天抜き・対戦篇


 25万HIT記念の競作として、お題を出して頂いての書きっこしています


 第一戦【お題:「寓話」というタイトルで】

 1.「寓話」作:うづきじんさん

 秋葉 「扉とか窓とか、他にも侵入出来そうなところが有るでしょうに」
 シエル「そもそも、出てきたところを狙撃した方が確実ですよね」
 アルク「煉瓦くらいなら、私壊せるよ?」

 志貴「……「三匹の子豚」って、そういう話だったっけ?」


 壱.「寓話」作:しにを

 秋葉「子供向けとか思って馬鹿にしては駄目ですよ、兄さん。
    こうした長い時を経て伝えられた寓話には、洋の東西や今昔を問わない、
    そういう叡智や人間の真実が秘められているんです。
 志貴「まあ、そうかも知れないな。
   (でも、妹を蔑ろにした兄が悲惨な末路を遂げる話だの、妹の為に死を賭
    して冒険する兄だの、兄思いの妹が……だの、そんな話がこうも世界に
    溢れているとも思えないんだが……)」




 第二戦【お題:「七不思議 in 志貴っち高校」】

 作:権兵衛党さん 副題:― われら不思議探検隊 ― 

 2−1.「七不思議 No.1」

 有彦「一つ目は睨む美術室の胸像」
 志貴「定番だな」
 有彦「まずは美術室に行って見るか」

 有彦「あれ、胸像は?」
 志貴「…こないだお前が立体ジグソーパズルにしたろ」


 2−2.「七不思議 No.2」

 志貴「お次は?」
 有彦「深夜の校庭でバルタン星人が宇宙と交信するそうだ」
 志貴「…どういう七不思議だ」
 有彦「いいから確かめるぞ」

 有彦「昔、フォフォフォって笑う先生が天文部の顧問で、
    その辺から出来た話らしい」
 志貴「泊まりこむ必要なかったじゃないか!」


 2−3.「七不思議 No.3」

 有彦「深夜の校庭をゲルマン民族が大移動…」
 志貴「次だ、次!」


 2−4.「七不思議 No.4」

 志貴「四つ目は」
 有彦「深夜に一人で泳いでいると足を掴まれるプール」
 志貴「…夜中に誰か泳いだのか?」
 有彦「…いや、誰も。確かめるか?」
 志貴「……冬だし」
 有彦「……冬だしな」


 2−5.「七不思議 No.5」

 志貴「五つ目」
 有彦「深夜、初代校長のブロンズ像が血まみれに」
 志貴「よし、張って見よう」

 志貴「あれ、この辺に…」
 有彦「ああ、秋に渡り廊下が崩壊したろ? あの時に無くなった」


 2−6.「七不思議 No.6」

 志貴「次は?」
 有彦「えーと、昼休み開始と同時に売り切れるカレーの食券」
 志貴「…謎は全て解けた」
 有彦「…だな」


 2−7.「七不思議 No.7」

 志貴「最後は?」
 有彦「…あれ、七つ目知らねえぞ?」
 志貴「…ははあ、七不思議なのに六つしか無いのが七つ目の不思議とか」
 有彦「ああ、ありそうだなソレ」
 志貴「ならこれで全制覇っと」

 さつき「(違うの!七つ目は初恋の人を探して
     彷徨うツインテールの美少女幽霊なのーっ!)」


 2−8.「七不思議 その後」

 有彦「本当は七不思議って3つは生徒会の考えたネタなんだとさ」
 志貴「じゃあ2と3と7がソレだな」

 さつき「(違うのー!2と3と5なのーっ!)」



 作:しにを

 弐ノ壱.「お昼時の話題」

 有彦 「あー、秋葉ちゃん、この学校にもちゃんとあるぜ、七不思議」
 志貴 「うん。ご多分に洩れずにな」
 秋葉 「ふうん、どこも同じなんですね」
 シエル「わたしも全部は知らないです。教えてくれますか」
 有彦 「おやすい御用ですよ、先輩。
     ええと、ジルバを踊る骨格標本、すすり泣くピアノ……」
  指を5本折って志貴の方を見る有彦。
 志貴 「血塗られた十三段目の階段、光を通さない窓……」
  続けて指を折っていく志貴。1本、2本、3本……
 秋葉 「?」
 シエル「七つ以上ありますけど?」
 志・有「それがまた、不思議の一つなんだ」(嬉しそうに)


 弐ノ弐.「ここより始まる」

 シエル「他にもわたしが聞いたのが、いくつかありますしね。
     そう言えば、去年あたりにも増えたとか聞いた気もします」
 有彦 「……」
 志貴 「……」
 秋葉 「なんでしょう、あの決まり悪そうな顔は」(囁き声)
 シエル「目を合わせようとしませんね」(囁き声で返して)


 弐ノ参.「女三人集まれば」

 有彦 「まあ、過去の事は置いといて。
     秋葉ちゃんのいた浅上なんかも、そういうのあんのかな?」
 志貴 「でも、レベルが高いお嬢様学校だし……」
 有彦 「あっても、きっと可愛いやつだったりするんだろうなあ」
 秋葉 「ええと……」(口ごもる)
 シエル「そんな訳ありませんよ」(断言口調)
 有彦 「あれ、先輩、知っているんすか?」
 シエル「知りませんけど、女の子だけが何十人といるんですから」
 志貴 「だから?」
 シエル「ね、秋葉さん?」
 秋葉 「ええ、よくおわかりですね」
 有彦 「よくわからんが、足を入れないほうが良さそうだな」(囁き声)
 志貴 「同感だよ」(囁き声で返して)


