頂き物天抜き その14
651.「平日午後の再放送」作:CAZZOさん
桜 「ただいま戻りました……。あら、何してるんですかお爺さま」
臓硯「見てのとおり茶を淹れておる」
桜 「そういうことはアサシンさんがやっていたんじゃ……」
臓硯「アサシンは休憩中じゃ。好きなテレビを見とる」
桜 「テレビ?」
臓硯「『必殺仕事人』じゃ。親近感が湧くとかで」
桜 「ああ」
臓硯「次に好きなのは『仕掛人・藤枝梅庵』じゃ。
まだスペシャル版を1回見ただけなのが残念だがの」
桜 「はあ」
臓硯「『ザ・ハングマン』は今ひとつだと言ってたの。仕事を楽しみすぎだとな」
桜 「ははあ(ハングマン?)。でも休憩って、アサシンさんそんなに忙しいんですか?」
臓硯「ほぼ一日働きづめじゃ。近ごろ家の中が荒れとるでな」
桜 「すぐ夕飯の支度しますね」(そそくさ)
652.「スリーパー(草の者)」作:CAZZOさん
臓硯 「のうアサシンよ」
ハサン「なんでしょう魔術師殿」
臓硯 「興味本位できくから、嫌なら答えんでもよいがの。
英霊になる前のそなたは、どんな人間だったのじゃ?」
ハサン「わかりませぬ。『山の翁』となるとき、その前に持っていたものは全て捨て申した。
いまや記憶にも残っておりませぬ」
臓硯 「ではどのような暗殺者だった? 人の身でどんな技を使うておったのじゃ?」
ハサン「それは刺客として秘中の秘。知ることが叶うのは、狙う相手のみと決めております。
お許しくだされ」
臓硯 「暗殺者としての在り方に関わるというわけか。それはすまなんだの」
ハサン「申しわけありませぬ。まあ例えるなら」
臓硯 「ん?」
ハサン「あれですかな」(テレビを指差す)
テレビに映るのは、嫁と姑にいびられる中村主水の姿。
午後の間桐邸居間にて。
653.「ハマる過程」作:CAZZOさん
士郎 「ただいま――とっ」
ハサン 「これは失礼。(玄関に向き直って)では、読み終わり次第お返しにうかがいます」
ライダー「ゆっくりでかまいませんよ」
ハサン 「失礼いたす」(一礼して去る)
士郎 「アサシンがうちに来てたのか?」
ライダー「ええ。本を貸したのです」
士郎 「本?」
ライダー「商店街の古本屋で遭遇しまして。
テレビ番組の原作を探していて、私が持っていたので貸したのです」
士郎 「商店街? アサシンが?」
ライダー「シロウは知りませんか? 礼儀正しいので商店街でも密かに人気なんですよ」
士郎 「うちの商店街は懐が深すぎるな」
ハサン 「――ふふふ」(音もなく家路を足早に)
654.「それがあなたなのですお忘れなきよう」作:新兵Gさん
(「へうげもの」/山田芳裕 より)
※『Fate/Prototype』の映像を観て
士郎「あのセイバーは、はらぺこキャラじゃないこともあるんだろうか…」
凛 「なんでちょっと寂しげな顔するのかしら」
655.「世の中はな、楽しむことが一番なんだよ」作:新兵Gさん
(「黄金のラフ」25巻/なかいま強 より)
ランサー「そう思っても実行するのは難しいねえ…
そう思ってる奴ほど厄介事に巻き込まれやすくもあるしな。
まあ、今さら、どうでもいいけどな…」 (ガクリ)
セイバー「ランサーが(また)死んだ!」
一同 「「「 この人でなし! 」」」
656.「磨いて輝かないものなんてない」作:新兵Gさん
(「GIANT KILLING」9巻/綱本将也&ツジトモ より)
セイバー「まったくもってその通りです。何物もまず磨かねば」
凛 「磨き手が良いんですもの。輝くのは当前よねえ?」
士郎 「良い師匠に恵まれた幸運に感謝すべきなんだろうけど、好みの不幸を呪う気分だ…」
657.「谷にいる人はそこから偉大なものを見る」作:新兵Gさん
(タイトル:「神の鉄槌」/G.K.チェスタトン より)
桜 「……」
ライダー「桜、これは…!」
士郎 「じ、事故だ!そう、事故なんだ桜!」
桜 「そうですかあ。じゃあ先輩はそのままその谷間で事故(ちっそく)死
したらどうですか?」
ライダー「さ、桜、まさか令呪を!!」
士郎 「待っ、やめ……むぎゃっ」
658.「我を忘れている自分を冷静な目で観察しているもう一人の自分に
気がつく瞬間が誰にでも必ず来るんだよ・赤」作:新兵Gさん
(タイトル:「ムーたち」/榎本俊二 より)
凛「!ってなにをしてるんだわたしはー!?
