天抜き競作企画・お題其の二



※サイトの70万HIT競作企画として、
 【空をテーマに】
というお題で作品を募ってみました。「そら」でも「から」でもOK。
 ご参加の方々ありがとうございました。



  空1.「閑散とした駐車場」作: がんさん

 琥珀「『から』?」
 志貴「地主さんが聞いたら気を悪くしますから、『あき』と読んでくださ
    い。」


  空2.「車のいろは空のいろ」作: がんさん

 琥珀「あれが『水色のタクシー』ってやつですね?」
 志貴「分かりにくいボケはやめて、素直に『くうしゃ』と読んでください。」


  空3.「ゴミ箱を」作: がんさん

 琥珀「ほら、パソコンにもあるじゃない。『そらに』って。」
 翡翠「ゴミを散々散らかした言い訳がそれですか?」


  空4.「『この世の人』の意。転じて『蝉の抜け殻』」作: がんさん

 琥珀「翡翠ちゃん…… 今のわたしは、空蝉なの。わたしの姿をしたモノが
    あるだけで、中身は何もないのよ。」
 翡翠「下らない妄想はやめて、ゴミを片づけてください。」


  空5.「お腹が空いた」作: がんさん

 琥珀「せっかくのボケはスルーされて、たった一人の妹にも邪険にされて…… 
    いいのよ、どうせわたしなんか……」

 志貴「いい加減機嫌直して、晩御飯作ってくれないかなぁ。」
 翡翠「きゅう。」



  空6.「そら」作:VIPERZEROさん

 式 「なあ、幹也」(橙子の事務所で窓から空を見上げながら)
 幹也「うん?」
 式 「オレは玄霧皐月に言われたように、確かに言葉は殺せないけどさ」
 幹也「…また、いきなり物騒な事を言うね」
 式 「話は最後まで聞いてくれよ…、それでさ」
 幹也「うん」
 式 「空は殺せるのかな?って思ってさ…」
 幹也「どっちにしろ物騒なんだね、式」
 式 「物騒で悪かったな!フン!」

   そばで会話を聞いていた橙子
 橙子「……、ニヤリ」(何か良くないことを思いついたような笑いかた)


  空7.「とぶ」作:VIPERZEROさん

   「そら」の会話を聞いて
 橙子「なら飛んでみるかね?」(窓を開けながら)
 式&幹「は?」
 橙子「空を殺してみたいんだろう?高度1万mじゃなくても空は空だ」
  式「飛べって…、オレに巫条霧絵になれってのか!
    できるわけないだろ、4階だぞココは!!」
 幹也「所長、それ、遠まわしに死ねって言ってるようなものですよ…」
 橙子「そんなわけないだろう、式はマンションの10階から飛び降りた事が
    あるんだぞ」
 幹也「10階から!?式、まさか自殺するつもりだったんじゃ…」
  式「そんなわけないだろう!それにもう、終わった事だし幹也は関係ない」
 橙子「まああの時は荒耶がいたが、その時の半分以下の高さだ、おまえだっ
    たら問題ないだろう?」
  式「やっぱりおまえ、オレの事嫌いだろう…」

 幹也「ところで、巫条霧絵とか荒耶って誰だろう?」



  空8.「晴れのち」作:しにを

 志貴 「さて、帰るかな」
 アルク「ええー、もう帰っちゃうの?」
 志貴 「たまには早く帰らないと、機嫌悪くなるしさ」
 アルク「うう……。あ、志貴、雨降りそうだよ、もう少し待とうよ」
 志貴 「え、いつの間に……って、雲ひとつ無い夕焼け空じゃないか」
 アルク「雨降りそうだもん」
 志貴 「降る訳ないだろ」 
 アルク「降るもん」
 志貴 「はいはい。あとちょっとだけ空模様見てからにするよ」



  空9.「栄華の跡」作:しにを

 シエル「空っぽのお皿って、物悲しいですよね」
 志貴 「そうだねえ(でも、それだけ食べてまだ足りないですか)」



  空10.「空。それを望む科学者と。それを夢見る魔術師と」作:須啓さん

 橙子「『ソラ』を望む人種には、まだ報いはあるのにね」
 橙子「『カラ』を望む群れには、どうして、こうも報いは無いのかな」
 橙子「その文字をどう読むか。違いなんて、そのくらいのものだろうに……ね」



  空11.「空っぽの心。それで、望みが叶うなら」作:須啓さん

 鮮花「式の心のガランドウは、兄さんが満たしてあげたんですよね」
 鮮花「だったら。私も壊れて、何もかも無くなってしまったら」
 鮮花「あなたは、満たして……くれますか?」