 弐ノ四.「今まさに」

  放課後、茶道室にて
 シエル「さっきの話ですけど、時代が変わるにつれ七不思議もいろいろと
     変質していくのでしょうね。小道具とかも新しくなったり」
 志貴 「そうだろうね。
     そう言えば最近言われている怪異の噂知ってるかな、先輩?」
 シエル「さあ、何です?」(お茶を啜る)
 志貴 「消える茶道室だってさ。
     たしかにそんな部屋があった筈なのにって言い出す生徒が何人も
       出ているらしいよ」
 シエル「…ッぶはぁッッ」(盛大に咽る)


 弐ノ五.「いい声で鳴きなさい」

 シエル「暗示が薄くなったか、対象が多すぎて、勘のいい生徒には完全に
     効いていないかなんでしょうね。うーん」
 志貴 「それと続きと言うか派生の話があってさ……」(少し躊躇)
 シエル「どうしました?」
 志貴 「その何も無い筈の空間から、声が聞こえるんだって」
 シエル「はあ」
 志貴 「そのさ、女の人の、その、何て言うか……」
 シエル「あ、もしかして……」(何かを察して真っ赤に)
 志貴 「……少し慎もうか」
 シエル「そうですね」



 第三戦【お題:「有彦の日常」】

 作:権兵衛党さん 副題:― それすらも恐らくは平穏な日々 ―

 3−1.「朝の一こま」

 ななこ「有彦さん有彦さん朝ですよー(パカパカ)」
 有彦 「…パカパカ叩くな。起きたよ」
 ななこ「あー、有彦さんの一部が野獣に。犯されるー」
 有彦 「生理現象だ。心配せんでも襲うか!」
 ななこ「えーっ(何故か不満そう)」


 3−2.「朝食の風景」

 有彦 「何故ずっと座っている、姉貴」
 一子 「有彦こそ何も無い食卓に座ってるじゃないか」
 有彦 「……」
 一子 「……」
 ななこ「えとえと、じゃあ人参フルコースを…」
 一子 「……」
 有彦 「(ため息)…分かった俺が用意すればいいんだろ」


 3−3.「学校とは」

 有彦 「遠野、オイーッス」
 志貴 「おはよう有彦。二時間目は終わってるが」
 有彦 「んじゃ、また昼休みにな」
 志貴 「なにしに来てんだか」
 有彦 「決まってるじゃないかー(言いつつダッシュで去る)」
 志貴 「…だから何が」


 3−4.「昼休み 消耗戦」

 シエル「カレーは幸せの味ですねえ」
 有彦 「……」
 志貴 「……」
 有彦 「まあ、幸せそうな先輩見てると幸せな気分になりますから」
 シエル「ありがとうございます。ハイ幸せのおすそ分け」
 有彦 「は、はは…どうも」
 志貴 「(無限ループで4杯目のカレーか、有彦…)」


 3−5.「放課後の選択」

 有彦 「1.先輩を誘って帰る
     2.遠野を誘って帰る
     3.一人で帰る    …うーん」
 高田 「二人とももう帰ったよ」
 有彦 「…なんて薄情な奴等だ」


 3−6.「楽しい夕食」

 ななこ「有彦さん、人参サラダの用意が出来てますよ」
 有彦 「…よし、今日はチャーハンだ」
 ななこ「ええーっ人参サラダは?」
 有彦 「いらん」
 ななこ「好き嫌いはよくないですよ」
 有彦 「だから好き嫌いせずにチャーハン喰え!」
 一子 「…なんでも良いから早く」


 3−7.「おやすみなさい」

 ななこ「うー、閉じ込めるなんてひどいです」
 有彦 「そうしないと着替えも出来んだろうが」
 ななこ「今更照れなくてもー」
 有彦 「うるせえ、お前の着替え覗くぞコラ」
 ななこ「私、着替える服無いです」
 有彦 「…よし、着替えを覗く為に今度買ってやる」
 ななこ「うわーい」
 有彦 「ほら、さっさと押入れはいれ」
 ななこ「はーい。おやすみなさい」

 ななこ「有彦さん」
 有彦 「うん?」
 ななこ「ありがとうございます」
 有彦 「…ふん、さっさと寝ろ」



 作:しにを

 参ノ壱.「獣を超え人を超え」

 ななこ「で、さらにマスターときたらですね、夜中に薄ら笑いを浮かべて…」
 有彦 「どうでもいいけど、おまえ精霊だかなんだかだったよな」
 ななこ「いやですねえ、また一から説明ですか。やれやれ」
 有彦 「いらねえよ。少なくとも馬でもウサギでもないんだよな」
 ななこ「はい」
 有彦 「じゃあなんでニンジンに固執すんだよ」
 ななこ「……」(蹄に挟んだ食べかけを見つめてちょっと困り顔)


 参ノ弐.「煮卵が絶品」

 有彦「どうした、遠野、変な顔して?
    もしや機動屋台中華反転マークIIの特製ラーメンに文句か」
 志貴「まさか。凄く美味しいよ。
    たださ、どうやって持って来たのかなって思って」
 有彦「俺に訊くな」
 志貴「高田くん……、目を逸らすし」
 有彦「まあ、ご馳走になって文句言うなって」
 志貴「そうだね、休み時間もあまり無いし」

