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スパークプラグ・プラグコード交換

 ・スパークプラグ交換

 →2回目のプラグ交換
1JZ-GEのスパークプラグは白金プラグで,10年間交換不要を謳っている.識者によると10年間はもたないのでは, とも言われているが,とにかく10年10万kmを越えてしまったので,プラグ交換を画策した. スパークプラグ自体はロードスターで売られていた(DENSO PK20R11,@¥1,500).プラグレンチ径は16mmであったので, エーモンのプラグレンチを購入(¥790).さて交換を試みたのだが・・・か,固い,,まわらん. 白金プラグともなると長期間,交換せずにおいておかれるためか,ちょっとやそっとではまわらないのだろうか. 家には16mmのディープソケットがなかったので,この日は交換を断念.後日,『ストレート』で16mmのプラグ用ソケットを購入した. これは差し込みが1/2sqだから,最悪の場合でも600mmのスピンナーハンドルを使えばさすがにゆるむだろう.

 ・プラグコード交換

プラグコードも10年経つと,エンジンルームの高温や振動によって劣化してくるものらしい. 劣化によって起きる現象としては,リークや抵抗値の増大といったことが考えられる. というわけで,スパークプラグの交換と併せてプラグコードの交換も試みた. なお,プラグコードの1番だけは9年目の車検で交換されていたので,はじめは他の5本の交換を考えた. とりあえずタイミングベルトカバーをあけて,いちばん手前にあるプラグコードの1番を抜いてみる. 抵抗は6.25kΩ(基準値<25kΩ)で当然ながらOK.そりゃ,まだ1年半しか使ってないから. でも,デスビ側の接点がかなり汚れているようだ.
写真でもわかるように,10年使った6番のプラグコードの接点が新品とさほど変わりないのに, 1番の接点は1年半しか使っていないにもかかわらず異様に腐食しているように見える.雨水が浸入したのだろうか? これはディストリビュータ側の問題と思われ, たしか対処法としてはデスビキャップの交換が必要だったと思う. またこのとき,デスビ〜イグニッションコイル間にもハイテンションコードがあることに気付く. このあと結局,上述のようにスパークプラグがゆるまなかったため今回は交換を見送り,その間に1番のプラグコードとデスビキャップ, イグニッションコイルへのコードを購入しておいた.

 ・再挑戦

部品がそろったところで,休日に再挑戦した.エアクリーナボックスを外して,まずディストリビュータまわりから作業を始める. イグナイタからディストリビュータにつながるコードを外すが,この端子はあまり劣化していないようだ.次に全部のプラグコードを, ディストリビュータから抜く.デスビキャップそのものは,周囲の3本のビスで止まっているだけなので,簡単にはずせる. 8mmのソケットを使ったが,ゆるんだあとはプラスドライバーを使うのが一番,簡単そうであった.キャップをはずすとローターが見える. そういえば,ローターも交換できるんだった.これはちょっと失策.まぁ,作業は簡単なことがわかったので, ローターは後日,交換することにして新しいデスビキャップを取り付けた.

次はプラグを覆っているカバーを外す.5mmの六角レンチを使用.手前側はタイミングベルトの上部カバーを兼ねているため, はずすとタイミングベルトの点検もできる.これはまだ交換して1年半ほどなので,もちろん何の問題もない. 奥の方のカバーも,外すのはまったく難しくない.

続いて難関のスロットルボディはずしである.スロットルボディは,サージタンク側の上部がボルト4本,下部がナット2個, エアダクト側の下部がナット2個で固定されている.難しいのはサージタンク下部につく2個のナットで, サージタンクから出るバキュームホースが邪魔になるため,あらかじめ抜いておかなければならない. 少し固着気味だったのでメガネレンチを使ったが,奥側は回せる余裕が40度程度しかなく,30度ごとに回してはかけかえ, という具合で,ゆるんだあとは指で回してはずした.次にスロットルセンサーやISCVにつながるコネクタを抜く. ISCVにつながるコネクタはかなり固く,抜くのに苦労した.このときサブスロットルのアクチュエータのコネクタも抜いたのだが, そのハーネスはスロットルボディ下部に2カ所で固定されており,これがあとで作業の邪魔になったので, これも先に外しておくべきだった(結局,あとではずすことになった). また,チャコールキャニスターやブローバイ還元用のダクトも抜いておいたほうがよかったのだが,この時点ではまだ抜いていない.

