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タイヤ・ホイール交換


タイヤ交換

最初,購入時についていたタイヤは,BridgestoneのREGNO GR-03であった.走行28000kmで溝が3〜5分残っていたので, おそらく新車時からのままなのであろう.さすがに1年2万kmほども走ると溝がほとんどなくなってきて, コーナーリング時にちょっとアクセルを踏み込むとすぐタイヤが鳴くようになってきたため,最初の12ヶ月点検時に交換することにした. 新しいタイヤは同じくBridgestoneのREGNO GR-5000にした.
一方,滋賀県は近畿でもわりあい北の方に位置するため雪がちょくちょく降り,また仕事上,雪でも走らなければならないことが多いため, 冬季はスタッドレスタイヤを使用している.タイヤは,当時,発売されたばかりのBridgestone BLIZZAK MZ-02の195/65R15を, ホイールとセットで購入.凍結路は,それほど多く走ったわけではないが,凍結路でも平坦なら40〜50km/h出してもほとんど不安はない. ただFR車なので少し登り坂になったり,エンジンブレーキを使うとかなり安定性が落ちる.ブレーキングに関しては, フロントヘビーが幸いしてか,フットブレーキ使用時にはかなり安定している.乾燥路での性質としては, 音は意外と静かで,ゴムが軟らかいためか乗り心地は極ソフト.REGNOよりもよく,路面のカマボコがわからないくらいである. ただその分,剛性はかなり低く,ステアリングの切り始めで車がよれる感覚(オーバーステア傾向)が生じる. しかし限界付近でのグリップはそこそこある.おそらく凍結路での安定性を増すため,スリップアングルの増加に対して, 生じるサイドフォースの増加が直線的ではなく,初めのうちはあまり増加させずに,だんだん増加の度合いが大きくなるようにしているのだろう. このため小舵角ではグリップ不足ぎみで,大舵角になるとそれなりにグリップする,という特性になっているようだ.

さてGR-5000も,2年で45,000kmほど走って,ほとんどスリップサインが出る直前の状態になってしまった. というわけで,後継のGR-7000に交換することにした.GR-5000とGR-7000は,タイヤのトレッドパターンはまったく同じだという. GR-5000がそれだけ優秀だったということなのだろうか.一方,GR-7000の方はAQドーナツ化されており,これがどう影響しているのか. で,交換してもらって走り出すと・・・・こ,こ,これは,激やわらか.店の駐車場の中を走っただけで違いが歴然としている. 乗り心地に関してはスタッドレスのBLIZZAK MZ-02と比べても互角以上であり,それでいてカーブでの腰砕け感はまったくなく, 音もきわめて静か.たしかにスリップサインが出かけのGR-5000と比較するのは酷かもしれないが, 空気圧2.0のGR-5000よりも,空気圧2.2のGR-7000の方が圧倒的に静粛性・乗り心地が上だった. GR-5000のときは,乗り心地はBLIZZAK MZ-02の方が明らかによかったので, それを考えてもGR-7000はGR-5000から大きく進化したと言えるだろう.

それから1年近く経ち,正月が過ぎて時々,雪が降るようになってきたため,スタッドレスタイヤに交換した. まず外したGR-7000であるが,約28000km走行したため,タイヤ溝が5mmくらいまで減っていた. この分だと,秋までしかもたないかな? 冬季の間は押入に保管.本来は保管中は空気圧を半分くらいに抜いておくのがよいのだが, 3月半ばにはまた使うことになるし,おそらくあと1年以内に交換することになりそうなので,空気は入れたままにしておいた.

一方のスタッドレスタイヤのMZ-02であるが,4年前のものなので,プラットフォームまであと1mmあるかないかくらいになっている. でも毎冬の装着期間が2〜3ヶ月しかなく,装着中は運転も控えめにして,夏は空気を抜いて押入の中に置き, 紫外線や熱にさらされることもなかったためか,今でもゴムの表面の見た目や触った時の感触は新品時とあまり変わりがない. 装着してすぐ,凍結した山道を走る機会があったのだが,Lレンジでないと登れないくらいの坂でも 時速15kmくらいならかなり登っていけるくらいの能力はあった.ただ,いかんせんプラットフォームが出かかっているので, 能力的には大丈夫でも高速道路の規制区間などを走れない可能性があるので,新品に交換することにした. というわけで,後継製品であるMZ-03に交換することになった.