  教室で新作ラーメンをずるずる啜る三人。


 参ノ参.「妄想過多な」

 有彦「遠野の周りに女の影が現れるようになったのと、最近授業中に倒れ
    たりしなくなったの、なんか関係あるのか?」
 志貴「まあ、あると言えばあるかなあ」
 有彦「そうか」
 志貴「それが?」
 有彦「そこに『最近、乾くんと遠野くんは前みたいにべったりじゃないの
    ね』って要素を入れるんだそうだ」
 志貴「さっぱりわからない」
 有彦「俺もだ。たださ、最近クラスの女の子がそれで盛り上がっているそ
    うなんだ?」
 志貴「ふうん?」


 参ノ四.「また別な昼の一時」

 志貴「学食の蕎麦食べる時にさ」
 有彦「ああ」
 志貴「前の人のうどん作ってた場合、短いうどんが蕎麦に紛れ込んでいた
    りするんだ。あれって得した気分になるよね」(笑顔)
 有彦「……ナルトやるよ」


 参ノ五.「優先順位」

 有彦「今日暇なら俺の家来ないか?」
 志貴「いいけど、何で?」
 有彦「一子がさ、たまには顔出せって言っててさ」
 志貴「OK」

   放課後
 アルク「志貴、あそぼ」
 シエル「いえ、遠野くんはわたしと」
 志貴 「あ、今日は駄目。イチゴさんに呼ばれたから、じゃあね」
  
 アルク「あーあ、あっさりと」
 シエル「なんだかあたりまえのように言われたので、頷いちゃいましたね」


 参ノ六.「じゃんけんに負けました」

 一子「なんであたしが夕飯作らなきゃならないんだ?」
 志貴「手伝いますか?」
 有彦「言い出したの姉貴だろ」
 一子「料理の腕なんてほとんど無いのに」
 志貴「食べられるものが出来るだけ凄いですよ」
 一子「あれは遠まわしに馬鹿にされているのかな?」(有彦に)
 有彦「でもなんだかしみじみと話してたし、遠野」(小声で返して)
 志貴「……」(一人何かを思い出した顔で暗雲として)



 第四戦【お題:「遠野家の親戚達」】 

 作:権兵衛党さん 副題:― 年末年始すぺしゃる ― 

 4−1.「軋間家:お歳暮熨斗付き」

 秋葉「大変です、兄さん!本人がお歳暮持ってきました!」
 志貴「なに!軋間がお歳暮!?」
 秋葉「しかもこれです!」
 志貴「なにぃ!軋間がブルマを!?」
 秋葉「しかも直に握り締めてました!」
 志貴「なにぃぃ!家からずっと!?」
 秋葉「……どうしましょう」
 志貴「……悪い夢だ」


 4−2.「久我峰家:元凶」

   電話にて
 久我峰「え?ええ、お歳暮ぐらいは渡せと言いましたよ」
 久我峰「モノですか?聞かれたから指定しましたよ。まだ持ってきてませんが」
 久我峰「…え、遠野家からもお歳暮頂ける?しかも直接来られるんですか?
     いやあ、嬉しいなあ。何でしょうねえ」


 4−3.「有馬家:愛されてる志貴」

   初詣にて
 文臣「(志貴が立派にやっていけますように)」
 啓子「(志貴が元気でいますように)」
 都古「(志貴お兄ちゃんがロリ好きになりますように)」


 4−4.「久我峰家:愛されてる秋葉の…」

   初詣にて
 久我峰「(秋葉様があれ以上育ちませんように。…特に胸)」


 4−5.「有馬家:特に君の場合は」

   年始のあいさつにて
 志貴「お二人は本当に仲いいですね」
 文臣「家の奥さんは世界一だからな」
 啓子「まあ、あなたったら(台所へ)」

 文臣「(がしっ)いいか志貴、結婚したら自分の奥さんは世界一だと思え。
    思いこめ、自己暗示をかけろ、催眠術でも洗脳でも何でもいい!」
 志貴「え、え?」
 文臣「…それが夫婦円満の秘訣なんだ」
 志貴「(思い浮かべる)…なるほど」


 4−6.「久我峰家:お年玉」

 久我峰「志貴君、内緒のお年玉要らないかね」
 志貴 「えっ?…て、これは秋葉と翡翠の盗撮写真!」
 久我峰「ふふふ、どちらかお一人のを差し上げましょう。
     どちらがいいですか?」
 志貴 「…こ、こんな時は。助けて、マジカルアンバー!!」
 
  ドドドドドドドドドドドド

 アンバー「では翡翠ちゃんの写真は私の物という事で」
 志貴  「ええ、ソレの処理もお願いしますコハ…げふげふアンバー」
 アンバー「ええ、ちゃんと処理しておきますね」



 作:しにを

  四ノ壱「この世は荒野だ」

 志貴 「秋葉が遠野の当主になるのって、反対も多いんでしょう?
     まだ年も年だし」
 久我峰「まあ、当時はそうでしたねえ」
 志貴 「今は違うんですか?」
 久我峰「まあ、最終的には腕力が勝つと言いますかね。
     ああ、あくまで比喩的な表現ですが」
 志貴 「……凄く納得しました」


  四ノ弐「護身とは」

 久我峰「特に屋敷から親族を追い出し、あなたを迎えると宣言された時」
 志貴 「どんなだったんです?」(恐いもの見たさの表情)
 久我峰「命あってのもの種。その言葉の意味がよくわかりましたねえ、あの時は。
     聞きたいですか?」
 志貴 「遠慮しておきます」
 
