1998年2月6日 襟裳岬(北海道えりも町)
この旅は、初めて冬の北海道を訪れて、翌日には自身最低気温の氷点下20度を体感し、流氷を前に立ち尽くした思い出深いものであった。そんな真冬の襟裳岬に、人はいなかった。

澄み切った青空と、冷たすぎる空気、そして喩えようのない突風。岬は陸地の突端であるから風は強くて当然だが、風速14メートルは真っ直ぐ立っていることが難しい。貴重な体験をした。
1998年9月1日 経ヶ岬(京都府丹後町)
日本三景の天橋立や、舟屋で有名な伊根を経て、丹後半島の突端・経ヶ岬に到着。と言っても、バス停を降りて山道を下って上ってやっとたどり着く、困難が伴う旅こそ岬探訪である。

岬探訪史上初めて、灯台を見下ろした。展望台が海面よりかなり高いところにあり、その場所は灯台よりも高かった。そこから望む海岸は前年訪れた親不知海岸にとても似ていた。
1998年5月1日 尻屋崎(青森県東通村)
青森から船で下北半島の佐井へ出て、大間崎を眺めつつ右回りに半周し、田名部から半島東端の尻屋崎へ。まさに地の果てへと向かう旅。青森から6時間をかける遠回りである。

灯台と空の色が似てしまった曇天の下、寒立馬が歩き回る。胴長・短足の不恰好さもかえって新鮮。帰路は歩いていたところを、地元の人が車に乗せてくれて初のヒッチハイクを体験した。
1999年2月1日 宗谷岬(北海道稚内市)
猛烈な吹雪であった。写真を撮るどころか、歩くこともままならない。『日本最北端の地』碑を目前にしたものの、猛吹雪で視界が遮られるためそれを見失いそうになった。

風とともに、ゴォーッッッっという不気味な波の音が轟く中、ほんの一瞬、風が緩んだ隙を突いて碑まで突進。たどり着くと、今度は押し寄せる波に飲まれそうになる。やや命懸けであった。
1999年2月2日 地球岬(北海道室蘭市)
凍結している道を歩きつつ室蘭の住宅地を抜け、小高い丘を登るとたどり着く。展望台の真下に灯台がある。展望台に鐘があり、早朝にもかかわらず、鐘をカンカン鳴らしまくってしまった。

天気が悪く、見えるはずの道南の駒ヶ岳や、青森県の下北半島は見えなかった。視界はほぼ180度が海で、確かに地球が丸く見えないこともない。住宅地からほど近い、珍しい岬だった。
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