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空の山通信11

No.620  教育振興尚徳会

「教育振興尚徳会」というのは,鳥取大学教育学部の同窓会の正式名称である。以前は「鳥取大学教育学部同窓会」と呼んでいたのだが,法人化が問題となって名称変更をした。これには同窓会の持つ資産が絡むという。どれだけの資産が有るのか私は知らないが,「同窓会」という親睦中心の会だと,その資産には税金がかかるということになったらしい。その金額も半端なものでなく,資産を金に換えることも出来ない(よくはわからないが,営利目的となるのではないか)。
 法人ということになると資産への税金はかからないが,それなりの目的と活動がなければならない。つまり,親睦団体でなく多くの人たちのための活動を行うことを目的とするという規約を持たなければならない。
 何年か前にそのような作業が行われて,法人として認められた。見て分かるとおり「教育振興」に関する事業を同窓会員以外の人も対象にしながら行わなければならない,ということになったのである。

 この会の県内の支部は書く郡市にあって,それぞれが活動をしている。旧気高郡にも200名以上の会員があり,総会を持ち,研修会を開く。と言っても,「同窓会」的なつながりがだんだん薄れて,実際に集まるのは多くて20名から30名くらい。中には会費さえ払わない会員(会員とは言えなくなるが)も増えてきているという。鳥取大学教育学部の学生も以前は県内の人が多かったのだが(地方の教育学部ということ,また,前身が師範学校ということから,県内の学生を多めに入学させるようにしていた),だんだんと県外からの入学が多くなってきている。その分「同窓生」「先輩・後輩」というつながりが薄れてきていることは確かだ。

 さて,本年度の総会研修会の参加者は全部で17名。近年に比べて最も少なくなっている。例年の通り昨年度の庶務・会計について報告・承認,18年度の事業・予算について協議し,新役員を選出する。
 その後今後の問題として,これまで各学校に任せていた地域会員の集金などについて改める方向で考えていくことを確認する。

 会員研修は「和紙の話」と題して青谷町の大因州製紙KK社長の秋吉保久氏から話を聞く。鳥取県でも青谷は佐治と並ぶ和紙作りの里として有名である。
 因州和紙は360年の歴史を持つが,今も常に新しい模様,新しい色を求めて,研究を続けているという。和紙の原料といえば,コウゾ,ミツマタ,ガンピといわれるが,スギ,タケ,ワラ,アサなどではどんな紙ができるか,クロボク土,トロロアオイなどではどんな色が出るのか,ガラスを紙の中に入れるとどうなるかなど,今も続けられている研究についてその成果の一端を紹介された。なかなか億の深い話であった。

 その後懇親会。参加者は少なかったが,いろいろと勉強のできた会であった。