2006年3月30日。 会社を休んで、子供をつれて、ANA機体メンテナンスセンターに見学に行きました。 見学はANAのHPで、6ヶ月前から予約できます。 場所は普段行くことのない、羽田空港の多摩川よりの整備区域の中にあります。 とりあえず羽田空港駅まで行き、タクシーに乗ることにしました。 第1旅客ターミナルのほうが近そうなので、第1旅客ターミナルからタクシーに乗ると、 タクシーは第2旅客ターミナルの前を通って行きました。 あららら。
ANAのメンテナンスセンターに着くと、警備の所で「見学者PASS」と書かれたシールをもらいました。 見学者は胸に張っておくそうです。 中に入ると、3階の会議室っぽいところに案内されました。 途中の目印はピカチューの人形です。 中には、飛行機の模型、シート、使用済みの計器、整備士の工具、飛行機のタイヤ、 窓ガラス、翼端灯、オイルタンク、飛行機で使っている給湯器など、いろんな物が置いてありました。 壁には歴代の飛行機の写真やポケモンジェットの塗装写真などが張ってありました。 かなり興味深いです。
見学の最初は777を作るところをビデオで見ました。
組み立てには5ヶ月かかるそうですが、それを5分間の映像にしたもので、超高速で組み立てていました。
胴体は壁面パネルの上に下部を取り付け、半回転させて上部を取り付ける作り方をしていました。
その後は飛行機がなぜ飛ぶかの簡単な紹介、フラップとかスラットとかの話をしていました。
フラップとかスラットは離着陸時の低速時(といっても新幹線並みの早さですが)に浮力を稼ぐため、
翼面積を増加させる変形メカです。
途中でクイズが5問ありました。 最初の問題は飛行機の重量、ヒントは鉄道車両が1両30トンというもの。 とってもわかりません、と思ったら、机においてある冊子に書いてあったりして・・・。 他は離陸時の重量はとか、燃料はどこに積むとか、ピトー管の役割はとか、 ポケモンジェットのデザインは何種類とか、そういった問題でした。 全問正解はいませんでした。
最後に、救命胴衣の講習会がありました。
じゃんけんで勝った人が代表で救命胴衣を付けました。
うちの子供がじゃんけんで勝って、付けました。
赤い取っ手を引くとシューッと膨らみました。
感想を聞かれた子供は、「冷たい」と感想を言ってほしかったらしいですが、
うれしそうな顔で「固い」と答えていました。
その後何組かに分かれて、青いヘルメットをかぶって、格納庫に向かいました。 航空機の点検は、毎日の運行整備、375〜600飛行時間毎に一晩かけて行うA整備、 3000〜6000飛行時間毎に1週間かけて行うC整備、 4〜5年毎に1ヶ月かけて行うHMV(Heavy Maintenance Visit)があるそうです。 ここではA整備、C整備、HMVを行っているそうです。
格納庫のサイズは幅230m、奥行き100m、高さ42m、東京ドームの1.8倍の大きさ、
大小あわせて7機はいるそうです。
なにもかも大きいので、大きさの感覚がわからなくなってしまいます。
格納庫の反対側に小さく見えた時計は、実は直径1.8mもあると言われてびっくりしました。
よく見たら作業員は自転車で移動していました。
翼の位置がすでに2階ぐらいの高さと、飛行機が巨大なので、 飛行機の周りに可動式の点検のためのこれまた巨大な足場がありました。 天井には巨大なクレーンがいくつもありました。 ちょうど座席の交換をしているらしく、古い座席がずらっと置いてありました。 400席ほどあるらしいです。
777が点検中で、いろいろな部品が取り外されていました。
翼端部やフラップなどがはずされていたので、翼断面がよく見えました。
点検のためジャッキアップしているそうで、地上にいるのに飛んでる飛行機でした。
エンジンカバーが外されて置いてありましたが、半分だけで、大人の背丈ぐらいの大きさがありました。
エンジンはPRATT&WHITNEY社製だそうで、カバーにマークが付いていました。
エンジンの吸気のブレードは、1枚300〜500万円、エンジン1つで15億円するそうです。
隣には767−300が点検中でした。 ANA CARGOの機体、つまり貨物機です。 貨物なので、側面に窓はなし、旅客向けのいくつかの装備が省かれているようで、 前面から見るとすっきりしていました。
格納庫の見学を終わって、お土産買って外に出ました。
モノレールの駅へ行く途中の陸橋で、大きな段差ができていました。
埋立地なので地盤沈下がおきたのでしょうか。
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