あーもうちょっとで大失敗ねまったく。あぶないあぶない。
さてこれ、どうやって隠蔽しようかしら」
弓「で、隠蔽しようとして、こうなったのか。
次は冷静になったついでに反省もしよう」
凛「いいから早く火消しなさい火!火事になる火事ぃー!!」
659.「我を忘れている自分を冷静な目で観察しているもう一人の自分に
気がつく瞬間が誰にでも必ず来るんだよ・黒」作:新兵Gさん
(タイトル:「ムーたち」/榎本俊二 より)
桜「先輩……先輩? せんぱぁ〜い?
こわれちゃったんですね、ああ残念。
姉さんもあっという間にダメになっちゃったし…
あ〜あ、もっともっと、もぉ〜っといろんなことをしたかったのに。
でも、いったいいつこわれてしまったんだろう?
そう、だって、あのときは、まだ、さくらって、たしかに、それなら、きっと、じゃあ、
どうして、あれは、やっぱり、えっと、ねえさん、わたし、だったら、なんで、だけど、
さくらって、だれ、だめ、だれか、だれも、いない、いなく、なっちゃった 」
660.「薄味で出汁はたっぷり」作:CAZZOさん
ハサン「今夜はアサリと大根の鍋です」
臓硯 「昨日は野菜の煮しめで、おとといは湯豆腐だったのう。
和食に凝っておるのか?」
ハサン「は。本に載っていたものを真似てみまして」
臓硯 「料理の本か」
ハサン「いえ、この国の昔の時代を舞台にした小説なのですが、
出てくる料理がどれも美味しそうなのです」
臓硯 「ああ、江戸時代のな……。では、酒をもらおうかの」
ハサン「こちらをお試しください」
臓硯 「ん?」
ハサン「すりおろした山芋を酒でのばして温めたものです。
これも小説に出てきまして」
臓硯 「むむむ、マスターに精をつけさせてどうするつもりじゃ?」
ハサン「いえ、決してそんなつもりは」
臓硯 「カカカ、冗談じゃ冗談。いただくとするかの」
661.「原料・その1」作:CAZZOさん
セイバー「これがミソスープですか。ミソ・ペーストで味を付けて
いるのですね?」
士郎 「その通り。Beans(大豆)が原料の調味料だよ」
セイバー「ではスープに入っている白い四角いものは?」
士郎 「Tofu(豆腐)だよ。Beansを使った加工食品」
セイバー「こちらの茹で野菜にかけるソースは?」
士郎 「Soy sauce(醤油)だ。これもBeansが原料だよ」
セイバー「私をからかっているのではないですよね、シロウ」
士郎 「もちろんだ」
662.「原料・その2」作:CAZZOさん
士郎 「左から、みりん、米酢、日本酒、酒粕、餅と」
セイバー「これがすべて同じ原料から出来ていると?」
士郎 「厳密に言えば違うけど、rice(米)という点では同じものだ」
セイバー「なんと奥深い……。私がこの地で知らねばならないことは、
まだ多いようです」
士郎 「これから知っていけばいいさ。味も一緒にね」
セイバー「シロウ……では早速、今日の夕食を」
士郎 「うん。酒粕を使った三平汁に揚出豆腐、キュウリとワカメの
酢の物を予定している」
セイバー「シロウ……」
凛 「どうでもいいけどあんたたち、聖杯戦争忘れてない?」
663.「師走」作:あかゆめさん
鮮花「……師走ね。橙子さんが走ってるイメージ……か」
式 「ないな」
鮮花「同感。でも、仮に橙子さんが走るような事態なら……」
式 「幹也が先に忙殺されてる」
鮮花「全くね」
式 「そんなツマラナイものに殺されるのか。……アイツらしいっちゃ、らしいな」
事務所に二人。ドアに気のない視線を送りながら。
664.「炬燵と蜜柑」作:あかゆめさん
式 「別に炬燵は関係ないんだな」
鮮花「……なにが?」
テーブルに皮を並べながら、キョトンとした顔で。
665.「年末特番」作:あかゆめさん
鮮花「式、なにか見たい番組ある?」
式 「いいよ、別に、なんでも」
鮮花「これだけあればチャンネル争いも起こらないわね……」
式 「全部つけてみたらどうだ? 圧巻だろ」
鮮花「確かに……でも、やめとくわ。聖徳太子じゃないんだから」
