天抜きバトルロイヤル・お題その1



※サイトの25万HIT競作企画として「雪をテーマに」というお題で作品
を募ってみました。個性溢れる力作揃いの百花繚乱です。
 ご参加の方々ありがとうございました。


  28.「道路事情」作:のちさん

 晶 「雪って困るんですよ」
 志貴「ふーん」

 晶 「締め切りギリギリだったりすると、送るのもギリギリなんです」
 志貴「ふんふん」
 晶 「だから、遅配があるととっても困るんですよ」
 志貴「へーえ」
 晶 「だから東京っていうところは、もう……」
 志貴「時期が時期だからねぇ……」
  
   (編註:冬コミ開催の頃のご投稿でした)



  29.「手のひらの」作:のちさん

  秋葉トゥルーエンド後ということで

 秋葉「あ、雪」
 秋葉「……もう溶けてしまったわ。……ほんとうに、儚い……」
 秋葉「……でも、いま手にあるものは……」
 秋葉「……消えないわよね……、兄さん……」



  30.「残されるもの」作:のちさん

 志貴「雪は、きれいだけど、消えちゃうんですよね」
 青子「そうね」
 志貴「何も、残さずに」
 青子「残るわよ。見た人、触れた人にはね」
 志貴「……そう、かな……」
 青子「そうよ。……きっとね。」



  31.「あなたがいなくても」作:のちさん

   いびつな雪だるまにバケツをかぶせながら、ささやくアルクェイド

 アルク「ふふ、ねえ、どうかな」
 アルク「一人でできたよ」
 アルク「わたし、何か作るのって、はじめてだから」
 アルク「ちょっと、変だけど」
 アルク「ね、大丈夫でしょ?」
 アルク「ねえ、志貴」
 アルク「……志貴……」

   空を見上げるアルクェイド。空には丸い月が浮かぶ。



  32.「句会」作:のちさん

 今日もまた 一人で過ごす 雪の朝(秋葉)
 雪祭り 見に行けなかったのは 志貴のせい(アルクェイド)
 夜の雪 眺め歩くの やめなさい(シエル)
 雪の日も 帰りの遅い 主待つ(翡翠)
 雪の日は 朝食残す 我が主(琥珀)

 志貴「これ、返答しなきゃいけないのか?」



  33−1.「“snow crystal” side-B6 : ぶらざー」作:がんさん

 一子 「有彦、そういえば昔、私が大事にしていた水晶の文鎮を粉々にした
     ことがあったよな…」
 有彦 「そういえばあったなー」
 一子 「あの雪の形の文鎮、お気に入りだったんだけどな…」
 有彦 「そうだったかなー」
 一子 「お・き・に・い・り、だったんだけどな…」
 有彦 「そうだったかなー」
 一子  ぶち!

    綱巻き巻き 綱巻き巻き 引ーて 引ーて どんどんどん

 有彦  「姉貴ー、オレが悪かった。下ろしてくれー!」
 ななこ 「有彦さん、屋根からぶら下がって蓑虫ごっこですか? 楽しそうで
      すぅ。」
 有彦  「姉貴ー!」


