吉野家ディー・アンド・シー 第48期定時株主総会、質疑

質問 はなまるの株式を33.4%取得してるが、1枚33万円はちょっと高くないか。
回答 はなまるの価格は、金額は手数料込みで1株33万9000円。 はなまるの3年間の中期計画を検証し、将来価値を元に現在の割引価値を算定し、 監査法人と証券会社に確認を取った。 はなまるは創業4年でさぬきうどんのセルフとして200店規模となった。 2003年度のさぬきブームの終焉で2004年度後半は売上げが落ちている。 しかし、品質やサービスの改善やフェアにより2005年は売上げが回復している。

質問 はなまるのマザーズ上場延期になった。 昨年、何か問題があるのかと聞いたがはっきり答がなかった。 しかし、前田社長は豊田商事を勤務を隠していた。 さらに、前田社長の高松の別の会社は、不正に介護保険を受取っり、取り消しにされていた。 これを知っていて業務提携をしたのか。
回答 はなまるの取得は数社の競合になっていた。 はなまるから是非と吉野家を指名してきた。 総会で取引先の社長の人物を言うのは適切ではないが、少し話す。 前田社長は新入社員として豊田商事に入っていて、そのことは後悔している。 介護保険に関しては法的な無知により起こしたと言っている。

質問 ゼンショーが吉野家を上回った。 松屋にも抜かされそうである。 米国産でないと味が出せないと言っていたが、輸入再開しても全ての店に供給できる量ではない。 経営戦略ミスではないか。 競合他社に比べて負けている責任をどう取るのか。
回答 前期の赤字は結果責任なので反省すべき事である。 前会長を含め、報酬の2割カットをしており、役員賞与もカットの予定である。 同業他社は評価のためにウォッチいているが、勝つ事を目的とはしていない。 1店舗あたりの客数をバロメータにしている。 前期は上期が赤字であったが、下期は黒字になっている。 牛丼を売る売らないの話であるが、他社の牛丼と吉野家の牛丼は期待するものが違っている。 それが収益性の高さになったと考えている。 基本的な戦略に誤りはないと自負している。

質問 吉野家の牛丼以降の味付けについて、豚丼を除いて甘い。 カレー丼も甘い。 牛丼は旨みがあった。 今のは甘みが強すぎて旨みが消えている。 味付けをどう考えているのか知りたい。
回答 今の指摘は商品開発チームに日頃言っている事なので心強い。 今期も商品の充実を課題にしている。 今の商品の味の向上と新商品の追加がテーマになっている。
回答 味は人の嗜好がある。 飽きられない味がコンセプトになっている。 いろんな人に食べてもらって調査した結果、甘めのほうが評価が高かった。 どこをどうすればいいのか日々研究している。

質問 吉野家は他と競争しない、味を追及すると行ったが、戦略を説明して欲しい。
回答 牛丼の商品開発はUSビーフ以外でも取り組んできたが、量的にカバーできなかった。 USビーフ以外は1頭買いで必要な部位だけの取引が出来ない。 これでは味の均一性が保てず、高くて不味い牛丼となってしまう。 マスコミの印象で他社が牛丼で回復したように言われているが、実際には他社も2ヶ月で前年割れをしている。 輸入再開が永遠にないなら他の方にいかないといけないが、 一時的なことで変えると長期的なイメージのダメージになると考えている。 過去の失敗の経験から、長期的に考えるのが正しい。 赤字でキャッシュアウトが続くなら問題だが、キャッシュアウトはおきていない。 利益率は3〜5%となっているので急に変えるべきではない。 同業他社との競争に煽られて刹那的に対応すると方向を誤る。 競争を意識しない方が結果的に正しいと考える。

質問 牛丼を止めてから新商品を出しているが、新商品を出すメリットがわからない。 この前あったのが食べれなくなることにガッカリしている。 同じ物を作り続けることが吉野家のメリットではないか。
回答 今の品目は目指す水準には至っていないと考えている。 既存商品も、素材の求め方、加工工程の改善により値打ち間を高めていく。 1年の努力ではまだ見逃しがあると考えて、10品目ほど新商品の実験をしている。 それで客が増えるか粗利が増えるかを見ている。 新商品は3ヶ月で客が元に戻る。 言われている通り新商品は少ないほうがいい。 しかし現在はベストではないと考えている。 輸入再開後は単品とメニューミックスを並行展開を考えている。 単品では1000店舗、飽和点は1500店舗と考えていた。 メニューミックスを別に作ると2000〜3000店舗の可能性を作り出したと考えている。

質問 行った店で豚丼が辛かった。 実験的にしているのか、地区毎の味を変えているのか、作るうえでのばらつきか?
回答 店舗オペレーションの課題はどの店でも同じ味にする事である。 指摘されたことは、オペレーションの不安定性の表れである。 改善していきたい。

質問 議長の答弁が長くてだらだらしている。 社長の会社説明になっている。 質問も聞きたい事を言える様に議長の答弁を短くして欲しい。
回答 社内でも言われている。 言い訳をすると、個人株主が増えて、日頃接しない人がわかるように噛み砕いてといわれている。 元々のキャラクターに加えて、このために長くなっている。

質問 吉野家のメニューは安い早い旨いだが、 これからの時代は早く食うだけではない。 お店に少しムードを入れてもらえるといい。
回答 そういう環境についても課題と思っている。

質問 安定配当はわかりにくい。 赤字で配当を出す必要はないのでは。 配当指向を言うべきではないか。 配当に関する公約を言うべきではないか。
回答 配当性向は長期利益に対して30%を言い続けてきた。 その考えでは赤字では無配が正しいと考える。 その点を社内でも議論した。 しかし、下期は黒字であり今の事は一過性であると考えられる事や これまでの配当実績から800円がせいいっぱいのレベルと考えた。 また長くなってすいません。

質問 新任候補の能登さんについてどういう人かわからないので紹介して欲しい。
回答 総会では異例ですが紹介します。

質問 吉野屋の人材が入らないのか。
回答 取締役は一番いい構成を考えている。 実務的にはプロパーがいいが、客観性が欠け易い。

質問 役員が何でこんなに株を持っていないのか。
回答 ここで書いてあるのは2月28日現在なので、新任の人が0株という事は起り得る。 取締役は企業価値を高めるメンバーなので、株数ではない。

質問 取締役の数を絞って経営スピードをあげる執行役員制度を入れないのか。
回答 執行役員制度の功罪はいろいろある。 人を絞ればいいのではない。 コンプライアンスやガバナンスなど経営に求められるものは検討している。 今の時点で経営にマイナスは見当たらない。

質問 能登さんを入れる理由を説明すべきではないか。
回答 能登さんを選択した理由は伊藤忠商事で食品食材に長い経験を持つから。 実務的にもガバナンス的にも期待している。

質問 粉末でない味噌汁が飲みたい。
回答 味噌汁は改善に努めたい。


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