  空12.「空を飛ぶ」作:AIR(アイル)さん

 志貴「空を飛びたい、って思ったこと無いかな?」
 琥珀「そうですねー、すこし視点を変えれば何度もありますよ」
 志貴「視点?」
 琥珀「「空を飛びたい」では無く「どうすれば飛べるか」と言う感じですねー」
 志貴「……なるほど(ひゅんひゅんと箒を振り回す琥珀さんを見ながら)」
 

  空13.「星空」作:AIR(アイル)さん

    夜
 志貴「ここって高台にあるから星が綺麗に見えるんだよな……」

 アルク「やっほー、しーきーー!!」
 まじかるアンバー「イーヤッホーッ♪」

 志貴「星以外の物もあるけどさ(泣)」
 


  空14.「空っぽ」作:風原 誠さん

 琥珀「秋葉様、丸めたタオルお使いになりますか?」
 秋葉「いいからさっさとパットを持ってきなさい!!」

   ペコと潰れたまま起き上がれない秋葉様のブラ



  空15.「お絵描き遊び」作:しにを

 志貴「空色と言うのはね、空の色だよ。
    どうしたの?
    ああ、なるほど。レンにはそれが空色なんだね、なるほど」



  空16.「霧絵の空」作:Jinroさん&権兵衛党さん
 
  「私が飛んでいってしまった空、わたしを見捨てていった彼女は今何処にいる
   のかしら」
  「今も飛んでいるの? ……それとも、もう、堕ちたのかしら、もう一人の私」
  「どちらかさえも分からないけれど、わたしも私の様にとべるかな・・・」

 
 
  空17.「悲哀」作:Jinroさん
 
 志貴「空っぽなんだ、どうしようもないくらいに」
    最後に残った500円玉を、強く強く握りしめる
 
 

  空18.「もらい泣き」作:Jinroさん
 
 志貴「これで空っぽか、たったこれっぽちじゃ送り火にもなりはしないだろうけ
    ど・・・」
 


  空19.「果てしなく蒼い」作:しにを
 
 志貴「子供の頃からこうやって空を眺めるのは好きだったなあ。
    空だけは、見なくてすんだから」



  空20.「空に抱かれながら」作:もとはるさん

 シエル「いいお天気ですねぇ。まるで嘘みたいな青空です。
     それに土曜日の屋上って、ほんとに誰も来ないんですね。
     こんな素敵な場所を独り占めしてたなんて、遠野くんずるいです。
     でも、こうして雲ひとつない空をずぅぅぅっと見上げてて、飽きませんか?」
 志貴 「…好きだよ」
 シエル「えぅ?」
 志貴 「空は、好きだよ。空には『線』が見えないから。いつまでも眺めていられる。
     と…ごめん。先輩は退屈だった?」
 シエル「ふふ…退屈じゃありません。私も、こうして背中を預けてくれる遠野くんを
     後ろから抱いてるだけで、眼鏡無しでも穏やかな気分でいられます。
     あッ、振り向いちゃダメですよ。まだ自信がないんです」



  空21.「青空の種子」作:もとはるさん

 志貴 「空…。先輩の名前は、空って意味なんだね」
 シエル「空という呼び名は、私にお似合いかもしれませんね。
     満たされ育むことのできる海と違って、空はからっぽなんです。
     空は実体の無い視認限界でしかないんです。
     私は、目的も無く意思も無くただ与えられた殺意を遂行する抜き身。
     有用性を示すことでしか存在を許容されない意義無き道具。
     私は、秕、芽吹くことのない種子。うつほな殻、孵ることのない卵。
     私は…」
 志貴 「芽吹くことを望まない種子も、孵ることを望まない卵も無いと思う。
     それに、先輩は空っぽなんかじゃないよ」
 シエル「じゃあ…私のなかを満たしてくれますか?遠野くん」



  空22.「空と糸」作:もとはるさん

 シエル「あ。青い空を翔んでるイメージが観えました」
 志貴 「翔んでるんじゃなく、落ちてるんだ、空へ。
     夢をみたことがあるんだ。完璧な青い空へ吸い込まれるように落ちてゆく夢」
 シエル「そんな風にどこまでも昇っていったら、宇宙へ貫けちゃいますね」
 志貴 「昇るんじゃなくて、落ちていくんだ。底のない空に…どこまでも続く青い空に。
     どこまでもどこまでも…俺という境界が空に消えるまで。
     それが、怖いとか心地よいとかいうんじゃなくて、なんだかとても自然なこと
     のような気がして…目が覚めた。
     あっ…先輩?」
 シエル「遠野くんが落ちてしまわないように、私が抱きとめていますね、こうして」



