『なんだか体が重
    い』とか『風邪みたいなんだけど、風邪とも違う』とかそういう不定
    愁訴ありませんか?」
 志貴「………う(目を見開き、何かを否定するように首を振りながら、後ず
    さる)」



  16.「色んな意味で」作:さとりゅんさん

 志貴「雪見酒ってのも乙なもんだなー」
 翡翠「…はい、そうですね、志貴さま」
  雪の幻想的な雰囲気と酔いの相乗効果で、凄くいい感じの二人。
 秋葉「……(ムカムカしながら腕組み」

  数分後。
 志貴「…なあ、こんなに骨組みがきっちりしてるんだから、いいんじゃない
    のか?」
 秋葉「ダメです。屋根の上を全部雪下ろしして下さい。このままだと屋敷が
    潰れます、潰します」
  志貴が見渡したところ、屋根の面積は学校のグラウンドくらいある訳で、
  今日ほど屋敷の広さが憎かったこともなかったという。



  17.「新雪」作:さとりゅんさん

 志貴「そうだなー、例えるなら、こんな風に誰も足を踏み入れてない新雪に
    足跡を残すみたいな」
 晶 「なるほど。純粋で、清廉なものほど、蹂躙したくなるってことですね」
 志貴「……ちょっと違うんだけ」
 晶 「ああ、想像するだに…」
  何を想像したのか、上気し、鼻血がぼたぼたと。
 晶 「こんな風に真っ白な肌を開通の血で赤く染め、そう、二人の愛は永遠
    のものへと昇華されていくんですね、これこそ真髄。
    ああ、ボーイズラ(以下略」
 志貴「………ゆ、雪が綺麗だなー(必死に他人のフリをしようとしつつ」
 晶 「綺麗ですねー(うっとりとうなずく」



  18−1.「“snow crystal” side-A3 : Akira」作:がんさん

 晶 「遠野先輩達、大丈夫でしょうか?」
 志貴「殺して死ぬような連中じゃないし、大丈夫だろ。どっちかというと、
    雪山で本隊からはぐれちゃったこっちの方が危険。まあ、テント一式
    食料燃料はあるから、こっちも大丈夫だよ。」
 晶 「はい!」

 志貴「寝袋一つで寝ることになるのは、我慢してもらうけど。」
 晶 「我慢だなんてそんな、望むところですっ!」
 志貴「え?」
 晶 「あ…」


  18−2.「“snow crystal” side-B3 : べーすきゃんぷに本隊到着」作:がんさん

 琥珀 「バイタルサイン、正常。志貴さんはご無事ですよ。」
 蒼香 「なあ、アキラもはぐれてるんだが… あと、心拍数を遠隔監視して
     いるってのにツッコミ入れていいか?」

 秋葉 「ふぅ… まったく兄さんは、せっかくの旅行なのにこの私からはぐ
     れるだなんて。」
 蒼香 「アキラもはぐれてるんだが…」

 シエル「命の危険があるような雪山登山を、旅行というのが正しければ、で
     すけどね。ともあれ、遠野君が無事で何よりです。」
 蒼香 「なあ、アキラも…」

 琥珀 「とりあえず、志貴さんの会話、スピーカーに出しますね。」
 晶  『あ…』
 一同 「あ!」


  18−3.「“snow crystal” side-A4 : Akira 2」作:がんさん

 志貴「吹雪いてきちゃったし、テントに閉じこめか。さすがの秋葉も、今
    夜は雪見酒は諦めてるだろ。」
 晶 「お酒といえば、ポットに甘酒を持ってきたんです。飲みませんか?」

   とぽとぽとぽ

 志貴「うん、おいし。アキラちゃんもほら。」

   とぽとぽとぽ

 晶 「間接キス… (ぼそ)」
 志貴「え?」
 晶 「あ…」

 
  18−4.「“snow crystal” side-B4 : 麦酒はでぶでぶ」作:がんさん
 
 志貴 『さすがの秋葉も、今夜は雪見酒は諦めてるだろ。』
 琥珀 「ところがどっこい、吹雪見酒ですものねぇ。」
 シエル「酒豪ですわよねぇ。」
 秋葉 「うるさいわね。」