新しいMZ-03だが,買った店で「窒素ガス充填・・・タイヤ購入とセットなら半額」と書いてあったので, 今回は窒素ガス充填を行ってもらうことにした.窒素ガスの効果としては,
  • タイヤが劣化しにくい
  • 乗り心地がよくなる
  • 空気が抜けにくい
  • 空気圧が変動しにくい
などが言われている.「タイヤが劣化しにくい」のは,酸素を含まないため,タイヤのゴムが酸化して硬くなるのが防げる, ということである.タイヤ内部は圧力が高いので,通常の空気中よりも酸化反応は速くなっている. 一般に気体の関係する化学反応では,反応速度は圧力に比例するので,タイヤの空気圧が2気圧の場合は, 絶対圧力としては3気圧(大気圧が1気圧で,そこからの差が2気圧ということ)であるから, タイヤの内側では空気中より3倍の速さで酸化が進むことになる.さらに,走行中は変形により熱を持つから, さらに酸化は加速される.また,もう一つの因子は,空気に含まれている水蒸気である.水蒸気には「飽和水蒸気圧」 というものがあって,飽和水蒸気圧を超える圧力の水蒸気は水に戻ってしまうという性質がある. 例えば湿度60%の空気をタイヤに充填する時に,タイヤの空気圧を2気圧にした場合(絶対圧力は3気圧), 水蒸気圧も3倍になるので湿度に換算すると180%になるわけだが,100%を超える分の水蒸気は水蒸気ではいられなくなって水に戻る. コンプレッサーや圧縮空気のタンクに,内部に溜まった水を排出する機構がついているのは,この理由による. 従って,単にポンプで空気を圧縮してタイヤに充填した場合,日本の高湿度の環境ではタイヤ内部に水が溜まる可能性が高いのである. 水は物質の酸化変性を助長するから,これもタイヤが劣化する要因となるのである. 純粋な窒素を充填した場合,タイヤ内部に酸素や水がないので,ゴムは酸化ストレスをほとんど受けずに長期間, 本来の柔らかさを維持すると考えられる.もちろんタイヤの外側は空気に触れているので, トレッド面の酸化変性は防ぐことはできないが,内部が酸化せずに残っていればタイヤ全体の柔軟性はかなりよく保たれるのではないだろうか.
「空気圧が変動しにくい」のは,上で書いたように水がたまらないことによる.水がタイヤ内部にあった場合, 走行によりタイヤの温度が上がると,飽和水蒸気圧が上昇して水が水蒸気になってタイヤ内部の圧力が増える. 窒素のみであってもシャルルの法則に従った圧力上昇はあるが, 水が存在した場合はシャルルの法則による増加分に加えて飽和水蒸気圧の上昇分の圧力増加があるため, 温度変化に対する空気圧の変化が大きくなってしまうのである.
「乗り心地がよくなる」のは,一つは窒素分子と酸素分子の構造の差により, 窒素分子の方がサイズが小さく,分子の形状が球形に近いので,より理想気体に近い振る舞いをするため, バネ効果が高いのではないか,と考えている.ただ,普通の空気も80%は窒素であり, 80%窒素と100%窒素でそれほどバネとしての性質が違うとは考えにくい.これはどちらかというと, ゴムの酸化が抑えられることによってタイヤの柔軟性が保たれていることによる影響の方が大きいのではないだろうか.
「空気が抜けにくい」というのは,これはタイヤメーカーの人が話していた内容によると, 窒素は酸素よりもゴム分子との相互作用が小さいので,ゴムを透過しにくいのだ,ということのようだった. 窒素分子の方が酸素分子よりサイズが小さくて他の分子との相互作用も小さいので抜けやすいのかと思ったが, そうではないようだ.タイヤメーカーでは実際に窒素と空気を入れたタイヤで抜けやすさを調べたらしいので, おそらく本当なのであろう.
あと,航空機のタイヤには昔から窒素が使われていたらしいが,それは着陸時にタイヤがバーストした際などに炎上しないように, ということらしい.これはあまり車では関係なさそうだ.

