掲載日 H18/08/01

 はじめに、角膜は、眼球前面の中央部(黒目にあたる)にあり、直計は約11mm、厚さは中央部で約0.5mm、周辺部で0.7mm位の透明な組織です。上皮層・ボウマン膜・実質層・デスメ膜・内皮層の5層構造からなり、その役割は眼球の外壁を構成し形態を保持する働き。そして光を屈折し、網膜に画像の焦点を合わせるレンズとしての光学的働きです。
 外傷や病気等で、角膜に混濁や変形が生じると視力に大きく影響したり、穿孔(穴が開く)等で、役割が損なわれた時が角膜移植の対象となります。

 
角膜移植の対象
水疱性角膜症・角膜実質炎・角膜内皮変性症・角膜白斑・円錐角膜・角膜穿孔・角膜化学傷など
 
角膜移植手術術式
表層角膜移植術:
角膜上皮と実質の層を一部を切除しドナーの角膜を移植する

深層角膜移植術:
角膜上皮と実質の層を切除。デスメ膜と内皮細胞を残しドナーの角膜を移植する。
拒絶反応が起こりにくい利点があります。

全層角膜移植術:
最も基本となる手術で多く行われています。角膜上皮・実質・内皮細胞すべて切除しドナーの角膜を移植する。

輪部移植術・角膜上皮形成術

 術後は、免疫抑制及び感染症予防に薬物療法を行います。移植前の疾患により移植後の視力回復も、個々によって異なります。一般に角膜移植は、他の臓器移植に比べ移植の生着率は良いようです。

角膜は、日本での提供角膜が少なく、手術を数年間待つことが多いのが現状です。
当院では、
アメリカのアイバンク(DONOR NETWORK OF ARIZONA)より角膜提供を受け、ドナー角膜を空輸し角膜移植を行っております。
 


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