そらのやま「旅行記」Yukito Shimizu

旅行記6『輝きは驟雨(スコール)の後に』(マレー半島の旅)
3.なるほどすべて五つ星

 ようやく空港を出て現地ガイドのジョンさんに会うことができた。空港はクアラルンプール市街地からはなれたところにあって、ホテルまで6・70分はかかる。どこの空港でもそうだ。もちろん安全とか用地の問題とかいろいろあるだろうから難しいのだろうが、輸送方法などなんとかならないものか。
「こちらの高速道路は制限速度110キロです。みんな飛ばしています。車優先
 の国ですからですから気をつけてください。ホテルの前の道も横断は危険で
 す。」
「人はのんびりしています。ポーターに頼んだ荷物がなかなかとどかないという
 こともあるかもしれません。そんなときにはすぐに言ってください。」
 人はのんびり、車は猛スピード、これってなんだろう。
「19世紀半ば、中国からの移民がクラン川とゴンバック川との合流する地点に
 集落を作ったのがきっかけ。クアラルンプールというのは『泥川の交わるとこ
 ろ』の意味です。」
「マレーシアドルは国外に持ち出しても使えません。あまりたくさん両替えしな
 いで、全部使うようにしてください。」
「ホテルは五つ星ですから設備は整っています。テレビもエアコンも、エアコン
 は効き過ぎになるくらいかもしれません。ルームサービスもミニバーも値段は
 高い。でもなにしろ五つ星ですから。値段も五つ星。」
 ホテルのレートは1リンギット=29、5円、ガイドブックでは32円と出ていたから、ちょっと悪いか。
 夕食は9時半過ぎにワンタンスープ。ビールを頼んだら小瓶で20リンギット(約600円)ずいぶん高い。なるほどすべて五つ星。