  空23.「Blue in Blue」作:もとはるさん

   やがて誰彼の刻も過ぎ 青は藍へと移りゆく
   天地のあわいも 二人のあわいも 藍の儀式に溶けてゆく
     志貴即是空 空即是志貴
   揺藍の空 弓張月のただ蒼く

 

  空24.「空へ」作:もとはるさん

 琥珀「志貴さーん、お掃除にきましたよー」
 志貴「ありがと…って、なんで琥珀さんが?それにその格好は?」
 琥珀「スパッツァ・カミーノ!志貴さんの煙突ぅ、しっかり掃除しちゃいますからねー。
    はーい、翡翠ちゃん、しっかり押さえて、押さえて」 
 志貴「ひゃあぁぁ。翡翠まで、これはどういう」
 翡翠「…『黒い姉妹』です」
 志貴「え?え?何が」
 翡翠「…口には出せないところです」
 琥珀「ほーぅら、お口にどうぞーー」
  


  空25.「例え万里の果てまでも」作:しにを

 志貴「家を飛び出して、ぼろぼろになって。
    お金も無く、頼れるものもなく、体力も気力もこの体から空っぽになっていく。
    でも、そうなって代わりに満たされていく気がする。
    あいつに会いたいという想い。
    うん、それさえあれば立ち上がれる、歩いていける。
    待ってろよ、アルクェイド、必ず……」



  空26.「勝手知ったる」作:しにを

 志貴「こんにちは。…………あれ?
    なんだ、家の中空っぽか。まあ、いいや」(何ら気にせず乾家の敷居を跨ぐ)



  空27.「からっぽ」作:Jinroさん

 琥珀「このまどからみえるとおいそら―――いつかこのせなかにもはねがはえて
    とおいとおいあのそらへととんでいってしまいばいいのに・・・」 



  空28.「憧憬」作:Syunsukeさん

 橙子「鳥ってものが居なかったら、人はこんなに空に憬れることも無かったんだろうかね?」
 式 「だろうな」
 橙子「即答だな。何か思うことがあるのか?」
 式 「……(幹也が居なかったら、普通の暮らしに憬れるようなことも無かったからな)」



  空29.「手元を覗きながら」 作:星詠師さん 

 志貴「500円あるんだ。うん、空じゃない、空じゃないんだ」(自分に言い聞かせるように) 



  空30.「帳簿をつけながら」 作:星詠師さん

   幹也「5万しかないのか。うん、空にはしない、空にさせるもんか」(自分を追い詰めるように) 



  空31.「作戦会議」 作:星詠師さん

 秋葉 「やはり全員でが基本ではないですか?」 
 アルク「んー、それでも平気そうな気がするけど?」  
 シエル「作業効率を考えた場合、2・3人に分けた方が良いでしょうね」 
 シオン「それも組み合わせを考える必要があります。
      場合によっては逆の結果になる事は、例のシナリオで証明済みです」 
 レン (こくこく) 
 志貴 「皆一体何の話をしてるんだ?」 
 琥珀 「志貴さんを『空』にするんだそうですよ〜」
 志貴 「え?」 



  空32.「有り得ないから空想なのです」 作:星詠師さん

 シエル「全く、中身が空のカレーパン(?)なんて具現化して……」(もぐもぐ)
 志貴 「……修復不可能なまでに部室とアルクェイドをぼろぼろにしても、
      食べる事は食べるんだ……」 



  空33.「空振り」 作:星詠師さん

 都古「てやー!」 
 志貴「うわ!(回避) って都古ちゃんか」
 都古「……うー」
 志貴「……何で泣きそうになってるんだろう……」 



  空34.「吸血姫の空」作:星詠師さん
 
 アルク「ホントはね、あんまり好きじゃなかったんだけど。
      でも晴れだと、ほら志貴が色々連れて行ってくれるから。
      うん。どっちかと言えば、好き、かな」



  空35.「転がる鍋」作:しにを

 志貴「負けたよ、先輩。参った。
    まさか本当に……、全部食べてしまうなんて」



  空36.「最高の調味料」作:しにを

 志貴「う、うう……。
    本当にお腹と背中がくっつきそうだ。体が揺れて眩暈がして。
    これなら、今なら……。
    いや、まだだ。愛情だけじゃ足りない。もっと空腹に。もっと餓死寸前迄。
    そうしたら、喜んで食べてやれる、翡翠の…」(言いかけて懐疑的な顔に)



