そらのやま「旅行記」Yukito Shimizu

旅行記2『オーストラリアに咲く花は』
1.空港にて

 12月26日、関西国際空港発午後9時。北半球の冬の国から南半球夏の国へと旅立つ。何度か海外に出かけたが、日本の冬にもっと寒いヨーロッパへ、夏に熱帯のインドネシアへなどと、あまり気候の変わらないところばかりを旅していた。したがって今回はそんなところにも興味があった。

 途中ブリスベーンに降りる。夜の飛行なので眠れるかどうかが気になるくらいで、途中のことは考えていなかった。非常にスムーズに着陸。ここで2時間ほど時間を過ごす。そうか、それでわかった。行きが11時間半、帰りが9時間というわけが。行程表も確認していなかった。のんきなもんだ。

 ブリスベーンは晴れ、気温は21度。
 ブリスベーン到着前に時計の時差調整。日本より1時間はやい。
 ここでは空港内で再出発を待つだけ。オーストラリア語で流れる搭乗案内などの放送を聞いていたが、同じ英語なのにこれまでヨーロッパなどで聞いたものに比べて、ずいぶん分かりにくい。発音がはっきりしないのだ。まちがいがあってはならないので、搭乗口近くで待つことにした。

 予定通り再搭乗出発。ハワイの方ではエアポケットによる事故があって、死傷者が出たと聞いたが、快適(窮屈さはやむを得ぬか)な空の旅であった。もっとも、シートベルト着用や足元の荷物についてのチェックは厳しかった。食事は相変わらずだが、ワインなどの飲み物は注文に応じてサービスしてくれる。ただし、完全禁煙である。愛煙家諸氏は気をつけられたい。ついでながら、オーストラリア国内での禁煙も厳しい。公共施設はほとんど禁煙と思っていい。それでも喫煙の習慣は国民の中にかなりあるようだから不思議だ。
 シドニー到着前にもう一度時差調整、もう1時間進めなさいという。どうして? シドニーもブリスベーンも1時間だったはずだ、と思うが、そんなこと調べている間もない。言われる通りにするしかない。(これについては、あとでサマータイムによる1時間の時差があることが分かった)

 シドニー空港にもスムーズに着陸。なにしろ大陸だ。空港だって余裕たっぷりにとってあるのだろう。入国審査も問題なく通過。気温は22度、思いがけなく涼しい。冬物の上着を着てきたが、脱ぐ気にもならない。