2004年12月5日。 横須賀市自然人文博物館の特別展「ホタル点滅の不思議―地球の奇跡」の展示説明があると 市の広報の載っていたので、行ってみました。 1年ちょっとぶりです。
14時に解説の方が来ました。 実は不定期に解説展示をしていたそうです。 この日は数十人集ってしまい、ビックリしていました。 横須賀市博物館の初代館長の弟子だそうです。
特別展示室の正面に通称蛍の木の写真が張ってありました。 ニューギニアにある蛍が集ってくる木です。 大体500m間隔ぐらいであるそうです。 蛍自体は寿命が1週間ぐらいですが、入れ替わりで集ってくるので、年中光っているそうです。 どうしても見たかったものだそうです。 どんな木なのか見てみたいですね。
トリビアで出たので有名になってしまいましたが、 ゲンジボタルが西と東で発行周期が異なる話も出ていました。 周期だけでなく、発光パターンにも調査していて、数々の方言があるそうです。
ホタルは発光で会話しているだけあって、目がいいそうです。 走査電子顕微鏡で拡大してみると複眼が大きく発達している事がわかります。 ホタルの仲間には、昼行性で光らないのものも多いそうです。 このような蛍は光ではなく匂いでコミュニケーションを取るので目ではなく触覚が発達しているそうです。
日本は密度と種類の多さで、まさにホタルの国だそうです。 羽が退化したホタルでアジアと祖先を同じくするホタルもあり、 その分布からかつて大陸と地続きのときに渡ってきたと考えられるそうです。 イリオモテボタルにいたっては、生態や発光形態から考えて近縁種であるものが 東南アジアだけでなく、南米に存在し、大陸移動を裏付けています。
ホタルはいやな匂いや分泌物で外的から身を守っているそうです。 このため発光して目立つのも警告シグナルの意味にもなっているそうです。 そして、このホタルにそっくりな擬態昆虫もいるそうです。 ホタルはホントは嫌われ者なんでしょうか?
各地に藁か何かで編んだ、ねじれた形のホタルカゴがあるそうです。 由来は不明だそうですが、本物は上と下が空いていて、捕まえた蛍が逃げれるようになってます。 これは日本人の、自然を自分のものにするのではなく、自然を借りていずれ返す、 という自然観によるものだそうです。
ホタルの生物的な展示だけでなく、人間とのかかわりも展示してありました。
木の伐採・道路建設・取水・人工照明によるホタルの衰退、
どぶ川の再生によるホタルの復活など。
隣では三浦のホタルに関する、それぞれの会の展示がありました。 小学校や地域によるホタルの保護・再生の取り組みが紹介されていました。 見てみると5月から6月にかけて毎日観察して、数を数えているようです。 多い日で数十匹、6月中旬の暑い日が多そうですね。
ちょうど岩戸でホタルを放しているほたるの会の人がいて、話をしてくれました。
ホタルを取り戻す活動を始めて、最初の5年間は幼虫を放してもホタルが飛ばなかったそうです。
下水道が整備されて水がよくなってきてからホタルが飛ぶようになってきたそうです。
ホタルは苔か何かに産卵するので、大水が出た翌年は、多分流されてしまい、数が少ないそうです。
博物館の隣には中央公園があります。 横須賀中央駅の近くで、電車からも見えるのに、行きにくい、 不思議な場所にある公園です。
高台にあるので、横須賀市の中心部が一望に見える、景色のいい公園です。 昭和45年開園だそうで、比較的新しい公園とも言えます。
この場所は元々「米が浜演習砲台」という砲台だったそうです。 砲台そのものは取り壊されて跡は確認できませんが、その地形を利用した公園だそうです。 戦没者慰霊塔や平和モニュメント(我が子はこのモニュメントを「か」と呼んでいます) があるなど、平和を願っての公園の様です。
平和モニュメントはステンレス製で、宇宙と地上の対話のシンボルだそうです。 微妙にくねった形が面白いです。
その他に、岩野泡鳴の文学碑、デッカー司令官胸像、島田修二の歌碑、などがあります。
一角だけ公園らしく遊具が置いてありました。
象に見える、現代彫刻の様な、滑り台でした。
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