何処だろう、ここは?
 またしてもわからない場所にいる。 


 ここにいてはいけない。
 俺が見る世界の綻び、あまねく万物にある壊れる線と点。
 そういう次元とは別の世界の綻びにつながると、誰かが囁いている。
 ここに、遠野志貴がいてはいけないのだと。

 じゃあ、帰ろうか。
 でも、何処へ。
 どうしたら?


 答えは知らず、そう思う事が契機となるのか。
 周りの風景が淀んでいく。
 いや、俺の体も。
 
 薄れていく。
 消えていく。
 
 そして何もかも無くなった。
 ここには。

 最初から何も無かったが如く。
 
 空になった。
 
 
                         ……つづく



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