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No.601  初夏の庭から・花

 中国地方の梅雨入りが6月8日。2日ばかり雨が降ったが,それ以以後よい天気が続く。梅雨の晴れ間というにしては長すぎる。気温はどんどん上がって暑いばかりだ。しかし,夏の花々にとっては格好の季節の到来だ。
 この時期の代表アジサイにとってはちょっぴり雨が少ないが,花を見せだした。アジサイは,漢字で書くと「紫陽花」これは漢名,わが国では「アズサイ」アズは集まること,サは真,イは藍を省略したもの,藍色の花が集まって咲く様子を表したものだとか。土の酸度によって色が変わる所から「移り気」などの花言葉もある。

 アッツザクラはもう終わりごろになっている。ヒガンバナ科のこの花は正しくはロードヒポキシス,和名はギンバイザサ。なぜアッツザクラというのかは不明。鉢植えしていたのが他の草に負けて消えそうになっているのを,草をとって植え替えをして,少し手を入れてなんとか復活した。アフリカ原産のためか「冬は室内で」と本には書いてあるが,凍らせなかったら冬越しも問題ない。

 クロタネソウは本には春の花で出ているが,この時期に咲いている。7・8年前には庭中に広がって咲いていたが,だんだん少なくなり,なくなっしまうのかなと思っていたら,また元気を取り戻した。学名のニゲラも「黒い」という意味なので,黒い種子が語源になっている。
 写真の針に包まれたような袋の中に小さな種子が何列にも並び,黒い胡麻粒のように熟して回りにこぼれる。

 アスチルベ,ユキノシタ科アスチルベ属の多年草。ギリシア語の「アスチルベ」は「美しくない」の意味だとか。なんと失礼な名前を付けたものだろう。穂状になっている花全体を見ると大きくきれいなのだが,一つ一つの花はあまりパッとしないところから来ているという。我が家にはピンクのものと白いものの2種類が咲いている。

 ホタルブクロの季節になった。蛍が出るこの時期に咲く。捕らえた蛍をこの花の中に入れて持って帰ったのでこの名がついたのだという。梅雨のころに咲き出すのでアメフリバナ,かたちからツリガネソウという名前もある。鳥取市付近は白い花が多いとテレビで言っていたが,我が家のものは紫がかった花が多く,白い花のものは僅かしかない。

 植えているものではないがドクダミをあげておく。陰地,湿地に多く生える多年草。葉は心臓形をしていて臭い。花弁のように見える白い十字形のものは苞で,その上にある淡黄色の棒状のものがたくさんの小花の集まりである。においが強くあまり好まれない植物だが,葉や地下茎には十種類の薬の効き目があるといわれ,ジュウヤクの名がある。

 他にもベルフラワー,キンシバイ,トケイソウなどについても書きたかったが,紙面がない。