78rpm盤を再生する
  更新日:2006.5.16


 自分はこれまでSP盤に多少の興味はあったのですが、ジャンルの少ない ソースに莫大な資金を投入するのは気が引けたため、これまでずっと避けて きました。しかし、最近になってインターネット上でかなり安価でSP盤が取引き されており、且つ興味を引くジャンルがある事に気付いてしまいました。
  

 そこで、SP盤を再生するにあたり、あまりコストを掛けずに最低限のシステムを 作るには。。。と考えインターネットで検索してみると、コスモテクノという メーカーのDJ-3500というのが見つかりました。  本来であればオーディオ用プレーヤにすべきなのですが、78回転があり 且つダイレクトドライブ式となると高額な物しかなく金銭的に選択肢はありません。  それに、これから先SP盤がどれ程入手できるのかと言う事を考えると、最初から 無理して高額なプレーヤを購入するのも気が引けます。 とりあえず2,3万円 程度内に収まるならば良しと考え、このDJ-3500を有力候補としました。
 これ以下の1万円台くらいだと、78回転が使える卓上プレーヤがありますが、 セラミックカートリッジ式の本当の安物になってしまいオーディオには 向きません。幸いなことにこのDJ用プレーヤにはオーディオテクニカ製の カートリッジが付属しており、更にSP用カートリッジが別売りされていて 一緒に購入しても3万ちょっとで済むのです。これはお買い得と言うわけで 早速購入です。
 

 DJプレイというのはレコード音源を楽器に見立てて演奏する事で、プレーヤは 楽器同様厳しい条件で使われる為、モーターはかなりタフに作られています。  また、プレーヤのモータは、ピッチ可変、逆回転の機能が必要で、しかも 回転の立上りの速さが要求されます。まぁ、一般のオーディオには殆ど意味の なさそうなのですが、78回転のような高速になると、回転系に負担を与えない 軽いターンテーブルにタフなモータの方が好都合です。また、SP盤は 78回転以外の回転数の物があるのでピッチ可変はいざという時に好都合です。 ちなみに±20%可変できるので、単純計算で62.4〜93.6RPMの範囲なら再生可能です。

 付属のカートリッジはオーディオテクニカ社製 CTH-10Gで、AT-10Gと同等の MM型カートリッジです。針圧はDJ用途なので2gと重め、出力は5mVもあり、 音質もなかなかの物です。このカートリッジが5000円くらいとすると 本体は20000円前後となり、C/Pに優れている事がわかります。  別売りのSP用カートリッジCTH-10SPは付属のカートリッジをSP盤に 対応した針になっていてカートリッジ本体は全く同じです。従って、モノラル 仕様ではなくステレオになっています。そのため、モノラル用のシステムを 用意する必要がなく、面倒なモノラル→ステレオの切替が不要で、 そのまま繋いで使えます。

その他、針先を照らすランプやストロボスコープ、カートリッジキーパーの 穴が付属しており、さすがDJ用と言うべきか細かい配慮がなされています。  一方、廉価であるが故の欠点もあり、アームとダストカバーには余り お金が掛かっていない様です。特に、DJ用の場合ダストカバーは外して 使うのが前提なので固定されておらず、開閉時にかなり振動が伝わります。

 それから、アームリフタがなく、レコードを掛け終ると手動で針を上げなければ なりません。不思議なのは、付属のEP盤アダプターがアルミ削り出しで 妙なところに金が掛かってるなという感じです。

 あと、気になる点としてはプレーヤのデザインというところでしょうか。DJ用とは いえ、某テク○クスのプレーヤ風デザインばかりではつまらないと思います。  オーディオマニア向けにデザインした製品を出してくれればコストパフォーマンス も優れているので、食指が動く製品となるのではないでしょうか。

戻る