電力中央研究所は横須賀市の相模湾側、陸上自衛得体や市民病院の近くにあります。 2003年10月11日(土)、研究所公開がありました。 電車の駅は近くにないので、適当な駅(逗子駅、横須賀中央駅、野比駅、三崎口駅)から市民病院行きのバスで行きます。 付近には富士電機(電力系企業ですね)の研究所や立教大学の原子力研究所があるので、電力系研究所が集った立地の様です。
研究所を外から見ると、球形やドーナツ型の高圧電気の実験設備と思われる変な金属物体が立ち並んでいます(
これを見てると鉄腕アトムにが出てきそうな気がする)。
敷地は結構広く、大きな駐車場や、芝生のグランドがあり、弁当を広げている人もいました。
高電圧実験をしてるので、広い敷地がないと怖いですけどね。
一般公開で高圧放電系の実験を3つしていました。
1つめはアーク放電です。
2本の鉄パイプ間に高電圧をかけると、その間にアーク放電が発生します。
青白い火の様な感じで、火がつくとパイプの間を上に上っていきます。
10m以上離れていたので、近づくとかなり危険なのでしょう。
別の棟では雷のモデル実験をしていました。 模型の木の下の左右に人形を置いて、落雷実験です。 落雷は一瞬なので写真は取れませんでした。 代わりに、黄色い線で雷の流れを書いてみました。 落雷の瞬間はバシッという大きな音とともに、光の線が一瞬見えます。 左の人形は木から少し離れて座っているので、いつも木から右の人形に落雷します。 実験室の空間は、本物の木と等身大の人形を置くだけのスペースはなかったみたいです。 といっても、ここに限らず、この研究所の実験棟はとても大きな空間になっています。 展示会場に使っていた建物は6階建てぐらいの空洞の建物で、本物の木と等身大人形で実験はできたでしょう。
3つ目の放電系実験は、碍子の放電です。
高圧線の鉄塔には、電線をささえる碍子が数十個並んでいますが、この上で漏電がおきるとどうなるかを見せてくれました。
3連の碍子に最初に大量の水をかけ、漏電しやすくします。
さらに通常より高い高圧電気をかけます。
すると碍子の表面で橙色に近い炎があがります。
水蒸気も出てるようでした。そして炎がだんだん強くなり、最後にバーンと光って終わります。
実際の鉄塔で電圧を低くしているので、この様な事が起こるのはまずないと思います。
しかし、湿気の強い夜に鉄塔を見ると青白い色が見える事があり、微量の漏電はけっこうおきているみたいです。
この碍子、遠くから見ると大きさは感じないけど、展示品をみたら、直径30cm以上あるような大きなもので、
これが電圧によって数十個連結して使うそうです。
1個あたりの重さもかなりあり、人が持って鉄塔を上るのは不可能です。
また、海沿いのほうが塩分が強いので碍子を長くするなど、鉄塔の気象条件により付け方が違うそうです。
2003年4月にできあがった放射線を扱える建物の見学ツアーがありました。
放射性物質を扱うので、排気排水等の放射線検査や浄化設備、入り口でのICカードや指紋認証チェックなどがありました。
実はまだ稼動していなくて、放射性物質はまだ建物に持ち込まれていません。
そのため、比較的気軽なツアーになっていました。
写真にあるように、放射線管理区域の立ち入りは特別な服を着るのですが、このときは着る必要はなく、ただ、試し、で着ていました。
実際に放射性物質を扱うようになると、妊婦や老人は立ち入り禁止で、被爆量を計測する機器を個人毎に付けたり、
出る際に放射性物質が付着していないか検査するなど、けっこう面倒になるそうです。
実験設備を作った理由は、放射線による材料劣化を研究するためだそうです。
実際に放射線管理区域に持ち込む放射線物質は小さいもの(直径5mm、厚さ1mm以下の試験片)だそうです。
放射線管理区域内には実験、というより観察用の装置が並んでいました。最初の部屋の4つの装置は、金属表面の観察用らしいです。どのような物質どれだけが付着しているかなどを調べるみたいです。奥の部屋には透過型電子顕微鏡が置いてあり、資料片の内部の原子の状態を見るそうです。まだ電気工事が済んでいないそうで、顕微鏡の映像を見ることはできませんでした。
研究所公開のわりに、けっこう近所の子供らしき人達がいっぱいいました。なんでかなぁと思いましたが、実はわたがしやポップコーンやジュースを無料でだしていて、それが目当ての人も多かったようです。その証拠にわたがしやポップコーンには長い列が出来ていました(生産が追いつかないみたい)。その他に、研究とは何にも関係ないと思うけど、ゲームコーナや、ミニ鉄道などが出ていました。ミニ鉄道は300系新幹線と、SLがありました。SLは火を焚いて上記で走る本格的な模型ですが、行ったときちょうどSLは調子が悪くて整備をしていました(煤の掃除をしていたみたい)。
電力中央研究所(http://criepi.denken.or.jp/jp/index.html
Presented by Ishida So |