ようこそ!『もしも…』の世界へ
 このコーナーでは、現実には存在しない空想上の虫達を紹介していきたいと思います。もちろん元になった個体は現実に存在するものですが、色々と画き加えて別の虫達に変化してしまいました。
 もし、実際にこんなのがいたら…というものから、いそうでいないようなもの、ぜーったいにおらん! というようなものまで、色々作っていこうと思っています。
 あくまでお遊びですので、本気で「この虫売ってください」等と言わないように(爆)。
 また、「こんなの作ってください」というのがあればにてどうぞ。私の技量と手元の資料の範囲内であれば作ってみるかもしれません(暇があれば)。

ナイト・オブ・アンタエウス(フォーチュン産Wild 83o)
   Dorcus knight of Antaeus ssp. 

       

 近年になり Green・PlanetのFortuneにて発見された、新種のドルクス属。
 アンタエウスと便宜上つけられてはいるが、内歯が2対ずつ存在し、個体によっては上部の内歯が重なる個体も発見されている。
 生息する地域は限られており、幼虫の餌となる樹木も「セフィロトの樹」らしい…ということしか判明しておらず、特徴的な大顎に関しても、その年の気候により内歯の形状が変化するのではないかという報告がなされている。
 なにぶん個体数が少なく、特定の餌のみでなければ累代飼育は難しく、それ故に市場に出回ることはほとんどない。
 私が入手したのも現地採取であったが、猛毒の胞子を撒き散らすシダ類や肉食のダイオウヤンマーなどに怯えながらの危険な採取で、もう一度採取することは不可能に近いものであるといえる(今回はラッキーだっただけ!)。

アレクサンドラ・オオヒラタ(デン高原産Wild 100o)
   Dorcus Titanus Alexandora  


       
 
 一見するとパラワンヒラタにも似ているのだが、大顎先端部の内歯の突起の数が異常に多いのが特徴。現地では珍しい種類ではなく、飛翔性も強い為に明かりのある民家などにも良く飛んでくるらしい。
 何故今まで紹介されなかったのかは、このデン高原のある地域が稀少地域に対する国際条約機構の保護監察プログラム下に置かれ、厳重に情報管理がなされていた為である。
 今回、漸く保護プログラムが解除された為、地区限定ながら入国が可能となった次第。
 現地の人々はクワガタムシなどに何の興味も持ってはおらず、最初にこの虫の説明をするのにかなり手間取ったものである。初入荷となるこのクワガタではあるが、昔から一部マニアの間では噂になっており、話だけが先行していたきらいはあったのだが、今回こうしてお披露目が出来たので、疑惑の念を抱いてていた方も氷解されたのではないかと思う。
 今回採取してみて判ったのは、その飛翔性の高さは半端なものではなく、連続で1時間以上の飛行が可能とされている、また、このデン高原は標高3000メートルの地点にあり、常に風速30メートル以上の暴風が吹き荒れる場所であることを考慮すれば、当然といえるのかもしれない…
 累代飼育は簡単なようで、一般のTitanus同様のセットで累代は可能。ただ、羽化時期から活動の時期は2週間と早い為、掘り出しが遅れると飼育瓶の蓋をこじ開けて逃げ出す場合があるので注意。
 体長は飼育下でも100o以上にはなり、終令幼虫になれば容器の大きなもので飼育することが秘訣。

アマゾネス・ギラファ・ノコギリクワガタ(グリース王国産Wild 90o)
   Prosopocoilus Amazoness Giraffa HeavyMetal


       

 この種はギラファノコギリの亜種として、近年同定されたもの。
 産出国のグリース王国は、代々を女王が統括・統治する特殊な国である。それ故に、このクワガタも第45代コーダンテ女王の時代に名前が付けられたことに、その由来が窺い知れる(知るひとぞしる)であろう。
 この種の特徴は、内歯の数がやたらと多いことと、メタリックなワインレッドの色彩。そして、縦に配列された金属様の突起が最大の特徴である。
 その外見から別名をへヴィ・メタル・ギラファとも呼ばれている。
 攻撃性の非常に強い種類で、全クワガタ中最も移動速度が速い。そのわりに成虫の寿命は長く、長いものでは6年以上の飼育記録が残されている。
 新世紀に入ってから、この近似種に、光学迷彩のカモフラージュを備えた「クサナギ・ギラファ」という亜種が発見されたが、残念ながら死亡した為標本にしたところ、その最大の特徴であるカモフラージュ効果は消失してしまったとの事である。 
 現在、真贋をはっきりさせる為にも、今後の生体の輸入が待たれている。

ポセイドン・オオカブト(Atlantis.Babylon産Wild 135o)
   Chalcosoma Poseidonis


 産出国のAtlantisは、現在において未確認の伝説上の大陸である。にもかかわらず明記されているのはどういうことなのだろうか?
 実は、大西洋の海底深くに沈んだとされるAtlantisには、超古代文明の遺産として様々な生物の遺伝子コードが保管されているようなのである。単純ではあるが膨大なアミノ酸配列の組み合わせを、その時代に存在したほとんどの種に対して解析を完了しており、DNAコードとして記録していたとされる。
 このカルコソマ属の一種であるポセイドン・オオカブトも、そのデーターを基に複製されたものである。名前の由来は俯瞰図より見た場合に、まるで三叉の槍を連想させることから、名づけられたとの記述がある。
 だが、しかし、このデーターを解析し発表した「岸和田博士」なる人物はその出所、入手経路等の詳細を一切明らかにせず、にやりと笑ってはぐらかすのみである…
 現在ブリード中であるが、果して累代が可能かどうか、折をみて報告をしたいと思う。

ハーマイアー・ホソアカクワガタ(feathernu自治区産Wild 101o)
   Cyclommatus Haremaiar ssp.


 主星オーディンとフリープラネッツの間にあるfeathern自治区において採取されるホソアカクワガタの仲間。
 形状は、TERRAに存在するエラフスホソアカに酷似するが、最大の特徴はその名に由来する通りファイアオパールを思わせる美しい上翅の輝きであろう。(因みに由来となったハーマイアーとは19世紀のイギリスの作家ウォルタースコットの「ガイアスタイン」という小説から、主人公のハーマイアーが身に付けていたオパールが印象的に描かれている作品である。)
 ただ、上翅に関しては、オーストラリアに生息するニジイロクワガタとやや似ている部分から、本種は頭部の窪みの部分にその色合いの特徴を見出せるのではないだろうか?
 何れにせよ、直射日光に弱く(日に当てると退色現象を引き起こす)完全な夜行性の為、採取は難しくジュネーブ国立博物館にそのタイプ標本があるのみだったが、近年「ゴールデン・バウム」という種類の樹に集まることが判明し、標本のみだが入荷するようになった。本種は最大で110o以上になる大型で、色彩変化はこのタイプのみ。飼育や幼虫の形態など詳しいことは不明で、その産地ゆえに今後も生体が入荷することは難しいと思われる。
 命名者は発見者でもある「ダスティ・アッテンボロー」中将その人であることは、周知の事実である。


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