そらのやま「旅行記」Yukito Shimizu

海外旅行二人連れ『アルプスの山々の語らい』

9.再びジュネーブへ 帰国の途へ (付・スイス料理のこと)
 26日の朝,ジュネーブを出発してツェルマット,インターラーケン,ルツェルン,ベルンとスイスを巡って再びジュネーブに帰ってきた。
 ジュネーブは人口約18万人,首都ベルンの1.5倍である。しかも,国連関係をはじめ,国際的な施設・機関が多く,外国人の数が市民の数より多いと言われるほどだ。

 まずレマン湖畔の免税店による。明日空港では買えないかもしれないから,チョコレートなどはここで買っておかないと行けない。店員もよく知っていて,
「ステットレーのチョコレートはこちらです。」
と案内する。どのくらい日持ちがするか確かめていくつか買う。たくさん買っている人もある。どこに配るのだろう。
我が家では水遣りをお願いしている近所の人と息子だけなのに。
 我が家の記念品は何にしようか。今まで店をあちらこちら見て回ったが,適当なものがなかった。そうだ,カウ・ベルにするか。あのアルプスの牛や羊たちがつけていたものだ。牛や羊の群の中でもリーダーにはいちばん立派なベルをつけるのだそうだ。放牧されていてもちゃんと飼い主の思うことを理解していて,群全体をリードしていく。
 この土産のベルは,もちろん本物ではないが,まあ思い出にはなるだろう。

 イギリス公園に行く。雨がひどくなっていたが,バスを降りる頃にはやんでいる。
 ここでレマン湖の大噴水をバックに写真を撮る。噴水の高さは145mにも達し,飛行機からも見えるという。風のあるときには止めなければまわりに被害が出るそうだ。
 日時計は,高級時計を売り物にしているスイスならではの名所か。公園をまわっていると外人の二人連れからカメラのシャッターを押してほしい,と頼まれる。OK,OK。

「明日は早いですよ。びっくりするほどですよ。」
 吉村さんはそう言っていたが,モーニング・コール4時30分,出発5時20分にはさほど驚かない。飛行機のジュネーブ発が7時10分なので,2時間前行動で考えれば当然のこと。ホテルはこの旅行では,広さも設備も最高。こんないい所でたった10時間ほどしか過ごせないなんて,あーあ,旅行会社はその辺りをもうちょっと考えてくれたらいいのに。今晩はこの旅行最後の会食。

 31日早朝ジュネーブ空港でスイスフランの整理をする。今回関空で多めに両替をしていたので,140フランばかり残ってしまった。紙幣は円に両替するとして小銭で買えるものを探す。
 ローマ着8時30分。これから5時間も待たねばならない。買い物をする気にもならないし,街に出るわけにもいかないし,
「ここで自由時間をもらってもしようがない。やっぱりジュネーブ・関空の直行便がいい。」などと話ながら。アリタリヤの待合室で座ってぼんやり過ごす。

 さて,最後にこれまであまり触れていなかったスイス料理についてまとめて見よう。

8.26昼 ツェルマット ラクレット(ヴァレー州が最良といわれるスイスを代表する料理)
  とかしたチーズにゆでたジャガイモなどをからめて食べる。塩味でおいしかった。付
 け合わせには,ピクルス,オリーブ,ラッキョウ(?)。とてもすっぱい
8.26夜 ツェルマット チーズ・フォンデュ(もともとは山小屋で暮らす牧童たちが固く
 なったパンを,鍋にチーズを溶かしてからめながら食べたもの)
  パン(適当にカットしたパン)をチーズにからめて食べる(初めはワインの香りが強く,
 ちょっと苦いが,だんだんアルコール分が抜けおいしくなる)      
  燻製ハム…ハムの量が多い 辛い
8.27夜 インターラーケン 豚肉の骨付きソテー
  ショーを見ながら食べる 固い
8.29昼 ベルン ソーセージとポテトのカリカリチーズ
 焼き 太く長いソーセージ 味付けが薄くおいしい
8.30昼 シヨン城 フィレ・ド・ペルシュ(レマン湖畔の
 定番料理)
  白身魚(淡水魚)をムニエルかフライにして食べる
 温野菜 ライス
8.31夜 ジュネーブ ミート・フォンデュ(フォンデュのバリエーションの一つ・写真)

 山間部の料理は全般的に辛い。岩塩を使うからだ,とも言うが,やはりその土地の味付けの特色ではないか。日本でも東に行くほど辛い。チーズが多くて私たちは飽きてしまう。ポテト料理は素朴でおいしい。ピクルスがよくつくがすっぱい。
 都市部の料理は味付けが薄く,私たちにはよく合っておいしい。山間部でほとんどつかなかったスープ,デザート(果物,アイスクリーム)がつく。
 全般的に野菜が少ない。パンは種類も多くおいしい。

終わりに
 天候に恵まれて,アルプスの山々はそのすばらしい表情を私たちに見せてくれた。山々の語らいがまだ聞こえてくるような気がする。
 厳しいアルプスに対比するように、市街地の湖や家々は、歴史の深さと風景の温かさを見せてくれた。都市部の観光では,歴史のわかる博物館などの見学もしたかった。通りを歩くだけでなく,立ち止まって歴史や暮らしをじっくり考える時間もほしかった。
 ガイドも兼ねてくださった吉村さんは,とても素晴らしい添乗員だ。事前の注意事項,説明も落ちがなかったし,トイレのことなど常に気遣っていた。ホテルのチェックインも,時間をうまく見つけて事前に済ませていた。
 黙って5日間の安全運転に心がけていたバス運転手のオルドーさん。
 二人に感謝,感謝。 
 また,いつの日かよい旅を。(終わり)