  33−2.「“snow crystal” side-B7 : ぶーらぶら」作:がんさん

 有彦「姉貴ー! 謝るからさー! せめて、部屋の中に入れてくれー。姉
    貴ー!」

    ゆーきの ふーるまーちをー♪



  34.「宵待閑話エンディング前」作:権兵衛党さん

 つかさ「…さ、寒いよお。雪降って来たよお。動けないよお。…だ、誰かぁ」

 延髄蹴りを喰らった後、四条は朝まで放置された。



  35.「新治療法失敗」作:権兵衛党さん

 宗玄「雪の季節は古傷が痛んだりするものじゃ」
 志貴「…痛いのはそこじゃないぞ、ヤブ」



  36.「せめて缶コーヒーでも持っていこうか?」作:しにを

 琥珀「せめて、どこかの店先の軒下にでも移動されては……」
 秋葉「いいえ、断固としてここで兄さんを待ちます。
    こんな雪くらいなんだと言うのよ」

 志貴「時間が経てば経つほどまずいのはわかっているんだけど……。
    駄目だ、どうしても怖くて足が前に出ない」



  37.「類似点」作:うづきじんさん

 志貴「まあ、確かに面白いと言えば、そうかもしれないけど。
    結構厄介なんだぞ? 邪魔だし、危ないから。
    それにこっちの都合も何も関係無く来るからな。
    除けるのも大変だし。
    遠くから見てる分には綺麗で良いんだけどな。
    ……って、何で急に不機嫌そうになるんだ、アルクェイド」



  38.「or die」作:しにを

 アルク「……で?」
 志貴 「卑怯だぞ」
 アルク「ふうん、そういう事言うんだ」
 志貴 「……何でも言う事聞くから助けてください」

  全てを埋め尽くさんとする雪崩が、ぴたりと止まっている訳で。



  39.「雪見酒」作:しにを

 秋葉「はい、兄さん、おひとつ」
 志貴「ああ」
 秋葉「そんな顔なさって。たまにはいいじゃないですか。こんな日くらい」
 志貴「まあ、庭眺めているだけでも風情あるしな」
 秋葉「おわかりじゃないですか。うん、美味しい……。さ、兄さんも」
 志貴「ああ。そら、ご返杯」
 秋葉「ふふふ」

   数十分後
 志貴「……」
 秋葉「どうなさったんです、兄さん?」
 志貴「いや、何でもないよ(いい雰囲気だし、秋葉も妙に色っぽいと思うけど、
    ちょっとくらい顔に赤みが差してくれても……)」



  40.「赤鼻でもないし」作:しにを

 シエル「……」
 ななこ「橇を引くなんて嫌です、マスター。
     あ、決定事項みたいな目で……」
 


  41.「美しきは狂おしい夢」作:風原 誠さん

 鮮花「兄さん、世の兄萌えな実妹にはこんな特技があるのですよ」


    ひらひらと、空より舞い降りてくるそれは

           「赤い雪」

 幹也「・・・・・・僕に記憶を失えと?」(引きつった表情で)



 鮮花「また、会いましたわね」(にたり)



  42.「覆い隠されても」作:のちさん

  ええ、あれは木ですよ
  それはわかります
  なぜか、ですか?
  だって、もともと木じゃないですか
  それが理由?
  わたしがあの時の子だって分かった、……理由
  もともとわたしが
  わたしだったから
  ありがとうございます
  志貴さん



  43.「“snow crystal” side-A8 : Arcueid」作:がんさん

    日本海溝・水深 6500m

 志貴 「マリンスノーだ…」
 アルク「うん、マリンスノー。」
 志貴 「静かすぎて、怖いくらいだ…」
 アルク「うん、志貴の声と心臓の音だけ。」
 志貴 「二人っきりだ…」
 アルク「うん、二人っきり。」


  44.「“snow crystal” side-B8 : ぶりゅんすたっど号」作:がんさん

    日本海溝・水深 6500m。アルクの結界の中。

 アルク「マリンスノーね…」
 志貴 「起きろー!」
 アルク「静かすぎて、眠い…」
 志貴 「こんなところで、雪山コントは止めー!」
 アルク「わたしが眠って結界が消えちゃったらゴメンね…」
 志貴 「寝たら死ぬー! 主として俺がー!」
     :

    後日談

 アルク「人間って、努力と根性で何とかなるものなのねー。」



  45.「あしあと」作:のちさん

 有彦 「……」
 ななこ「なんでばれたんでしょうねー」
 有彦 「……」
 ななこ「ちゃーんと服も着ていたのに」
 有彦 「……」
 ななこ「どこから見ても、ふつーの人間ですよねー」
 有彦 「……靴くらい履け、この馬」



  46.「あるばいと」作:のちさん

 志貴 「毎度ありがとうございました」
 アルク「ねー、なんで遊んでお金がもらえるの?」
 志貴 「まあ、いいじゃないか。ほら、次はあの屋根だ」
 アルク「あ、今度はおっきい! よーし、空想具現化ー!」
 志貴 「(雪下ろしが遊びだなんて、いい勘違いしてくれるよアルクェイドは)」