 
  四ノ参「虎の尾を踏む男」

 志貴 「でも、そんな目にあってよく秋葉はともかく、俺を避けませんね。
     久我峰さん、わりと親しくしてくれるけど」
 久我峰「まあ、実物を見て、意外にあなたの事を気に入ったんですよ。
     あなたの勇気にも感銘を受けましたし」
 志貴 「勇気?」
 久我峰「考えなしに何度も秋葉さまを激怒させる真似をなさる。
     いや、私には到底真似できません」
 志貴 「……笑えない」


  四ノ四「龍は一枚逆さになった鱗が」

 久我峰「今のは冗談半分ですが、志貴君を敵に回すのは愚かな事ですよ」
 志貴 「そんな事言われても、俺なんか何の力もありませんよ。
     それにグループでも久我峰さんて、凄く力があるのでしょう?」
 久我峰「ええ。その気になれば秋葉様と直接敵対しても、何とかなる程度には」
 志貴 「それなら」
 久我峰「でも、志貴君と敵対した事を秋葉様に知られたら……。
     それはちょっと考えたくありませんな」(しみじみと)
 志貴 「はあ?」
 久我峰「わからなくてもいいですよ」


  四ノ五「むしろ真実こそが人を」

 久我峰「ところで、今日来たのは訳がありまして」
 志貴 「何ですか?」
 久我峰「今、誰も屋敷にはいませんね?」
 志貴 「ええ」
 久我峰「実は前に仕掛けていた盗聴器なのですが……、回収忘れが発覚しまして」
 志貴 「え?」
 久我峰「送信機能は無しで、基準値以上の物音を指向して録音開始、ただし数時間
     分でリセットして上書きするといった代物でしてね。
     つまり昨日から今朝にかけてしか記録は無いのですが……、こんなものが
     もしも秋葉様に見つかったら」(哀れな顔をしてみせる)
 志貴 「俺だって嫌ですよ、そんなのがあるのは。何処ですか、取ってきます」

 久我峰「助かりました。ところで少々興味はありませんか?
     志貴君は昨夜早々に部屋で眠ったそうですが、その後に何があったのか」
 志貴 「それはまあ……」

   一時間後。
 久我峰「すみません、まさかこんな会話が……」
 志貴 「えぐ…、もう誰も信じられない、うぅぅ」(顔面蒼白で啜り泣き)


  四ノ六「無口妹」

 啓子「元気そうで安心したわ。でも……」
 志貴「どうかしましたか」
 啓子「都古が残念がるなって思ったの。
    せっかく志貴お兄ちゃんが来たのに、お出掛けなんてね」
 志貴「でも、都古ちゃん、あんまり俺の事なんて気にしていないでしょう」
    顔合わせても、あんまり話してくれないし。
    嫌われているとまては思わないですけど……」
 啓子「嫌われている、ですって?」(呆然と、そして信じがたい目で)
 志貴「?」


  四ノ七「一撃必殺少女」

 都古「あー、楽しかっ…、え、え、なんでお兄ちゃんがお家から出て来るの?
    あ、行っちゃう。
    呼び止めないと、でも…、出来ない、声掛けられないよ。
    ああッ、気づいて、こっち見てよ、お兄ちゃん。
    もうちょっと早く、ううん、そんな事を考えている暇は、え、ええと…。
    あああ、えいッ、やくほちょーちゅうッッ!」

   ずだんんんッッ!!!

 志貴「ぐああああッッッッ」(ばたんQ)



 第五戦【お題:「標識」】 

 作:のちさん 

 5−1.「洗濯板」

 志貴「琥珀さん、秋葉ってキャミソール派だよね」
 琥珀「ええ」
 志貴「なんでかな?」
 琥珀「ほら、衣服にいろいろマークが付いてるじゃないですか。むかしそのマークの
    ことでちょっと」
 志貴「?」
 琥珀「これです」
 志貴「……これって、手洗い禁止っていう意味じゃなかったっけ?」
 琥珀「え?そうなんですか?」
 志貴「琥珀さん、分かってやっているでしょう」


 5−2.「進入禁止」

  夜、シエル邸にて
 志貴「さあ、先輩……」
 シエル「はい……」
 志貴「……先輩、このショーツに付いてるマークって……」
 シエル「そちらは通行禁止です」
 志貴「……」
       のちさん製作也

 5−3.「郵便屋さんお気を付けて」

 琥珀「あ、志貴さんお帰りなさい」
 志貴「……なに門に付けているの?」
 琥珀「最近悪質なセールスがあるそうなので」
 志貴「それって、誤植じゃないの?」
 琥珀「……あ、ほんとですね。まあ、いいじゃないですか」
 志貴「琥珀さん……」
  白いプレートに「猛嬢注意」と書かれていた。
       のちさん製作也
 5−4.「ふー!」

 琥珀「アルクウェイドさんのおうちは『猛猫注意』ですかねー」


 5−5.「ひひーん!」
 翡翠「シエルさまのおたくでは、『猛馬注意』なのでしょうか?」
       のちさん製作也
 5−6.「お断り」               

 翡翠「……」
 志貴「……翡翠?台所の前で何やっているの?」
 翡翠「あ、志貴さま……」
 志貴「あれ?何かついてる……。翡翠、また料理したの?」
 翡翠「はい……」
   台所入り口にカチューシャ禁止のマーク
       のちさん製作也

