Jimi Hendrix Experience ジミ・ヘンドリックス・エクスピリエンス  (2)



レコード棚にはジミの作品が一番多いかな.CDはリマスターされれば購入するとしてLPとの付き合いも続きます.

Electric Ladyland 1968/10/25  LP718  CD36 

米国での人気沸騰に気を良くしたジミがNYに同名のスタジオを作り、ゲストミュジシャンを迎えて製作したジミの多彩さを示したLP.良いオーディオで聴かないといけないと具体的に思ったので、前述のとおり僕をオーディオに導いてくれたLP.全体的にはブルージー、ハード志向になり楽曲による軽快さはなくなった.が、インプロビゼーション指向ではないので助かっている.作詞、演奏とも頂を極めている.デジタルリマスターCDも発売されている.CDの曲順で説明.但しCDの曲順は疑問.これは2枚組LPの米国風楽しみ方の影響?@とKのフェーズエフェクトが聞き物なのです...当時ジミ以外は何が録音されているか理解できなかったようだ...ぜひデジタルリマスター盤で良いステレオで聴いて欲しい.昔、パイオニアのセパレートではこんなふうには聞けなかった.今は判らないがロック評論家の渋谷氏は当時から高価なデバイスで聴いていた.米国の発売が英国より早かった.日本盤は米国と同じ普通の表紙で中にヌーデイストの写真の写真.英国ではこちらが表紙だったらしい.Cのステービーはジミ向きでしょう.Jが新境地では?ゾクゾクが止まらない.スタジオでこういったLPを作りたかったのでは?ソフト・マシーンの影響も強い.それはソフトマシーンとのツアー行動が多くなっていたりすることから充分に考えられることなのである.Nはデュランも喜びそう.ブルースから脱却したか? Jはギター、ドラム、ベースでできるプログレの原点ではないか?ただ、ライブで出来ないことをやってしまったので、それをいかにライブに反映するかでジレンマに陥ってしまったように思う.ビートルズはライブをボイコットしたが、ジミはもがいていた.然るにプログレ指向を持とうにも自分もメンバーにもその資質はなく、アイデアだけが先行していたのではないか?そして69年に衝撃的な「クリムゾンキングの宮殿」が発売された.ジミにはかなりショッキングな内容ではなかったか?多分エピタフのような曲のアイデアがあったのだと思う.グレック・レイクはジミとのプレイを望んでいたようだが白人文学青年とは馬が合わなかったのか実現しなかった.ジミとしても音楽のパーツになることは無理だったろう.ロックミュージシャンがジャズに向かない要素もまさに其処にある.音楽に対する感情移入の強さがロックの根底をなしている時代なのである.それを破ったのがクイーン

以後録音がなされたコンサートをあげておく。
ストックホルム・コンサートフゼット コンサート1969/1/9
ロイヤル・アルバートホール コンサート1969/2/24 →  MORE EXPERIENCE    この時のVOODOO CHILEがIN THE WESTには入っているという説もある.
サン・ジエゴ コンサート 1969/5/24
LP716 IN THE WEST3曲収録.LITTLE WING/RED HOUSE/VOODOO CHILE./前2者は最高の出来.後に stage発売.PAにはかなり悩まされたようであるけれども、ギターが冴え渡った演奏.この後ノエルが脱退するのでJHEとして最後のライブで超貴重!!
1969/6/29ノエル・レディングの脱退.7/10のビリー・コックス加入.8/18ウッドストック出演.バンドをジプシー・サンズ&レインボーといいパーカッション2名とリズムギターが加わっている.この模様は結局5枚のLPに収められている。

●ウッドストックライブ1969/8/18 米70/6発売 LP490 CD56 

94年にウッドストックライブのジミヘン版CDが発売された.LP5枚でジミのところだけ聴くのも大変だった.LPはウッドストック2を.1はLDで購入した.このCDでは12曲収録されているが、これにて一件落着と言う訳には行かないようだ.第一にウッドストックで実際には何曲演奏されたのかも定かではないから.アンコールが2曲あったようだし.IZABELLA/HEAR MY A TRAIN COMIN/BEGINNING/THE STAR SPANGLED BANNER/WOODSTOCK IMPROVISATION/VILLANOVA JUNCTION/FAREWELL/が初お目見え.トリを務める悪環境であった.凱旋気分だったのか演奏も乗っている.ノエルが抜けベースはビリー・コックス.二人のパーカッション、リズムギターが一人加入.アメリカ国家でのギターの咆哮は熱くなる.がどうやるとこういう音がでるのかと?アメリカ国家を演奏する理由が問われたけれども、最初に演奏したのは68/3だったようだ.フラワームーブメントの流れを受けたコンサートなので、ステージでジミがピースなんて言うのだけれども、如何にも恥ずかしそうなのですね.普段は意識したこと無いんでしょう.アメリカ国家演奏が話題だけれどジミはイギリス国家、蛍の光等も演奏している.このライブはジミも乗っていて名演奏の誉れ高いものです.

1969/10 ジプシー・サンズ&レインボーズ解散.バンド・オブ・ジプシー結成.


