そらのやま「旅行記」Yukito Shimizu

旅行記2『オーストラリアに咲く花は』
2.ザ・ロックス

 シドニー空港を出てすぐに市内観光に出かける。

 今回の旅行はいわゆるパックツァーではなく、到着してから自分たちでコースを選ぶものだった。1日目の市内観光だけは「Look JTB」共通の観光で、オプショナルツァーについては観光の途中に案内するという。だから目的も、コースも、旅行期間もまちまちな人たちのグループである。飛行機で隣り合わせた佐山さんは、娘さんがシドニーにいるので会いに来たということだったし、結婚式を明日こちらであげるというカップルもいた。

 空港から市街地までわずか20分という近さ。関西空港や成田空港からは考えられない。市内観光の最初は、なんと免税店。ガイドも仕方なくコースに入れなければならないのだろう。どこの国も免税店に並ぶ品は同じようなものだ。第一、来たばかりで買うのもばからしい。それでも何人かは買う人もある。だからこの商売やめられないか。

 虹のような旗の上がっている家がある。
「ゲイの集まる家です。夜になるとたくさんの男性が集まります。多民族の移住民で作られているオーストラリアでは、ゲイも個性として認められています。夜、女の人かと思って声をかけたら男の人だったということもあります。」

 町を抜けて公園に出た。海に面した公園で大きな樹が所々に枝をはり、緑の美しい公園だ。遠く市街地が見え、橋も見える。結婚のカップルも結婚式の衣装で公園に訪れている。オペラハウスに行き、ハーバーブリッジを渡り、坂を上り、下り、坂の多いところだ。なんでもこのあたりはザ・ロックスと呼ばれるところで、最初の開拓地なのだそうだ。大きな岩盤にそって町ができたらしい。坂が二段三段になった道が続く。道路沿いのビルも1階は下の道路に面し、2階は上の道路に面していると言った具合だ。

 なんだか同じようなところを行ったり来たりしてくたびれた。昼食時、明日以降のオプションツァーの申し込みをする。