 志貴 『うん、おいし。アキラちゃんもほら。』
 翡翠 「志貴さまと、二人っきりで差しつ差されつ…」
 アルク「翡翠は翡翠で、妄想入っちゃったし。」
 
 晶  『間接キス… (ぼそ)』
 一同 「なんですとー!?」


  18−5.「“snow crystal” side-A5 : Akira 3」作:がんさん

 志貴「明日も雪中行軍になるし、そろそろ寝ようか。」
 晶 「ああああああああの、ふふふふつつつかものですが… 」
 志貴「え?」
 晶 「あ…」


  18−6.「“snow crystal” side-B5 : 坊主の手配はしてやる by 蒼香」作:がんさん

 晶  『ふつつつかものですが… 』

 琥珀 「あはー」
 秋葉 「兄さんを殺して、私も死ぬー!」

 シエル「恋人同士の氷漬け凍死体が、春になって発見される… ロマンティッ
     クですよねぇ。(にやり)」
 アルク「氷漬けのまま固めて水晶にして、千年城に飾ってやるわ。二人の愛
     の記念にね!(目ぇまっきんきん)」

 翡翠 「氷漬け… 志貴さまのあの寝顔が永遠のものに… うふ… うふふ…
    うふふふふふ…」

  同席していた秋葉のルームメイトの意見では、一番怖かったのは、翡翠だ
  ったとか。



  19.「幻想的?」作:のちさん

 アルク「あ、雪……」
 シエル「ほんと、綺麗ですね……」
 アルク「……雪ってさ、何かすべてを許してくれそうな感じがするね」
 シエル「……そうですね……神よ、罪深き我々を許したまえ……」

 志貴 「……その前に、俺に謝れよ……」

  白い雪を赤く染める志貴、巻き添えを食ったらしい。



  20−1.「ゆーきやこんこん」作:さとりゅんさん

 シエル「あなたの足が先に当たってきやがったんでしょうが!」
 アルク「何よ、シエルと違って、私そんなにお行儀悪くないもん!」
 秋葉 「お黙りなさい、これはうちのコタツですよ。入れて貰えるだけありが
     たいと思いなさい!!」
 志貴 「……(凄い汗」
   黒鍵のあられを避け、少し離れた所に佇む姉妹。
 琥珀 「あは〜。やっぱりこれなしに、年は越せませんねー」
 翡翠 「……だからって、わざわざ小さいコタツ買ってこなくても(眉をひそめ」


  20−2.「カマクラ」作:さとりゅんさん

 アルク「うわー、凄いね。琥珀さんってなんでも出来るんだね」
 琥珀 「…いえいえ。作った甲斐がありました♪」
 秋葉 「で、誰が兄さんと入るんです? 見たところ、二人で精一杯のようですが」
 シエル「…私は引く気はありませんから」
 秋葉 「あら、気が合いますね」
 アルク「ふーっ(背中の毛を逆立たせる」
   三方向から引っ張られる志貴。氷点下に関わらず、凄い汗。
   それを見つつ、少し離れたところに佇む姉妹。
 琥珀 「本当に作った甲斐がありました♪」
 翡翠 「……だから、あえて小さく作らなくても(眉をひそめ」



  21.「雪のように白く」作:西紀貫之さん

 志貴「しかし色白だよな、秋葉って」
 秋葉「そ、そうでしょうか?(すこし嬉しそうに)」
 志貴「うん。しかし色白でよかったな秋葉」
 秋葉「は?」
 志貴「色の白いは七難隠すってさ。いびき、歯軋り、ベンピ、癇癪、陰険、
    冷酷、隠れデブ、ちょうど七つだ」
 秋葉「…………兄さん?(紅くなりながら)」



  22.「雪景色」作:西紀貫之さん

 琥珀「寒いと思ったら、雪が……」
 秋葉「小雨が深夜に雪にかわったようね」
 琥珀「一面の雪景色、素敵ですね」
 秋葉「綺麗な雪の下がどうなってるかわかったものじゃないけれどね」
 琥珀「…………」
 秋葉「…………」
 琥珀「うふふふふふふふふふふふふふふ(にこやかに)」
 秋葉「うふふふふふふふふふふふふふふ(にこやかに)」
   


  23−1.「遭難したみたいだ。そうなんだ。 その一」作:天戯恭介さん

 有彦「……うぅ…さぶい…ったくなんでこんな目に……」
 志貴「全くだゼ…大体お前が上級者向けに行こうなんて言うから……」
  (二人の前には折れたスキー用具一式)
 志貴「……なんで転んで雪だるまになってまで俺にタックルしたのかな?」
 有彦「わ、ワザとじゃねぇよ……」(視線を反らす)
 志貴「当たり前だ…ワザとだったら殺しているところだ……」
 有彦「ビクリ……!!」
 志貴「なんだよ…今の「ビクリ」って?」


