これまでの経過
さすがに購入して7万km近く走ると,フロントブレーキパッドがかなり摩耗してきた.
タイヤを外して点検窓から見てみると,2mmちょっとくらい残っているように見えた.
さて,自分で交換しようと思って部品共販でフロント用ブレーキパッド(DriveJoyブランド,¥7,000)とラバーグリースを買い,
またブレーキグリースにはKUREのディスクブレーキクワイアットを,ピストン戻し用にディスクブレーキセパレータも用意して
作業にかかった.ジャッキアップしてタイヤを外し,キャリパのスライドピンをはずそうとしたのだが・・・固い〜!
タイヤ交換に使っているスピンナーハンドルで挑戦したのだが,ビクともしない.で,ボルトの付け根に5-56を噴射,
プラハンマーで叩いてから再挑戦したが,やっぱりダメだった.う〜ん.
結局,ディーラーで定期点検時に交換してもらうことになった.ディーラーで外したブレーキパッドを見てみると,
あれ?意外とたくさん(3mmくらい)残ってるように見えるなぁ.まぁいいか.
後日,スタッドレスタイヤに交換するためタイヤを外したので,ボルトが緩むかどうかチャレンジしてみた.
前回の教訓から,工具屋さんで長尺のスピンナーハンドルとメガネレンチを買っておいたので,それを使ってみる.
すると・・・おっ,ちゃんと回るやん.タイヤ交換時は一輪だけのジャッキアップなので,ハンドルを切ることができないため,
一部,レンチがうまく差せず回せないところがあったが,ほとんどのボルトは回すことができた.
そういえば,前にトライしたときに作業しやすいようにハンドルを切っておくのを忘れてたなぁ.
それをしておけばちゃんと回せたのかも.とにかく,これで次回の交換は自分でできる自信ができた.
次はリアだと思うが,まだ5mm近く残っているようだ.今のペースだと,まだ5万kmは大丈夫そうである.
早くて2年後か.う〜ん.
・・・と思ったら,次の車検時にディーラーでキャリパーオーバーホールを依頼したら,
その時に勝手に交換されてしまった.うぐぐぐ
それから1年半ほど経って,左フロントキャリパーの固着が発生し,キャリパーのオーバーホールをしてもらったのだが,
1ヶ月ほどブレーキを引きずっていたため,そちら側だけブレーキパッドがかなり減ってしまっていた.
とりあえずそのまま使うことにしたのだが,それからしばらくしてオークションで1JZ-GT車用のブレーキパッドが出品されていたため,
購入して交換してみることにした.
準備品
まず,修理書のブレーキキャリパーの分解図を確認(フロント,
リヤ).
とりあえずブレーキパッドが必要であるが,ディスクブレーキはキャリパーとブレーキパッドの他に,
いわゆる「鳴き止めシム」や,リターンスプリングなどから構成されており,メーカー補給部品の
「ブレーキパッドキット」は,それらをすべて含んでいる.もちろんブレーキパッド単体での補給もあり,
ブレーキパッド以外は消耗品ではないため再利用してよいので,ブレーキパッドのみの交換とすることもできる.
ブレーキパッドには純正と社外品があり,通常,社外品はブレーキパッドのみで売られていて,
シムなどは純正品を使用するようになっているが,トヨタ車の場合に純正同等品として使われているTACTIブランドのパッドは,
シムが付属している.
あと,パッドの交換時にはパッド裏やシムに鳴き止めグリースを塗ることになっている(ブレーキの鳴きを気にしないのであれば,
絶対に塗らないといけないわけではなく,シムもなくてもよいのだが).ブレーキは作動時に高温となるため,
専用のブレーキグリースを用いる必要がある.またキャリパー分解時に,スライドピンの部分にラバーグリースを塗っておくとよい.
グリースには2種類あって,主にブレーキパッドの鳴き止めとして用いられるブレーキグリースと,
今回,用意したのは次のようなものである.
