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ジャガイモ植えの時期になった。我が家の小さな菜園に,毎年作っているもののひとつである。 「ジャガイモは根か茎か」という話はよく聞く。答えはもちろん茎。ジャガイモはナス科の植物である。その証拠に花はナスによく似ている。同じナス科の植物にトマトがあり,これをバイオテクノロジーによって細胞を融合させて雑種をつくることができる。地下にジャガイモ,地上にトマトという夢の雑種である。しかし,トマトの実もジャガイモの芋も小さなものしか得られなかった,という(稲垣栄洋著『身近な野菜のなるほど観察記』より要約)。 ジャガイモは冷涼な気候ややせた土地でもよく育ち,栄養価も高い。特に北ヨーロッパでは重要な食糧となっている。原産地南アメリカ・アンデスからヨーロッパに伝えられて,ヨーロッパの食文化は大きく変わった。 さて,我が家に帰る。狭い菜園なので,種芋は20個もあれば余るほどだ。芽のあるところを確認しながら半分に切れば数は2倍になる。その前に畑の準備をしておかなければならない。冬の間放っておいた畑の草取りをして,鍬で打つ。同じところを毎年何度も使っているから,土もだんだんやせてくる。これは肥料を入れてもよくならない。と言っても新しい土を入れることは難しいから,土を元気にするものを入れてやることにする。 |