そらのやま「旅行記」Yukito Shimizu

旅行記5『赤い土・赤い水』
(アンコールワットの旅)
2.タイ・バンコク

 アンコールワットのあるシェムリアップに直通の便はない。タイ・バンコク経由である。8月27日午前の便で関空発、6時間の飛行時間でバンコク着。

 飛行機から眺めるバンコクは、「赤い土、赤い屋根」である。田園(いや田んぼと言った方がいいか)が広がり、しかもきちんと整備されているから、日本の田んぼと変わりがない。なぜか屋根も赤い。

 バンコクJ社のガイドの出迎えを受けて車でホテルに向かう。同乗の日本人観光客は全部で7人。ただし、カンボジアまで行くのは私たちを含めて4人。あとの3人はバンコク周辺の観光である。ホテルに向かいながら、ガイドからバンコクの話を聞く。

 通貨はバーツであり、一バーツは約3円ということ。
 空港使用料は500バーツなので、カンボジア出発時と日本帰国時との2回分(2名分2000バーツ)準備しておいてほしいということ。
 高速自動車道の料金は40バーツであること。
「ここはまだ高速道ではありません。」
 しかし、私たちの車の前後、乗用車もトラックもバイクも猛烈なスピードで走っている。
「制限速度は60キロです。でも、ほとんど守られていません。たまに運の悪いのがつかまります。」
 トヨタ、ニッサン、ホンダなどの日本車が多い。欧米車は値段が高くて一般的でない。丈夫で実用的、値段も手ごろな日本車がいいと言う。

 となりを軽トラックが走っている。後ろにバナナを積んでいるのが見える。と思ってよく見たら、人間も何人か荷台に乗っていた。トラックの荷台にたくさんの人を乗せているのは別に珍しくない。労働者の運搬らしい。

 高速に入ってさらにスピードを増す。
 1日の生活費50バーツでは無理。100バーツなら何とかできる。1ヶ月の家賃は3000バーツから5000バーツ。

 そんな話を聞いているうちにロイヤル・オーキッド・シェラトンホテルに到着した。
 2006号室はチャオプラヤ川に面したすばらしい眺めの部屋だった。
 川にはさまざまな船が行き交っている。この川の水は、バンコクの水道水にも使われているという。赤い川の濁りは常に変わらず、豊かである。
 テーブルに果物が出ていた。ランブータンやみかんなど、この土地のものらしい。遠くにスコールが見え、どんどん近づいてきたがここまではこないで過ぎていった。