いよいよプラグ交換にとりかかる.1番,2番はスロットルボディに関係なく交換できる.1番はこの前にも一度,抜こうと試みているので, プラグキャップも簡単にはずせた.そしていよいよプラグレンチの出番である.10cmのエクステンションをつけて, 30cmのスピンナーハンドルで回す.うんぐ!っと,,,お,回った.1〜2周,回したら,ハンドルははずして手で回してプラグを抜く. さすがに10年ものだと結構,カーボン?のような堆積物が付着している.新品プラグと並べて記念撮影. 撮影が済んだら,新品プラグをプラグレンチにセットして,最初は手で回す.1JZ-GEはアルミブロックであるので, 最初からレンチでまわすと斜めにねじ込んだときに最悪,ヘッドカバー交換になってしまうので, 手で軽く数回転することを確かめて,手で回らなくなってからラチェットやスピンナーを使わないといけない. 手で回らなくなったらスピンナーハンドルで締めるのだが,新品のプラグはガスケットがまだ潰れていないので, いったん締まるところまで締めた後に一度ゆるめ,それから締め直すようにしないといけない.だいたい最初に締めたときよりも, 角度にして60度ほど余計に回るはずである.これを忘れるとあとでプラグがゆるんで圧縮漏れが起きる. と偉そうなことを書いたが,私も最初はこのことを忘れており,1番・2番は1回しか締めずにキャップをしてしまい, 3番を締めるときに思い出してやり直したのであった.それはともかくとして,プラグを締め付けたら, 次にプラグコードを交換する.全部いっぺんに外してしまうとプラグコードの取り回しがわからなくなるので (いちおう整備解説書に図がのっているのだが,何とも理解しにくい),1本ずつ取り替える. 外したコードと同じように取り付けてデスビ側を接続し,プラグキャップをはめて,これで1本できあがりとなる.

2番は1番と同じように簡単に交換できた.次は問題の3番である.スロットルボディをすこし右側へ引きながら後方へ押すと, いちおうプラグホールの上はあくようだが,押さえ続けていないと操作ができない.なによりその状態でプラグキャップを外すのが一苦労. なかなか外れないので,スロットルボディがもう少し動くような方策を考える. サージタンクに近いところに可変吸気システム用の細いバキュームホースがあって, 最初から気にはなっていたのだが,以前にこの付近のバキュームホースを交換するのにかなり手間取った記憶があったので, できたらはずしたくなかった.しかし状況としてそんなことは言っていられなくなった. 今回はホースクランプリムーバがあったので使ってみると,あらら,簡単にホースが抜けました.なんだ, これなら最初から抜いとけばよかった.しかし喜ぶのもつかの間,ホースを抜いてもスロットルボディはあまり動かない. どこがひっかかっているのかと思っていると,どうもサブスロットルアクチュエータのハーネスが邪魔になっているらしい. これもはずしてやると,スロットルボディはかなり動くようになった.とはいってもそんなに大きくは動かないのだが, これはウォーターバイパスホースをつけたままにしているためで仕方がない.ウォーターバイパスホースを抜くと, スロットルボディを完全に取り外すことができるのだが,そのためには冷却水を抜かないといけないので,今回はそれはできない. で,よけた位置で保持しておくために,スロットルボディとエンジンの間にゴム製の車輪止めをかませる. こうしてやっとプラグホールの上がフリーになったが,今度はプラグキャップがなかなか抜けない. 手でつかみながら横からマイナスドライバーをてこにして持ち上げようとしてもあまり動かない.と,「パキッ」という音が. あらら,プラグコードを支えているプラスチックの支えが折れてしまった.しょうがない.まぁ,これで心配なく思い切ってやれるというもの. そうしてなんとかプラグキャップを抜いて,3番のスパークプラグも交換することができた.

