そらのやま「旅行記」Yukito Shimizu

旅行記1『窓越しのヨーロッパ』
(西欧ハイライトの旅)

15 通 貨

 ヨーロッパを旅して悩むことの一つにお金のことがある。国が違えば通貨が異なるということである。今回は三か国であったから、イタリア=リラ、イギリス=ポンド、フランス=フランと三種類のお金を使い分けねばならなかった。それにアメリカドルのトラベラーズチェックと日本円、この5種類になる。円の国の私たちは、やはり何を買うにしても円に換算しなければピンとこない。

 なるほど、1000リラ=約100円、1ポンド=約200円、1フラン=約23円と分かってはいるが、いざとなると面倒だ。ポンドを円に換算して高いか安いか考え、さらにドルに直して支払いをする、というような手続きをする場合もある。

 また、小銭は補助貨幣であり次の国では両替できない。それをいかにうまく残さず使うかも考えておかねばならない。と言って、小銭がないとチップに困る。なかなかややこしいのだ。イタリアでは両替しそこなって枕銭(チップ)を借りた。うまく小銭を使う都合で買い物をしたら、計算間違いをしていてさらに多くの小銭を持つことになってしまった。こんな話は珍しくない。

 1999年、ヨーロッパ各国の通貨を統合するという計画が進んでいるらしい。しかし、三か国だけ回ってもこんなに経済状態の異なる国々が果たしてうまく統合できるか。興味を持って見守りたい。