長くなってしまったが,窒素充填には上のような効果があるので,今回,初めて試してみた. といっても,使っているタイヤに途中から窒素を入れたのと違って,まったく新しい種類のタイヤに入れてみたわけなので, 比較にはならないが,タイヤが劣化しにくいというのは確かだと思うので,やっておいて損はないだろう. 特にうちの場合はスタッドレスタイヤは4〜5年くらい使用する可能性があるので,劣化しにくいというのは重要である. とはいえ,前のMZ-02でも,押入保管で紫外線や熱にさらされていないと,4年くらいではほとんど劣化していないように見えるので, 気分の問題なのかもしれないが・・・・.

で,肝心のMZ-03の感想であるが,乗り心地に関してはMZ-02と大差ないようである.氷雪路については, 比較できるほど氷雪路を走った経験がないので,はっきりいってどう違うのかはわからない.まぁ, メーカーが「大きく向上した」と言っているので,たぶんそうなのであろう.乾燥路での走りは, MZ-02に比べるとタイヤ剛性が上がっているのか,かなり安定性が増しているような印象を受ける. ただ,夏タイヤから履き替えると,やはりどうしても頼りなさを感じてしまう. 具体的にはハンドルの軽さとコーナーリング時のオーバーステア傾向があり,あと制動距離もちょっと伸びているようで, 夏タイヤと同じ感覚でブレーキを踏むと止まらない感じを受ける.もちろん氷雪路での安心を買っているわけなので, この程度のことは我慢しなくてはならないだろう.

春になって夏タイヤに戻したが,しばらく走るとスリップサインが出てしまったので,交換することになった. 今回も同じREGNO GR-7000である.一般的に,REGNOは乗り心地やグリップはよいが,その分,減るのも早いと言われているようだが, たしかにそういう感じはある.今回も実質1年と少し,走行距離にして約4万kmといったところである(単に走り過ぎか?). 今回はスタッドレスタイヤと同じく窒素ガス充填にしてみた.で,新しいタイヤに替えてみると・・・ う,むちゃ柔らかい.やっぱりツルツルと新品では,同じ銘柄でもここまで差があるものなのね. 窒素ガス充填の効果も少しはあるのかもしれないが,あまり関係ないような気も・・・.


ホイール交換

ホイールは,グランデG標準のトヨタ純正アルミがついていた.この頃の純正アルミホイールは結構,重くて, スタッドレスタイヤ用に購入したEuroBeinの9交点メッシュホイール(15×6.5JJ+35)がかなり軽かったこともあり, ノーマルタイヤの交換時についでに交換してしまうことにした.サイズについては,純正サイズは15×6JJ+50であり, タイヤのカタログを見ても195/65R15だとリム幅は6inchが最適となっていたのだが, 汎用ホイールは15インチだと15×6.5JJ+35〜38しか適合サイズがないので,ディーラーなら6inch幅もあるかもしれないと思い, 最初の12ヶ月点検時にディーラーで見積もりをとってもらった.私の好みは9または10交点メッシュだったので, ディーラーでカタログを見たところ,ディーラーで扱っているブリジストン製ホイールでは,RAG·TIME M9が該当したのだが, サイズはやっぱり15×6.5JJ+38しかなかったので,これで妥協することにした.重さであるが, 純正アルミよりは少し軽いような気もするが,EuroBeinのメッシュよりは少し重いようだ.家には体重計がないので, 正確にどれだけ重いのかはちょっとわからないのだが・・・.デザイン的には,EuroBeinが曲線的でくにゃくにゃした, 樹木をイメージするデザインなのに対し,RAG·TIMEは同じ9交点メッシュながらスポークが直線的で,精悍な印象がある.
EuroBein mesh
+ BLIZZAK MZ-02
RAG·TIME M9
+ REGNO GR-7000

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