食べることの心理

 

 みなさんは、「食べる」という言葉から、「家族」、「楽しい」、「おいしい」「好きな人との食事」「おかあさん」など、プラスのイメージを連想すると思います。。逆に「一人で食べる」「無理に食べる」「嫌いなものを食べる」など、マイナスのイメージもありますが、あえて口に出さないでしょう。食べるとき、私たちは、色や形だけでなく、香りや見た目、盛りつけなど五感のすべてを働かせます。さらに、過去の経験も影響します。その食べ物で食中毒を起こしたり、いやな経験(給食で無理やり食べさせられたなど)をした場合は、食べる気が起きないかもしれません。初めてのものは期待や不安、警戒心を持つでしょう。お袋の味なら、自然と心も和み、箸もすすむでしょう。自分の生まれ育った土地の料理には、特別な思い入れがあるでしょう。人間は、脳で食べる高等な生物です。食べる場所も配慮しましょう。がやがやうるさかったり、逆に、シーンとして会話も声かけもない雰囲気もいけません。摂食嚥下機能に問題のある子供たちの訓練に際しても、これらのことをしっかりと頭に入れて、対応しましょう。

 

 「楽しく食べる」これがすべての基本です。

 


☆摂食機能の発達資料集☆


 

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こんなに幅のある子供の摂食機能の発達

 

食事行動の発達状況(日本児童福祉協会より)

  たとえば、はしの使い始めは最も多いのが2歳ごろですが、2歳半以降になってから使えるようになったり、1歳で使い始める子供もいて前後で2年以上の幅がある。

 

 


 

3歳未満の嗜好発達

  1. 機能と好き嫌い(心理というより生理的)

  2. 生野菜・硬めの肉は苦手

  3. 調理形態

  4. 匂いの強いもの×

  5. 辛い、すっぱい×

  6. 離乳期での食品体験

3歳以上の嗜好発達

  1. 摂食機能の安定(ほとんどの食品が摂取可能)

  2. 体験、学習(チャンス、動機付け、受入体制)

  3. 脳の発達(好奇心、競争心、知識)

  4. 心理的要素(安心感のないものの受け入れ拒否)(食品に対する印象や連想)

  5. 性格

  6. 身体の栄養代謝の変化、運動、空腹

  3歳未満は、成人の食とは、摂取の意味が違うことがわかる。大人の感覚で食事を与えてはいけない。たとえば、好き嫌いに関しては、3歳未満の場合、機能的に食べられないから出すとか、腐ったもの(すっぱい味など)や有毒なもの(苦味など)を取り込まないための反射など、生理的な意味合いが強い。色々な食品や情報があふれている現代、どのような食事を与えたらよいかは、しっかりと学ぶ必要がある。

 

 


参考文献(PDFファイル473KB)はこちらです[食の心理」調査と介護現場の食に関する一考察」


 

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