  23−2.「遭難したみたいだ。そうなんだ。 その二」

 有彦「ポケットからチョコレートが出てきたぞ遠野……」
 志貴「これまたお約束なアイテムがでてきたな……」
 有彦「まぁ…そういうなよ、あれ……一個だけしかない」
 志貴「……お約束だな」
 有彦「だな……じゃあ、食えよ」(チョコを差し出す)
 志貴「いいよ、お前が食えよ」(チョコを押し返す)
 有彦「じゃあ、遠慮無く……」
 志貴「ホントに食うのかよ…お前」(ギロリ……)
 有彦「え……?」(口にチョコを咥えて)


  23−3.「遭難したみたいだ。そうなんだ。 その三」

 有彦「やべぇ……マジ眠くなってきた……」
 志貴「バカ……寝たら死ぬ……ぞ」(ウトウト……)
 有彦「ば、馬鹿野郎!!自分でそんなこと言ってるのに寝る奴があるか!!」
 志貴「俺は変温動物だから……大丈夫……」

 有彦「変温動物関係ない!!……って、え…変温!?」


  23−4.「遭難したみたいだ。そうなんだ。 その四」

 志貴「……こんな所で一夜を明かしたらまず死ぬな……」
 有彦「ああ、そうだな」

 ――こっごえそうなぁ、季節ぅにきぃみはぁ♪

 有彦「遠野……いま、変なフレーズが……」
 志貴「ああ、俺もだ…」

 ――あっいをどうこおいうのぉ?そんなんどぉだってぇいいから♪

 有彦「耳を塞いでも聞こえてくる……」
 志貴「お、俺もだ……こういうときにはあまり聞きたく……フレーズだ」

 ――ふっゆーの所為にして、あ、たため、あおおぅ♪

 有彦「遠野……!!」(真顔で)
 志貴「ば、馬鹿!!落ち着け有彦!!」(でもあまり嫌がってない)

  (*フレーズはTMRの「ホワイトブレス」です。)



  24.「木々をなぎ倒し、家々を押し潰し」作:しにを

 志貴 「露天風呂に入っている時に雪が降るってのも、なかなかいいんだ」
 アルク「ふうん」
 志貴 「体はお湯に浸かって温まっていて、でも顔が冷やりとして」
 アルク「それは冷たいだろうけど」
 志貴 「ある意味贅沢だよな」
 アルク「贅沢って、雪だよね」(理解不能な目)
 志貴 「なんだか微妙に認識に差があるような気がするけど……」



  25−1.「いじめ打」作:さとりゅんさん

 琥珀「雪が新しいうちにスキーにでも行きませんか?」
  そして、ご一行がご到着。
 秋葉 「で、皆さんはどうなさるんですか。私は恥ずかしながらプロ級ですので、
     上級コースへ行きますが(勝ち誇った表情」
 アルク「えー、あたし滑れないから、下の方で少しずつ習ってるよ」
 秋葉 「……(真祖と言えども、恐るるに足りませんね」
 シエル「私も自信がないので下で習ってます」
 秋葉 「……ふっ(さらに勝ち誇る」
 翡翠 「…ソリがいいです」
 琥珀 「私もそうしますね」
 秋葉 「スキー板だって滑れるのに、皆さん滑れないんですか。おほほほ(相当
     勝ち誇ってる」
 志貴 「俺も滑れないから、アルクと一緒に習うわ」
 秋葉 「えっ……てことは私だけ仲間外れ!? そんなの嫌です。兄さんと一緒
     に滑りたいんです!!」
 ア+シ「…スキーがプロ級にお上手なお嬢様は上の方で、一人で滑ってなさいっ
     てこった(ニヤリ」
 志貴 「…じゃあな、秋葉」

   これこそが『戦闘に勝って戦争に負ける』ということかも知れない、とレンは
   思ってみたり。


  25−2.「完膚なきまでの」

   そして、一人寂しく上級コースで滑る秋葉。

 秋葉 「…みんなして、私を除け者にして。あろうことか兄さんまで(ぶつぶつ」
  しゃーっ、と華麗な音がして追い抜かれる秋葉。
 アルク「やっほー、妹! スキーって簡単じゃーん、すぐに滑れるようになった
     よ!!」
   