 5−7.「当主さまのお仕事」

 志貴「秋葉、まだ仕事か?」
 秋葉「ええ」
 志貴「なんだ、いまは何を……秋葉、これは?」
 秋葉「兄さんの部屋の窓に付けるんですよ」
 志貴「……」
   机の上には『猫禁止』『メガネ禁止』のマーク
       のちさん製作也
 5−8.「さわっちゃだめです!」

 志貴「掃除かい?手伝おうか?」
 翡翠「志貴さま、そのようなことは」
 志貴「まあまあ、俺が勝手にやっているんだから。それを貼ればいいのか?」
 翡翠「はい……」
 志貴「ふーん……また琥珀さんが掃除したの?」
 翡翠「……」
 翡翠の手には『割烹着禁止』のシール



 作:しにを 

 五ノ壱.「水は滴ってるけど、その先は不明」

 橙子「うん? ああ、黒桐か。なに、少しばかり良いアイディアが浮かんでな、
    閉じこもって試行錯誤していた処だ。昔を思い出すな……、こうして部屋
    に篭って外界の事など忘れ去って没頭したものだよ、あの頃は……。
    そんな時はドアに「邪魔するものに災いを」とか標識がわりに警句を刻ん
    で実際にドアを触ろうものなら、火を吹いたり電撃をお見舞いしたりする
    魔術の仕掛けを、って、ああ、それでか。ずぶ濡れで凄い形相で現れたか
    ら何かと思えば……」(目を逸らす)


 五ノ弐.「いや、奴らを甘く見るな」

 式「セールスマンお断り? 何の冗談だ、トウコの奴?」(ドアの横に目を留め)


 五ノ参.「素朴な疑問」

  琥珀、小さな紙に何か記号を書いて家具に貼り付けている。
 志貴「あれ、琥珀さん、これ何?」
 琥珀「え……、ええと…その……」
 志貴「うん?」(子供のように好奇心に溢れた目)
 琥珀「(こういう顔には逆らえない……。志貴さんは自覚無いでしょうけど)
    翡翠ちゃんとの間で使っている標識みたいなものなんです」
 志貴「へえ、で、これはどういう意味?」
 琥珀「聞かない方が良いと思います」(翡翠の如く無表情で)
 志貴「う、でも……」
 琥珀「聞かない方が良いと思います」
 志貴「う、うん、わかった」
 琥珀「お茶でもいれて参りますね」(にこにこ顔で)
 志貴「…………凄く、気になる」


 五ノ四.「押して駄目ならにも似た」

 志貴 「なあ、窓の見ただろ?」
 アルク「あ、この『窓からの侵入禁止』でしょ。
     でも、志貴が出る分には問題ないよね、出入り禁止じゃないもの」
 志貴 「詭弁だと思うなあ」(でも出る)


 五ノ五.「兎には耐えられません」

 秋葉の部屋:兄さん禁止
 琥珀の部屋:志貴さん禁止
 翡翠の部屋:志貴さま禁止

 志貴「悪かったよう、反省したよう、もうしないよう」


 五ノ六.「逆効果」

 鮮花「禁止ね……、ふふふ、燃えるわね、そういうの」


 五ノ七.「八極は大爆発で、二の打いらずで、構えなく前のみを」

 都古「八極拳禁止……?」
 志貴「いや、泣きそうな目で見られても、泣きそうなのはこっちで……。
    わかったよ、撤回する(溜息)」



 第六戦【お題:「ほうき少女まじかるアンバー」】  

 作:神楽月 真十郎さん

 まじかるアンバー
  「みなさん初めましてーーー!天抜きには初登場となる、まじかるアンバーですー」
   私ってどこのSSでも出番に乏しいじゃないですか。
   そこで私のイメージアップを“謀る”為にみなさんの願い事を叶える
   魅惑の魔法少女家業を初めてみました。
   みなさん挙ってご利用下さいね〜」


 6−1.「ほうき少女まじかるアンバーと第七位の執行者」

 シエル 「何でも一つだけお願いを?本当ですか?」
 アンバー「ええ、私に出来る事であれば、ですが」
 シエル 「ではカレー…」
 アンバー「カレー関連は却下ですー(^〜^」
 シエル 「で、では遠野くんを一晩私の自由に」
 アンバー「そんな美味しい目を他人に譲れる訳ないですよー」
 シエル 「…帰って下さい」


 6−2.「ほうき少女まじかるアンバーと真祖の姫君」

 アンバー「病気になりたい?」
 アルク 「ええ、夕べ妹が『兄さんに付きっきりで看病された』ってもう
      嬉しそうに自慢したのよ!
      私も志貴に顔拭いて欲しい、アイス食べさせて欲しい、寝付く
      まで添い寝して欲しい〜!! 」
 アンバー「これは昔から、薬ではどうにもならない問題ですねー」


 6−3.「ほうき少女まじかるアンバーと遠野秋葉」

 アンバー「あはー(笑)」
 秋葉  「…何よ、その目は!何でもと言ったのは貴方でしょう!?」
 アンバー「はいはい。では、ぶすーっと」

   たゆん たゆん   ぱよよよよよん

 秋葉  「ほーっほっほっほっほっほっほっほっほ(陶酔)」
 志貴  「あれ、秋葉は何処かな?(すぐ近くにいる秋葉を探す志貴)」
 翡翠  「…あそこで、ブラジャーも着けずに、
      無意味に歩き廻っていらっしゃるのが秋葉さまです」
 志貴  「どれどれ(視線を上に上げて)
      ああ、ホントに秋葉だ。
      何時もと違うから誰かと思ったよ」


