プラチナ・ホーペ(崑崙産WILD 73o)
   Dorcus curvidense hopei (platinum version)

 このプラチナに輝く美麗Hopeiであるが、今までブリード方法が判明しておらず、WILDのみの個体が入荷するに留まっていた。生体もさることながら、標本でも高値をつけられる珍品で、長い間Hopeiの突然変異種と考えられており、累代では固定できないとされていた。その理由にnormalの♀とは交配が不可能で、その幼虫を得ることが難しかった為でもある。
 今回、長らくこの累代を研究されていた「ひらりゅう」氏により、幻とされていたplatinumの♀を入手したことから、累代飼育に成功し今回のお披露目となった次第である。
 本種はツヤクワガタの仲間とも違う、独特の色彩変異と光沢を持ち、全身がその色彩で覆われているという特異な特徴を備えている。これだけ派手であれば天敵にも狙われやすいと思われるのだが、逆に警戒色ともとれるのかも知れない。何れにせよ現地での生態その他は不明である(そもそも、崑崙山がどこに存在するのか、どの地図にも記されていないので)。

  ※尚、「ひらりゅう」氏なる人物に、間違ってもその入手・飼育等の詳細を問い合わせしないようにしてください。(笑)

ゴホンキバ・クワガタ(クレタ島産Wild 93o)
   Dorcus minotauros ssp.

 このクワガタが日本に持ち込まれ、最初に見た関係者は、「プレデター・ビートル」か!と唸ったそうである。
 この写真を見れば、その発言が的を射ていることに頷けるのではないだろうか? 大顎の基部に小顎ともいえる小さめの顎を備え、更には頭部より真っ直ぐ伸びるノコギリ状の角と、どのクワガタとも似ていない異様な相貌は、仮にDorcusと付けられてはいるが、今後の研究では全く新しい種として記載されるであろうことを示唆している。 
 命名のMInotaurosとはギリシャ神話に登場する半人半牛の怪物で、ミノス王の妃パシファエの子である。このことから、本種が発見されたクレタ島とその命名に関して絶妙な一致を見出せるのではないだろうか… 
 一見するとその食性は肉食を思わせるのだが、現地では他のクワガタと同様に樹液等を摂取しており、中心の小顎及び角が一体何の為に使用されているのか興味深い点である。
 ※この個体は、「ひらりゅう」氏秘蔵のWILDもので、「えぼ」氏が譲渡に関して暗躍しているという噂
が、まことしやかに囁かれている…

グランディス・シロカブト(アラスカ産F1 153o)
   Dynastes grandis ssp

 一見すると、グラントシロカブトなのだが、そのサイズに注目して欲しい! このカブトがグランディスの冠を抱くわけを誰しも納得出切るのではないだろうか? 
 下の写真は湿度の関係でやや色が変わっていく途中の状態。掌に乗せているのだが相当な重量感である。
 上記写真は完全に乾燥した状態のスケール写真で最大長は153o!! はっきりいって現時点で最大クラスとされていたゾウカブト類の重量級世界一をあっさりと更新してしまった(150gover)。
 さて、このグランディス・シロカブトの採種地であるが、アラスカと記載はされているのだが、その信憑性は疑わしきものがある。エリア88にての採種という噂や、コンゴのテレ湖周辺、またはオカナガン湖周囲の森林、若しくはソール11遊星よりの飛来生物だという説まで、その生息地についての諸説が流布されている。
 特にこの個体のみが特大なのか、もっと大きくなるのかは不明であるが、飼育者である「あんどりゅう」氏なる人物に問い合わせたところ、意外な答えが返ってきた。
 ―委細はこうである。「はじめは、ゾウカブトだとおもって育ててたんだけど、成長するにつけこいつだけが群を抜いて大きくなってきたんですよ。最終的には終令末期で350gを超えるお化けサイズになっていたんで…羽化したら…そりゃあ、もう、ビックリ!」とのコメントを頂いている。
 尚「あんどりゅう」氏によれば、子連れオオカブトなる人物がこっそりと、1匹だけ入れ替えたのではないかと疑っている様子で、他の親交のある方に注意を呼びかけている。もし、あなたがオオカブトの幼虫をブリードしていて、その内の1匹だけが巨大になってきたら疑ってみても良いかもしれない。そのときに「子連れオオカブト」氏に連絡をとり、電話の向こうで押し殺したような笑い声を確認することが出来れば、十中八九このカブトであることは間違いないと思われる。

※繰り返しになりますが、本文中に登場します「あんどりゅう」「子連れオオカブト」氏に連絡など取らぬ 様に(笑)