   滑り始めて十三年の自分より、習い始めて一時間のパラレルターンの方が段
   違いに上手い、という事実を前にしては何も言い訳出来るはずもなく。
   唯一の救いは『戦闘にまで負けましたね』と、宿で寝ているレンが思わなか
   ったことだけであったという。見てないから。


  25−3.「全く別次元の楽しみ」

   その頃、下の方では。

 志貴 「行くぞー!!」
 シエル「こっちからも行きますよー!!」
 琥珀 「うわー♪」
 翡翠 「…志貴さま、お返しです!!」

   と、スキーそっちのけで雪まみれになる四人が。
   当然、帰る時になっても滑れるようにはなっていない訳で。ああ、もったい
   ない。ああ、ブルジョアジー。


  25−4.「異分子が一人」

   四人が相変わらずもったいないことしてます。
   まぁ結局の所、スキーというのは金持ちしか出来ないスポーツな訳ですが。

 シエル「………何か言いたいことでも?(手を止めて」

   出稼ぎ貧乏外国人にだって、たまには遊ぶ権利があったという。


  25−5.「帰宅後」

 シエル「…………やば(通帳の中身を見つつ」

  その代わり義務もあったという。


  25−6.「余韻」

   遠野家に帰ってきた御一行。

 琥珀「またいつか、雪合戦したいですねー」
 翡翠「……(こくこく」
 志貴「…そうだな」
 秋葉「……ふん、私だけ仲間はずれにして。いいもんっ(拗ねている」

   数週間後。
 志貴「二人とも行くぞー!!」
 琥珀「冷たーい♪」
 翡翠「…志貴さま、倍返しです!!」
 秋葉「……ふん、悔しくなんてないもんっ(拗ねている」

  それもそのはず、水から熱を略奪して雪を作っているのは、秋葉その人で
  あったのだから。


  25−7.「オファー」

  秋葉は評判になった。

 社長A「お願いします、是非うちのスキー場へ」
 社長B「いえいえ、こっちの方が優遇しますぞ」
 社長C「永久顔パスにしますから!!」
 秋葉 「えーい、うるさい。何が悲しゅうて、降雪機として就職せなあかんの
    やー!!」
  秋葉は断った。

 社長D「うちの温泉は、シリコン入りですから、お胸の方が豊」
 秋葉 「たまにはそういう仕事も悪くはないわね(即断」
  秋葉は就職した。しかも正社員。骨を埋めるらしい。



  26−1.「こだわりの場所」作:権兵衛党さん

 志貴 「よし、雪だるま完成」
 アルク「あ、これ私に似てる」
 志貴 「うん、似せてみた」
 アルク「だったら、もっとこう…」

 志貴 「…札幌雪祭りじゃないから。空想具現化してまで」
 アルク「でもウェストが」


  26−2.「そしてお約束の場所」

 志貴 「よし、先輩と秋葉も完成」
 アルク「えー、シエルはもっとお尻大きいって」

 ザスッ ぺたぺた

 アルク「よし、こんなものかな」
 志貴 「(雪を削り取った場所は無意識の選択なんだろうか)」



  27−1.「“snow crystal” side-A6 : ane」作:がんさん

 「志貴くん、もう忘れちゃったかな… わたしに“ゆきのかけら”をくれた
  こと。」

 「どこで見付けてきたんだろ、この水晶のかけら… 今でも大切に… 持っ
   てるんだけどな…」

 「あのとき… すごく… 嬉しかったんだけどな…」

 「覚えてないよね… もう… 七年も経っちゃったもんね…」

 「すごく… すごく… 嬉しかったんだけどな…」


  27−2.「“snow crystal” side-A7 : airmail from the skies」

 radio「では、メッセージとリクエストのコーナーです。『遠くの野はらの
    男の子』さんから『“ゆきのかけら”のおねえさん』へのメッセー
    ジ。」

 radio「『「ごめん」と、ひとことあやまりたかった。』」

 radio「リクエストは『なごり雪』… です。どうぞ。」

    いまー はるがきてー きみーはー♪


  (編註:「全国 250 万乙女の聖書(バイブル)」とかキャッチコピーがつ
   いた『星の瞳のシルエット』(柊あおい,集英社)の中のワンシーンより)


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