  47.「Snowslide」作:のちさん

    ……ど、どど、どどど

 アルク「志貴! 来たよ、伝説のビッグウェーブが!」
 志貴 「……」
 アルク「ほら、いくよ志貴!」
 志貴 「あのな、アルクェイド」
 アルク「なによ、早くしないと間に合わないわ!」
 志貴 「スノーボードは、波乗りしないんだぞ……」
 アルク「え?」

    ……どどどどどど、どどーん!!



  48.「雪やどり」作:風原 誠さん

 志貴 「さっきまで雨だったのにな」
 アルク「でも、おかげでこんなにきれいなのが見れたね」


     舞い落ちる粉雪

     真っ青な空には


     大きな虹



  49−1.「儚き命」作:月影さん

 志貴「雪っていいよな。」
 アルク「そう?」
 志貴 「うん、すぐに消えちゃうけどさ、なんてゆーか…だからこそ美し
     いってゆーのかな…。」
 アルク「やめて、……志貴が…志貴がそんなこと言わないで…。」
    (涙目になりながら後ろを向いて)
 志貴「…ごめんな、アルクェイド、もう言わないよ。」(後ろから抱きしめて)


  49−2.「儚き命を永らえて」作:月影さん

 志貴 「アルクェイド…お前、コレ…何?」
 アルク「古今東西の健康グッズ!日本には色々あるんだねー。」
 志貴 「じゃあ…コレは?」(山積みの中から壷を指して。)
 アルク「この壷を飾っておくと長生きできるんだって、1000万円もす
     るのに8割も安くしてもらったんだよ。」
 志貴 (騙されてる…。)

 アルク「長生きしてね!」
 志貴 「あ…あぁ、そうだな。」(困りながらも嬉しそうに)



  50.「駆けずり回る・丸くなる」作:月影さん

 琥珀「クールトーちゃん、早く早く!こっちですよー。」

 翡翠「………。」
   離れのこたつに入りながら、雪の積もった外を走り回る琥珀を見て
 翡翠「姉さんは元気ですね。」
 レン「ニャー。」



  51.「離れにて」作:月影さん

 志貴「なんだ、寒いと思ったら今日は雪か…。」
 秋葉「あー…。」
 志貴「あぁ、分かってる、ちょっと待ってろよ。」

 志貴「つっ、…あぁ、白い世界に赤い色ってのは、よく映えるもんなんだな。」
 秋葉「…うぅ?」
 志貴「(髪を優しく撫でながら)綺麗だよ、秋葉。…でも俺はあの黒い髪も
    好きだったからな、いつか…もう一度くらいは、見せてくれよ。」



  52.「痛いです」作:しにを

 琥珀「あーあ、こんなにしもやけなるまで雪の中で何をやっていたんです?
    それに足がなったのはまだしも、こんなところも肌の色が……」



  53.「まさに背筋が凍る様な」作:しにを

 秋葉「あれほど、あれほど言ったのに。
    他人には決して話してはならぬと…………、っていう感じですか?」
 翡翠「……」
 琥珀「あ、す、凄い……」
 志貴「う、うん。猫又なんかと比べ物にならない。
    はまりすぎだよ、秋葉の雪女」
 秋葉「そうですか?」(どう取っていいか困った表情)



  54.「その威容、小山のごとく」作:しにを

 アルク「見て、志貴。どう、凄いでしょう?」
 志貴 「あ、ああ。しかし屋敷よりでかい雪だるまって……」
 秋葉 「兄さん、こんなのが崩れたら……」
 志貴 「そうだな、洒落じゃすまないよな」
 アルク「ん? じゃあ場所を移そうか」
 秋葉 「移すと言っても……」
 アルク「よいしょ」
 志貴 「うわ……」
 秋葉 「はぁ……」
 志貴 「なんて非現実的な光景」
 


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