フィルモアイーストコンサート1969/12/31、1970/1/1 1999/2発売 CD47
(あの手この手で発売されている)
1969-1970の大晦日から元旦にかけて行われた米サンフランシスコ、フィルモア・イーストでのライブ.「Electric Ladyland」以後に公式にはレコーディングなかったが、契約上出さざるを得なかったバンド・オブ・ジプシー唯一の作品.本人はスタジオでの作品を出したかったらしく、良い演奏ではなかったと答えている.ライブをCD化するにあたり不思議なのは曲順のこと.どうしてライブの曲順にならないのだろうか?CD-RWで順番どおりに録音しないといけなくなるでしょう.マシーン・ガンは 「Electric Ladyland」以後ジミのやりたかった音楽に一番近いと思う.テーマはベトナム戦争の抗議だけれど.黒人だけのバンドになってしまいジミ意外はソウルの範疇なのが残念.
バンド・オブ・ジプシーのお披露目コンサートで、大晦日から正月にかけておこなわれた.ジミの演奏する蛍の光が聴けるというおまけつき.新曲が数曲入っており新境地を聴けるかといったところ.但し二日に渡って各2回、計4回のステージなので演奏の順序が今一はっきりしないのは残念なこと.コンサートのおけるバディ・マイルスとの相性は良くなかったようだ.これは聴けばわかることだけれどバディ・マイルスの曲ではっきりする.CHANGESはまだ良いとしても、WE GOTTA LIVE TOGETHERである.彼のヴォーカルとジミのギターの音色ははっきり言って合わない.声がやはり黒人特有の、いわゆるソウルのハイトーンで軽いし、こののりで曲を引っ張られるのは曲が軽くなる上、バディがヴォーカルをとっている時はドラミングが単調になる.その時のジミのプレイは自身のヴォーカルのタガが外れて凄まじい.結局イニシアチブを譲る格好にもなり、このとき時は契約で2枚のLPを仕上げなければいけない切迫感で気にはならなかっただろうが、結局は我慢ならないと思う.STOPも同様.マシンガンではマシンガンの擬似効果音をライブで再現.あらゆるギターテクニックを取り入れている.テクニックも自由自在といった感だが満足できないのは?ジミ的ブルース、アース・ブルース.このメンバーでワイルド・シングをやるとは思わなかったけれども

●バンド・オブ・ジプシー 米1970/4月 英6/12発売 LP710(上に)
→●バンド・オブ・ジプシー 2  米86/10 死後発売LP774
フィルモアイーストコンサートが発売されるまではこのLPで聴くしかなかったけれども.このスタジオ録音はクラシュ・ランディングで聴くことが出来る(LP711)スタジオの音は格別.


クライ・オブ・ラブ ツアー開始1970/4/25 ドラムはバディ・マイルス
●クライ・オブ・ラブ 米1971/3 英3/5 死後発売 LP722

バークレイコンサート1970/5/30 ドラムはミッチ・ミチェル→ LP716前述 IN THE WESTに3曲収録.JOHNNY B GOOD/LOVER MAN/BLUE SUEDE SHOES/泣かせるR&B
アトランタ インターナショナル ポップ フェステバル1970/7/4 ライブ録音.  これもSTAGEに収録.
ニューヨーク ポップ・コンサート 1970/7/17

●レインボーブリッジコンサート 1970/7/30 LP724

ハワイマウイ島でのコンサート.「クライ・オブ・ラブ」ツアーの一環で行われた.断片しか聴けないけれどもそのうちCDで全貌が出てこないかと

●ワイト島ライブ 1970/8/30 CD104 

2002年発売.それまでは断片しか聴けなかった英国ワイト島でのライブの全収録(LP716前述に2曲収録).最後のライブ録音となった.公式ステージの最後は70/9/6Fehmarn島でのステージ.会話も充分聞き取れ録音状態は良い方である.選曲も英向きではないかと.ブルースロックスタイルでのギターの演奏に賭けている印象である.フィルモア・イーストのライブと大きく違うのはバディ・マイルスとミッチ・ミッチェルの違いだけだろう.ジミ自身は変わっていないようだが、バディではリズムにのせられてしゃきしゃき弾けている感じに聴ける.気合もフィルモアのほうだろうか.マシンガンはバディのドラミングとの方が迫力あり.全体の重厚性や安定感はミッチ・ミチェル.何よりジミーのギターに合っているブルースフィーリングが重要.

1970/9/18 ジミ死亡(享年27歳、麻薬による窒息)
1970/10/1 葬儀(シアトル、墓碑はワシントン州ルントン、グリ−ンウッド墓地)

Stages 1967-79 CD48

67/9/5ストックホルム」「68/1/29パリ」「69/5/24サンジェゴ」「70/7/4アトランタ」でのライブ.死後にでた作品のなかでは録音が良い方.66’12/16にSP、67’5/12にLPデビュー.67’6/16米モンタレーで伝説のライブ.「67ストックホルム」はジミ初のスカンジナビアライブで「真夜中のランプ」の演奏には驚いた.L&Mの「サージャントペッパー」が聴けるのは楽しいがアレンジはディランの曲ほどではない.「68/1/29パリ」は2ndLP発売直後(67’12/1)のライブだから否応なしにも盛り上がる.録音は良くないがハウリン・ウルフやマディー・ウォターズのブルースが聴けるし当時の「レッド・ハウス」,「風の中のマリー」や「リトル・ウィング」のヴァージョンはスリル満点.翌日にはUSA上陸を果たす.