 6−4.「ほうき少女まじかるアンバーと巫淨翡翠」

 翡翠  「姉さんが、まっとうなメイドに戻って下さる事を望みます。
      毎日謀略を企てたり、
      ほうきで空を飛んだり、
      志貴様には、怪しげな薬品を投与しないで下さい。   
 アンバー「翡翠ちゃん………
      ………      
      めいど少女みすてぃジェイドの衣装なら準備済みよ?」 
 翡翠  「姉さん、お願いだから毎年の有明行きだけはやめて下さい…!(地に伏して
      さめざめと)」


 6−5.「ほうき少女まじかるアンバーと遠野志貴」

 志貴  「答えは…3番!」
 アンバー「正解で〜す!」
 志貴  「やった!
      でもどうして俺だけクイズ付きなんですか?」
 アンバー「あはは、それは相手が志貴さんですからね。
      サービスですー」
 志貴  「え、あの、そう言いながら何故着物の肩口をずらすんですか?」
 アンバー「やだもー!志貴さんったら。
      志貴さんのお願い事と言ったらコレに決まっていらっしゃるのでしょう?
 志貴  「誤解ですよっ。あっ待って下さい!ううっ……」
 アンバー「あはー。
      アダルトチェンジは割り増しですよー」    


 6−0.「ほうき少女まじかるアンバーと伝説のお願い」

 有彦  「君のような娘にずっと側にいてほヘぶっっっっっ」
 アンバー「あはー」



  作:しにを

 六ノ壱.「人形使い」
 
 橙子  「最近、この辺りに出没している魔術師ってのは、あんたか」
 アンバー「魔法少女です」
 橙子  「え?」
 アンバー「魔法少女まじかるアンバーです」
 橙子  「あ、ああ、わかった。魔法…少女だな……」(気押され)


 六ノ弐.「続・人形使い」
 
 橙子  「まあ、ともかく……、万が一という事もある。不審人物にうろうろされて
      火の粉が飛んでくるのは好ましくないな」
 アンバー「あらあら、わたしを排斥するおつもりですか?」(笑顔で)
 橙子  「場合によってはな。実力で排除する事に躊躇うつもりは無い」
 アンバー「あは〜、怖い顔なさいますねえ。……なのに」
 橙子  「うん? 今、何て言った?」
   アンバー、とことこと橙子の傍により耳元に口を寄せる。
 アンバー「ですから、蒼崎さんの…………で、小さい頃…………もちろん……ロンド
      ン時代の……、物証なら…………」
 橙子  「な…なに…………」(みるみる蒼褪める)
  
   十数分後
 橙子  「…………」(息も絶え絶え)
 アンバー「どうなさいます?」
 橙子  「……そ、それが…な、何だ。全て破壊尽くしてなかった事に…」
 アンバー「はぁ、それならまだいいネタがありますので……」
 橙子  「わ、わかった。相互不可侵でいよう、いや、私の負けでもいい……」


 六ノ参.「炎の魔女」
 
 鮮花  「待ちなさい」
 アンバー「あらあら、何ですか?」
 鮮花  「その黒マントの妖しい身なり。あなたがまじかるアンバーね?」
 アンバー「そうですよ。何かお願い事ですか?」
 鮮花  「違うわよ。あなた、一体何をしたのよ、橙子師、三日も寝込んで……」
 アンバー「仇討ちですか?」
 鮮花  「そんなつもりはないけど、ちょっと興味が……」
 アンバー「ただ、隠された事実を口にしただけなんですけどねえ。例えば黒桐鮮花
      さん、あなたなら……」
 鮮花  「なんで私の名前まで知っているのよ。
      え、何……、兄さんが何だと…………え、嘘……、やだ……ええッッ?
      それで……信じられない、でも……」(火の出そうなほど真っ赤に)
 アンバー「種類は違いますが、こういうですね……、あらあら妄想全開といった感
      ちょっと秋葉さまを彷彿とさせますねえ。じゃあ、行きますよ?」


 六ノ四.「獣師」

 ネロ  「馬鹿な、何故、何故……」(驚愕し目を見開き)
 アンバー「おてー」
    虎から獅子から全て腹を見せて平伏。クールトー君、ぺたんと手を差し出す。


 六ノ五.「再生者」

 シエル 「……琥珀さんなんでしょ?」
 アンバー「違いますよ、まじかるアンバーです」
 シエル 「では、琥珀さんに会わせてください」
 アンバー「……」
 シエル 「さあ」(少し勝ち誇った顔で)
 琥珀  「呼びましたか、シエルさん?」
 シエル 「え?」
 アンバー「ではでは〜」
    アンバーと琥珀ふぇーどあうと。シエル呆然と立ち竦み。

 シエル 「いえ、あの琥珀さんが偽者なのは一目でわかったけど、なんて翡翠さん
      がこんな馬鹿な真似に加担を。信じられない……」

    
 六ノ六.「二流の人」

 アンバー「ふっ」(失笑し踵を返す)
 アルバ 「待て、おい……、相手にもならんとでも言いたいのか。
      待てと……、待って下さいってば、おーーい……」

    
 六ノ七.「死の蒐集者」

 荒耶 「…………」(絶壁の崖に微動だにせず漢立ち)

