午後の恋人たち 新章
登場人物紹介
藤野優(ふじの ゆう)
北条坂高校一年生。生徒会副会長の一人。文系科目に関して優秀な成績を収めるとともに家庭科にも優れ、体育となれば類まれな俊敏さを発揮する。合気道の有段者でもある。礼儀正しく真面目な性格であるため、周囲から寄せられる信頼も厚い。年齢よりかなり幼く見える、愛くるしい容姿の持ち主でもあるが、本人はそれについて非常に重い劣等感を抱えている。
澤守涼馬(さわかみ りょうま)
北条坂高校二年生。生徒会の会長を務める。学年トップの成績、スポーツ万能に加えて容姿端麗という女子生徒の憧れの的である。人格面でも優れており、他人の目からすれば完璧以外の何ものでもないが、それだけに自分が自身について抱いている観念との間の大きな溝に直面してもいる。内面的には人並みの悩みもある、普通の少年である。
宍戸岸宣(ししど きしのぶ)
北条坂高校二年生。新聞部の中心メンバーである。学校内きっての情報通であり、同時に涼馬にとっては色眼鏡なしに自分を見てくれる、数少ない同世代の友人となっている。しかし悪ふざけを好みすぎる性格のため、「よき理解者」とは言いがたい。親友というよりはむしろ悪友といったほうがしっくり来る、そんな人間である。
深澄音玲奈(みすみね れいな)
北条坂高校三年生。前年度の生徒会副会長の一人。学校内最高と称される美人で、神がかり的な成績から「暗記の女神」とも呼ばれる。ただしスポーツは全くの苦手。性格的にはかなりの天然系だが間違いなく善良なこともあり、地下組織ながらファンクラブまである。最近その美しさに特に磨きがかかった、などと言われることがあり、本人もそれを否定していない。
手塚昭博(てづか あきひろ)
継谷高校二年生。自称玲奈の「知人」。最近よく北条坂高校近辺に出没する。玲奈の体面をはばかってか、特に北条坂高校の生徒に対する人当たりは非常に柔らかいが、実は驚異的な口の悪さと天性の格闘センスを有する喧嘩の達人である。