  空37.「そら」作:アラヤ式さん

  草原でねっころがる二人。

 シエル   「空って、こんなに蒼いんですね」
 エンハウンス「なにいってやがる。 自分の名前だろ?」
 シエル   「不死に蝕まれていたときは、まともにみれなかったんですよ。
        でも、今はとっても好きです」
 エンハウンス「そうか。 (シエルの笑顔を一瞥して)
        ……復讐なんて、ばかばかしいよな」
 シエル   「そうですね。 ……え?」



  空38.「男と女の認識の差」作:のちさん

 シオン「……というわけで、空っぽということは有り得ません」
 志貴「そういう、医学的な問題じゃなくてさあ……」



  空39.「証拠物件」作:のちさん

 式 「なあ、幹也」
 幹也「なに?」
 式 「なんで、給料の空袋まで残してるんだ?」
 幹也「それはね、全部給料がなかった月の分なんだ」
 式 「……それで?」
 幹也「うん、いざとなったら、法律事務所に駆け込む必要があるから」
 式 「……」



  空40.「空の境界」作:のちさん

 橙子「……」
 幹也「……で?」
 橙子「……だから、『空の境界』……」
 幹也「……労働省へ駆け込んでもよろしいでしょうか?」
 橙子「ごめんなさい」

   何も入っていない、給料袋を前にして



  空41.「そら」作:のちさん

 霧絵「『宇宙』と書いて、『そら』と読むの」
 霧絵「空の向こうはやっぱり、そら」
 霧絵「どこまで、飛んでいっても、やっぱり、果てはないの」
 霧絵「……それでも、私は……」



  空42.「おかえりなさい」作:のちさん

 翡翠「あの白いリボンは、どこまで飛んでいったのでしょうか」
 翡翠「やっぱり、空の上にいる、姉さんのところへでしょうか」
 翡翠「でも、私は……」
 翡翠「やっぱり、いつかここへと戻ってきて欲しいのです」
 翡翠「ねえ、琥珀?」

   赤ん坊の頬を、つついて



  空43.「高く、遠く」作:のちさん

 橙子「ほう、日本のロケットが宇宙へ飛んだか」
 式 「ふうん」
 橙子「……相変わらず、世俗のことには興味ないのか、お前は」
 式 「……どこまでも、飛んでいけるようになったら、興味を持ってもいい」
 橙子「ふん、そんなのは、昔からできるようになっているさ」
 式 「そうか?」
 橙子「そうさ」
 


  空44.「あきびん」作:のちさん

 志貴「はい、お土産」
 琥珀「はあ、ビンですか」
 志貴「うん、そうだよ」
 琥珀「何も入っていませんけど?」
 志貴「これから、入れていけばいいんだよ」
 琥珀「……そうですね」



  空45.「たゆたうもの」作:しにを

 橙子「ふぅ……、ん、なんだ黒桐?」
 幹也「いえ、それなんですけど」
 橙子「それと言われても、ああ、煙草かね?」
 幹也「はい。吸えば煙になっておしまい。無駄遣いと思いませんか?」
 橙子「愚問だな。では、この部屋の、いや地上から空に至るまでの大気が
    全て無駄と言うのか。空気なしで人間が生存できるとでも?」
 幹也「それは無理ですけど……、って、論点がまったく違うじゃないです
    か。むしろ、煙は大気にとって有害でしょう」
 橙子「んん……」(何だか気の済んだ顔で煙を吐き出す)



  空46.「あるものとないもの」作:しにを

 橙子「ない、という状態と、空、という状態は違うさ。
    ある事が前提となるか、必ずしもそうではないか。
    ない、と言う事は不足を意味する訳ではないが、空はより積極的に
    不在・欠如を……、いや、別に給料をどうこうという話に繋げる訳
    ではないから、露骨に警戒心をあらわにしないでくれ」



  空47.「空席」作:のちさん

 教師 「……わかった。そのままにしておこう」
 舞士間「ありがとう、ございます」

 舞士間「……なに?」
 有彦 「……別に」
 舞士間「そう」

    がらんとした、机の前で



  空48.「空き部屋あります」作:のちさん

 都古「(だから、いつ帰ってもいいんだよ。おにいちゃん)」



  空49.「空き財布」作:のちさん

    有彦、空の財布をひっくり返して

 有彦「ということで、俺の持ち金はゼロだ」
 志貴「俺も、ない」
 有彦「……嘘付け、財布見せてみろ」
 志貴「ない」
 有彦「……俺が悪かった」



  空50.「空の王者」作:のちさん

 ななこ「ななこウィング、です〜」
 ななこ「ななこジェット、です〜」
 ななこ「ななこ羽ばたき、です〜」

 有彦 「……また改造されたのか?」
 ななこ「はい〜(泣き)」


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