   さしものアンバーも近寄らぬ模様



 第七戦【お題:「夢の跡」】  

 7.「夢の跡」作:うづきじんさん

 秋葉「へえ、アーネンエルベにねえ……(猫又……)」
 翡翠「……一緒に公園……(ウメサンド……)」
 琥珀「文化祭を案内ですかー(地下室……)」
 晶「?……あ、あの……?」

 有彦「……琥珀さんと翡翠さん、慰めてこようか?(物陰から、出るに出られない)」
 志貴「言ったら殺す(既に眼が蒼い)」



 七.「夢の跡」作:しにを

 琥珀「どうなさっているのでしょうね」
 翡翠「……」
 秋葉「さあ、どうしているのかしら」
 琥珀「……」
 翡翠「……」
 秋葉「でも、帰って来るからって言ってくれたもの……。
   (ほんの少しの間だけど帰って来てくれたもの……)」



 第八戦【お題:「できあがった人たち」】

 作:のちさん

 8−1.「秋葉の場合」

 秋葉「兄さん、飲んでます?」
 志貴「ああ、飲んでるよ。でも、そろそろ限界かな」
 秋葉「飲んでませんね」
 志貴「え? だから、飲んでるって……」
 秋葉「お注ぎします」
 志貴「だから限界だって!」
 秋葉「ふう、あれ兄さん?」
 志貴「なんだよ。……うっぷ」
 秋葉「飲んでませんね」
 志貴「……おまえ、できあがってるな?」
 秋葉「お注ぎします」
 志貴「……どうにかしてくれ……」


 8−2.「琥珀の場合」

 琥珀「志貴さーん」
 志貴「はいはい、なんですか琥珀さん」
 琥珀「うふふ、この前離れで……いいですねー」
 志貴「こ、琥珀さん?」
 琥珀「翡翠ちゃんもやりますねー、あはー」
 志貴「琥珀さん……何でもしますから、それは……」
 琥珀「おとといは志貴さんのお部屋で、レンさんと……うふふ」
 志貴「あ、あの……」
 琥珀「あはー、昨日アルクェイドさんのお宅ではなにをなさっていたんですかー?」
 志貴「……誰か、助けてくれ……」


 8−3.「翡翠の場合」

 翡翠「……志貴さま……」
 志貴「大丈夫かい? 翡翠……」
 翡翠「…………(うつらうつら)」
 志貴「今日はだいぶ飲んだからなあ、翡翠」
 翡翠「はい、志貴さま」
 志貴「うわっ、起きたのか翡翠」
 翡翠「…………(うつらうつら)」
 志貴「あれ?……水でも持ってくるか」
 翡翠「行っちゃだめです、志貴さま」
 志貴「え? 翡翠?」
 翡翠「…………(うつらうつら)」
 志貴「おーい?」
 翡翠「行っちゃイヤです、志貴さま」
 志貴「えーと」
 翡翠「…………(うつらうつら)」
 志貴「いつまでいれば、いいんだろう?」
 翡翠「だめです、志貴さま」
 志貴「……」
 翡翠「…………(うつらうつら)」


 8−4.「アルクェイドの場合」

 アルク「しきー、しきー」
 志貴 「おい、おい、大丈夫か?」
 アルク「えへへー、しきー」
 志貴 「こ、こら、アルクェ……」(口を塞がれる)
 アルク「志貴……」
 志貴 「アルクェイド……って、おい!」
 アルク「スー、スー」
 志貴 「ね、寝てる。またかよ……げっ、離れない!」
 アルク「んー、しきー」
 志貴 「おーい、起きろー、起きてくれー!」
 アルク「むにゃむにゃ……しきー」
 志貴 「……だめだ、どうにでもしてくれ……」


 8−5.「シエルの場合」

 シエル「遠野くん、ちょっと座りなさい」
 志貴 「いえ、座っていますけど」
 シエル「いいから、座りなさい!」
 志貴 「や、だから……」
 シエル「遠野くんは、私の言うこと、聞いてくれないんですね……」
 志貴 「あのね、先輩……」
 シエル「二人きりの時は、シエルって呼んで下さいって言っているのに……」
 志貴 「で、でも、二人きりじゃないし……」
 シエル「二人でいる時間も作ってくれないし……」
 志貴 「ちょ、ちょっと、えーと、シエル……」
 シエル「呼び方がおざなりだし……」
 志貴 「あー、どうすればいいんだ……」


 8−6.「ななこの場合」(おまけ)

 有彦 「……」
 ななこ「……」
 有彦 「……どうしたんだ……」
 ななこ「……マスターが……」
 シエル「苦労したんですよ、これ、どうですか?」
 有彦 「いや、どうって言われてもなあ……」
 シエル「この機能美! この性能! さらにはここのところがですね……」
 有彦 「……できあがったんだな、ななこ……」
 ななこ「こんな、できあがった女なんて、いやですー」
 シエル「さらに! 新機能として……」(フェードアウト)
 ななこ「……有彦さーん、また亡命させて下さーい」(泣き)
 有彦 「……ニンジン、持参ならな……」