さて次の4番にいくが,ここからはプラグコードをスロットルボディの下にくぐらせないといけない.ので, まずプラグを外す前にプラグコードをデスビ側から交換していき,新しいプラグコードをスロットルボディの下にくぐらせた状態で, プラグ交換を始めることにした.こちらは3番ほどスロットルボディの干渉はないものの,1,2,3番のように前からはアプローチできず, 車の側方からスロットルボディとボンネットの間の狭い空間で作業しないといけないので,腰がつらい.ちょっと作業しては背筋を伸ばす, ということの繰り返し.それもあって,これまでよりさらにプラグキャップが外しにくい.で,手とマイナスドライバーで抜こうとしたが, うまくいかない.おっと,またプラグコードの支柱を折ってしまった.う〜ん,こういうときにはマイナスドライバーじゃなくて, 何かこう,先が湾曲して引っかけられるようなものがないだろうか,と工具箱を探したところ,KTCのブレーキ調整ツールなるものがあった. これは平たい金属片で片側が湾曲しているものである.この工具の本来の使用法はよく解らないのだが,プラグキャップ外しに使えそうなので, とにかく使ってみた.すると,おおっ,使えるやん.さっきまでの苦労がウソのように簡単に抜くことができた. 調子に乗って5番,6番のプラグキャップも外しておく.この調子で4番,5番は簡単に交換できた.6番であるが, ここはヒーターコアに向かう温水ダクトが邪魔なのと,ボンネットに近いのでスピンナーハンドルが使いにくい, という問題があった.そこで温水ダクトをよけながらここだけラチェットハンドルを使用した. こうして,すべてのプラグとプラグコードを交換することができた.外したプラグは,すべて新品と並べて写真を撮っている.

新しいプラグコードがすべて取り付けられたので,最後に新しいコイルコードを取り付ける. あとは後始末であるが,まずスロットルボディを固定し直さないといけない.固定用のボルト4本とナット4個を取り付け, 均等に締め付ける.スロットルセンサーやISCV,サブスロットルアクチュエータのコネクタを差し込み, バキューム関係のホースを取り付ける.最後にプラグコードの取り回しを整えてカバーを取り付け, エアクリーナボックスを取り付けて,作業終了.さて,いよいよエンジンをかけてみる. キュルキュルキュル・・・ブウウウォォォ〜〜ン.お,かかった,かかった.前と同じ感じだ. でも,あまり何も変わってないような・・・・.(作業日:2001年2月25日)

 ・計測

気筒長さ(cm)未使用使用済
(コイル)17.33.853.88
128.26.056.25
238.57.728.07
356.410.7910.90
451.39.6210.06
569.612.6612.96
682.014.7215.02

 表:プラグコードの抵抗値(kΩ)
  (基準値:25kΩ以下)

気筒プラグギャップ
(新品)1.00
11.05
21.00
31.00
41.00
51.00
61.05

 表:プラグギャップ(mm)
  (基準値:1.0〜1.1mm,
   使用限度:1.3mm)

 ・写真

plug 1,2plug 3,4plug 5,6
1番と4番は少しくすぶりぎみか?他はいい色をしているように思う. いかんせん,前オーナーと現オーナーの乗り方が違いすぎる(前オーナーは7年で28000km,私は1年28000km平均で走っている)ので, ちょっと意味づけが難しい.1年ほどしたら全部外して点検してみよう.そうすると何かわかるかもしれない. あと中心電極はそれほど減っていないようだが,角は丸くなっている.
外してみた結果,この車に使われていたのはBKR6EP-11の方だった.上が新旧を比較した写真である. 昔は碍子部分が濃青色の5本ラインだったのが,現在は青色の星マークになっている.なお,新しく装着したのはPK20R11であり, BKR6EP-11との違いは,写真で見るとサイズは同じなのだが,外周電極となるネジ部の材質が異なっているようで, PK20R11はほぼ白(銀色)であるのに対し,BKR6EP-11は緑色がかかって見える.それ以外はすべて同じのようである.