ラバーグリースはトヨタ純正品を使用(540円).ブレーキグリースには,KUREのディスクブレーキクワイエットを使ってみた.
写真の下に見えているものは,アルミホイールのセンターキャップを外すための道具である.
実際の作業
作業は,タイヤを外す必要があるので,スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに戻すときに一緒に行った.
まず,タイヤを外した状態が次の写真である(写真は右リヤ).
黄色の矢印で示しているのがスライドピンである.これを緩めると,キャリパーが外れる.
今回はブレーキホースは切り離さないので,キャリパーは作業の邪魔にならないようにサスペンションアームに針金でつるすか,
うまく載せておける場所があったら載せておくとよい.またキャリパーには,右側であることを示す「R」の文字が刻印してあるのが見える.
で,キャリパーを外すと,次のようになっている.
青っぽく見えているのがブレーキパッドである.半年前に交換したところなので,ほとんど厚さは変わっておらず,
内側と外側の減り方の差もほとんどなさそうである.さて,このブレーキパッドのところには,
おそらく純正のブレーキグリースと思われる黒いグリースが塗ってあったので,ブレークリーンを吹いてきれいに拭き取り,
そこの上にディスクブレーキクワイエットを塗ってみた.
使ってみて初めて知ったのだが,このディスクブレーキクワイエットって,結構,毒々しい朱色をしている.
このあたりは好みのわかれるところだろう.写真は外側だけだが,内側のピストンが当たるところにも同じように塗ってある.
なお,本当はシムを外してシムの裏面にも塗り込む必要があるのだけれど,今回は面倒くさかったので,シムの表面にだけ塗っている.
一方,取り外したスライドピンは,次のようになっていた.
ブレーキング時の高熱のためか,ちょっと焼けたようになっているのが気になる.
これも10年経ったら新品に交換した方がいいのかもしれない.とりあえず今回はそこまでは考えていなかったので,
ブレークリーンで洗浄して再利用する.上の写真で,赤で示した範囲にラバーグリースを塗布する.ネジ部には塗らないように.
で,あとキャリパーを戻して,スライドピンで固定するわけである.
続いてフロントであるが,フロントの場合は作業したい側にハンドルを切っておくことで,作業がやりやすくなる.
作業自体はリヤと同じなのだが,スライドピンが太いのと(リヤは二面幅12mmだが,フロントは17mm),
上側のスライドピンが,ブレーキホースのために抜くことができない(上の写真,赤矢頭)ことに注意.
キャリパーは外すことができるので,キャリパーを外して,その状態でスライドピンにラバーグリースを塗る.
ブレーキパッドに関しては同じなのだが,こちらはピストンに接している内側のほうが,明らかにパッドが消耗している.
可能なら内側と外側とを入れ替えればよいのかもしれないが,今回は面倒くさいので,そのまま使用する.
このブレーキパッドの片減りは,やはりスライドピンの滑りが渋かったのが原因と思われる.
こちらもリヤと同じようにディスクブレーキクワイエットを塗って,キャリパーを戻し,スライドピンを締めつけた.
・結果
作業後,試走してみたところ,ブレーキの鳴きはおさまっており,また走っていても,ブレーキの利きが少しよくなった
(作業前と同じ感覚でブレーキを踏むと,思ったより少し手前で止まるようになった)ように感じられた.これは,
スライドピンの滑りがよくなったことで,ピストンと反対側のブレーキパッドにもちゃんとブレーキ圧が伝わるようになり,
そちら側でもきちんと制動力を発揮するようになったためではないか,と考えられる.
もちろん,ブレーキパッドの片減り防止にも効果があると思われる.車をジャッキアップする手間はあるが,
タイヤ交換時に一緒にやればごくわずかな労力で済むので,冬場,スタッドレスタイヤに交換する人なら,
そのときに一緒にやっておいて損はないと思う.(作業日:2002年3月3日)
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