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4月の自然観察会は網代海岸で行われた。網代は岩美町にある漁業の村で,山陰海岸の中でも風光明媚なところ,遊覧船も出ている。家からどれくらいの時間で行けるか分からなかったので,たっぷり余裕を持って車を走らせたら40分で着いてしまった。集合時間まで20分,観察開始まで40分もある。少し散歩しながら待つことにする。 時間になって車を港まで移動させて,観察に出発する。村の後ろに迫る山に遊歩道が作られている。案内板を見ると「中国近畿連絡自然歩道」と書いてある。「どうして近畿?」と思ったが,よく読んでみて分かった。鳥取砂丘のほうから延びている「中国自然歩道」と兵庫県側の「近畿自然歩道」を連絡している自然歩道だというのだ。この網代から陸上(くがみ)を越えて兵庫県につなぐ16.5kmの道という。途中,鴨ヶ磯,城原海岸(いずれもこの会で観察した)など景色のよいところがたくさんある。 道を登りかけたところで早速観察が始まった。側に白い花が咲いていた。先生のお世話になって私たちの多くは図鑑(『原色植物検索図鑑』北隆館)を1冊持っていた(注文をとった観察会を欠席していた私は,他の人より遅れてこの日の帰りに手にしたのだが)。その使い方をこの花で説明しようということだった。 スミレがあちこちに咲いている。毎年この時期の観察会ではスミレの話を聞く。県内の山地に多い仲間に,タチツボスミレ,コタチツボスミレ,テングスミレ,シロバナタチツボスミレなどがある。それらが私たちの歩く道々たくさん咲いていた。 ちょっと寒く小雨の降る中,山陰松島とも言われる景色の海岸を歩きながら,自然を満喫した4月の観察会だった。 |