 ・ローター交換

ディストリビュータのロータを交換していなかったので,後日,購入して交換した. デスビキャップをはずすのは,エアクリボックスをはずさなくても簡単にできる(ちょっと下側のネジが回しにくくなるが). プラグコードをつけたままデスビキャップをめくるが,中心にあるコイルコードだけは抜いておいたほうが後の作業がしやすい. デスビキャップをはずすと,中にロータが見える.これはビス2本で止まっているだけなので,プラスドライバーではずす. 外したロータを新しいロータと比較すると,外縁の電極が虫食い状に減摩していることがわかる. 新しいロータを向きを間違えないように(といっても間違った向きにはつかないが)取り付け,デスビキャップを戻して固定する. あと外しておいたコイルコードを差し込んで作業終了.エンジンをかけてみると,ちゃんと始動した. 当然ながら,ロータごときを新品にしたからといって特にエンジンの調子は変わりない.(作業日:2001年2月27日)
distributer roater old/new
ローター先端部の拡大写真.もちろん左が新品.汚れもさることながら, 右の10万km走行後のものは,先端部が虫食い状に摩耗?しているのがわかる.

 ・2回目のプラグ交換

その後,シリンダーヘッド載せ替えをする時に, その時点でプラグは1年3万km程度の使用であり,まだまだ使える状態だったのだが, イリジウムプラグに交換したらもっとアイドリングが滑らかになりますよ,という話が出て, ついでに交換することになった.このプラグは中心電極にイリジウム合金を使用することで, 純正プラグより中心電極を細くし,より火花が飛びやすくしてあるものである(メーカーHPは こちら). ただし普通のイリジウムプラグだと寿命が普通のプラグと同じで2万km程度なので, プラグ交換がやりにくい1JZ-GEに用いるにはちょっと問題がある.そこで,少し値段が高くなるが (といっても普通のイリジウムが1本1500円なのに対し,こちらは1800円という程度), 接地電極側にも白金チップをつけることで10万kmの寿命を持つイリジウムタフを使用することにした. 純正型番がPK20R11に対し,こちらの型番はVK20である.DENSO製なので,トヨタのディーラーや部品共販で買えるという特徴もある.
実際の作業であるが,今回はシリンダーヘッド載せ替え中のためにスロットルボディを外してあったため, 作業自体は非常に簡単であった.プラグ交換を行い,あともろもろの作業が終わってからエンジンをかけると, おおおっ,快調.シリンダーヘッド載せ替え後,従来プラグでのチェックをしていないので, プラグの違いによるエンジンの調子の差というものはわからないが,とりあえずエンジンの調子が良くなったのでよしとしよう. (作業日:2002年3月24日)

 ・プラグコードクランプ交換

最初のプラグコード交換中に,プラグコードを支えているプラスチック製の支持具を折ってしまった. 折れていても特に問題はないらしいが,気持ち悪いので新品に交換することにした. 値段は1個110円で,別に高いものではない.折れた方は黒いプラスチックだったが, 新品は白いプラスチックになっている.この作業もシリンダーヘッド載せ替え時に行っている. 作業の注意点は,プラグコードを取り付ける位置を間違えないことくらいで,修理書によると下の図のようになっている.
この図の中にある7個のクランプのうち,奥側の3個を交換した.折れたのは2個だったのだが, もう1個も危ないんじゃないかと思って買っておいたら,案の定,作業中に折れてしまった. というわけで,何の躊躇もなく3個とも交換.これであと10年は大丈夫かな? (作業日:2002年3月24日)

最終更新日:2002年5月4日

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