 作:しにを

 八ノ壱.「早い者勝ちと言うか」

 アルク「なんだか珍しいよね、こーいうの」
 シエル「そうですね。まあ、本来この形の方が自然かもしれませんが」
 秋葉 「確かに、弱いけど。兄さんはともかく……」

   へべれけになっている志貴、翡翠、琥珀を前にして


 八ノ弐.「先にいかれてしまうと」

 志貴 「翡翠は可愛いなあ。うん、いつも頑張ってるし、偉いぞ。
     よし、頭をなでなでしてあげよう」
 翡翠 「ふぁ……、志貴さまの手。嬉しいです……」(とろんとした目で)
 琥珀 「あ、翡翠ちゃんばかり贔屓です。抗議します」
 志貴 「よし、琥珀さんもだ。ちゃんと琥珀さんだって好きだぞう」
 琥珀 「う、ううん……、ふう」(蕩けそうな顔で)
 翡翠 「わたしももっとして下さい。姉さんはそっち」
 琥珀 「あ、翡翠ちゃんのずるっ子。ダメですよーだ」

 秋葉 「なんだか、物凄くむかつくんだけど」
 シエル「同感ですが、何と言うか、その……」
 アルク「邪魔できない雰囲気だよねえ」


 八ノ参.「遅ればせながら」

 シエル「こうなれば、理知的に対処すべきですね」
 アルク「理知的?」
 秋葉 「……」(疑わしい目)
 シエル「さて、と……」(れみーまるたんなんぞをラッパ飲み)
 アルク「あ、そーいう事ね」(一息で、赤ワインの瓶を空にして次に)
 秋葉 「え、な……」

 シエル「遠野くぅーーん(はーと)」
 アルク「あはは、しぃーきぃぃーー♪」
 秋葉 「あああ。私も……、う、でも……」(理性が残っているご様子)


 八ノ四.「ひとり乗り遅れて」

 志貴「なんだ、秋葉だけ辛気臭い顔して。
    だいたいだな秋葉は……」(支離滅裂な非難と愚痴)
 秋葉「兄さん」
 志貴「なんだ、兄貴に口答えか?」
 秋葉「な…」(怒りの表情を一瞬浮かべるも、酔っ払い相手と自制)
 志貴「(秋葉の様子には気づかず)大人しくしていれば秋葉は凄く可愛い
    んだから、勿体無いぞ、うんうん」
 秋葉「え……、それ、本当ですか?」
 志貴「ああ。綺麗だし、何より可愛い妹だぞ。そりゃ口うるさかったり、
    ちょっと待てと言いたくなる事はあるけど、俺も心配させたりして
    るから……、とにかく秋葉は可愛いぞ、うん」
 秋葉「は、はい、兄さん」(至福の表情)


 八ノ五.「この際だから言いますが」

 翡翠 「…ですから、志貴さまにはきちんとした睡眠を取って、朝はきち
     んとお目覚めになられて規則正しい生活を送って頂かないといけな
     いんです。
     アルクェイドさま、わかっていますか?」
 アルク「は、はい」(正座で)
 翡翠 「いえ、わかっていません。
     今日はいい機会ですから、きちんと教えて差し上げます」
 アルク「うう……」(助けを求めるようにシエルを見るが、シエル薄笑い)


 八ノ六.「他人事では無いですよ」

 翡翠 「シエルさま、あなたもです」
 シエル「え、私もですか?
     私はそっちの馬鹿猫と違って、夜討ち朝駆けしたり窓から侵入す  
     るような真似はしませんよ」
 翡翠 「シエルさまも充分に非常識です」
 シエル「え?」
 アルク「やーい、シエル非常識。シエルもお説教」
 シエル「うるさいですよ。だいたいあなたには関係の無い…」
 翡翠 「それです。お二人は一緒にするとそうやって暴走を始めて……。
     なんでそんなに仲が悪いんですか」(叱るように)
 アルク「だって……」(説明も出来ないし、という顔)
 シエル「うーん……」(同じく)


 八ノ七.「心の赴くままに」

 琥珀「あー、秋葉さま、ずるいずるい」
 秋葉「な、何よ、琥珀」(困惑)
 琥珀「何よじゃありません。志貴さんを独り占めじゃないですか。
    志貴さんも志貴さんです、私を一人寂しく……、そういう人にはこうです」
 志貴「あ、ああッッ」
 琥珀「うふふ、そーら、こんなのはどうです」
 志貴「ふああ。ふぅ…、よし、お返しだ、そら」
 琥珀「ひゃん。ああんッ……、はぅ」

 秋葉「な、な、な、何を……、ああああッ、そんな事まで。
    ……わかりました。酔いました。私も酔いましたとも、ええ」

  秋葉参戦!


 八ノ八.「ふと目覚めて」

 翡翠「…………え、これって?
    なんで、志貴さま……、わたし……?」
   呆然として辺りを見て、結局そのまま寄り添い幸せそうに目を閉じる。
   

 八ノ九.「続・ふと目覚めて」

 志貴「……え? な、なんだこの惨状は……。それに、この格好?
    うあッッ、起きてよ、琥珀さん、ひす…いや、いやいや。
    とりあえず眠ろう。朝までは、せめて……」(しかと目を瞑る)
   

 八ノ十.「続々・ふと目覚めて」

 琥珀「うん……、志貴さんの声? 
    何、これ? えーと……、あれ、あれれ、何てこと、記憶が無い」
   顔面蒼白になって、人形のように固まる。
   「……いいわ、ええ。最悪の場合は……。
    うん、大丈夫。覚悟は決めたわ。ふふふ」
   翡翠と志貴を挟むようにして、何の屈託も無い顔で寄り添う。

  

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