式 「それもそうだな……」
666.「明けまして」作:あかゆめさん
鮮花「……明けたわね」
式 「明けたな」
鮮花「……明けまして、おめでとう。式」
式 「ああ。明けましておめでとう。鮮花」
667.「初詣」作:あかゆめさん
幹也「ごめん! 二人ともお待たせ」
鮮花「明けましておめでとうございます。兄さん」
式 「コクトー、明けましておめでとう」
幹也「あ……う。明けまして、おめでとう。二人とも」
式 「ふん。まあ良い。行くんだろ? 初詣」
幹也「うん。下で橙子さんも待ってるから」
鮮花「じゃあ、行きましょうか、にいさ……幹也」
幹也「うん。あ、外は寒いから、もう一枚上に着た方がいいよ」
鮮花「……はい。兄さん」
式 「……」
668.「義妹」作:あかゆめさん
式 「あ、そうだ。鮮花」
鮮花「……なによ」
式 「やろうか? お年玉」
鮮花「いらないわよッ!」
669.「聖杯はマスターに相応しいサーヴァントを招く・その1」作:CAZZOさん
ゼロキャスタ「龍之介殿♪」
龍之介 「旦那、超クールだぜ」
670.「聖杯はマスターに相応しいサーヴァントを(略)・その2」作:CAZZOさん
セイバー「士郎、おかわり!」
士郎 「あいよっ!」
671.「聖杯はマスターに相応しいサーヴァ(略)・その3」作:CAZZOさん
イリヤ「パパー!」(抱きつく)
バサカ「!!――」(硬直)
672.「聖杯はマスターに相応しいサー(略)・その4」作:CAZZOさん
アーチャ「……遠坂」(口の中でつぶやく)
アーチャ「未練だな」(自嘲)
凛 「なに笑ってるのよ」
アーチャ「いやなに、紅茶の淹れ具合がよかったのでな。
焼きたてのマフィンと一緒に味わってくれ、マスター」
673.「聖杯はマスターに相応しい(略)・その5」作:CAZZOさん
イリヤ「リンのお父さんは、狙ってギルガメッシュを召喚したの?」
凛 「お父さまの記録を見るとその通りよ。聖遺物も聖杯戦争のかなり
前から準備していたみたい」
イリヤ「ふーん。遠坂のうっかりつながりで呼ばれたんじゃないのね」
凛 「なんでよ! あんな万年慢心男と一緒にしないでよ!」
イリヤ「それ、墓穴」
凛 「ぐぬぬ……」
674.「聖杯はマスターに(略)・その6」作:CAZZOさん
キャスタ「当然♪」
小次郎 「宗一郎とそなたは違うだろう」
キャスタ「黙りなさい。結果がよければ問題ないわ。
これこそ運命というものよ」
小次郎 「化生の類が運命とはな(フッ)」
キャスタ「なんですって!」
葛木 「なにを騒いでいる」
キャスタ「あっ、宗一郎さまお帰りなさいませ。
なんでもありませんわ(あたふた)」
小次郎 (あの女狐がうろたえるのを見るのは楽しいなあ)
由紀香 「弟たちと会ってください♪」
小次郎 「…………(困惑)」
キャスタ(あのすかした男がうろたえるのを見るのは楽しいわね)
675.「聖杯は(略)・その7」作:CAZZOさん
昼
ランサー「ヒュッ!」
バゼット「はっ!」
ランサー「やるねえ、マスター」
バゼット「神話の英雄にそう言ってもらえるなんて光栄です」
ランサー「堅苦しいのは抜きだ。いくぜ!」
バゼット「はいっ!」
夕方
ランサー「初めて飲むが、こりゃうめえ!」
バゼット「アイルランド伝統の酒です。といっても神話には登場しませんが……」
ランサー「ふーん。まっ、なんでもいいや。これだけでも呼ばれた甲斐があるってもんだ」
バゼット「遊びに来たわけではありませんよ」
ランサー「わかってるって。おかわり!」
夜
ランサー「だから堅いことは抜きでな♪」
バゼット「あああの、ここここういうことは」
676.「対峙する関係」作:CAZZOさん
※三千三百三十二「共通の知り合いの不在」の続き
一成「そなたと私は、衛宮を挟んで向かい合っておる……」
凛 「否定できないのが残念だわ」
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