空の山通信11

No.556  次男夫婦の帰省

 去年の9月に結婚式を挙げた次男夫婦が1年ぶりに帰ってきた。前回は結婚前で,「結婚します」という報告に来たのだった。1月の終わりごろで天気が心配されたが,ずいぶんいい天気で,鳥取空港から少し足を延ばして砂丘見物に案内したものだった。
結婚式は東京で挙げたので,それ以来の帰省ということになる。こちらの親戚にも顔を見せるという目的もある。

 やはりこの時期なので雪の心配もあるが,大雪の心配はなかろうと私は思っていた。でも,天気予報が安定しない。
羽田から次男が電話してきた。「出発はするが到着地の天候によっては降りられないかもしれない」と放送している,ということだった。「じゃあ大丈夫だ,こちらはたいした雪ではない」と,私は言う。飛行機は少し遅れたが無事到着。

翌日は雲ひとつないほどに晴れわたった。
妻の親戚のいとこを中心に,妻の実家のほうに集まろうということに決めていた。なんでも20人近く集まるらしい。ちょっとした披露宴だ。まあ派手なことをするわけでなく,少し盛皿を取って,あとは手作り料理でわいわい騒ごうというものだった。我が家の長男はちょっと行けないからと,お祝いの酒を送ってきた。乾杯に使ってほしいという。なかなか気が利く。

妻が料理にかからなければならないので,2時間ばかり早く出発。妻をおろして,ちょっとした観光案内をする。この東郷池周辺は私の持ち場といってもいい。池の北側の小学校に5年,南側の小学校に3年勤めていたので,まわりの様子は知りつくしているというわけだ。燕趙園という中国庭園が近くにあるので,まずそこに向かう。途中学校建築の工事をしているところを通りかかった。旧羽合町の二つの小学校が統合して新しい小学校が4月から出発するという。
「すごい学校ができるんだなあ。」
と,息子たちは感心している。

 燕趙園はできてから10年経つ。東郷池を背景にしたこの中国式庭園は私が旧東郷町に勤め始めた年に開園したので,はっきりとした記憶がある。ただし,県の施設としてはなかなか収入が上がらず,経営上難しい面もあると聞いている。でも,日本には数少ない公園なので初めて見る人には珍しく,面白い。
 ちょっと時間が残り少なくなって,土産物屋をざっと見た後東郷池をぐるりと周回するコースを取る。山の上から池を眺め,東側を通って帰った。
 宴会場にはもう何人かの人が来ていた。勤めの関係で遅れてくる人もあったが20人くらい,新しい夫婦の誕生を喜んで賑やかな会になった。