そらのやま「旅行記」Yukito Shimizu

とし子の旅日記 ニュージーランドの旅 N05

 幻想的な輝き土ホタル(世界遺産テアナウ洞窟)
 ホテルで夕食後土ボタルの見学へ。港で船にのると言うことで,夕闇の中,三々五々に歩いて出発する。大きな観光船に40分くらい乗って着いた観光センターのようなところで土ボタルの説明の映画を見る。ここからは12人位しか乗れない小さな船に乗り換えて洞窟の中に進むのだそうだ。何組かに分けられ,コーヒーや紅茶のサービスで待つ。
 いよいよ,私たちの番となり,暗がりの中を降りていくと,小さな船が待っていた。船には真中に長い台があって13人が背中合わせに座る。マレーシアでホタル鑑賞をした時は,ホタルは音を立てると逃げてしまうので,充電式の電動モーターを使って音もなく水面を走っていた。ここではどうするのかと思ったら,狭い洞窟の天井に太いワイヤーが張ってあり,船頭(若い男性)は,ワイヤーを巧みに操って洞窟の中に入っていく。なるほど狭い洞窟にひひぴったり。
 洞窟はライトアップされ,何千年もかけて削られた石灰岩の造形と,岩を削りながら流れる激しい水音のこだまで,古代に遡っていくようだ。この洞窟はマウイの伝説「ほとばしる水の洞窟」を手ががりに冒険家が探し当てたそうだ。
 船をすぐに降り,低い岩の下をくぐったり,滝のような水飛沫にかけられた鉄網の橋を渡ったりしていくと,第2の船乗り場に着く。懐中電灯に照らされながら,また同じように背中合わせに13人が乗ると,懐中電灯が消され,突然暗闇となる。暗闇の中をワイヤーを操りながら船は奥へ奥へと進んでいく。光が見えた。天井いっぱいに無数に光る。船が止まる。闇と静寂の中の光。幻想的で吸いこまれるような世界だ。静寂と闇と光り。
『土ボタルは昆虫の仲間で,幼虫が餌を取るためにねばねばした釣り糸を垂らして昆虫 
 のかかるのを待っている。その時明るい光を放って獲物をおびき寄せている。土ボタル 
 は空腹時より一層耀の光り輝く。』(頂いたパンフレットより)
 私たちが見た土ボタルは,空腹だったに違いない。
 帰り,星を見ながら,土ボタルの輝きと星を重ねながら,ホテルまで歩いて帰った。

 秋色のニュージーランド満喫
5日目,ワナカの朝も晴天。ゴールドラッシュで栄えたちょっとおしゃれな町アロータウンを歩き,ワイナリーでワインを味わいながらの昼食など,目もお腹も満足して第3の楽しみ,ワナカハイキングへ。
 まず,ホテルにチェックインしてハイキングの服装で集合。ハイキング用のバスに乗って目的地クルーサー川まで。ガイドさんを先頭に川辺を歩く。天候もよく,青空は秋色の臼茶色の山々をいっそう鮮やかにする。川はコバルトブルーで,どこまでも透明。川底まではっきり見える。対岸の木々は黄色に染まり,それが,川に映って川にも黄色の木々が逆さに並ぶ。ガイドさんは木々の名前,花の名前をよく知っていて教えてくれる。ニュージーランド各地でよく見かけた赤い実のなる低木を「ローズヒップ」というそうだ。いばらのような木で赤い実で,春はピンクの花,秋は実で山が赤く染まるほどだそうだ。鳥もたくさん見た。おしどり・ブラックバード・山鳩・扇子の尾など。野兎は原っぱを走っていた。満足のハイキングだった。一時間のハイキングの終着地に運転手さんがコーヒーの準備をして待っていてくれる。サンセット。赤く染まった山々を見ながら,お茶。